(Translated by https://www.hiragana.jp/)
消費者 - Wikipedia コンテンツにスキップ

消費しょうひしゃ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
消費しょうひしゃ運動うんどうから転送てんそう

消費しょうひしゃ(しょうひしゃ、英語えいご: consumer、コンシューマー)とは、ざいサービス消費しょうひする主体しゅたいのことである。

概要がいよう

[編集へんしゅう]

具体ぐたいてきには、代価だいかはらって最終さいしゅうてき商品しょうひん使用しようする、もしくはサービスをけるものをさす。

企業きぎょう営利えいり組織そしきなどの法人ほうじん購入こうにゅうした製品せいひんさい販売はんばいしているような場合ばあい、または法人ほうじん生産せいさんする製品せいひん部品ぶひんなどの一部いちぶ利用りようするために購入こうにゅうしているような場合ばあい産業さんぎょう消費しょうひしゃもしくは使用しようしゃう。さい販売はんばいする目的もくてき以外いがい購入こうにゅうする消費しょうひしゃ世帯せたい消費しょうひしゃもしくは最終さいしゅう消費しょうひしゃという。

法人ほうじんざい・サービスの消費しょうひ主体しゅたいとなりうるのである。ただし、日本にっぽん消費しょうひしゃ契約けいやくほうにおいては、情報じょうほうしつおよびりょう、ならびに交渉こうしょうりょく格差かくさにかんがみ、とく事業じぎょうしゃ以外いがい個人こじん一括いっかつして「消費しょうひしゃ」と定義ていぎし、事業じぎょうしゃとのあいだ締結ていけつされる契約けいやくにかかる利益りえき擁護ようごはかっている。

視点してんえると、たとえばメーカー企業きぎょうつとめているサラリーマンは、職務しょくむうえでは生産せいさんしゃがわであるが、生活せいかついとなじょうでは必要ひつよう生活せいかつ必需ひつじゅひん購入こうにゅうして生活せいかつしているので、消費しょうひしゃでもある。農家のうかひとは、農産物のうさんぶつかんしては生産せいさんしゃであるが、自分じぶんのところで収穫しゅうかくするもの以外いがい食料しょくりょう衣服いふくなどは購入こうにゅうしているので消費しょうひしゃでもある。よって、よりひろ意味いみでは国民こくみん全員ぜんいんが「消費しょうひしゃ」であるともえる[1]

しかし歴史れきしてきると、この消費しょうひしゃ国民こくみん経済けいざいにおける最大さいだい集団しゅうだんであるにもかかわらず、組織そしきされていなかったため、事業じぎょうしゃたいして発言はつげんするちからたず、意見いけんいてもらえず無視むしされるというようなよわ立場たちばながらくたされていた[1]企業きぎょう製造せいぞうした商品しょうひん欠陥けっかんにより消費しょうひしゃ被害ひがい発生はっせいしても、消費しょうひしゃがわから損害そんがい賠償ばいしょうもうてることは実際じっさいじょう非常ひじょう困難こんなんであった[1]

消費しょうひしゃ特性とくせいとしては、従前じゅうぜんから

  • 供給きょうきゅうしゃ消費しょうひしゃあいだ格差かくさ経済けいざいりょく格差かくさ商品しょうひんについての知識ちしき格差かくさ情報じょうほう非対称ひたいしょうせい)。
  • 消費しょうひしゃよわさ:生命せいめい身体しんたい精神せいしんきずつきやすさ、比較的ひかくてきすくない損失そんしつでも生活せいかつそのものに影響えいきょうしやすい経済けいざいてきよわさ。
  • 消費しょうひしゃ負担ふたん転嫁てんか能力のうりょく欠如けつじょ企業きぎょうちがって損失そんしつ他者たしゃ転化てんかできない。

の3てん整理せいりされることがおお[2]

イギリスでは18世紀せいきすえ産業さんぎょう革命かくめいこり、19世紀せいき中頃なかごろには消費しょうひしゃ問題もんだいこっている。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでも比較的ひかくてき早期そうきから消費しょうひしゃによる運動うんどうさかんであった。とくに1960〜70年代ねんだいラルフ・ネーダー(Ralph Nader)による企業きぎょう告発こくはつなどによってコンシューマリズム(Consumerism)ががった。

日本にっぽんでもだい世界せかい大戦たいせんの1945ねん主婦しゅふらが「おしゃもじ運動うんどう」をこすなどして消費しょうひしゃ運動うんどうはじまった。1950年代ねんだい後半こうはん以降いこう高度こうど経済けいざい成長せいちょうになると様々さまざま消費しょうひしゃ問題もんだいき、消費しょうひしゃ基本きほんほう(1968ねん)が制定せいていされ、ようやく産業さんぎょう優先ゆうせんかんがかたから消費しょうひしゃ優先ゆうせん原則げんそくへと移行いこうし、消費しょうひしゃ保護ほご基本きほんてき方向ほうこうしめされることとなった[3]

消費しょうひしゃには様々さまざま権利けんりがある。ただし、その権利けんりはただ事態じたい傍観ぼうかんしていると自然しぜんあたえられるといった性質せいしつのものではないので、消費しょうひしゃ権利けんりまもるために自発じはつてきたたかったり努力どりょくしたりすることが消費しょうひしゃ責務せきむだとかんがえられるようになってきている。

消費しょうひしゃ問題もんだい消費しょうひしゃ運動うんどう

[編集へんしゅう]

消費しょうひしゃ問題もんだい定義ていぎかならずしも一義的いちぎてきではないが、一般いっぱんてきなかからいちれいげると「最終さいしゅう消費しょうひしゃとして購入こうにゅうした商品しょうひん・サービスおよびその取引とりひきをめぐってしょうじる消費しょうひしゃ被害ひがいまたは不利益ふりえき問題もんだい」とされている[4]

米国べいこく

[編集へんしゅう]

1936ねんアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは『コンシューマー・レポート』という情報じょうほう発行はっこうされることになった。これは家電かでん製品せいひん自動車じどうしゃなどの機能きのう安全あんぜんせいをテストして、その情報じょうほう消費しょうひしゃ提供ていきょうするものである。

1960~1970年代ねんだいには、弁護士べんごし消費しょうひしゃ運動うんどうのリーダーのラルフ・ネーダーが、自動車じどうしゃ安全あんぜんせいかんする企業きぎょう告発こくはつおこない、それをきっかけとしてコンシューマリズムががった。

1962ねん3がつ15にちケネディ大統領だいとうりょう消費しょうひしゃ保護ほご特別とくべつ教書きょうしょにおいて、消費しょうひしゃの4つの権利けんりとして以下いかのものをげた[5]

  • 安全あんぜんもとめる権利けんり
  • えら権利けんり
  • らされる権利けんり
  • 意見いけんいてもらう権利けんり

日本にっぽんでの歴史れきし

[編集へんしゅう]

日本にっぽんでは、ふるくはちこわしはじまり、1918ねんまい騒動そうどう、1920年代ねんだい借家しゃくやじん運動うんどう、1921ねん結成けっせい神戸こうべ購買こうばい組合くみあいなだ購買こうばい組合くみあい、1928ねんおくむめおらのびかけではじまった婦人ふじんしょうせめ組合くみあい協会きょうかい愛国あいこく婦人ふじんかいなどが消費しょうひしゃ運動うんどう嚆矢こうしであるが、消費しょうひしゃ運動うんどう本格ほんかく戦後せんごになってからである

1945ねん昭和しょうわ20ねん)に、大阪おおさか主婦しゅふらが粗悪そあくひん追放ついほうかかげて「おしゃもじ運動うんどう」をこした。1948ねん昭和しょうわ23ねん)9がつ3にちには、「不良ふりょうマッチ追放ついほう主婦しゅふ大会たいかい」が原宿はらじゅく東京とうきょう)の社会しゃかい事業じぎょう会館かいかんひらかれた。当時とうじまだ配給はいきゅうせいだったマッチはこすっても着火ちゃっかしなかったり、れたりする良品りょうひんおおかった。おくむめおらのけで主婦しゅふすうひゃくにんあつまり、「1ごうさけを9ごうみずり1ます値段ねだんわされるようなもの」と抗議こうぎ商工しょうこうしょう経済けいざい安定あんてい本部ほんぶ官僚かんりょう同席どうせき企業きぎょう代表だいひょうに「粗悪そあくひんつくらない」と約束やくそくさせることに成功せいこう以後いご各地かくち主婦しゅふかい婦人ふじんかい結成けっせいされ、主婦しゅふ連合れんごうかい主婦連しゅふれん発足ほっそくにつながった[6]

昭和しょうわ30ねん〜40年代ねんだい(1955ねん〜65ねんごろ)、日本にっぽん高度こうど経済けいざい成長せいちょうはいると、大量たいりょう生産せいさん大量たいりょう消費しょうひおこなわれるようになり、事業じぎょうしゃ消費しょうひしゃとのあいだで、情報じょうほう非対称ひたいしょうせい極端きょくたんおおきくなり、いわゆる消費しょうひしゃ問題もんだいこるようになってきた。

1955ねん昭和しょうわ30ねん)には、森永もりながヒ素ひそミルク中毒ちゅうどく事件じけん発生はっせい。そのいちねんの1956ねん昭和しょうわ31ねん)には水俣病みなまたびょう発生はっせいし、食品しょくひん安全あんぜんせい公害こうがい疑問ぎもん消費しょうひしゃおおくなった。1960ねん昭和しょうわ35ねん)には「うそつき缶詰かんづめ事件じけん」(にせうしかん事件じけん)が発生はっせい[ちゅう 1]

1961ねん昭和しょうわ36ねん)には、サリドマイド睡眠薬すいみんやく事件じけん発生はっせい。1965ねん昭和しょうわ40ねん)には新潟にいがたけんだい水俣病みなまたびょう、1968ねん昭和しょうわ43ねん)にはカネミ油症かねみゆしょう事件じけんと、次々つぎつぎ消費しょうひしゃ被害ひがいしゃとなる事件じけん発生はっせいした[7]

1968ねん昭和しょうわ43ねん)5がつには消費しょうひしゃ保護ほご基本きほんほう制定せいていされた[8]。これは消費しょうひしゃのための憲法けんぽうともわれることがあるものであり、これによって行政ぎょうせい事業じぎょうしゃ消費しょうひしゃそれぞれの役割やくわり明確めいかくされた。それまでの「産業さんぎょう優先ゆうせん」にかたまったかんがかたから消費しょうひしゃ優先ゆうせん原則げんそくへと移行いこうし、消費しょうひしゃ行政ぎょうせい基礎きそ体系たいけいづけられ、消費しょうひしゃ保護ほごかんする基本きほんてき方向ほうこうしめされたのである。

その、この消費しょうひしゃ保護ほご基本きほんほう趣旨しゅしにのっとり、全国ぜんこく地方自治体ちほうじちたい消費しょうひ生活せいかつセンター設置せっちされることになった。これは消費しょうひしゃ行政ぎょうせいの"だい一線いっせん機関きかん"とも位置いちづけられるものであり、消費しょうひしゃからの苦情くじょう相談そうだん窓口まどぐちとなったり、苦情くじょう処理しょりテストや消費しょうひしゃ啓発けいはつおこなうなど、消費しょうひしゃ直接ちょくせつせっする業務ぎょうむおこなうものである。

1969ねん昭和しょうわ44ねん)には、日本にっぽん消費しょうひしゃ連盟れんめい設立せつりつされ『消費しょうひしゃレポート』が出版しゅっぱんされるようになった。これは告発こくはつがたのそれである。 一方いっぽう、1970年代ねんだいには消費しょうひしゃ団体だんたい乱立らんりつられ玉石混交ぎょくせきこんこう状態じょうたいした。なかにはユーザーユニオン事件じけんなど企業きぎょうへの圧力あつりょく恐喝きょうかつにあたるかかを裁判さいばんあらそ団体だんたいあらわれた[9]

1970ねん昭和しょうわ45ねん)に、消費しょうひ生活せいかつセンター開設かいせつされた当時とうじ消費しょうひしゃ最大さいだい関心事かんしんじ食品しょくひん安全あんぜんせいであった。当時とうじ牛乳ぎゅうにゅうBHC汚染おせんはつがんせい問題もんだいとなったAF-2チクロなどの食品しょくひん添加てんかぶつさかな水銀すいぎん汚染おせんなどの問題もんだい発生はっせいしていた。1970ねん〜79ねんまでにせられた相談そうだん件数けんすうでも、食料しょくりょうひん相談そうだんが1めている[10]食品しょくひん添加てんかぶつ健康けんこう食品しょくひんなどにかんする相談そうだんおおかった。

1972ねん昭和しょうわ47ねん)から1973ねん昭和しょうわ48ねん)の「だいいち石油せきゆ危機きき」にさいしては、石油せきゆ製品せいひん値上ねあ協定きょうてい締結ていけつしたとして、鶴岡つるおか消費しょうひしゃ山形やまがた地方裁判所ちほうさいばんしょ鶴岡つるおか支部しぶ損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅう訴訟そしょうこした。いちしんでは勝訴しょうそしたものの、仙台せんだい高等こうとう裁判所さいばんしょ逆転ぎゃくてん敗訴はいそ判決はんけつくだし、最終さいしゅうてきには1989ねん平成へいせい元年がんねん)に最高さいこう裁判所さいばんしょ原告げんこく敗訴はいそ確定かくていした(鶴岡つるおか灯油とうゆ事件じけんさいはん平成へいせい元年がんねん12がつ8にちみんしゅう43かん11ごう1259ぺーじ)。

昭和しょうわ50〜60年代ねんだい(1975ねん〜85ねんごろ)には訪問ほうもん販売はんばいさかんになり、これにかんするトラブルがえた。典型てんけいてき事例じれいとしては豊田商事とよたしょうじ事件じけんげられる。

1976ねん昭和しょうわ51ねん)には訪問ほうもん販売はんばいほう現在げんざい特定とくていしょう取引とりひきほう前身ぜんしん)が制定せいていされた。また、消費しょうひしゃ保護ほごするためにクーリングオフ制度せいどもうけられた。

昭和しょうわ60年代ねんだい(1985ねん〜)になると、消費しょうひ生活せいかつ多様たよう複雑ふくざつし、消費しょうひ生活せいかつセンターへの相談そうだんとしては、住居じゅうきょひん教養きょうよう娯楽ごらくひん保健ほけん衛生えいせいひんなどの相談そうだん件数けんすう増加ぞうかし、食料しょくりょうひんわせ件数けんすうは3になった。ただし、食料しょくりょうひん相談そうだん件数けんすうはほぼよこばいで、ったわけではなく、わせがえたのである[11]

1987ねん昭和しょうわ62ねん)には、霊感れいかん商法しょうほう開運かいうん商法しょうほうによる被害ひがいしゃおおた。

1993ねん平成へいせい5ねん)には、消費しょうひしゃ金融きんゆう業者ぎょうしゃ無人むじん契約けいやく街角まちかど登場とうじょう。その増加ぞうかともなりすぎにより借金しゃっきん地獄じごくおちいひとえている(2003ねん時点じてん個人こじん自己じこ破産はさんは24まんけん)。

1994ねん平成へいせい6ねん)には製造せいぞうぶつ責任せきにんほう制定せいていされ、翌年よくねん施行しこうされた。

1997ねん平成へいせい7ねん)1がつには、「販売はんばいした宝石ほうせきを5ねん販売はんばい価格かかくもどす」という特約とくやくづけで、高額こうがくダイヤモンドをクレジット契約けいやく利用りようして販売はんばいしていたココ山岡やまおか破産はさん宣告せんこくけ、全国ぜんこく規模きぼ被害ひがい一挙いっきょ発覚はっかくした(ココ山岡やまおか事件じけん)。

1998ねん平成へいせい10ねん)に、外貨がいか取引とりひき規制きせい撤廃てっぱいした改正かいせい外国がいこく為替かわせほう施行しこうされ、外国がいこく為替かわせ証拠しょうこきん取引とりひき(FX)が急速きゅうそく普及ふきゅうしたが、消費しょうひしゃ被害ひがいしゃとなるケースも大量たいりょう発生はっせいした。これにたいし2005ねん平成へいせい17ねん)7がつに、改正かいせい金融きんゆう先物さきもの取引とりひきほう施行しこうされ、FX業者ぎょうしゃ金融きんゆうちょう監督かんとくかれることとなった。

2002ねん平成へいせい14ねん)に個人こじん自己じこ破産はさん申立もうしたてが20まんけん突破とっぱするなど、クレジット・消費しょうひしゃ金融きんゆう問題もんだい顕在けんざいしていた。これにたい最高裁判所さいこうさいばんしょ判決はんけつさいたっ平成へいせい18ねん1がつ13にちみんしゅう60かん1ごう1ぺーじ)で、改正かいせいまえ貸金かしきん業法ぎょうほう43じょう1こう(「みなし弁済べんさい規定きてい)の要件ようけん厳格げんかく解釈かいしゃくする立場たちばり、国会こっかいも2006ねん平成へいせい18ねん)には、出資法しゅっしほう貸金かしきん業法ぎょうほう抜本ばっぽんてき改正かいせいしていわゆる「みなし弁済べんさい規定きていと「グレーゾーン金利きんり」を廃止はいしした。

2005ねん平成へいせい17ねん)11月には、構造こうぞう計算けいさんしょ偽造ぎぞう問題もんだい発覚はっかく一級いっきゅう建築けんちく構造こうぞう計算けいさんしょ偽造ぎぞうし、おおくの耐震たいしんせいけるマンションとう建築けんちく販売はんばいされていることがかった。

2006ねん平成へいせい18ねん)には、消費しょうひしゃ契約けいやくほう改正かいせいされ、消費しょうひしゃ団体だんたい訴訟そしょう制度せいど導入どうにゅうされた。

2006ねん平成へいせい18ねん)11月から12がつにかけて、最高裁判所さいこうさいばんしょはいわゆるがく納金のうきん返還へんかん問題もんだい入学にゅうがく辞退じたいしゃたいする納付のうふ学費がくひ入学にゅうがくきんとう返還へんかん問題もんだい)について、相次あいついで判決はんけつさいはん平成へいせい18ねん11月27にちみんしゅう60かん9ごう3732ぺーじさいはん平成へいせい18ねん12月22にちばん1958ごう69ぺーじ)をくだし、消費しょうひしゃ契約けいやくほう9じょう1ごう適用てきよう3月31にちまでに契約けいやく解除かいじょした場合ばあいには、大学だいがくがわしょうずべき平均へいきんてき損害そんがいそんしないとして、授業じゅぎょうりょう全額ぜんがく返還へんかんみとめた(入学にゅうがくきんについては請求せいきゅう棄却ききゃくしている)。

近年きんねんでは、インターネットオークションなどの電子でんし商取引しょうとりひきかんするトラブルが増加ぞうか全国ぜんこく消費しょうひしゃセンターにせられた電子でんし商取引しょうとりひき関連かんれん苦情くじょう件数けんすうは、2006年度ねんどで38,519けんと、5ねんまえの5ばい以上いじょうたっしている。なお、これに関連かんれんして2001ねん平成へいせい13ねん)12月に電子でんし消費しょうひしゃ契約けいやくおよ電子でんし承諾しょうだく通知つうちかんする民法みんぽう特例とくれいかんする法律ほうりつ電子でんし消費しょうひしゃ契約けいやくほう)が施行しこうされ、いわゆるクリックミスが、民法みんぽう95じょう重過失じゅうかしつとならないことが明文化めいぶんかされた。

2008ねん平成へいせい20ねん)には、消費しょうひしゃちょう設置せっちけての一連いちれんうごきがきた。2月8にち閣議かくぎ決定けっていもとづいて「消費しょうひしゃ行政ぎょうせい推進すいしん会議かいぎ」が設置せっちされた。4月23にちだい6かい会合かいごうのちにはどう会議かいぎは「消費しょうひしゃちょう仮称かしょう)の創設そうせつけて」とだいして、消費しょうひしゃちょう所管しょかん位置いちづけなどにかんする「6つの基本きほん方針ほうしん」と、国民こくみん本位ほんい行政ぎょうせい実現じつげんなど「まもるべき3原則げんそく」をまとめた文書ぶんしょ発表はっぴょう。6月13にちには「消費しょうひしゃ行政ぎょうせい推進すいしん会議かいぎりまとめ 〜消費しょうひしゃ生活せいかつしゃ視点してん行政ぎょうせいへの転換てんかん〜」を発表はっぴょうした。2009ねん平成へいせい21ねん9月1にち消費しょうひしゃちょう誕生たんじょうした。

消費しょうひしゃかかわる法規ほうき

[編集へんしゅう]

消費しょうひしゃ権利けんり責任せきにん

[編集へんしゅう]

消費しょうひしゃ権利けんり

[編集へんしゅう]

消費しょうひしゃ権利けんりについては様々さまざま表現ひょうげんのしかたがあるが、ケネディ大統領だいとうりょうが1962ねん提示ていじした4つがもっと有名ゆうめいである[5]

  • 安全あんぜんである権利けんり (the right to safety)
  • 選択せんたくする権利けんり (the right to choose)
  • らされる権利けんり (the right to be informed)
  • 意見いけんをききいれてもらう権利けんり (the right to be heard)

ほかにも、近年きんねんでは以下いかの4つで表現ひょうげんされることもある[12]

  • 権利けんり
  • えら権利けんり
  • 安全あんぜんである権利けんり
  • 要求ようきゅうする権利けんり

もっと権利けんり要求ようきゅうする必要ひつようせい

[編集へんしゅう]

消費しょうひしゃ権利けんりは、をこまねいて傍観ぼうかんしていてあたえられるといった性質せいしつのものではない[13]権利けんりには責任せきにんともなう。消費しょうひしゃ責任せきにんとは、権利けんりえら権利けんり安全あんぜんである権利けんり要求ようきゅうする権利けんりまもるためにたたかうあるいは努力どりょくする責任せきにん意味いみする[13]

牛肉ぎゅうにく偽装ぎそう事件じけんのような事態じたい日本にっぽん代表だいひょうするような企業きぎょう次々つぎつぎ発生はっせいするということは、消費しょうひしゃの、企業きぎょうたいする権利けんり要求ようきゅうがまだまだよわすぎて、不十分ふじゅうぶんであったことを意味いみしている[13]消費しょうひしゃ企業きぎょうにとって顧客こきゃくであり、顧客こきゃく不買ふばい運動うんどうこすことができるのであり、偽装ぎそう欺瞞ぎまんをあえておこなうような企業きぎょう懲罰ちょうばつしたり、解体かいたいにまでむことは可能かのうなのである[13]

消費しょうひしゃなかには、自分じぶんたすべき責務せきむ放棄ほうきして、他者たしゃ責任せきにん転嫁てんかする状態じょうたいられる。これを神門ごうど善久ぜんくは「消費しょうひしゃエゴ」とんでいる[14][ちゅう 2]消費しょうひしゃは、しょく安全あんぜんせいかんするリスクコミュニケーション積極せっきょくてき参加さんかするようにならなくてはならない、とかみもんべる[15]

民法みんぽう改正かいせい

[編集へんしゅう]

約款やっかん」をめぐる規定きてい新設しんせつ

2015ねん2がつ10日とおか法制ほうせい審議しんぎかい民法みんぽう部会ぶかいは、事業じぎょうしゃ消費しょうひしゃしめ約款やっかんかんする規定きてい新設しんせつし、契約けいやくルールなど債権さいけんかんする規定きてい見直みなお民法みんぽう改正かいせい要綱ようこうあんめた。改正かいせい項目こうもくやく200におよぶ。これまでのような消費しょうひしゃ利益りえき一方いっぽうてきがいする約款やっかん無効むこうとする。法務省ほうむしょうは2015ねん3がつ下旬げじゅん民法みんぽう改正かいせいあん国会こっかい提出ていしゅつする予定よてい約款やっかん規制きせいかんしては、経済けいざいかいつよ反発はんぱつがあり調整ちょうせい難航なんこうしていた。民法みんぽう債権さいけん規定きてい大幅おおはば改正かいせいは、1896ねん制定せいてい以来いらいはじめとなる[16]

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく

[編集へんしゅう]
  1. ^ 主婦しゅふ連合れんごうかいでも確認かくにん可能かのう
  2. ^ 転嫁てんかさきとしてげられているのは、しゅとして行政ぎょうせい政府せいふ

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b c 『クレームにまなしょく安全あんぜん』p.15
  2. ^ 消費しょうひしゃほう講義こうぎ だい3はん』p.21
  3. ^ 『クレームにまなしょく安全あんぜん』p.15〜16
  4. ^ 和歌山わかやまけんけん消費しょうひしゃセンターHP
  5. ^ a b 『コンシューマリズム』
  6. ^ 【はじまりをあるく】消費しょうひしゃ運動うんどう原宿はらじゅく東京とうきょう粗悪そあくなマッチ 主婦しゅふうごいた朝日新聞あさひしんぶん土曜どよう朝刊ちょうかんべつり「be」2020ねん10がつ17にち(6-7めん)2020ねん11月1にち閲覧えつらん
  7. ^ 『クレームにまなしょく安全あんぜん』p.17
  8. ^ 安全あんぜんらしかた事典じてん
  9. ^ こわかつ未遂みすい無罪むざい 消費しょうひしゃ運動うんどう事件じけん判決はんけつ朝日新聞あさひしんぶん』1979ねん昭和しょうわ54ねん)9がつ20日はつか朝刊ちょうかん 13はん 22めん
  10. ^ 『クレームにまなしょく安全あんぜん』p.22
  11. ^ 『クレームにまなしょく安全あんぜん』p.22〜23
  12. ^ しょく安全あんぜんシステムをつくる事典じてん』p.265〜273
  13. ^ a b c d しょく安全あんぜんシステムをつくる事典じてん』p.273
  14. ^ 日本にっぽんしょくのう』p.30
  15. ^ 日本にっぽんしょくのう』p.68
  16. ^ 消費しょうひしゃがいする約款やっかん無効むこう民法みんぽう改正かいせいあん来月らいげつ提出ていしゅつ法制審ほうせいしん部会ぶかい[リンク]時事通信じじつうしんYahoo!ニュース 2015ねん2がつ10日とおか(火)1814ふん配信はいしん

参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]
  • 日本にっぽん消費しょうひしゃ連盟れんめい へん安全あんぜんらしかた事典じてん緑風りょくふう出版しゅっぱん、2000ねんISBN 4-8461-0009-X 
  • 石田いしだ英雄ひでお『クレームにまなしょく安全あんぜん海鳥うみどりしゃ、2005ねんISBN 4-87415-517-0 
  • 日本にっぽん弁護士べんごし連合れんごうかい へん消費しょうひしゃほう講義こうぎ』(3はん日本にっぽん評論ひょうろんしゃ、2009ねん 
  • 岩永いわなが忠康ただやすほか編著へんちょ流通りゅうつう消費しょうひしゃ慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがく出版しゅっぱんかい、2008ねんISBN 4-7664-1509-4 
  • 吉田よしだ良子りょうこ編著へんちょ佐々木ささき貴子たかこほかちょ消費しょうひしゃ問題もんだい入門にゅうもん』(2はん)、2001ねんISBN 4-7679-1439-6 
  • デビッド・A. アーカー、ジョージ・S. デー『コンシューマリズム』千倉ちくら書房しょぼう、1984ねん 
  • 神門ごうど善久ぜんく日本にっぽんしょくのうNTT出版しゅっぱん、2006ねん 

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]