武たけ陵りょう郡ぐん

武たけ陵りょう郡ぐん（ぶりょう-ぐん）は、中国ちゅうごくにかつて存在そんざいした郡ぐん。漢かん代だいから唐とう代だいにかけて、現在げんざいの湖南こなん省しょう北部ほくぶ・湖北こほく省しょう南部なんぶ・貴き州しゅう省しょう東部とうぶ・重慶たーちん市し東ひがし南部なんぶ・広西ひろせチワン族ぞく自治じち区く北東ほくとう部ぶにまたがる地域ちいきに設置せっちされた。

概要がいよう

秦はたの昭あきら襄じょう王おうのときに立たてられた黔中郡ぐんを前身ぜんしんとする。

漢かんの高祖こうそのとき、武たけ陵りょう郡ぐんが置おかれた。前漢ぜんかんの武たけ陵りょう郡ぐんは荊州に属ぞくし、索さく・孱陵・臨沅・沅陵・鐔成・潕陽・遷陵・辰たつ陽ひ・酉とり陽ひ・義ぎ陵りょう・佷山・零れい陽ひ・充たかしの13県けんを管轄かんかつした。王おう莽のとき、建けん平たいら郡ぐんと改称かいしょうされた。

後こう漢かんが建たてられると、武たけ陵りょう郡ぐんの称しょうにもどされた。武たけ陵りょう郡ぐんは臨沅・孱陵・零れい陽ひ・充たかし・沅陵・沅南・辰たつ陽ひ・酉とり陽ひ・遷陵・鐔成・作さく唐とうの12県けんを管轄かんかつした。

晋すすむのとき、武たけ陵りょう郡ぐんは臨沅・竜りゅう陽よう・漢かん寿ことぶき・沅陵・沅南・酉とり陽ひ・遷陵・鐔成・潕陽・黚陽の10県けんを管轄かんかつした。

南朝なんちょう宋そうのとき、武たけ陵りょう郡ぐんは郢州に属ぞくし、臨沅・竜りゅう陽よう・漢かん寿ことぶき・沅陵・沅南・遷陵・辰たつ陽ひ・酉とり陽ひ・潕陽・黚陽の10県けんを管轄かんかつした。

南朝なんちょう斉ひとしのとき、武たけ陵りょう郡ぐんは臨沅・竜りゅう陽よう・漢かん寿ことぶき・沅陵・沅南・遷陵・辰たつ陽ひ・酉とり陽ひ・潕陽・黚陽の10県けんを管轄かんかつした。

南朝なんちょう梁はりのとき、武たけ陵りょう郡ぐんは武たけ州しゅうに属ぞくした。後のちに武たけ州しゅうは沅州と改称かいしょうされた。

589年ねん（開ひらき皇すめらぎ9年ねん）、隋ずいが南朝なんちょう陳ひねを滅ほろぼすと、武たけ陵りょう郡ぐんは廃止はいしされ、朗ろう州しゅうに編入へんにゅうされた。607年ねん（大業おおわざ3年ねん）に州しゅうが廃止はいしされて郡ぐんが置おかれると、朗ろう州しゅうが武たけ陵りょう郡ぐんと改称かいしょうされた。武たけ陵りょう郡ぐんは武たけ陵りょう・竜りゅう陽ようの2県けんを管轄かんかつした。

621年ねん（武徳ぶとく4年ねん）、唐とうが蕭しょう銑ずくを平定へいていすると、武たけ陵りょう郡ぐんは朗ろう州しゅうと改あらためられた。742年ねん（天宝てんぽう元年がんねん）、朗ろう州しゅうは武たけ陵りょう郡ぐんと改称かいしょうされた。758年ねん（乾いぬい元はじめ元年がんねん）、武たけ陵りょう郡ぐんは朗ろう州しゅうと改称かいしょうされ、武たけ陵りょう郡ぐんの呼称こしょうは姿すがたを消けした。