滄州

滄州（そうしゅう）は、中国ちゅうごくにかつて存在そんざいした州しゅう。南北なんぼく朝あさ時代じだいから民みん国こく初年しょねんにかけて、現在げんざいの河北かほく省しょう滄州市しおよび山東さんとう省しょう浜はま州しゅう市し一帯いったいに設置せっちされた。

魏ぎ晋すすむ南北なんぼく朝あさ時代じだい

517年ねん（熙平2年ねん）、北きた魏たかしにより瀛州と冀州の一部いちぶを分割ぶんかつして滄州が立たてられた。滄州は浮陽郡ぐんに属ぞくする饒にょう安やす・浮陽・高城たかぎ・章あきら武たけの4県けんと楽らく陵りょう郡ぐんに属ぞくする楽らく陵りょう・陽ひ信しん・厭いや次じ・湿しめ沃の4県けんと安徳あんとく郡ぐんに属ぞくする般・重合じゅうごう・重平じゅうへい・平たいら昌あきらの4県けんの合あわせて3郡ぐん12県けんを管轄かんかつした。

隋ずい代だい

586年ねん（開ひらき皇すめらぎ6年ねん）、隋ずいにより滄州は棣州と改あらためられた。606年ねん（大業おおわざ2年ねん）、棣州は滄州と改称かいしょうされた。607年ねん（大業おおわざ3年ねん）に州しゅうが廃止はいしされて郡ぐんが置おかれると、滄州は渤海郡ぐんと改称かいしょうされ、下部かぶに10県けんを管轄かんかつした。隋ずい代だいの行政ぎょうせい区分くぶんに関かんしては下表かひょうを参照さんしょう。

隋ずい代だいの行政ぎょうせい区画くかく変遷へんせん
区分くぶん	開ひらき皇すめらぎ元年がんねん			区分くぶん	大業おおわざ3年ねん
州しゅう	滄州		冀州	郡ぐん	渤海郡ぐん
郡ぐん	楽らく陵りょう郡ぐん	浮陽郡ぐん	渤海郡ぐん	県けん	陽ひ信しん県けん 楽らく陵りょう県けん 饒にょう安やす県けん 清池しょうげ県けん 塩山しおやま県けん 南みなみ皮がわ県けん 無む棣県 滳河県けん 厭いや次じ県けん 蒲かば台たい県けん
県けん	陽ひ信しん県けん 楽らく陵りょう県けん	浮陽県けん 饒にょう安やす県けん 高城たかぎ県けん	南みなみ皮がわ県けん

唐とう代だい

618年ねん（武徳ぶとく元年がんねん）、唐とうにより渤海郡ぐんは滄州と改あらためられた。滄州は清池しょうげ・饒にょう安やす・無む棣の3県けんを管轄かんかつした。742年ねん（天宝てんぽう元年がんねん）、滄州は景けい城ぐすく郡ぐんと改称かいしょうされた。758年ねん（乾いぬい元はじめ元年がんねん）、景けい城ぐすく郡ぐんは滄州の称しょうにもどされた。滄州は河北かわきた道みちに属ぞくし、清池しょうげ・長ちょう蘆あし・塩山しおやま・無む棣・楽らく陵りょう・南みなみ皮がわ・饒にょう安やす・臨津・乾いぬい符ふの9県けんを管轄かんかつした。

宋そう代だい

北きた宋そうのとき、滄州は河北かわきた東路あずまじに属ぞくし、清池しょうげ・塩山しおやま・無む棣・楽らく陵りょう・南みなみ皮がわの5県けんを管轄かんかつした。

金きむのとき、滄州は河北かわきた東路あずまじに属ぞくし、清池しょうげ・塩山しおやま・無む棣・楽らく陵りょう・南みなみ皮がわの5県けんと長ちょう蘆あし・新しん饒にょう安やす・旧きゅう饒にょう安やす・乾いぬい符ふ・郭かく疃・分水ぶんすい・海うみ豊ゆたか・海うみ潤じゅん・利り豊ゆたか・撲なぐ頭あたま・馬うま明あきらの11鎮を管轄かんかつした。

元もと代だい

元もとのとき、滄州は河間こうま路ろに属ぞくし、清池しょうげ・楽らく陵りょう・南みなみ皮がわ・塩山しおやま・西にし無む棣の5県けんを管轄かんかつした。

明代あきよ以降いこう

明あきらのとき、滄州は河間こうま府ふに属ぞくし、南みなみ皮がわ・塩山しおやま・慶けい雲くもの3県けんを管轄かんかつした。

1729年ねん（雍正7年ねん）、清きよしにより滄州は直ちょく隷州に昇格しょうかくした。1731年ねん（雍正9年ねん）、滄州は天津てんしん府ふに転属てんぞくし、属ぞく県けんを持もたない散ち州しゅうとなった。

1912年ねん、中華民国ちゅうかみんこくにより滄州は廃止はいしされ、滄県と改あらためられた。