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きょくつめ

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ごま のこ全部ぜんぶ
987654321 
おう      いち
かく ぎん      
かつらぎんぎん      さん
         よん
         
         ろく
         なな
         はち
         きゅう

きょくつめ(きょくづめ)は、詰将棋つめしょうぎ分野ぶんやの1つである。はつかたちつめがりが文字もじ図形ずけいなど意味いみがあるものをいう。

種類しゅるい[編集へんしゅう]

きょくつめおもに、「形象けいしょうがた」「あぶり」「立体りったいきょくつめ」の3種類しゅるいけられる。

形象けいしょうがた
最初さいしょ配置はいち意味いみっているもの。
あぶり
めあがりが意味いみっているもの。
立体りったいきょくつめ
はつかたちめあがりども意味いみっているもの。

立体りったいきょくつめなかには途中とちゅうにも意味いみがある出現しゅつげんする「3だんきょくつめ」などがある。

歴史れきし[編集へんしゅう]

ごま のこ全部ぜんぶ
987654321 
    りゅう    いち
   おう きむ   
  こう   ぎん  さん
  きむ   きむ  よん
     かつら  
  りゅうかつらぎんぎんうま  ろく
         なな
         はち
         きゅう
ごま のこ全部ぜんぶ
987654321 
    かつら    いち
   あんず    
     ぎん  さん
 きむ     きむ よん
こう       おう
      りゅう ろく
     ぎん  なな
   かつら ぎん   はち
    きむ    きゅう
ごま のこ全部ぜんぶ
987654321 
         いち
 かつらきむ    
        さん
    かく    よん
 りゅうかつらぎんおうりゅう 
    こう    ろく
    かく    なな
         はち
         きゅう

最初さいしょきょくつめは、江戸えど時代じだい名人めいじんだい伊藤いとうはじめしるしによる作品さくひんであるとされている。『将棋しょうぎいさみりゃく』91ばん収録しゅうろくされているこの作品さくひんは、はつかたち左右さゆう対称たいしょうがたとなっている。

あぶりきょくつめかんしてはさんだい伊藤いとうはじめ(『将棋しょうぎ無双むそう』30ばん対称たいしょうがた)や伊藤いとう寿ことぶき(『将棋しょうぎたくみ』92ばんちがい)も作成さくせいしているが、どう時期じき添田そえたはじめ太夫たゆう有名ゆうめいである。添田そえたはあぶりきょくつめのみを101さく収録しゅうろくした『将棋しょうぎ秘曲ひきょくしゅう』を出版しゅっぱんしている。

立体りったいきょくつめも、添田そえた最初さいしょ作成さくせいした。『将棋しょうぎ秘曲ひきょくしゅう』の26ばん角切つのきりかくきょう』は、はつかたち対称たいしょうがたがりが手鏡てかがみかたちになるという作品さくひんである。この作品さくひんしょうこま立体りったいきょくつめ最初さいしょ作品さくひんでもある。またどう作品さくひんしゅう82ばんひらまど』は、はつかたち最終さいしゅうがた関連かんれんたせた最初さいしょ立体りったいきょくつめである。

江戸えど時代じだいほか代表だいひょうてき作家さっかとしては、久留島くるしま喜内きない桑原くわばらくんなかがあげられる。添田そえた久留島くるしま桑原くわばらさんにん江戸えど時代じだいの3大曲おおまがりつめ作家さっかぶこともある。久留島くるしまは「だいひし」「石畳いしだたみ」などの大型おおがたのあぶりきょくつめをいくつか作成さくせいしている。桑原くわばらは、「だい」「しょう」の文字もじのあぶりしをおお作成さくせいしたほか八卦はっけのパターンのあぶりしなども作成さくせいしている。

江戸えど時代じだい作品さくひんとしてはに、『将棋しょうぎわらわ翫集』(かずちゅうさく)の「いち」-「じゅう」のあぶりし(すべてつめとなる)や、『将棋しょうぎおさむかく』5ばん徳川とくがわ家治いえはるさく)のぎゃくなな」の形象けいしょうがたられている。

1927ねんに、丸山まるやまただしためは『将棋しょうぎイロハ』を発表はっぴょうする。この作品さくひんしゅうには、いろは48すべてにたい形象けいしょうがた・あぶりしの双方そうほう問題もんだいつくられている。48形象けいしょうがた・あぶりしをすべ作成さくせいしたのは丸山まるやま最初さいしょである。

昭和しょうわ10年代ねんだいになると、世相せそう反映はんえいしたきょくつめつくられるようになる。1938ねんたちばな叟は、戦闘せんとう出撃しゅつげき帰還きかんえがいた立体りったいきょくつめあらわし」を発表はっぴょうする。おなねん渡辺わたなべすすむは「ハーケン・クロイツ」のあぶりしを発表はっぴょうする(「あぶりし」と命名めいめいしたのは加藤かとう治郎じろう)。1940ねんには、皇紀こうき2600ねんいわきょくつめ関根せきね金次郎きんじろう花田はなた長太郎ちょうたろうにより発表はっぴょうされている。

1953ねんかしわがわ悦夫えつお二上ふたかみ達也たつやろくだん当時とうじ昇段しょうだん記念きねんして、「二上ふたかみつめ」を発表はっぴょうする。これが、はつかたちがりども文字もじになる立体りったいきょくつめ最初さいしょ作品さくひんである。

1974ねん安達あだち康二こうじは「NHKつめ」という作品さくひん発表はっぴょうする。この作品さくひんが、最初さいしょの3だんきょくつめである。

祝賀しゅくがつめ[編集へんしゅう]

詰将棋つめしょうぎかいでは昇段しょうだん結婚けっこんなどのいわいごとがあったとき、名前なまえなどをんだきょくつめおくることがある。これを一般いっぱん祝賀しゅくがつめぶ。

有名ゆうめい作品さくひんとしては前述ぜんじゅつの「二上ふたかみつめ」(二上ふたかみ達也たつやろくだん昇段しょうだんかしわがわ悦夫えつおさく)や、「ヒロエつめ」(3だんきょくつめ中井なかい広恵ひろえ女流じょりゅう名人めいじん防衛ぼうえい相馬そうま康幸やすゆきさく)・「イトウのイ」(伊藤いとうはてだん昇段しょうだん若島わかしまただしさく)などがある(段位だんいなどは当時とうじのもの)。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 名作めいさく詰将棋つめしょうぎ』(二上ふたかみ達也たつや福田ふくだみのるISBN 4-638-07228-3
  • 詰将棋つめしょうぎ探検たんけんたい』(すみけんいっISBN 4-89563-647-X