出典 しゅってん : フリー百科 ひゃっか 事典 じてん 『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハッブル宇宙 うちゅう 望遠鏡 ぼうえんきょう が撮影 さつえい した渦巻 うずまき 銀河 ぎんが NGC4414
ハッブル宇宙 うちゅう 望遠鏡 ぼうえんきょう が撮影 さつえい した渦巻 うずまき 銀河 ぎんが M51の中心 ちゅうしん 部 ぶ 。渦状 かじょう 腕 うで に沿 そ ってHII領域 りょういき やダーク・レーンが存在 そんざい している。
渦巻 うずまき 構造 こうぞう を作 つく る密度 みつど 波 は
渦巻 うずまき 銀河 ぎんが [ 1] (うずまきぎんが、spiral galaxy[ 1] )は、銀河 ぎんが のハッブル分類 ぶんるい における種類 しゅるい の一 ひと つ。
渦巻 うずまき 銀河 ぎんが は以下 いか のような特徴 とくちょう を持 も つ。
渦巻 うずまき 銀河 ぎんが はディスク内 ない に明 あか るい渦状 かじょう 腕 うで を持 も っているためにその名 な が付 つ いている。渦状 かじょう 腕 うで はバルジから外側 そとがわ に向 む かって螺旋 らせん を描 えが くように伸 の びており、腕 うで に沿 そ ってダーク・レーン と呼 よ ばれる暗 くら い筋 すじ 状 じょう の構造 こうぞう やHII領域 りょういき などの星 ほし 形成 けいせい の盛 さか んな領域 りょういき が見 み られる。渦巻 うずまき 銀河 ぎんが の中 なか には羊毛 ようもう 状 じょう 渦巻 うずまき 銀河 ぎんが と呼 よ ばれる、あまり明瞭 めいりょう でない切 き れ切 ぎ れの渦状 かじょう 腕 うで を持 も つような銀河 ぎんが もあるが、この渦状 かじょう 腕 うで の存在 そんざい によって渦巻 うずまき 銀河 ぎんが とレンズ状 じょう 銀河 ぎんが (S0銀河 ぎんが )は区別 くべつ される。渦巻 うずまき 銀河 ぎんが のディスクは大 おお きな楕円 だえん 体 たい の銀河 ぎんが ハロー に取 と り囲 かこ まれている。銀河 ぎんが ハローには種族 しゅぞく IIの星 ほし が含 ふく まれ、その多 おお くは球状 きゅうじょう 星団 せいだん として存在 そんざい し、銀河 ぎんが 中心 ちゅうしん の周囲 しゅうい を軌道 きどう 運動 うんどう している。
我々 われわれ の銀河系 ぎんがけい も渦巻 うずまき 銀河 ぎんが であり、ハッブル分類 ぶんるい では Sb に相当 そうとう すると考 かんが えられていたが、最近 さいきん の研究 けんきゅう では、銀河系 ぎんがけい は棒 ぼう 渦巻 うずまき 銀河 ぎんが であるという説 せつ が有力 ゆうりょく であり、その場合 ばあい には SBb に相当 そうとう するのではないかとされている。
渦巻 うずまき 銀河 ぎんが の渦状 かじょう 腕 うで がなぜできるかについて初期 しょき に研究 けんきゅう を行 おこな ったのはベルティル・リンドブラッド である。彼 かれ は、星 ほし が永久 えいきゅう に螺旋 らせん 状 じょう に配列 はいれつ していると仮定 かてい すると、巻 ま き込 こ みのジレンマ によっていずれ腕 うで は何 なん 重 じゅう にも巻 ま き込 こ まれてしまい、現在 げんざい のような安定 あんてい した姿 すがた を保 たも つことはできないことを示 しめ した。銀河 ぎんが ディスクは回転 かいてん の角速度 かくそくど が銀河 ぎんが 中心 ちゅうしん からの距離 きょり によって異 こと なる差 さ 動 どう 回転 かいてん をしているため、車輪 しゃりん のスポークのような動 どう 径 みち 方向 ほうこう に伸 の びる腕 うで があったとしても、銀河 ぎんが の回転 かいてん によってすぐに巻 ま きついてしまう。実際 じっさい の銀河 ぎんが の腕 うで はこのようにはなっていない。
1964年 ねん 、C. C. リン とフランク・シュー がこの問題 もんだい を解決 かいけつ する理論 りろん を初 はじ めて提案 ていあん した。彼 かれ らは渦状 かじょう 腕 うで はディスクに生 しょう じた螺旋 らせん 状 じょう の密度 みつど 波 は が目 め に見 み えているものだと指摘 してき した。彼 かれ らはディスク内 ない の星 ほし の軌道 きどう がわずかに楕円 だえん 軌道 きどう を描 えが いており、その楕円 だえん 軌道 きどう の向 む きが星 ほし 同士 どうし 互 たが いに相関 そうかん を持 も っていて、銀河 ぎんが 中心 ちゅうしん からの距離 きょり に応 おう じて滑 なめ らかに少 すこ しずつ変化 へんか していると仮定 かてい した。星 ほし の軌道 きどう がこのような条件 じょうけん に従 したが っていると、ディスク内 ない に星 ほし の密度 みつど の高 たか い部分 ぶぶん が螺旋 らせん 状 じょう にできることを彼 かれ らは示 しめ した。
従 したが って、ディスク内 ない の星 ほし は現在 げんざい 我々 われわれ が観測 かんそく した位置 いち にいつまでもとどまっているわけではなく、軌道 きどう 運動 うんどう によって腕 うで の部分 ぶぶん を定期 ていき 的 てき に通 とお り抜 ぬ けていることになる。
これはよく、所々 ところどころ に渋滞 じゅうたい が発生 はっせい している高速 こうそく 道路 どうろ に喩 たと えられる。渋滞 じゅうたい が発生 はっせい している箇所 かしょ が銀河 ぎんが の渦状 かじょう 腕 うで に相当 そうとう する。渋滞 じゅうたい の中 なか にいる自動車 じどうしゃ はそこにとどまっているのではなく低速 ていそく ながらも走 はし っており、いずれ渋滞 じゅうたい 部分 ぶぶん を抜 ぬ け出 だ す。これと同様 どうよう に、渦状 かじょう 腕 うで を構成 こうせい している星 ほし は常 つね に同 おな じではなく入 い れ替 か わっているが、腕 うで 自体 じたい は星 ほし の密度 みつど が高 たか い部分 ぶぶん として同 おな じ位置 いち に存在 そんざい し続 つづ ける[ 2] 。
^ a b 『オックスフォード天文学 てんもんがく 辞典 じてん 』(初版 しょはん 第 だい 1刷 さつ )朝倉書店 あさくらしょてん 、38頁 ぺーじ 。ISBN 4-254-15017-2 。
^ 日本 にっぽん 大 だい 百科全書 ひゃっかぜんしょ (ニッポニカ)の解説 かいせつ - 渦状 かじょう 構造 こうぞう 密度 みつど 波 は 理論 りろん