日本鏡板工業株式会社(にっぽんきょうはんこうぎょうかぶしきがいしゃ)は、大阪市西淀川区に本社をおく圧力容器用鏡板を専門に製造するメーカーである。親会社はロザイ工業株式会社。[2]
1959年、日本鏡板工業株式会社の前身である「日本鉄工(株)」が設立された。当時の鏡板の価格や品質が悪く鏡板専門企業も存在していなかったため、自社で鏡板を製作。その後1965年に鏡板部門を独立し、日本鏡板工業株式会社を設立、営業を開始した。[2]現在[注釈 1]国内シェアの3割を占めている。[2]本社以外にも関東営業部が埼玉県に、九州営業所が北九州市に、関東工場が茨城県、北陸工場が石川県に所在する。[3]
ロゴの三本線は、鏡板を3枚重ねて横から見たイメージと、お客様・従業員・地域の方の三者をイメージしたものをかけわせたものとなっている。影響を及ぼす、幸せの波紋とした幸せにしたいといった思いを込めてシンボルマークとした。[2]
日本鏡板工業株式会社の子会社としてベトナム、ハイフォン市のDeep-C工業団地にRK ENGINEERINGを設立した。ここに設立した理由はおもに3つある。一つ目は東アジア、東南アジアの中心に位置するベトナムで貿易港を備えた物流の中心都市という「地域性」。二つ目はハイフォン市の国際貿易港のディンブー港に隣接しており、海上輸送による原材料の搬入と大型製品の搬出に非常に適していたり、コンテナ需要に応えたラックフェン港を開発した「立地条件」。三つ目はハイフォン市は鉄の切断・曲げ加工や溶接の作業を行っている工場が多く存在しているため、高い技術を持った従業員を雇用することが可能となり、 製作協力していただける企業が数多くあるという「技術力」である。五面加工機を採用しており、ワンストップ生産性を実現させている。さらに五面加工機の特徴である多面同時加工により、上面と側面から複雑な工程を一度に仕上げることが可能になり、圧力容器及び構造物の機械加工が大幅に向上している。[4]
日本鏡板工業は全ての人を幸福(しあわせ)にし永続発展することを目指し、3つの指針を掲げている。[5]
①全ての人とは社員、その家族、取引先、その地域の人々を指します
②幸福とは、働ける喜びと、この会社に関って嬉しいと思っていただけることです
③永続発展させることとは、経営を安定的に継続させることです
- 関西工場
鏡板専門工場である。設備は3台の油圧プレス、ベンディングロール、大型特殊曲げ・中型スピニングマシーン、プラズマ溶接機、開先がある。[6]
- 関東工場
関西工場と同じく鏡板専門工場である。設備は8台の油圧プレス、2台の修正機・旋盤機、大型・中型のスピニングマシーン、プラズマ溶接機・切断機がある[7]
- 北陸工場
ベトナム工場のマザー工場として非破壊検査などでチェックをしている。ほかにマンホールカバーや分割プレス成型の鏡板を制作している。設備は4台の油圧プレス、ブレーキプレス、ベンディングマシンがある[8]
日本鏡板工業株式会社には事業部ごとに営業所が振り分けられている。[9]
- 鏡板事業部
大阪、埼玉、福岡に存在している。売り上げの70%を占める。
- 海外事業部
大阪と埼玉に存在している。
化学・薬品・食品プラント施設等に用いられる鏡板とマンホールカバー、クールタンクの製造販売を主力に行なっている。主な使用例として、関門海峡などの船舶確認用ブイ、液体運搬用貨物車両、地ビールのレストランタンク、化学プラント用タンク(ベトナム)、鉄道用タンク車などに利用されている。[12]
- 切り出し
指定されたサイズに基づき金属の板から円形に切り抜く。[13]
- 溶接
一枚の金属の板から円形に切り抜けない大きさのものは溶接を行い一枚の円形の板にする。[13]
- プレス加工
徐々に圧力をかけ丸く加工する。金型を用いたワンプレス加工の設備を充実させている。[13]
- スピニング加工
プレスで加工したものの板の端を折り曲げる。[13]当初より常温で加工する冷間スピニング・プレスの技術を極めている。[注釈 2]
- 開先加工
鏡板を溶接しやすくするために接地部分を切り取り、整える。[13]
- 検査
サイズが合っているのか、傷はないかなど検査を行う。[13]
鏡ミライは紫色の巻髪が特徴の公式キャラクター。企業・鏡板のイメージを柔らかく親しみやすくしたいという思いから5年前に誕生した。擬人化することが流行した際、日本鏡板のイメージを擬人化したキャラクターをデザイナーに委託して作ってもらった。金属加工の硬いイメージを払拭するため、ホームページや求人等でシンボルとして活躍している。[2]
- 鏡ミライ
- 大阪府御幣島出身の2月1日生まれ。身長は155cmで血液型はO型。責任感が強い性格であり、機械いじり、工具集めが好きでDIYグッズを用いてたいていのものは自分好みにしている。嫌いなことは時間にルーズなこと。おいしいカレー店を探すことや釣り、お笑い、溶接が趣味であり、その中でも溶接はボイラー溶接士の免許を持つほどである。[14]
決まった型番ではなく、元々作っている以外のもので、加工には難しい規格外のものに挑戦している商品。こういったものもできるという技術を見せるところや社員の意見を聞いて社員がやってみたいことを実際に行なっている。[2]例としては、円錐の小径の限界への挑戦やステンレス球体を利用したプランター作成をしている。[15]
日本鏡板工業株式会社は提案型工場見学などの外部活動を積極的に行っている。提案型工場見学では毎回異なるアピールポイントをテーマに構成された技術PRの場として開催し、オペレーターによる案内・説明、オペレーターを含めた検討会を実施している。現在[注釈 3]までに4回行われている。[16]
更にSDGs、CSR活動の一環として志プロジェクトに参加し、ブログにその様子を投稿している。[注釈 4]
- ^ 2023年1月27日時点
- ^ 板厚32㎜までの製作に冷間スピニング・プレスを用いる。[2]
- ^ 2023年2月6日時点
- ^ 2017年度では会社案内作成[17]、2018年度では海外事業部にフォーカスした会社案内作成[18]、2020年度ではパンフレット作成[19]、2021年度では新たな会社案内が作成された。[20]