水酸化すいさんかマグネシウム

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水酸化すいさんかマグネシウム
識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう 1309-42-8
E番号ばんごう E528 (pH調整ちょうせいざい固化こか防止ぼうしざい)
KEGG D00731
C07876
特性とくせい
化学かがくしき Mg(OH)2
モル質量しつりょう 58.320 g mol
外観がいかん 白色はくしょく固体こたい
密度みつど 2.36 g cm−3
融点ゆうてん

350 ℃, dec.

みずへの溶解ようかい 1.2 mg/100 cm3
危険きけんせい
安全あんぜんデータシート(外部がいぶリンク) External MSDS
ねつ化学かがく
標準ひょうじゅん生成せいせいねつ ΔでるたfHo -924.54 kJ/mol
標準ひょうじゅんモルエントロピー So 63.18 J/mol/K
標準ひょうじゅん定圧ていあつモル比熱ひねつ, Cpo 77.03 J/mol/K
関連かんれんする物質ぶっしつ
関連かんれん物質ぶっしつ 水酸化すいさんかベリリウム
水酸化すいさんかカルシウム
水酸化すいさんかストロンチウム
水酸化すいさんかバリウム
特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・つねあつ (100 kPa) におけるものである。

水酸化すいさんかマグネシウム(すいさんかマグネシウム Magnesium hydroxide)は化学かがくしき Mg(OH)2しきりょう 58.32、密度みつどみずの2.36ばいマグネシウム水酸化物すいさんかぶつ天然てんねん鉱物こうぶつとしてはみず滑石かっせき(ブルースせきen:Brucite)として産出さんしゅつする。

性質せいしつ[編集へんしゅう]

マグネシウムしお水溶液すいようえき炭酸たんさんしおふくまない水酸化すいさんかナトリウムなど塩基えんき水溶液すいようえき反応はんのうさせると無色むしょくコロイドじょう沈殿ちんでんとして析出せきしゅつする。

常温じょうおんつねあつ白色はくしょく固体こたいでゲルじょうオートクレーブなかでマグネシウムしおふく塩基えんきせい水溶液すいようえき加圧かあつ220℃程度ていどねっすると凝集ぎょうしゅうして、六方ろっぽうあきらけい結晶けっしょうられる。

水酸化すいさんかマグネシウムの溶解ようかいせき以下いかとおりであり、飽和ほうわ水溶液すいようえきpH=10.5程度ていどよわ塩基えんきせいしめす。

空気くうきちゅうでは湿気しっけ存在そんざいした二酸化炭素にさんかたんそ吸収きゅうしゅうして塩基えんきせい炭酸たんさんマグネシウム生成せいせいする。

水酸化すいさんかマグネシウムをさん中和ちゅうわしたものであるマグネシウムしお水溶液すいようえきごくわずかに加水かすい分解ぶんかいするが、BTBなどの指示しじやくたいしてもほとんど中性ちゅうせいである。そのさん解離かいり定数ていすう以下いかとおりである。

, pKa   

したがって水酸化すいさんかマグネシウムのだい段階だんかい塩基えんき解離かいり定数ていすう以下いかのようになる。アルカリるい金属きんぞくCa,Sr,Ba)の水酸化物すいさんかぶつより塩基えんきせいよわいが、水酸化すいさんかてつ(II)水酸化すいさんかどう(II)などよりはつよ塩基えんきである。

水酸化すいさんかマグネシウムの固体こたい加熱かねつすると分解ぶんかいはじまり350℃で水蒸気すいじょうき解離かいりあつが1気圧きあつとなり、赤熱しゃくねつすると酸化さんかマグネシウムとなる。

さんアンモニウムしお溶液ようえき溶、みずにはなん溶、アルカリには不溶ふよう

水酸化すいさんかマグネシウムのなるしも作用さようは、便秘べんぴやくとして使つかわれている。 無機むき凝結ぎょうけつざいとして廃水はいすい浄化じょうか使つかわれることがある。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]