滑なめら州しゅう

滑なめら州しゅう（かつしゅう）は、中国ちゅうごくにかつて存在そんざいした州しゅう。隋ずい代だいから明あきら初はつにかけて、現在げんざいの河南かなん省しょう安陽あんよう市し南東なんとう部ぶに設置せっちされた。

隋ずい代だい

589年ねん（開ひらき皇すめらぎ9年ねん）、隋ずいにより汴州および曹州の一部いちぶを分割ぶんかつして立たてられた杞州を前身ぜんしんとする。596年ねん（開ひらき皇すめらぎ16年ねん）、杞州は滑なめら州しゅうと改称かいしょうされた。606年ねん（大業おおわざ2年ねん）、滑なめら州しゅうは兗州と改称かいしょうされた。607年ねん（大業おおわざ3年ねん）に州しゅうが廃止はいしされて郡ぐんが置おかれると、兗州は東ひがし郡ぐんと改称かいしょうされ、下部かぶに9県けんを管轄かんかつした。隋ずい代だいの行政ぎょうせい区分くぶんに関かんしては下表かひょうを参照さんしょう。

隋ずい代だいの行政ぎょうせい区画くかく変遷へんせん
区分くぶん	開ひらき皇すめらぎ元年がんねん			区分くぶん	大業おおわざ3年ねん
州しゅう	汴州		曹州	郡ぐん	東ひがし郡ぐん
郡ぐん	東ひがし郡ぐん	濮陽郡ぐん	済すみ陰かげ郡ぐん	県けん	白馬はくば県けん 胙城県けん 匡ただし城ぐすく県けん 濮陽県けん 離はなれ狐きつね県けん 霊れい昌あきら県けん 韋城県けん 衛まもる南みなみ県けん 封ふう丘おか県けん
県けん	白馬はくば県けん 東ひがし燕つばめ県けん 長ちょう垣かき県けん	濮陽県けん 西にし濮陽県けん	離はなれ狐きつね県けん

唐とう代だい

618年ねん（武徳ぶとく元年がんねん）、唐とうにより東ひがし郡ぐんは滑なめら州しゅうと改あらためられた。619年ねん（武徳ぶとく2年ねん）、滑なめら州しゅうは陥落かんらくした。621年ねん（武徳ぶとく4年ねん）、唐とうが王おう世よ充たかしを平定へいていすると、滑なめら州しゅうが再ふたたび置おかれた。742年ねん（天宝てんぽう元年がんねん）、滑なめら州しゅうは霊れい昌あきら郡ぐんと改称かいしょうされた。758年ねん（乾いぬい元はじめ元年がんねん）、霊れい昌あきら郡ぐんは滑なめら州しゅうの称しょうにもどされた。滑なめら州しゅうは河南かなん道どうに属ぞくし、白馬はくば・衛まもる南みなみ・韋城・胙城・匡ただし城じょう・酸さん棗なつめ・霊れい昌あきらの7県けんを管轄かんかつした。

宋そう代だい

1072年ねん（熙寧5年ねん）、北きた宋そうにより滑なめら州しゅうはひとたび廃止はいしされた。1081年ねん（元げん豊ゆたか4年ねん）、再ふたたび滑なめら州しゅうが置おかれた。滑なめら州しゅうは京きょう西北せいほく路ろに属ぞくし、白馬はくば・韋城・胙城の3県けんを管轄かんかつした。

金きむのとき、滑なめら州しゅうは河北西かわきたにし路ろに属ぞくし、白馬はくば・内うち黄きの2県けんと衛まもる南みなみ・武たけ城じょうの2鎮を管轄かんかつした。

元もと代だい以降いこう

元もとのとき、滑なめら州しゅうは大名だいみょう路ろに属ぞくし、白馬はくば・内うち黄きの2県けんを管轄かんかつした。

1369年ねん（洪ひろし武たけ2年ねん）、明あきらにより白馬はくば県けんが廃止はいしされた。1374年ねん（洪ひろし武ぶ7年ねん）、滑なめら州しゅうは滑なめら県けんに降格こうかくした。滑なめら県けんと内うち黄き県けんは大名おおな府ふに転属てんぞくした。