京きょう兆ちょう郡ぐん

京きょう兆ちょう郡ぐん（けいちょう-ぐん）は、中国ちゅうごくにかつて存在そんざいした郡ぐん。三さん国こく時代じだいから唐とう代だいにかけて、現在げんざいの陝西せんせい省しょう西安しーあん市し一帯いったいに設置せっちされた。

概要がいよう

漢かん代だいの京きょう兆ちょう尹いんを前身ぜんしんとした。220年ねん（黄き初はつ元年がんねん）、三さん国こく時代じだいの魏たかしにより京きょう兆ちょう郡ぐんと改あらためられた。京きょう兆ちょう郡ぐんは雍州に属ぞくした。221年ねん（黄き初はつ2年ねん）、曹礼が秦はた公こうとなると、京きょう兆ちょう郡ぐんは秦しん国こくと改あらためられた。244年ねん（正せい始はじめ5年ねん）、秦しん国こくは京きょう兆ちょう郡ぐんにもどされた。

晋すすむのとき、京きょう兆ちょう郡ぐんは長安ながやす・杜もり陵りょう・覇は城じょう・藍田あいだ・万まん年ねん・新豊しんゆたか・陰かげ盤ばん・鄭ていの9県けんを管轄かんかつした。

北きた魏たかしのとき、京きょう兆ちょう郡ぐんは長安ながやす・杜もり・鄠・山北やまきた・新豊しんゆたか・覇は城じょう・陰かげ盤ばん・藍田あいだの8県けんを管轄かんかつした。

583年ねん（開ひらき皇すめらぎ3年ねん）、隋ずいが郡ぐん制せいを廃はいすると、京きょう兆ちょう郡ぐんは廃止はいしされて、雍州に編入へんにゅうされた。607年ねん（大業おおわざ3年ねん）に州しゅうが廃止はいしされて郡ぐんが置おかれると、雍州は京きょう兆ちょう郡ぐんと改称かいしょうされた。京きょう兆ちょう郡ぐんは大だい興きょう・長安ながやす・始はじめ平たいら・武たけ功いさお・盩厔・醴泉・上うえ宜よろし・鄠・藍田あいだ・新豊しんゆたか・華原かはら・宜むべ君きみ・同どう官かん・鄭てい・渭南・櫟くぬぎ陽ひ・高こう陸りく・三原みはら・涇陽・雲くも陽ひ・富平とみひら・華はな陰かげの22県けんを管轄かんかつした。

618年ねん（武徳ぶとく元年がんねん）、唐とうにより京きょう兆ちょう郡ぐんは雍州と改あらためられた。713年ねん（開ひらき元もと元年がんねん）、雍州は京きょう兆ちょう府ふに昇格しょうかくした。

僑置京きょう兆ちょう郡ぐん

南北なんぼく朝あさ時代じだいの南朝なんちょうにおいては、京きょう兆ちょう郡ぐんの本土ほんどが北朝ほくちょうの統治とうち下かにあったため、僑郡の京きょう兆ちょう郡ぐんが置おかれた。

雍州の京きょう兆ちょう郡ぐん

東あずま晋すすむのときに襄じょう陽ひに置おかれたが、朱しゅ序じょが前ぜん秦はたに降ふると、失陥しっかんした。386年ねん（太ふと元もと11年ねん）に再ふたたび設置せっちされた。南朝なんちょう宋そうの初年しょねん、京きょう兆ちょう郡ぐんは藍田あいだ・鄭てい・池いけ陽よう・南みなみ覇は城じょう・新あたらし康やすしの5県けんを管轄かんかつしていた。457年ねん（大明だいめい元年がんねん）、盧の氏し・藍田あいだ・覇は城じょうの3県けんを分離ぶんりした。京きょう兆ちょう郡ぐんは杜もり・鄧・新豊しんゆたかの3県けんを管轄かんかつした。南朝なんちょう斉ひとしのとき、京きょう兆ちょう郡ぐんは鄧・新豊しんゆたか・杜もり・魏ぎの4県けんを管轄かんかつした。

北京ぺきん兆ちょう郡ぐん

417年ねん（義ぎ熙13年ねん）、東あずま晋すすむの劉りゅう裕ひろしの北きた伐きが成功せいこうして、長安ながやす周辺しゅうへんを回復かいふくすると、北京ぺきん兆ちょう郡ぐんが置おかれた。418年ねん（義よし熙14年ねん）、夏なつの赫連勃勃ぼつぼつに長安ながやすを奪うばわれると、北京ぺきん兆ちょう郡ぐんは失うしなわれた。南朝なんちょう宋そうの景平かげへら年間ねんかんに再ふたたび置おかれた。南朝なんちょう宋そう初はつの北京ぺきん兆ちょう郡ぐんは北きた藍田あいだ・覇は城じょう・山北やまきたの3県けんを管轄かんかつした。

西京にしぎょう兆ちょう郡ぐん

東あずま晋すすむの末すえ年とし、三さん輔の流民りゅうみんを集あつめて漢かん中ちゅうに西京にしぎょう兆ちょう郡ぐんを僑置された。南朝なんちょう宋そうのとき、西京にしぎょう兆ちょう郡ぐんは秦しん州しゅうに属ぞくし、杜もり・藍田あいだ・鄠の3県けんを管轄かんかつした。南朝なんちょう斉ひとしのときには京きょう兆ちょう郡ぐんと称しょうし、杜もり・藍田あいだ・鄠の3県けんを管轄かんかつした。

梁やな州しゅうの京きょう兆ちょう郡ぐん

南朝なんちょう斉ひとしのとき、梁やな州しゅうに京きょう兆ちょう郡ぐんが置おかれた。