日比谷公会堂ひびやこうかいどう

日比谷公会堂ひびやこうかいどう Hibiya Public Hall
情報じょうほう
完成かんせい	1929年ねん10月19日にち
開館かいかん	1929年ねん
収容しゅうよう人員じんいん	2,085人にん
設備せつび	日比谷公会堂ひびやこうかいどう・日比谷公園ひびやこうえん大だい音楽おんがく堂どう
用途ようと	演劇えんげき、講演こうえん会かい、集会しゅうかい 等とう
運営うんえい	東京とうきょう都と指定してい管理かんり者しゃ 日比谷公会堂ひびやこうかいどう・大だい音楽おんがく堂どう管理かんり事務所じむしょ
所在地しょざいち	東京とうきょう都と千代田ちよだ区く日比谷公園ひびやこうえん1-3
位置いち	北緯ほくい35度ど40分ふん18.1秒びょう 東経とうけい139度ど45分ふん20.4秒びょう
アクセス	地下鉄ちかてつ霞ケ関かすみがせき駅えき下車げしゃ
外部がいぶリンク	日比谷公会堂ひびやこうかいどう／日比ひび谷野たにの音おと

1930年ねん頃ごろの東京とうきょう市し公会堂こうかいどう（中央ちゅうおうの建物たてものの右側みぎがわ部分ぶぶん）。のちの日比谷公会堂ひびやこうかいどう

日比谷公会堂ひびやこうかいどう（ひびやこうかいどう、Tokyo Metropolitan Hibiya Public Hall）は、東京とうきょう都と千代田ちよだ区くの日比谷公園ひびやこうえんの中なかにある公会堂こうかいどう。日本にっぽんで最初さいしょの本格ほんかく的てきなコンサートホールであり、東京とうきょう都と選定せんてい歴史れきし的てき建造けんぞう物ぶつ、東京とうきょう都と指定してい有形ゆうけい文化財ぶんかざい（建造けんぞう物ぶつ）である。

耐震たいしん性せいに問題もんだいがあり改修かいしゅうのため2016年ねんから休館きゅうかんしているが、開館かいかん100年ねんとなる2029年ねんに利用りようを再開さいかいする見通みとおしとなっている。

概要がいよう

市政しせい会館かいかんとの複ふく合あい建築けんちく（地下ちか1階かい、地上ちじょう6階かい、塔屋とうや4階かい建けん）であり、事務所じむしょ棟とうにあたる市政しせい会館かいかん部分ぶぶんと大だい講堂こうどうを持もつ公会堂こうかいどう部分ぶぶんは丁字ていじ形がたに配置はいちされている。建物たてものは日比谷公園ひびやこうえん南東なんとう隅すみにあり、市政しせい会館かいかんが南側みなみがわの道路どうろに面めんして建たつ一方いっぽう、公会堂こうかいどうは北側きたがわの公園こうえんに突出とっしゅつするように設計せっけいされている。公会堂こうかいどうの入口いりくちは公園こうえん側がわにあり、2階かいをバルコニーとして公園こうえん内ないの庭園ていえんと一体いったいのデザインとしている。建物たてものの外観がいかんは茶褐色ちゃかっしょくのスクラッチタイルで覆おおったネオ・ゴシック様式ようしきである。

鉄骨てっこつ鉄筋てっきんコンクリート造づくりの初期しょきの建物たてものとして建築けんちく技術ぎじゅつ史上しじょう重要じゅうようとされている。

2023年ねん（令れい和わ5年ねん）3月がつ、東京とうきょう都と指定してい有形ゆうけい文化財ぶんかざい（建造けんぞう物ぶつ）に指定していされた。

歴史れきし

建設けんせつ

1920年ねん（大正たいしょう9年ねん）に東京とうきょう市長しちょうとなった後藤ごとう新平しんぺいは、中立ちゅうりつな市政しせいのための調査ちょうさ機関きかんの必要ひつよう性せいを訴うったえ、1922年ねん（大正たいしょう11年ねん）に東京とうきょう市政しせい調査ちょうさ会かいを設立せつりつした。これに共鳴きょうめいした安田やすだ善次郎ぜんじろうからの当時とうじとしては巨額きょがくの350万まん円えんの寄附きふを得えて、東京とうきょう市政しせい調査ちょうさ会かいの会館かいかん（市政しせい会館かいかん）およびそれに併設へいせつする公会堂こうかいどうとして計画けいかくされた。

建物たてものは指名しめい設計せっけい競技きょうぎで一等いっとうとなった佐藤さとう功一こういちの設計せっけいになるもので、1929年ねんに竣工しゅんこうした。現在げんざいも同どう建物たてもの（市政しせい会館かいかん）内ないに公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん後藤ごとう・安田やすだ記念きねん東京とうきょう都市とし研究所けんきゅうじょ（旧きゅう 東京とうきょう市政しせい調査ちょうさ会かい）がある。ちなみに開場かいじょう式しきで、新聞しんぶんを破やぶいた音おとが参加さんか者しゃ全員ぜんいんに聞きこえたという。関東大震災かんとうだいしんさいの教訓きょうくんから、地盤じばんは2000本ほんを越こす松まつ材ざいで固かためられている。

沿革えんかく

かつて、東京とうきょうでは事実じじつ上じょう唯一ゆいいつのコンサートホールとしてプロフェッショナルのオーケストラの演奏えんそう会かいやリサイタルなども多おおく開ひらかれた。 1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）9月6日にち、藤原ふじわら義江よしえらによる戦後せんご初はつの本格ほんかく的てきコンサートも日比谷公会堂ひびやこうかいどうで開ひらかれている。 しかし、東京文化会館とうきょうぶんかかいかんを皮切かわきりにNHKホール、昭和女子大学しょうわじょしだいがく人見ひとみ記念きねん講堂こうどう、サントリーホール、オーチャードホール、東京とうきょう芸術げいじゅつ劇場げきじょうといったコンサート専用せんようホールやコンサートに使用しよう可能かのうな多目的たもくてきホールが整備せいびされるに従したがい、コンサートホールとしての地位ちいは低下ていかして行いく。講演こうえん会かい、イベントなど音楽おんがく会かい以外いがいの利用りようが増ふえ、クラシック音楽おんがくの演奏えんそう会かいはほとんど開催かいさいされなくなった。

なお、1975年ねん（昭和しょうわ50年ねん）のバイエルン放送ほうそう交響こうきょう楽団がくだん来日らいにち公演こうえんでは、指揮しき者しゃのラファエル・クーベリックが「日比谷公会堂ひびやこうかいどうの音響おんきょうに問題もんだいがある」としてプログラムを変更へんこうする事件じけんが起おこっている。

この状況じょうきょうを憂うれう文化ぶんか人じんが再興さいこうを提唱ていしょうし、2007年ねん秋あき、井上いのうえ道義みちよし指揮しきによるドミートリイ・ショスタコーヴィチの交響曲こうきょうきょく全曲ぜんきょく演奏えんそう会かい「日にち露ろ友好ゆうこうショスタコーヴィチ交響曲こうきょうきょく全曲ぜんきょく演奏えんそうプロジェクト2007」が開催かいさいされた。

戦前せんぜんから政治せいじ演説えんぜつ会かいや国民こくみん（人民じんみん）大会たいかいが数多かずおおく行おこなわれた場所ばしょでもある。自由民主党じゆうみんしゅとうはこの日比谷公会堂ひびやこうかいどうで総裁そうさい公選こうせんを執行しっこうするための臨時りんじ党とう大会たいかいを何なん度ども開ひらいている。

1960年ねん（昭和しょうわ35年ねん）10月がつ12日にちの浅沼あさぬま稲次郎いねじろう暗殺あんさつ事件じけんは、この日比谷公会堂ひびやこうかいどうにおける立会たちあい演説えんぜつ会かいでの出来事できごとである。

管理かんり運営うんえいは、2006年ねん（平成へいせい18年ねん）4月がつ1日にちより、日比谷ひびや野外やがい音楽おんがく堂どうとともに、東京とうきょう都との指定してい管理かんり者しゃである民間みんかん企業きぎょうグループにより行おこなわれている。

改修かいしゅう工事こうじ

2014年ねん12月25日にち、日比谷公会堂ひびやこうかいどうを管理かんりする東京とうきょう都とが、施設しせつの老朽ろうきゅう化か及および耐震たいしん化かを理由りゆうとした大だい規模きぼ改修かいしゅう工事こうじを実施じっしするため、2016年ねん（平成へいせい28年ねん）から改修かいしゅう工事こうじ終了しゅうりょうまで施設しせつの使用しようを休止きゅうしすると発表はっぴょうした。

改修かいしゅう工事こうじとともに建物たてもの内部ないぶを公会堂こうかいどう創建そうけん時じに近ちかづける計画けいかくがある。しかし、建物たてもの内部ないぶのトイレは創建そうけん後ごに中二階ちゅうにかいを造みやつこ設しつらえするなどして設置せっちされ、バリアフリー化かのためにトイレの拡張かくちょうも必要ひつようであることから、2019年度ねんどに作成さくせいされた基本きほん設計せっけい案あんで公会堂こうかいどう創建そうけん時じに近ちかづけると興行こうぎょう場じょう法ほうで定さだめるトイレ数すうを確保かくほできなくなる問題もんだいが判明はんめいした。

その後ごの調整ちょうせいで2023年度ねんど中ちゅうに基本きほん設計せっけいを修正しゅうせいし、2024年度ねんどの一般いっぱん会計かいけい当初とうしょ予算よさん案あんに実施じっし設計せっけい費ひが計上けいじょうされ、2025年度ねんど以降いこうに改修かいしゅうに着工ちゃっこうすることになった。開館かいかん100年ねんとなる2029年ねんに利用りようを再開さいかいする見通みとおしとなっている。

所在地しょざいちと最寄もより駅えき

東京とうきょう都と千代田ちよだ区く日比谷公園ひびやこうえん1-3

• 東京とうきょうメトロ日比谷線ひびやせん・千代田ちよだ線せん 日比谷ひびや駅えき
• 日比谷線ひびやせん・丸ノ内線まるのうちせん・千代田ちよだ線せん 霞ケ関かすみがせき駅えき
• 都営とえい三田みた線せん 内幸町うちさいわいちょう駅えき

ギャラリー

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  ホール入口いりくち（2010年ねん2月がつ12日にち撮影さつえい）
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  ホール内ないの資料しりょう展示てんじ場じょう（2010年ねん2月がつ12日にち撮影さつえい）
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  ホール内ないの資料しりょう展示てんじ場じょう（2010年ねん2月がつ12日にち撮影さつえい）
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  ホール内ないのカフェ（2010年ねん2月がつ12日にち撮影さつえい）

関連かんれん項目こうもく

• 浅沼あさぬま稲次郎いねじろう暗殺あんさつ事件じけん
• 日比谷ひびや
• 日比谷公園ひびやこうえん
• 日比谷ひびや野外やがい音楽おんがく堂どう

外部がいぶリンク

• 日比谷公会堂ひびやこうかいどう
• 公会堂こうかいどうで6年ねんぶり一流いちりゅうオーケストラ公演こうえん 「殿堂でんどう・日比谷ひびや」復権ふっけんへ動うごく（フジサンケイ ビジネスアイ 2007年ねん10月がつ10日にち付づけ）
• 米山よねやま勇いさむ、東京とうきょう市政しせい調査ちょうさ会館かいかん及東京とうきょう市し公会堂こうかいどうの設計せっけい変更へんこうに関かんする考察こうさつ 『日本にっぽん建築けんちく学会がっかい計画けいかく系けい論ろん文集ぶんしゅう』 2003 年ねん 68 巻かん 566 号ごう p. 147-152, doi:10.3130/aija.68.147_2
• 後藤ごとう新平しんぺいとの絆きずなが生うんだ公会堂こうかいどう 安田やすだ不動産ふどうさん