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文學ぶんがく界かい

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曖昧さ回避 明治めいじ時代じだいの『文学ぶんがく界かい』については「文学ぶんがく界かい (明治めいじ)」をご覧らんください。
『文學ぶんがく界かい』1967年ねん9月がつ号ごう
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『文學ぶんがく界かい』（ぶんがくかい）は、日本にっぽんの文藝春秋ぶんげいしゅんじゅうが発行はっこうする月刊げっかん文芸ぶんげい雑誌ざっし。1955年ねん（昭和しょうわ30年ねん）から文學ぶんがく界かい新人しんじん賞しょうを主催しゅさいしている[1]。

概要がいよう[編集へんしゅう]

文藝春秋ぶんげいしゅんじゅうの純文学じゅんぶんがく部門ぶもんを担にない[1]、同おなじ版元はんもとで大衆たいしゅう小説しょうせつをメインとする『オール讀物よみもの』と対たいをなす。

『文學ぶんがく界かい』と、『新潮しんちょう』（新潮社しんちょうしゃ発行はっこう）、『群像ぐんぞう』（講談社こうだんしゃ発行はっこう）、『すばる』（集英社しゅうえいしゃ発行はっこう）、『文藝ぶんげい』（河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ発行はっこうの季刊きかん誌し）は「五大ごだい文芸ぶんげい誌し」と呼よばれ、これらに掲載けいさいされた短編たんぺん小説しょうせつや中編ちゅうへん小説しょうせつが芥川賞あくたがわしょうの候補こうほになることが多おおい。

歴史れきし[編集へんしゅう]

当初とうしょ、1933年ねん（昭和しょうわ8年ねん）10月がつに文化ぶんか公論こうろん社しゃより創刊そうかんされる。当初とうしょ編輯へんしゅう同人どうじんは、豐島としま與志雄よしお、宇野うの浩二こうじ、廣津ひろつ和郎かずお、川端かわばた康成やすなり、林はやし房雄ふさお、武田たけだ麟太郎りんたろう、小林こばやし秀雄ひでおの8名めいで、後のちに深田ふかた久弥ひさやらが編輯へんしゅう同人どうじんに加くわわった[注釈ちゅうしゃく 1]。同社どうしゃでは翌よく1934年ねん（昭和しょうわ9年ねん）2月がつの第だい2巻かん2号ごうまで刊行かんこう。この文芸ぶんげい誌しの主おもな出版しゅっぱん方針ほうしんは芸術げいじゅつ至上しじょう主義しゅぎであった。同年どうねん6月がつに文ぶん圃堂書店しょてんから復活ふっかつ第だい1巻かん1号ごうが刊行かんこうされ[注釈ちゅうしゃく 2]、1936年ねん（昭和しょうわ11年ねん）3月がつの復活ふっかつ第だい3巻かん3号ごうまで続つづく[注釈ちゅうしゃく 3]。

1936年ねん4月がつの復活ふっかつ第だい3巻かん4号ごうから同年どうねん6月がつの復活ふっかつ第だい3巻かん6号ごうまでを文學ぶんがく界かい社しゃが刊行かんこう。ここで経営けいえい不振ふしんにより、小林こばやしが菊池きくち寛ひろしに相談そうだん。菊池きくちの決定けっていで文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう旧きゅう社しゃが雑誌ざっしに庇ひさしを貸かすことに決きまり、同年どうねん7月がつの復活ふっかつ第だい3巻かん7号ごうから文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう社しゃにより刊行かんこうされた。この時点じてんでは同人どうじんが編輯へんしゅう権けんを持もち、月つき1回かい編輯へんしゅう会議かいぎを開ひらき、3ヶ月かげつ交代こうたいで編輯へんしゅう当番とうばんを置おいた。やがて、1937年ねん（昭和しょうわ12年ねん）3月がつから小林こばやしと河上かわかみ徹太郎てつたろうが常任じょうにん編輯へんしゅう者しゃとなった[3][4]。この年とし、日にち中ちゅう戦争せんそうが始はじまり、日本にっぽんは1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）の太平洋戦争たいへいようせんそう敗戦はいせんまで続つづく戦時せんじ体制たいせいに突入とつにゅうした。

この頃ころ、小林こばやしと河上かわかみは「『文學ぶんがく界かい』を総合そうごう雑誌ざっしに近ちかづけよう」という編輯へんしゅう方針ほうしんを持もっていたが[5]、1938年ねん（昭和しょうわ13年ねん）に石川いしかわ淳あつしの「マルスの歌うた」を掲載けいさいしたところ、「反戦はんせん意識いしきを高たかめる」という理由りゆうで発禁はっきんにされ、作者さくしゃと該当がいとう号ごうの編輯へんしゅう主任しゅにんである河上かわかみも罰金ばっきんを払はらうことになった。このとき、菊池きくち寛ひろしが罰金ばっきんを肩代かたがわりしたので、その後ご、この雑誌ざっしは発行はっこう全体ぜんたいを文藝春秋ぶんげいしゅんじゅうが担になうようになった。

1940年ねん（昭和しょうわ15年ねん）4月がつに小林こばやしが編輯へんしゅう委員いいんを辞任じにんする。太平洋戦争たいへいようせんそう開戦かいせんの翌年よくねん1942年ねん（昭和しょうわ17年ねん）9月がつ号ごうと10月がつ号ごうに「近代きんだいの超克ちょうこく」座談ざだん会かい記事きじを掲載けいさい。1943年ねん（昭和しょうわ18年ねん）8月がつ、経営けいえい編輯へんしゅう上じょうの一切いっさいの責任せきにんが同人どうじんの手てを離はなれて文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう社しゃに委ゆだねられる[6]。1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）4月がつに雑誌ざっし統合とうごうを命めいじられ、廃刊はいかんした[7]。

戦後せんごの1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）6月がつに文學ぶんがく界かい社しゃから再刊さいかん。これは1948年ねん（昭和しょうわ23年ねん）12月がつまで継続けいぞくしたが、1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん）3月がつより文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう新しん社しゃにより刊行かんこう。名義めいぎ上じょうはこれが1966年ねん（昭和しょうわ41年ねん）3月がつまで続つづき、同年どうねん4月がつ以降いこうは現在げんざいに至いたるまで文藝春秋ぶんげいしゅんじゅうが発行はっこうしている[8]。

1951年ねん（昭和しょうわ26年ねん）より「同人どうじん雑誌ざっし評ひょう」を継続けいぞくしてきたが、2008年ねん（平成へいせい20年ねん）12月がつ号ごうを以もって最終さいしゅう回かいを迎むかえた[9]。慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがく出版しゅっぱん会かい発行はっこうの『三田みた文学ぶんがく』が「新しん 同人どうじん雑誌ざっし評ひょう」として引ひき継ついだ[10]。

2023年ねん9月がつ号ごうから電子でんし雑誌ざっしでの発行はっこうも始はじめた [1]。

歴代れきだい編集へんしゅう長ちょう[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 1936年ねん1月がつ、高齢こうれいの旧人きゅうじん、里見さとみ弴、宇野うの浩二こうじ、豐島としま與志雄よしお、廣津ひろつ和郎かずおを排除はいじょして『文學ぶんがく界かい』同人どうじんの改組かいそ。断ことわりに行いく役やくは小林こばやしが果はたし、新あらたに村山むらやま知義ともよし、島木しまき健作けんさく、森山もりやま啓あきら、舟橋ふなばし聖一せいいち、阿部あべ知二ともじ、河上かわかみ徹太郎てつたろうが加入かにゅうした[2]。
  2. ^ 野々上ののうえ慶一けいいち社長しゃちょう、式場しきば俊三しゅんぞう編集へんしゅう[3]。
  3. ^ 創刊そうかん以来いらい担当たんとうしてきた鍋井なべい克之かつゆきに代かわり1935年ねん3月がつの復刊ふっかん第だい2巻かん第だい3号ごうより表紙ひょうし作成さくせいに青山あおやま二郎じろうを起用きよう。題字だいじの「學がく」の一いち字じが「文ぶん」「界さかい」の二に字じより若干じゃっかん高たかく表示ひょうじされる。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c 文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう「本ほんの話はなし」：創刊そうかん90年ねんの文芸ぶんげい誌し『文學ぶんがく界かい』電子でんし雑誌ざっし版ばんの配信はいしんを開始かいし！（2023年ねん8月がつ7日にち）2023年ねん11月19日にち閲覧えつらん
  2. ^ 江藤えとう淳あつし「小林こばやし秀雄ひでお論ろん（完かん）」『聲こえ』第だい10号ごう（丸善まるぜん、1961年ねん）p.70、74
  3. ^ a b 河上かわかみ徹太郎てつたろう『西欧せいおう暮色ぼしょく―文学ぶんがく手帖てちょう』（河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ、1971年ねん）p.198
  4. ^ 江藤えとう淳あつし『小林こばやし秀雄ひでお』（講談社こうだんしゃ文庫ぶんこ、1973年ねん）p.266
  5. ^ 大岡おおおか昇平しょうへい『わが文学ぶんがく生活せいかつ』（中公ちゅうこう文庫ぶんこ、1981年ねん）p.81
  6. ^ 江藤えとう淳あつし『小林こばやし秀雄ひでお』（講談社こうだんしゃ文庫ぶんこ、1973年ねん）p.351
  7. ^ 堀内ほりうち達夫たつお「小林こばやし秀雄ひでお年譜ねんぷ」『文芸ぶんげい読本とくほん 小林こばやし秀雄ひでお』（河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ、1983年ねん）p.265
  8. ^ 発行はっこう元もとの変遷へんせんについては国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんサーチ「文學ぶんがく界かい文芸春秋ぶんげいしゅんじゅう,文芸春秋ぶんげいしゅんじゅう新しん社しゃ,文學ぶんがく界かい社しゃ,文芸春秋ぶんげいしゅんじゅう社しゃ,文ぶん圃堂書店しょてん,文化ぶんか公論こうろん社しゃ」参照さんしょう。
  9. ^ 小山内おさない伸しん：岐路きろに立たつ「同人どうじん誌し」――「文学ぶんがく界かい」での「評ひょう」打うち切きりに『朝日新聞あさひしんぶん』朝刊ちょうかん2008年ねん11月11日にち付づけ第だい34面めん（第だい13版はん）
  10. ^ 三田みた文学ぶんがく|同人どうじん雑誌ざっし評ひょう

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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