戎えびす州しゅう

戎えびす州しゅう（じゅうしゅう）は、中国ちゅうごくにかつて存在そんざいした州しゅう。南北なんぼく朝あさ時代じだいから宋そう代だいにかけて、現在げんざいの四川しせん省しょう宜むべ賓まろうど市し一帯いったいに設置せっちされた。

概要がいよう

南朝なんちょう梁はりのとき、戎えびす州しゅうが立たてられた。州しゅう治ちは僰道県けんに置おかれた。

隋ずいの大業おおわざ初年しょねん、戎えびす州しゅうは僰道・犍為・南みなみ渓けい・開ひらき辺べの4県けんを管轄かんかつした。607年ねん（大業おおわざ3年ねん）、州しゅうが廃止はいしされて郡ぐんが置おかれると、戎えびす州しゅうは犍為郡ぐんと改称かいしょうされた。

618年ねん（武徳ぶとく元年がんねん）、唐とうにより犍為郡ぐんは戎えびす州しゅうと改あらためられ、僰道・犍為・南みなみ渓けい・開ひらき辺べ・存そん䣖の5県けんを管轄かんかつした。742年ねん（天宝てんぽう元年がんねん）、戎えびす州しゅうは南みなみ渓けい郡ぐんと改称かいしょうされた。758年ねん（乾いぬい元はじめ元年がんねん）、南みなみ渓けい郡ぐんは戎えびす州しゅうの称しょうにもどされた。戎えびす州しゅうは僰道・義ぎ賓まろうど・南みなみ渓けい・開ひらき辺べ・帰順きじゅんの5県けんを管轄かんかつした。

967年ねん（乾いぬい徳いさお5年ねん）、北きた宋そうにより開ひらき辺べ・帰順きじゅんの2県けんが廃止はいしされた。戎えびす州しゅうは梓あずさ州しゅう路ろ（後ごの潼川府ふ路ろ）に属ぞくし、僰道・南みなみ渓けいの2県けんを管轄かんかつした。1114年ねん（政和まさかず4年ねん）、戎えびす州しゅうは叙じょ州しゅうと改称かいしょうされたが、僰道県けんは宜むべ賓まろうど県けんと改称かいしょうされた。

春秋しゅんじゅう時代じだいの戎えびす州しゅう

本節ほんぶしでは、春秋しゅんじゅう時代じだいに現在げんざいの山東さんとう省しょう曹県の東南とうなんにあった戎えびす州しゅうについて述のべる。春秋しゅんじゅう時代じだいの戎えびす人じんの邑であった。紀元前きげんぜん478年ねん、衛まもるの荘そう公こうが戎えびす州しゅうを破壊はかいした。荘そう公こうは石いし圃の攻撃こうげきを受うけて、戎えびす州しゅうの己おのれ氏しのもとに逃にげ込こんだが、己おのれ氏しに殺害さつがいされた。

元もとの戎えびす州しゅう

本節ほんぶしでは、元もと代だいに現在げんざいの四川しせん省しょう興きょう文ぶん県けん一帯いったいに設置せっちされた戎えびす州しゅうについて述のべる。1285年ねん（至いたり元もと22年ねん）、元もとにより大だい壩都総そう管かんを戎えびす州しゅうに昇格しょうかくされた。戎えびす州しゅうは馬うま湖みずうみ路ろに属ぞくした。1371年ねん（洪ひろし武たけ4年ねん）、明あきらにより戎えびす州しゅうは戎えびす県けんに降格こうかくされた。1574年ねん（万まん暦れき2年ねん）、戎えびす県けんは興きょう文ぶん県けんと改称かいしょうされた。