大名だいみょう路ろ

モンゴル時代じだいの華北かほく投下とうか領りょう。大名だいみょう路ろは中央ちゅうおう下部かぶに位置いちする。

大名だいみょう路ろ（だいめいろ）は、中国ちゅうごくにかつて存在そんざいした路みち。モンゴル帝国ていこくおよび大だい元もとウルスの時代じだいに現在げんざいの河北かほく省しょう邯鄲かんたん市し大名おおな県けん一帯いったいに設置せっちされた。

第だい2代だい皇帝こうていオゴデイの庶長子ちょうしのグユクを始祖しそとするグユク王家おうけの投下とうか領りょうであった。

歴史れきし

唐とう代だいの魏ぎ州しゅうを前身ぜんしんとする。金代かなだいには安武やすたけ軍ぐんと改あらためられたが、モンゴルの治世ちせいに入はいって旧名きゅうめいに基もとづいて大名だいみょう路ろ総そう管かん府ふとされた。

1236年ねん、オゴデイは河北かほくの諸しょ路みちを諸王しょおう・勲くん臣しんに分配ぶんぱいした（丙へい申さる年ねん分ぶん撥ばち）が、この時とき大名だいみょう路ろはオゴデイの庶長子ちょうしのグユクの投下とうか領りょうとされた。グユクはオゴデイがチンギス・カンから与あたえられた4千せんの遊牧民ゆうぼくみんを継承けいしょうしており、その17倍ばいに当あたる人口じんこうの大名だいみょう路ろを与あたえられた。

管轄かんかつ県けん

大名だいみょう路ろには11県けん（5県けんが路みちの直轄ちょっかつ）、3州しゅうが設置せっちされていた。

5県けん

• 元城もとしろ県けん
• 大名おおな県けん
• 魏ぎ県けん
• 南みなみ楽らく県けん
• 清河きよかわ県けん

3州しゅう

• 開ひらき州しゅう…濮陽県けん・清せい豊ゆたか県けん・長ちょう垣かき県けん・東明とうめい県けんを管轄かんかつする
• 滑なめら州しゅう…白馬はくば県けん・内うち黄き県けんを管轄かんかつする
• 濬州

また、この内うち清きよし豊ゆたか県けんはオゴデイ・ウルスの王おう傅でんを務つとめたデゲイ・ノヤンの一族いちぞくの投下とうか領りょうであったことが『元もと史し』巻まき95食しょく貨志3に記載きさいされている。これは、大名だいみょう路ろが元々もともとはオゴデイの取とり分ぶんであったものがグユクに継承けいしょうされたという経緯けいいによるものだと考かんがえられている。

参考さんこう文献ぶんけん

• 松田まつだ孝一こういち「オゴデイ・カンの『丙へい申さる年ねん分ぶん撥ばち』再考さいこう(2)」『立たて命いのち館かん文学ぶんがく』第だい619号ごう、2010年ねん