趙ちょう州しゅう

趙ちょう州しゅう（ちょうしゅう）は、中国ちゅうごくにかつて存在そんざいした州しゅう。南北なんぼく朝あさ時代じだいから民みん国こく初年しょねんにかけて、現在げんざいの河北かほく省しょう石いし家か荘しょう市し一帯いったいに設置せっちされた。

魏ぎ晋すすむ南北なんぼく朝あさ時代じだい

526年ねん（孝昌たかまさ2年ねん）、北きた魏たかしが広こう阿おもね県けんに設置せっちした殷いん州しゅうを前身ぜんしんとする。551年ねん（天保てんぽう2年ねん）、北きた斉ひとしにより皇太子こうたいし高こう殷いんの諱いみなを避さけるために趙ちょう州しゅうと改称かいしょうされた。

隋ずい代だい

隋ずい初はつには、趙ちょう州しゅうは下部かぶに2郡ぐん4県けんを管轄かんかつした。590年ねん（開ひらき皇すめらぎ10年ねん）に廉れん州しゅう、596年ねん（開ひらき皇すめらぎ16年ねん）に欒州が分割ぶんかつ設置せっちされたが、605年ねん（大業おおわざ元年がんねん）にそれぞれ廃止はいしされ、趙ちょう州しゅうに統合とうごうされた。607年ねん（大業おおわざ3年ねん）、郡ぐん制せい施行しこうに伴ともない、趙ちょう州しゅうは趙ちょう郡ぐんと改称かいしょうされ、下部かぶに11県けんを管轄かんかつした。隋ずい代だいの行政ぎょうせい区分くぶんに関かんしては下表かひょうを参照さんしょう。

隋ずい代だいの行政ぎょうせい区画くかく変遷へんせん
区分くぶん	開ひらき皇すめらぎ元年がんねん			区分くぶん	大業おおわざ3年ねん
州しゅう	趙ちょう州しゅう		定てい州しゅう	郡ぐん	趙ちょう郡ぐん
郡ぐん	趙ちょう郡ぐん	南みなみ趙ちょう郡ぐん	巨きょ鹿しか郡ぐん	県けん	平ひら棘とげ県けん 高邑たかむら県けん 廮陶県けん 大陸たいりく県けん 藁わら城ぐすく県けん 元もと氏し県けん 房子ふさこ県けん 欒城県けん 賛さん皇すめらぎ県けん 柏郷かしわごう県けん 鼓つづみ城ぐすく県けん
県けん	平ひら棘とげ県けん 高邑たかむら県けん 廮遥県けん	広こう阿おもね県けん	高城たかぎ県けん

唐とう代だい

618年ねん（武徳ぶとく元年がんねん）、張ちょう志こころざし昂のぼるが唐とうに帰順きじゅんすると、趙ちょう郡ぐんは趙ちょう州しゅうと改あらためられた。742年ねん（天宝てんぽう元年がんねん）、趙ちょう州しゅうは趙ちょう郡ぐんと改称かいしょうされた。758年ねん（乾いぬい元はじめ元年がんねん）、趙ちょう郡ぐんは趙ちょう州しゅうの称しょうにもどされた。趙ちょう州しゅうは河北かわきた道みちに属ぞくし、平ひら棘とげ・寧やすし晋すすむ・柏郷かしわごう・昭あきら慶けい・高邑たかむら・臨城・賛さん皇すめらぎ・元げん氏しの8県けんを管轄かんかつした。

宋そう代だい

1119年ねん（宣せん和わ元年がんねん）、北きた宋そうにより趙ちょう州しゅうは慶けい源げん府ふに昇格しょうかくした。慶けい源げん府ふは河北西かわきたにし路ろに属ぞくし、平ひら棘とげ・寧やすし晋すすむ・柏郷かしわごう・隆平りゅうへい・高邑たかむら・臨城・賛さん皇すめらぎの7県けんを管轄かんかつした。

1127年ねん（天てん会かい5年ねん）、慶けい源げん府ふは金きむに降ふった。1129年ねん（天てん会かい7年ねん）、慶けい源げん府ふは趙ちょう州しゅうの称しょうにもどされた。1151年ねん（天徳てんとく3年ねん）、趙ちょう州しゅうは沃州と改称かいしょうされた。沃州は河北西かわきたにし路ろに属ぞくし、平ひら棘とげ・寧やすし晋すすむ・柏郷かしわごう・隆平りゅうへい・高邑たかむら・臨城・賛さん皇すめらぎの7県けんと奉たてまつ城しろ鎮を管轄かんかつした。

元もと代だい

元もとにより沃州は趙ちょう州しゅうの称しょうにもどされた。趙ちょう州しゅうは真ま定じょう路ろに属ぞくし、平ひら棘とげ・柏郷かしわごう・隆平りゅうへい・高邑たかむら・臨城・賛さん皇すめらぎ・寧やすし晋すすむの7県けんを管轄かんかつした。

明代あきよ以降いこう

明あきらのとき、趙ちょう州しゅうは真ま定府じょうふに属ぞくし、柏郷かしわごう・隆平りゅうへい・高邑たかむら・臨城・賛さん皇すめらぎ・寧やすし晋すすむの6県けんを管轄かんかつした。

1724年ねん（雍正2年ねん）、清きよしにより趙ちょう州しゅうは直ちょく隷州に昇格しょうかくした。趙ちょう州しゅう直ちょく隷州は直ちょく隷省に属ぞくし、柏郷かしわごう・隆平りゅうへい・高邑たかむら・臨城・寧やすし晋すすむの5県けんを管轄かんかつした。

1913年ねん、中華民国ちゅうかみんこくにより趙ちょう州しゅう直ちょく隷州は廃止はいしされ、趙ちょう県けんと改あらためられた。