薊あざみ州しゅう

薊あざみ州しゅう（けいしゅう）は、中国ちゅうごくにかつて存在そんざいした州しゅう。唐とう代だいから民みん国こく初年しょねんにかけて、現在げんざいの天津てんしん市し北部ほくぶおよび河北かほく省しょう唐山からやま市し西部せいぶにまたがる地域ちいきに設置せっちされた。

概要がいよう

730年ねん（開ひらき元もと18年ねん）、唐とうにより幽かそけ州しゅうの3県けんが分割ぶんかつされて、薊あざみ州しゅうが立たてられた。742年ねん（天宝てんぽう元年がんねん）、薊あざみ州しゅうは漁りょう陽ひ郡ぐんと改称かいしょうされた。758年ねん（乾いぬい元はじめ元年がんねん）、漁りょう陽ひ郡ぐんは薊あざみ州しゅうの称しょうにもどされた。薊あざみ州しゅうは河北かわきた道みちに属ぞくし、漁りょう陽ひ・三河みかわ・玉田たまだの3県けんを管轄かんかつした。

936年ねん（天福てんぷく元年がんねん）、後こう晋すすむの建国けんこくにあたって、薊あざみ州しゅうは燕つばめ雲くも十じゅう六ろく州しゅうのひとつとして契ちぎり丹にに割譲かつじょうされた。

遼りょうのとき、薊あざみ州しゅうは南京なんきん析津府ふに属ぞくし、漁りょう陽ひ・三河みかわ・玉田たまだの3県けんを管轄かんかつした。

1122年ねん（宣せん和わ4年ねん）、金きむにより薊あざみ州しゅうは北きた宋そうに返還へんかんされた。薊あざみ州しゅうは燕つばめ山さん府ふ路ろに属ぞくし、漁りょう陽ひ・三河みかわ・玉田たまだの3県けんを管轄かんかつした。1125年ねん（宣せん和わ7年ねん）、薊あざみ州しゅうは金かねに占領せんりょうされた。

金きむのとき、薊あざみ州しゅうは中ちゅう都路みやこじに属ぞくし、漁りょう陽ひ・遵化・豊潤ほうじゅん・玉田たまだ・平ひら峪の5県けんと石門せきもん・韓かん城じょうの2鎮を管轄かんかつした。

元もとのとき、薊あざみ州しゅうは大だい都路みやこじに属ぞくし、漁りょう陽ひ・豊潤ほうじゅん・玉田たまだ・遵化・平谷ひらやの5県けんを管轄かんかつした。

1368年ねん（洪ひろし武たけ元年がんねん）、明あきらにより大だい都路みやこじが北平きたひら府ふと改あらためられ、薊あざみ州しゅうはそのまま北平きたひら府ふに属ぞくした。1403年ねん（永楽えいらく元年がんねん）、北平きたひら府ふが順じゅん天てん府ふと改あらためられ、薊あざみ州しゅうはそのまま順じゅん天てん府ふに属ぞくした。薊あざみ州しゅうは玉田たまだ・豊潤ほうじゅん・遵化・平谷ひらやの4県けんを管轄かんかつした。

清きよしのとき、薊あざみ州しゅうは順じゅん天てん府ふに属ぞくし、属ぞく県けんを持もたない散ち州しゅうとなった。

1913年ねん、中華民国ちゅうかみんこくにより薊あざみ州しゅうは廃止はいしされ、薊あざみ県けんと改あらためられた。