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銀河ぎんが形成けいせい進化しんか

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現代げんだい宇宙うちゅうろん
宇宙うちゅう
ビッグバンブラックホール
宇宙うちゅう年齢ねんれい
宇宙うちゅう年表ねんぴょう

銀河ぎんが形成けいせい進化しんか(ぎんがのけいせいとしんか、Galaxy formation and evolution)にかんする研究けんきゅうは、均質きんしつはじまりから均質きんしつ宇宙うちゅう形成けいせいされる過程かてい銀河ぎんが経時きょうじてき変化へんか近傍きんぼう銀河ぎんが観察かんさつされるような多様たよう構造こうぞう形成けいせい過程かていとうかんしておこなわれてきた。宇宙うちゅう物理ぶつりがく領域りょういきにおいても、もっと活発かっぱつ分野ぶんやひとつである。

銀河ぎんが形成けいせいは、ビッグバンちいさな量子りょうしゆらぎ結果けっかとして構造こうぞう形成けいせい理論りろんしたがってしょうじたとかんがえられている。観測かんそくされる現象げんしょう適合てきごうするこれのもっと単純たんじゅんなモデルは、Λらむだ-CDMモデルであり、銀河ぎんが集合しゅうごう融合ゆうごうによって銀河ぎんが質量しつりょう獲得かくとくし、またかたち構造こうぞうまったとされる。

最初さいしょ銀河ぎんが形成けいせい

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ビッグバン直後ちょくごには宇宙うちゅう非常ひじょう均質きんしつであった。これは宇宙うちゅうマイクロ背景はいけい放射ほうしゃ観測かんそく確認かくにんできる(ゆらぎは10まんぶんの1以下いかである)。このころ宇宙うちゅうにはほとんど構造こうぞうはなく、銀河ぎんがもなかった。そのため、「初期しょきなめらかで均質きんしつ宇宙うちゅうから、どのようにして今日きょうのような均質きんしつ宇宙うちゅうしょうじたのか?」という疑問ぎもんしょうじる。

このような構造こうぞうしょうじた過程かていかんする、近年きんねんもっとれられた仮説かせつ理論りろん)は、「今日きょうられるすべての構造こうぞうは、初期しょき宇宙うちゅう密度みつどのわずかな均一きんいつせい(『初期しょきゆらぎ』)からしょうじた」とするものである。そして「やされた暗黒あんこく物質ぶっしつかたまり凝縮ぎょうしゅくはじめ、そのなかでガスが凝縮ぎょうしゅくはじめた。初期しょきゆらぎは重力じゅうりょくによってガスや暗黒あんこく物質ぶっしつ密度みつど領域りょういきせ、こうしてのち銀河ぎんがとなるたね形成けいせいされた。このような構造こうぞうなかから最初さいしょ銀河ぎんがまれた。(最初さいしょ銀河ぎんが形成けいせいされるころ)宇宙うちゅうはほぼ水素すいそヘリウム暗黒あんこく物質ぶっしつめられていた。」また「「最初さいしょ原始げんし銀河ぎんが形成けいせいされるとすぐに、そのなかふくまれる水素すいそとヘリウムがあつまりはじめ、最初さいしょ恒星こうせい誕生たんじょうした。」などという説明せつめいおおい。

2007ねんケック天文台てんもんだいカリフォルニア工科こうか大学だいがくのチームは、宇宙うちゅうができてわずか5おくねんである132おく光年こうねん彼方かなたに6つの恒星こうせいからなる銀河ぎんが発見はっけんした[1]。また、2011ねん1がつには、ビッグバンから4おく8000まんねんたる130おく光年こうねんはなれた場所ばしょ銀河ぎんが発見はっけんされた。

また「宇宙うちゅうは、形成けいせい直後ちょくごには非常ひじょう活発かっぱつであり、銀河ぎんが低質ていしつりょう銀河ぎんが吸収きゅうしゅうしながら急速きゅうそく成長せいちょうした。この過程かてい結果けっか近傍きんぼう宇宙うちゅう銀河ぎんが分散ぶんさんしていった」などと説明せつめいされる。(2dF銀河ぎんがあか方偏かたへんうつりサーベイ参照さんしょう)。「銀河ぎんが宇宙うちゅうにおいて独立どくりつした存在そんざいではなく、宇宙うちゅう全体ぜんたいおおきくもうるような構造こうぞうつくって分散ぶんさんしている。もうたる地点ちてん宇宙うちゅう初期しょきちいさな密度みつどのゆらぎがあった場所ばしょであり、密度みつどたか銀河ぎんがだん形成けいせいされる。それゆえに、銀河ぎんが分布ぶんぷ初期しょき宇宙うちゅう物理ぶつりがく密接みっせつ関連かんれんしている。」

銀河ぎんがさきなのか? ブラックホールがさきなのか?

なお、(2017~2018ねんころには)さかんに「(ほぼ)すべての銀河ぎんが中心ちゅうしんには『超大ちょうだい質量しつりょうブラックホール』がひそんでいる、ということがあきらかになってきた」などと指摘してきされるようになっている。

銀河ぎんが形成けいせいとブラックホールの形成けいせい因果いんが関係かんけいについては、「ほしがたくさんできたので、中心ちゅうしんのブラックホールがおおきくなれた」とする仮説かせつと、「まず巨大きょだいなブラックホールがあったから、その周囲しゅういほし形成けいせいがさかんになったのだ」とする仮説かせつがあり、つまり2つのことなる方向ほうこうせい仮説かせつ提唱ていしょうされており、一種いっしゅの「にわとりさきか?たまごさきか?論争ろんそうにも議論ぎろんきている[2]。 どちらの仮説かせつがより妥当だとうなのか、実際じっさい観測かんそくによってたしかめようとするこころみがおこなわれている。フランスの天体てんたい物理ぶつり学者がくしゃダヴィッド・エルバズフランス語ふらんすごばんひきいる研究けんきゅうグループがヨーロッパ南天なんてん天文台てんもんだいESO)の大型おおがた望遠鏡ぼうえんきょうVLT使つかってクエーサー「HE0450-2958」を観測かんそくし、これが銀河ぎんがなかになく、むき状態じょうたいになっており、すこはなれた場所ばしょほし形成けいせいさかんな銀河ぎんが発見はっけんした。エルバズは「我々われわれ研究けんきゅう示唆しさしていることは、巨大きょだいブラックホールが、ほし形成けいせいのトリガー(ひきがね)となりる、ということであり、ブラックホールは自身じしんのホストてき銀河ぎんがを「つくって」いる、ということである。こうした関係かんけいは、なぜよりおおきなブラックホールをかかえる銀河ぎんがにはよりおおくのほしがあるのか? という問題もんだいについても説明せつめい提供ていきょうしてくれるかもれない。」とべた[2]

銀河ぎんが観測かんそくされる共通きょうつう性質せいしつ

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非常ひじょううす円盤えんばんNGC 891
銀河ぎんが形態けいたいハッブル分類ぶんるい

我々われわれ銀河系ぎんがけいふく銀河ぎんが構造こうぞうかんして観察かんさつされる性質せいしつには、つぎのようなものがある。

  • 渦巻うずまき銀河ぎんが円盤えんばん銀河ぎんが非常ひじょううすく、高密度こうみつどで、非常ひじょうはや回転かいてんしている。銀河系ぎんがけい円盤えんばん直径ちょっけいは、あつさの100ばい以上いじょうである。
  • 銀河ぎんが質量しつりょうだい部分ぶぶんは、直接ちょくせつ観測かんそくされず、重力じゅうりょく以外いがい相互そうご作用さようたない暗黒あんこく物質ぶっしつ構成こうせいされる。
  • 銀河ぎんがハロー恒星こうせいは、円盤えんばん恒星こうせいくらべて非常ひじょうふるく、金属きんぞくりょうすくない(つまり、ほぼ水素すいそとヘリウムで構成こうせいされている)。
  • 円盤えんばん銀河ぎんがおおくは、ふる恒星こうせい構成こうせいされた円盤えんばん外側そとがわふくらんでいる。
  • 球状きゅうじょう星団せいだん通常つうじょうふるくて金属きんぞくりょうすくないが、金属きんぞくりょう比較的ひかくてきおおわかいものも若干じゃっかん存在そんざいする。球状きゅうじょう星団せいだん恒星こうせいなかには、宇宙うちゅう自身じしんおなじくらいふるいものも存在そんざいする。
  • 水素すいそ構成こうせいされるくも高速度こうそくどくもから銀河ぎんがかって「あめ」としてる(これは、銀河ぎんが恒星こうせい形成けいせいされるための必要ひつよう不可欠ふかけつ物質ぶっしつげんである)。
  • 銀河ぎんがは、巨大きょだい楕円だえん銀河ぎんがからうす円盤えんばん銀河ぎんがまで、非常ひじょう様々さまざまかたちおおきさになる(ハッブル分類ぶんるい参照さんしょう)。
  • 巨大きょだい銀河ぎんがおおくは、中央ちゅうおう太陽たいよう質量しつりょうすうひゃくまんばいからすうじゅうおくばいおよちょうだい質量しつりょうブラックホールつ。ブラックホール質量しつりょうは、ふくまれる銀河ぎんが性質せいしつ関連かんれんしている。
  • 銀河ぎんが性質せいしつおおくは、渦巻うずまき銀河ぎんが楕円だえん銀河ぎんがの2種類しゅるい根源こんげんてき分類ぶんるい存在そんざいすることを示唆しさしている。

円盤えんばん銀河ぎんが形成けいせい

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典型てんけいてき渦巻うずまき銀河ぎんがであるM101
べつ銀河ぎんが衝突しょうとつしていが渦巻うずまき銀河ぎんがESO 510-G13。衝突しょうとつした銀河ぎんが完全かんぜん吸収きゅうしゅうされたのちゆがみは消失しょうしつするが、すうひゃくまんねんかかる。

円盤えんばん銀河ぎんが主要しゅよう性質せいしつは、非常ひじょううすく、高速こうそく自転じてんし、しばしば渦巻うずま構造こうぞうつということである。この銀河ぎんが形成けいせいかんする説明せつめいの1つは、局所きょくしょてき非常ひじょうおおくのうす円盤えんばん銀河ぎんが形成けいせいされたというものであるが、円盤えんばん非常ひじょうこわれやすく、銀河ぎんが融合ゆうごうするとすぐに円盤えんばんこわれてしまうというのが問題もんだいである。

1962ねんオリン・エッゲンドナルド・リンデンベルアラン・サンデージ[3]巨大きょだい分子ぶんしくも崩壊ほうかいによって円盤えんばん銀河ぎんがができるという理論りろん提案ていあんした。分子ぶんしくも崩壊ほうかいすると、ガスは急速きゅうそく回転かいてんする円盤えんばんじょうになる。トップダウン形成けいせいシナリオとしてられ、非常ひじょうにシンプルであったが、初期しょき宇宙うちゅう観測かんそくがボトムアップによる形成けいせいちいさな物体ぶったいあつまっておおきくなる)をつよ示唆しさしていたため、ひろくはれられなかった。よりちいさな物体ぶったいあつまって銀河ぎんが形成けいせいしたという仮説かせつは、 レオナルド・サールロバート・ジン[4]によってはじめて提案ていあんされた。

より最近さいきん理論りろんでは、ボトムアップの過程かてい暗黒あんこく物質ぶっしつ銀河ぎんがハローがあつまったというものがある。初期しょき銀河ぎんがはほとんどがガスと暗黒あんこく物質ぶっしつでできており、恒星こうせいすこししかなかった。ちいさな銀河ぎんがんで銀河ぎんが質量しつりょうえてくると、暗黒あんこく物質ぶっしつだい部分ぶぶん銀河ぎんが外側そとがわあつまるようになる。これは、暗黒あんこく物質ぶっしつ重力じゅうりょくのみとしか相互そうご作用さようできず、分散ぶんさんしないためである。しかし、ガスはすぐに相互そうご作用さようして急速きゅうそく回転かいてんはじめ、非常ひじょううす回転かいてんはや円盤えんばんになる。

現在げんざいでも、どのような過程かてい銀河ぎんが収縮しゅうしゅくまったのかはあきらかになっていない。実際じっさいに、円盤えんばん銀河ぎんが形成けいせい理論りろん円盤えんばん銀河ぎんが回転かいてん速度そくどおおきさについて説明せつめいできていない。あたらしくできた恒星こうせいからの放射ほうしゃ活動かつどう銀河ぎんがかく円盤えんばん収縮しゅうしゅく速度そくどゆるめたというせつや、暗黒あんこく物質ぶっしつ銀河ぎんがハローが銀河ぎんが収縮しゅうしゅくめたというせつ提案ていあんされている。

近年きんねん銀河ぎんが進化しんかにおける銀河ぎんが同士どうし融合ゆうごうについて注目ちゅうもくあつまっている。銀河系ぎんがけい自身じしんも、現在げんざいかれて銀河系ぎんがけいまれつつあるいて矮小わいしょう楕円だえん銀河ぎんがというちいさなばん銀河ぎんがっている。このたね出来事できごとは、おおきな銀河ぎんが進化しんか過程かていではくあることだとかんがえられている。いて矮小わいしょう楕円だえん銀河ぎんがは、銀河系ぎんがけい円盤えんばんたいしてほぼ直角ちょっかく公転こうてんしている。現在げんざいはちょうど円盤えんばん横切よこぎっているところであり、恒星こうせいがはぎられて銀河系ぎんがけい銀河ぎんがハローになっている。このような融合ゆうごうは、あたらしいガス、恒星こうせい暗黒あんこく物質ぶっしつ供給きょうきゅうする。この過程かてい証拠しょうこは、銀河ぎんがゆがみやながれとしてしばしば観測かんそくされている。

銀河ぎんが形成けいせいかんするΛらむだ-CDMモデルでは、宇宙うちゅう円盤えんばん銀河ぎんがかず過小かしょう算出さんしゅつされる[5]。この理由りゆうは、これらの銀河ぎんが形成けいせいモデルは多数たすう融合ゆうごう予測よそくするためである。円盤えんばん銀河ぎんが同等どうとう程度ていど質量しつりょうすくなくとも15%以上いじょう)をべつ銀河ぎんが融合ゆうごうすると、銀河ぎんが破壊はかいされるかまたは円盤えんばん銀河ぎんがとしてはのこらない。この事実じじつ解決かいけつ問題もんだいとしてのこっているものの、Λらむだ-CDMモデルがまった間違まちがっていることを意味いみするものではない。しかし、宇宙うちゅう銀河ぎんがかず正確せいかく再現さいげんするように理論りろんのさらなる改良かいりょうもとめられている。

銀河ぎんが融合ゆうごう楕円だえん銀河ぎんが形成けいせい

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典型てんけいてき楕円だえん銀河ぎんがであるESO 325-G004
マウス銀河ぎんがは、銀河ぎんが融合ゆうごう進行しんこうしつつあるれいである。

もっと質量しつりょうおおきな銀河ぎんが楕円だえん銀河ぎんがである。銀河ぎんがなかでは、円盤えんばん銀河ぎんがのようにおな方向ほうこう公転こうてんはせず、恒星こうせいはランダムな方向ほうこうかってすすんでいる。ふる恒星こうせいから構成こうせいされ、ちりはほとんどふくまれない。これまで観測かんそくされたすべての楕円だえん銀河ぎんが中心ちゅうしんちょうだい質量しつりょうブラックホールをち、これらのブラックホールの質量しつりょう楕円だえん銀河ぎんが自体じたい質量しつりょう相関そうかんしている。また、楕円だえん銀河ぎんがとおはし恒星こうせい速度そくどあらわすシグマとばれるとも相関そうかんしている。楕円だえん銀河ぎんが円盤えんばんたないが、円盤えんばん銀河ぎんが銀河ぎんがバルジ楕円だえん銀河ぎんがのようにえることがある。銀河ぎんがおおあつまった領域りょういきでは、楕円だえん銀河ぎんがおおられる。

現在げんざい楕円だえん銀河ぎんが宇宙うちゅうもっと進化しんかしたけいであるとかんがえられている。楕円だえん銀河ぎんがへの進化しんか主要しゅよう原動力げんどうりょくは、ちいさな銀河ぎんが融合ゆうごうであるというせつひろれられている。これらの融合ゆうごう非常ひじょうはげしく、秒速びょうそく500kmの速度そくど銀河ぎんが同士どうし衝突しょうとつすることもしばしばある。

おおくの銀河ぎんがは、銀河ぎんが重力じゅうりょくむすびついており、銀河ぎんが引力いんりょくからのがれることはできない。銀河ぎんがおおきさがどう程度ていどときは、結果けっかとしてしょうじた銀河ぎんがはどちらともていないものになる[6]おなじくらいのおおきさの銀河ぎんが同士どうし衝突しょうとつのイメージをえがいたのがひだりである。融合ゆうごうあいだ両方りょうほう銀河ぎんが恒星こうせい暗黒あんこく物質ぶっしつは、他方たほう銀河ぎんが影響えいきょうける。融合ゆうごう最終さいしゅう段階だんかいけて、重力じゅうりょく位置いちエネルギーや銀河ぎんがかたち急速きゅうそく変化へんかはじめ、恒星こうせい軌道きどうおおきく変化へんかする。この過程かてい力学りきがくてき緩和かんわ(violent relaxation)とばれる[7]衝突しょうとつちゅうには秩序ちつじょだった恒星こうせい運動うんどうはランダムなエネルギーにわり、結果けっかとしてしょうじた銀河ぎんがでは恒星こうせいはランダムな方向ほうこう運動うんどうする。これが、楕円だえん銀河ぎんが我々われわれている姿すがたである。

触角しょっかく銀河ぎんが(NGC4038/4039)は、1つい銀河ぎんが衝突しょうとつれいである。銀河ぎんがない恒星こうせい密度みつど希薄きはくほしあいだ距離きょりながいので、両方りょうほう銀河ぎんが恒星こうせい衝突しょうとつせずにとおぎる。しかし銀河ぎんがないのガスくも重力じゅうりょく影響えいきょうけて局部きょくぶ圧縮あっしゅくされほし形成けいせい契機けいきとなる。したがって衝突しょうとつまぬかれた恒星こうせいも、わかほし重力じゅうりょくつよ輻射ふくしゃけるなど影響えいきょうすくなくない。あかるいあお部分ぶぶんは、銀河ぎんが衝突しょうとつによってできたわかくてあつ恒星こうせいしめしている。

融合ゆうごうした銀河ぎんが非常ひじょう多数たすうほし形成けいせいにもなる[8]融合ゆうごうする銀河ぎんがでは、毎年まいとし太陽たいよう質量しつりょう程度ていどすうせんあたらしい恒星こうせいまれており、これは銀河系ぎんがけいで10程度ていどであるのとくらべると非常ひじょうおおい。銀河ぎんが融合ゆうごう恒星こうせい同士どうし衝突しょうとつすることはほとんどいが、巨大きょだい分子ぶんしくも銀河ぎんが中心ちゅうしん急速きゅうそくみ、分子ぶんしくも衝突しょうとつする。これらの衝突しょうとつによって、分子ぶんしくも密度みつどたかまり、あたらしい恒星こうせい誕生たんじょうとなる。この現象げんしょう近傍きんぼう宇宙うちゅうでも観測かんそくできるが、10おくから100おくねんまえ形成けいせいされた今日きょうられる楕円だえん銀河ぎんが形成けいせい過程かていにおいては、分子ぶんしくもりょうおおかったため、よりさかんであった。また、銀河ぎんが中心ちゅうしんからはなれた領域りょういきでは、分子ぶんしくも相互そうご衝突しょうとつし、この衝撃しょうげきあたらしい恒星こうせい誕生たんじょう刺激しげきとなる。このようなはげしい過程かてい結果けっかとして、銀河ぎんが融合ゆうごうしたのちにはあたらしい恒星こうせい形成けいせいのための分子ぶんしくもはほとんどなくなる。銀河ぎんがおおきな衝突しょうとつこしすうじゅうおくねん経過けいかすると、銀河ぎんがわか恒星こうせいはほとんどなくなる。これが、今日きょう我々われわれ観測かんそくするような、わか恒星こうせい分子ぶんしくもをほとんどふくまない楕円だえん銀河ぎんが姿すがたである。これは、楕円だえん銀河ぎんが銀河ぎんが進化しんか最終さいしゅうてき姿すがたであるためとかんがえられる。

局所きょくしょ銀河ぎんがぐんでは、銀河系ぎんがけいアンドロメダ銀河ぎんが重力じゅうりょくてき結合けつごうし、現在げんざい急速きゅうそくちかづいている。この2つの銀河ぎんが衝突しょうとつすると重力じゅうりょく影響えいきょうおおきくゆがみ、銀河系ぎんがけいがい空間くうかんにガスやちり恒星こうせいをまきらしながら、おたがいをとおけるとかんがえられている。2つの銀河ぎんが反対はんたい方向ほうこうり、やがて減速げんそくし、ふたたかれあって再度さいど衝突しょうとつする。こうして最終さいしゅうてき両方りょうほう銀河ぎんが完全かんぜん融合ゆうごうし、ガスやちりながあたらしい楕円だえん銀河ぎんが形成けいせいされるとかんがえられている。アンドロメダ銀河ぎんが実際じっさいすでいがんでおり、はしいたかたちになっている。これはおそらく自身じしんとも銀河ぎんがとの相互そうご作用さようによるものか、またはちか過去かこ矮小わいしょう楕円だえん銀河ぎんが衝突しょうとつしたためであるとかんがえられている。

いま時代じだいにも、銀河ぎんがだんちょう銀河ぎんがだんひとし銀河ぎんがだい規模きぼ構造こうぞう形成けいせいされつつある。

銀河系ぎんがけい銀河ぎんがたいする理解りかいはかなりすすんできたが、銀河系ぎんがけい形成けいせい進化しんかかんするもっと根源こんげんてきいにはまだ暫定ざんていてき回答かいとうしかあたえられていない。

関連かんれん項目こうもく

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出典しゅってん

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  1. ^ "New Scientist" 14th July 2007
  2. ^ a b eso0946 — Science Release
  3. ^ Eggen, O.J.; Lynden-Bell, D.; Sandage, A. R. (1962). “Evidence from the motions of old stars that the Galaxy collapsed”. The Astrophysical Journal 136: 748. Bibcode1962ApJ...136..748E. doi:10.1086/147433. 
  4. ^ Searle, L.; Zinn, R. (1978). “Compositions of halo clusters and the formation of the galactic halo”. The Astrophysical Journal 225: 357–379. Bibcode1978ApJ...225..357S. doi:10.1086/156499. 
  5. ^ Steinmetz, M.; Navarro, J.F. (2002). “The hierarchical origin of galaxy morphologies”. New Astronomy 7 (4): 155–160. arXiv:astro-ph/0202466. Bibcode2002NewA....7..155S. doi:10.1016/S1384-1076(02)00102-1. 
  6. ^ Barnes,J. Nature, vol. 338, March 9, 1989, p. 123-126
  7. ^ van Albada, T. S. 1982 Royal Astronomical Society, Monthly Notices, vol. 201 p.939
  8. ^ Schweizer, F. Starbursts: From 30 Doradus to Lyman Break Galaxies, Held in Cambridge, UK, 6–10 September 2004. Edited by R. de Grijs and R.M. González Delgado. Astrophysics & Space Science Library, Vol. 329. Dordrecht: Springer, 2005, p.143

外部がいぶリンク

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