国際こくさい子こども図書館としょかん

国際こくさい子こども図書館としょかん International Library of Children's Literature
国際こくさい子こども図書館としょかん 正面しょうめん玄関げんかん
施設しせつ情報じょうほう
正式せいしき名称めいしょう	国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん 国際こくさい子こども図書館としょかん
前身ぜんしん	帝国ていこく図書館としょかん 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん支部しぶ上野うえの図書館としょかん
専門せんもん分野ぶんや	児童じどう書しょ
事業じぎょう主体しゅたい	国会こっかい
管理かんり運営うんえい	国会こっかい
開館かいかん	2000年ねん（平成へいせい12年ねん）1月がつ
所在地しょざいち	〒110-0007 東京とうきょう都と台東たいとう区く上野公園うえのこうえん12-49
位置いち	北緯ほくい35度ど43分ふん10.5秒びょう 東経とうけい139度ど46分ふん25.4秒びょう
ISIL	JP-1000003
統計とうけい・組織そしき情報じょうほう
蔵書ぞうしょ数すう	346,562冊さつ（2013年ねん時点じてん）
貸出かしだし数すう	20,367点てん（2013年ねん）
来館らいかん者しゃ数すう	111,919人にん（2013年ねん）
職員しょくいん数すう	37人にん
公式こうしきサイト	https://www.kodomo.go.jp/
地図ちず
プロジェクト:GLAM - プロジェクト:図書館としょかん

国際こくさい子こども図書館としょかん（こくさいこどもとしょかん、英えい: International Library of Children's Literature）は、児童じどう書しょを専せん門もんに扱あつかう図書館としょかんサービスを行おこなう国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんの支部しぶ図書館としょかん。2000年ねんに日本にっぽん初はつの児童じどう書しょ専せん門もんの国立こくりつ図書館としょかんとして設立せつりつされた。

日本にっぽん内外ないがいの児童じどう書しょおよび児童じどう書しょに関かかわる文献ぶんけんの収集しゅうしゅう・保存ほぞん・提供ていきょうをはじめとして、児童じどう書しょ関連かんれんの図書館としょかんサービスの日本にっぽんにおける中枢ちゅうすうおよび国際こくさい的てきな拠点きょてんである。施設しせつは東京とうきょう都と台東たいとう区く上野公園うえのこうえんにあり、1906年ねん築ちくの旧きゅう帝国ていこく図書館としょかんの建物たてものを利用りようしている。

沿革えんかく

国際こくさい子こども図書館としょかんは、1897年ねん創立そうりつの帝国ていこく図書館としょかんを淵源えんげんとし、施設しせつとしては1906年ねんに上野公園うえのこうえん内うちに建設けんせつされた帝国ていこく図書館としょかんを受うけ継ついでいる。

帝国ていこく図書館としょかんは1949年ねんに国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんと組織そしき上じょう統合とうごうされて国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん支部しぶ上野うえの図書館としょかんとなり、そのまま上野公園うえのこうえんで図書館としょかんサービスを続つづけてきたが、旧きゅう帝国ていこく図書館としょかん蔵書ぞうしょの大半たいはんは1961年ねんに新築しんちくとなった永田町ながたちょうの国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん東京とうきょう本館ほんかんに移うつされ、上野うえの図書館としょかんは上野公園うえのこうえんで参考さんこう図書としょや特別とくべつコレクションの一部いちぶを提供ていきょうする国会図書館こっかいとしょかんの分館ぶんかんとして運営うんえいされてきた。

その後ご、1980年代ねんだいに急速きゅうそくな蔵書ぞうしょの増大ぞうだいに対たいする東京とうきょう本館ほんかんの施設しせつの限界げんかいを受うけて国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん関西かんさい館かんの設立せつりつが構想こうそうされ、1990年代ねんだいにその建設けんせつが決定けっていされるとともにその役割やくわりについての方針ほうしんが定さだめられると、支部しぶ上野うえの図書館としょかんの役割やくわりの見直みなおしが検討けんとうされた。一方いっぽうこの時期じきには、子供こどもの読書どくしょ離はなれが深刻しんこくな問題もんだいとして取とり上あげられるようになり、国立こくりつの児童じどう書しょ専門せんもん図書館としょかん設立せつりつを求もとめる政界せいかい・民間みんかんの声こえが高たかまっていた。ここにおいて、上野うえの図書館としょかんの施設しせつはそれまで国立こくりつ国会こっかい図書館としょかんではそれほど重視じゅうしされてこなかった児童じどう書しょのナショナルセンターとして再さい活用かつようされることになり、1996年ねんには「国際こくさい子こども図書館としょかん基本きほん計画けいかく」が策定さくていされ、1999年ねんに国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん法ほうが改正かいせいされて法的ほうてきに国際こくさい子こども図書館としょかんの設置せっちが定さだめられた。

施設しせつは上野うえの図書館としょかんに改修かいしゅうが施ほどこされ、2000年ねんに一部いちぶを改修かいしゅう中ちゅうのまま部分ぶぶん開館かいかんを行おこなった。そして2002年ねんになって全面ぜんめん開館かいかんし、児童じどう書しょの保存ほぞん・閲覧えつらんのほか、児童じどう書しょ関係かんけいの研究けんきゅう文献ぶんけんの提供ていきょうや展示てんじ会かいなどのサービスを行おこなっている。2015年ねんには中庭なかにわ側がわに「アーチ棟とう」が新設しんせつされ、従前じゅうぜんからの建物たてものは「レンガ棟とう」と呼よばれるようになった。

2020年ねん3月がつ5日にちより、新型しんがたコロナウイルス感染かんせん症しょう（COVID-19）流行りゅうこうを受うけ臨時りんじ休館きゅうかん。当初とうしょの期間きかんは同年どうねん3月がつ16日にちまでの予定よていだったが、6月がつ10日とおかまで延長えんちょうされたのち、6月11日にちより児童じどう書しょ研究けんきゅう資料しりょう室しつのみ再開さいかい、7月がつ1日にちより全面ぜんめん再開さいかいとなった。

施設しせつ

国際こくさい子こども図書館としょかんレンガ棟とうの前身ぜんしんである旧きゅう帝国ていこく図書館としょかんは、ルネサンス様式ようしきを取とり入いれた明治めいじ期き洋風ようふう建築けんちくの代表だいひょう作さくのひとつで、久留くる正道せいどうにより設計せっけいされた。旧きゅう帝国ていこく図書館としょかんは1906年ねん竣工しゅんこうの第だい一いち期き工事こうじと1929年ねん竣工しゅんこうの第だい二に期きの二に次じにわたって建設けんせつされ、構造こうぞうは第だい一いち期きが鉄骨てっこつ補強ほきょう煉瓦れんが造つくり、第だい二に期き増築ぞうちく部分ぶぶんが鉄筋てっきんコンクリートである。1999年ねん（平成へいせい11年ねん）度どに東京とうきょう都と選定せんてい歴史れきし的てき建造けんぞう物ぶつに選定せんていされている。

この建物たてものは国際こくさい子こども図書館としょかんに転用てんようされるにあたり安藤あんどう忠雄ただお建築けんちく研究所けんきゅうじょと日建にっけん設計せっけいにより設計せっけい、鴻池組こうのいけぐみにより改修かいしゅうが行おこなわれ、2002年ねんに完成かんせい、全面ぜんめん開館かいかんした。改修かいしゅうにおいては歴史れきし的てき建造けんぞう物ぶつの保存ほぞんと再生さいせい、現代げんだいの施設しせつとしての活用かつようが掲かかげられ、外装がいそう、内装ないそうは旧態きゅうたいを残のこすよう極力きょくりょく保全ほぜんするとともに、徹底的てっていてきに補修ほしゅう、復元ふくげんを施ほどこした。復元ふくげんは古こ写真しゃしんを利用りようしたシャンデリアの模造もぞう復元ふくげんにまで及およんでいる。歴史れきし的てき建造けんぞう物ぶつの保全ほぜんという方針ほうしんも徹底てっていしており、室内しつないでも床ゆかを本来ほんらいの床板とこいたより数すう十じゅうセンチメートル上じょうにパネルで底上そこあげし、パネルと本来ほんらいの床ゆかの間あいだの空間くうかんに空調くうちょうダクトや照明しょうめいケーブルなどを通とおしている。

また、旧態きゅうたいの復元ふくげん・保存ほぞんと現代げんだいの施設しせつとしての機能きのうを両立りょうりつさせるため公道こうどうのある側がわとは反対はんたいの西側にしがわ壁面へきめんをガラスのカーテンウォールで覆おおい、旧きゅう西側にしがわ外壁がいへきの外側そとがわに張はり出だすように箱はこ型がたの建造けんぞう物ぶつを増築ぞうちくした。箱はこ型がた増築ぞうちく部分ぶぶんは旧きゅう建造けんぞう物ぶつでは階段かいだんや回廊かいろうが狭せまかった問題もんだいを、外側そとがわに大型おおがたのラウンジを付つけ足たすことによって解消かいしょうし、またエレベーターや空調くうちょうなどの近代きんだい設備せつびを歴史れきし的てき建造けんぞう物ぶつを傷きずつけることなく設置せっちした。加くわえて東西とうざいを貫つらぬく形かたちで一いち階かい建だてのガラスボックス建造けんぞう物ぶつを張はり出ださせ、公道こうどう側がわの東ひがしにエントランス、中庭なかにわ側がわの西にしにカフェテリアを新設しんせつした。

この改修かいしゅうは高たかい評価ひょうかを受うけ、第だい45回かいBCS賞しょう（建築けんちく業ぎょう協会きょうかい賞しょう、2004年ねん）、第だい15回かいBELCA賞しょう（建築けんちく・設備せつび維持いじ保全ほぜん推進すいしん協会きょうかい賞しょう、2006年ねん）を受賞じゅしょうした。週しゅう二に回かい行おこなわれる国際こくさい子こども図書館としょかんの見学けんがくツアーのうちの木曜日もくようびの14時じから行おこなわれる回かいは、建物たてものの特徴とくちょう、由来ゆらいに絞しぼって説明せつめいが行おこなわれている。

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  小泉こいずみ八雲やくものレリーフと天使てんし群ぐん像ぞう彫刻ちょうこくで飾かざられた噴水ふんすい
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サービス

国際こくさい子こども図書館としょかんは、国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんの他ほかの2館かん（東京とうきょう本館ほんかん、関西かんさい館かん）とは異ことなり、年齢ねんれい制限せいげんなく誰だれでも入館にゅうかんすることができる。エントランスのあるレンガ棟とう1階かいには、旧きゅう貴賓きひん室しつを改修かいしゅうした児童じどう向むけに、「子こどものへや」、「おはなしのへや」、「世界せかいを知しるへや」があり、来館らいかんした子こどもたちが自由じゆうに児童じどう書しょを読よむことができる。最もっとも内装ないそうの豪奢ごうしゃな旧きゅう貴賓きひん室しつを子こどものためにあてているのは、この図書館としょかんが子こどものための図書館としょかんをうたっているためである。

レンガ棟とう3階かいの旧きゅう大だい閲覧えつらん室しつは「本ほんのミュージアム」に改修かいしゅうされており、定期ていき的てきに世界せかいの児童じどう書しょに関かんする展示てんじ会かいを行おこなっている。また3階かいには大だいホールがあり、シンポジウムや講演こうえん会かい、演奏えんそう会かいなどのイベントに利用りようされている。

中庭なかにわ側がわに設もうけられたアーチ棟とう2階かいには「児童じどう書しょ研究けんきゅう資料しりょう室しつ」が用意よういされ、日本にっぽんと諸しょ外国がいこくで出版しゅっぱんされた児童じどう書しょ、絵本えほんや児童じどう書しょ・児童じどう文学ぶんがく関連かんれん資料しりょう、雑誌ざっしなどを開架かいかする。また、PC端末たんまつも設もうけられ、国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクションの閲覧えつらん等とうも可能かのうである。ただし、この部屋へやのみ研究けんきゅうのための利用りようを目的もくてきとしているため、入室にゅうしつと利用りようは基本きほん的てきに18歳さい以上いじょうに限定げんていされている。

非ひ来館らいかん型がたのサービスとしては児童じどう書しょの図書館としょかん間あいだ貸出かしだしのほか、小学校しょうがっこう、中学校ちゅうがっこうの学校がっこう図書館としょかん向むけに、主題しゅだい別べつの資料しりょうセットを貸出かしだしている。また、児童じどう書しょを多おおく所蔵しょぞうするその他たの図書館としょかんと連携れんけいし、児童じどう書しょの総合そうごう目録もくろくデータベースも作成さくせいしている。

児童じどう書しょに関かんする電子でんし図書館としょかんサービスも行おこなっており、国際こくさい子こども図書館としょかんのホームページ（外部がいぶリンク参照さんしょう）では、大正たいしょう時代じだいに発行はっこうされた児童じどう雑誌ざっし『コドモノクニ』の挿絵さしえなどを公開こうかいしている。

外部がいぶリンク

• 国際こくさい子こども図書館としょかん
• 国際こくさい子こども図書館としょかんを考かんがえる全国ぜんこく連絡れんらく会かい