銀河 ぎんが の形成 けいせい と進化 しんか (ぎんがのけいせいとしんか、Galaxy formation and evolution)に関 かん する研究 けんきゅう は、均質 きんしつ な始 はじ まりから不 ふ 均質 きんしつ な宇宙 うちゅう が形成 けいせい される過程 かてい 、銀河 ぎんが の経時 きょうじ 的 てき な変化 へんか 、近傍 きんぼう の銀河 ぎんが で観察 かんさつ されるような多様 たよう な構造 こうぞう の形成 けいせい 過程 かてい 等 とう に関 かん して行 おこな われてきた。宇宙 うちゅう 物理 ぶつり 学 がく の領域 りょういき においても、最 もっと も活発 かっぱつ な分野 ぶんや の一 ひと つである。
銀河 ぎんが の形成 けいせい は、ビッグバン 後 ご の小 ちい さな量子 りょうし ゆらぎ の結果 けっか として構造 こうぞう 形成 けいせい 理論 りろん に従 したが って生 しょう じたと考 かんが えられている。観測 かんそく される現象 げんしょう と適合 てきごう するこれの最 もっと も単純 たんじゅん なモデルは、Λ らむだ -CDMモデル であり、銀河 ぎんが の集合 しゅうごう や融合 ゆうごう によって銀河 ぎんが は質量 しつりょう を獲得 かくとく し、また形 かたち や構造 こうぞう が決 き まったとされる。
ビッグバン直後 ちょくご には宇宙 うちゅう は非常 ひじょう に均質 きんしつ であった。これは宇宙 うちゅう マイクロ波 は 背景 はいけい 放射 ほうしゃ の観測 かんそく で確認 かくにん できる(ゆらぎは10万 まん 分 ぶん の1以下 いか である)。この頃 ころ 、宇宙 うちゅう にはほとんど構造 こうぞう はなく、銀河 ぎんが もなかった。そのため、「初期 しょき の滑 なめ らかで均質 きんしつ な宇宙 うちゅう から、どのようにして今日 きょう のような不 ふ 均質 きんしつ な宇宙 うちゅう が生 しょう じたのか?」という疑問 ぎもん が生 しょう じる。
このような構造 こうぞう が生 しょう じた過程 かてい に関 かん する、近年 きんねん の最 もっと も受 う け入 い れられた仮説 かせつ (理論 りろん )は、「今日 きょう 見 み られる全 すべ ての構造 こうぞう は、初期 しょき の宇宙 うちゅう の密度 みつど のわずかな不 ふ 均一 きんいつ 性 せい (『初期 しょき ゆらぎ 』)から生 しょう じた」とするものである。そして「冷 ひ やされた暗黒 あんこく 物質 ぶっしつ の塊 かたまり が凝縮 ぎょうしゅく し始 はじ め、その中 なか でガスが凝縮 ぎょうしゅく し始 はじ めた。初期 しょき ゆらぎは重力 じゅうりょく によってガスや暗黒 あんこく 物質 ぶっしつ を密度 みつど の濃 こ い領域 りょういき に引 ひ き寄 よ せ、こうして後 のち に銀河 ぎんが となる種 たね が形成 けいせい された。このような構造 こうぞう の中 なか から最初 さいしょ の銀河 ぎんが が生 う まれた。(最初 さいしょ の銀河 ぎんが が形成 けいせい されるころ)宇宙 うちゅう はほぼ水素 すいそ 、ヘリウム と暗黒 あんこく 物質 ぶっしつ で占 し められていた。」また「「最初 さいしょ の原始 げんし 銀河 ぎんが が形成 けいせい されるとすぐに、その中 なか に含 ふく まれる水素 すいそ とヘリウムが集 あつ まり始 はじ め、最初 さいしょ の恒星 こうせい が誕生 たんじょう した。」などという説明 せつめい が多 おお い。
2007年 ねん 、ケック天文台 てんもんだい のカリフォルニア工科 こうか 大学 だいがく のチームは、宇宙 うちゅう ができてわずか5億 おく 年 ねん である132億 おく 光年 こうねん の彼方 かなた に6つの恒星 こうせい からなる銀河 ぎんが を発見 はっけん した[ 1] 。また、2011年 ねん 1月 がつ には、ビッグバンから4億 おく 8000万 まん 年 ねん 後 ご に当 あ たる130億 おく 光年 こうねん 離 はな れた場所 ばしょ に銀河 ぎんが が発見 はっけん された。
また「宇宙 うちゅう は、形成 けいせい 直後 ちょくご には非常 ひじょう に活発 かっぱつ であり、銀河 ぎんが は低質 ていしつ 量 りょう の銀河 ぎんが を吸収 きゅうしゅう しながら急速 きゅうそく に成長 せいちょう した。この過程 かてい の結果 けっか 、近傍 きんぼう の宇宙 うちゅう に銀河 ぎんが が分散 ぶんさん していった」などと説明 せつめい される。(2dF銀河 ぎんが 赤 あか 方偏 かたへん 移 うつり サーベイ も参照 さんしょう )。「銀河 ぎんが は宇宙 うちゅう において独立 どくりつ した存在 そんざい ではなく、宇宙 うちゅう 全体 ぜんたい に大 おお きく網 もう を張 は るような構造 こうぞう を作 つく って分散 ぶんさん している。網 もう の目 め に当 あ たる地点 ちてん は宇宙 うちゅう 初期 しょき の小 ちい さな密度 みつど のゆらぎがあった場所 ばしょ であり、密度 みつど の高 たか い銀河 ぎんが 団 だん が形成 けいせい される。それ故 ゆえ に、銀河 ぎんが の分布 ぶんぷ は初期 しょき 宇宙 うちゅう の物理 ぶつり 学 がく と密接 みっせつ に関連 かんれん している。」
銀河 ぎんが が先 さき なのか? ブラックホールが先 さき なのか?
なお、(2017~2018年 ねん ころには)さかんに「(ほぼ)全 すべ ての銀河 ぎんが の中心 ちゅうしん 部 ぶ には『超大 ちょうだい 質量 しつりょう ブラックホール 』が潜 ひそ んでいる、ということが明 あき らかになってきた」などと指摘 してき されるようになっている。
銀河 ぎんが の形成 けいせい とブラックホールの形成 けいせい の因果 いんが 関係 かんけい については、「星 ほし がたくさんできたので、中心 ちゅうしん のブラックホールが大 おお きくなれた」とする仮説 かせつ と、「まず巨大 きょだい なブラックホールがあったから、その周囲 しゅうい で星 ほし の形成 けいせい がさかんになったのだ」とする仮説 かせつ があり、つまり2つの異 こと なる方向 ほうこう 性 せい の仮説 かせつ が提唱 ていしょう されており、一種 いっしゅ の「鶏 にわとり が先 さき か?卵 たまご が先 さき か? 」論争 ろんそう にも似 に た議論 ぎろん が起 お きている[ 2] 。
どちらの仮説 かせつ がより妥当 だとう なのか、実際 じっさい の観測 かんそく によって確 たし かめようとする試 こころ みが行 おこな われている。フランスの天体 てんたい 物理 ぶつり 学者 がくしゃ ダヴィッド・エルバズ (フランス語 ふらんすご 版 ばん ) が率 ひき いる研究 けんきゅう グループがヨーロッパ南天 なんてん 天文台 てんもんだい (ESO )の大型 おおがた 望遠鏡 ぼうえんきょう VLT を使 つか ってクエーサー 「HE0450-2958」を観測 かんそく し、これが銀河 ぎんが の中 なか になく、むき出 だ し状態 じょうたい になっており、少 すこ し離 はな れた場所 ばしょ に星 ほし の形成 けいせい が盛 さか んな銀河 ぎんが を発見 はっけん した。エルバズは「我々 われわれ の研究 けんきゅう が示唆 しさ していることは、巨大 きょだい ブラックホールが、星 ほし の形成 けいせい のトリガー(ひきがね)となり得 え る、ということであり、ブラックホールは自身 じしん のホスト的 てき 銀河 ぎんが を「つくって」いる、ということである。こうした関係 かんけい は、なぜより大 おお きなブラックホールを抱 かか える銀河 ぎんが にはより多 おお くの星 ほし があるのか? という問題 もんだい についても説明 せつめい を提供 ていきょう してくれるかも知 し れない。」と述 の べた[ 2] 。
銀河 ぎんが で観測 かんそく される共通 きょうつう の性質 せいしつ [ 編集 へんしゅう ]
非常 ひじょう に薄 うす い円盤 えんばん を持 も つNGC 891
銀河 ぎんが の形態 けいたい のハッブル分類 ぶんるい
我々 われわれ の銀河系 ぎんがけい を含 ふく む銀河 ぎんが の構造 こうぞう に関 かん して観察 かんさつ される性質 せいしつ には、次 つぎ のようなものがある。
渦巻 うずまき 銀河 ぎんが や円盤 えんばん 銀河 ぎんが は非常 ひじょう に薄 うす く、高密度 こうみつど で、非常 ひじょう に速 はや く回転 かいてん している。銀河系 ぎんがけい の円盤 えんばん の直径 ちょっけい は、厚 あつ さの100倍 ばい 以上 いじょう である。
銀河 ぎんが の質量 しつりょう の大 だい 部分 ぶぶん は、直接 ちょくせつ 観測 かんそく されず、重力 じゅうりょく 以外 いがい の相互 そうご 作用 さよう を持 も たない暗黒 あんこく 物質 ぶっしつ で構成 こうせい される。
銀河 ぎんが ハロー の恒星 こうせい は、円盤 えんばん の恒星 こうせい と比 くら べて非常 ひじょう に古 ふる く、金属 きんぞく 量 りょう が少 すく ない(つまり、ほぼ水素 すいそ とヘリウムで構成 こうせい されている)。
円盤 えんばん 銀河 ぎんが の多 おお くは、古 ふる い恒星 こうせい で構成 こうせい された円盤 えんばん の外側 そとがわ が膨 ふく らんでいる。
球状 きゅうじょう 星団 せいだん は通常 つうじょう 古 ふる くて金属 きんぞく 量 りょう が少 すく ないが、金属 きんぞく 量 りょう が比較的 ひかくてき 多 おお く若 わか いものも若干 じゃっかん 存在 そんざい する。球状 きゅうじょう 星団 せいだん の恒星 こうせい の中 なか には、宇宙 うちゅう 自身 じしん と同 おな じくらい古 ふる いものも存在 そんざい する。
水素 すいそ で構成 こうせい される雲 くも が高速度 こうそくど 雲 くも から銀河 ぎんが に向 む かって「雨 あめ 」として降 ふ る(これは、銀河 ぎんが で恒星 こうせい が形成 けいせい されるための必要 ひつよう 不可欠 ふかけつ な物質 ぶっしつ 源 げん である)。
銀河 ぎんが は、巨大 きょだい な楕円 だえん 銀河 ぎんが から薄 うす い円盤 えんばん 銀河 ぎんが まで、非常 ひじょう に様々 さまざま な形 かたち や大 おお きさになる(ハッブル分類 ぶんるい も参照 さんしょう )。
巨大 きょだい 銀河 ぎんが の多 おお くは、中央 ちゅうおう に太陽 たいよう 質量 しつりょう の数 すう 百 ひゃく 万 まん 倍 ばい から数 すう 十 じゅう 億 おく 倍 ばい に及 およ ぶ超 ちょう 大 だい 質量 しつりょう ブラックホール を持 も つ。ブラックホール の質量 しつりょう は、含 ふく まれる銀河 ぎんが の性質 せいしつ と関連 かんれん している。
銀河 ぎんが の性質 せいしつ の多 おお くは、渦巻 うずまき 銀河 ぎんが と楕円 だえん 銀河 ぎんが の2種類 しゅるい の根源 こんげん 的 てき な分類 ぶんるい が存在 そんざい することを示唆 しさ している。
典型 てんけい 的 てき な渦巻 うずまき 銀河 ぎんが であるM101
別 べつ の銀河 ぎんが と衝突 しょうとつ して歪 いが む渦巻 うずまき 銀河 ぎんが ESO 510-G13。衝突 しょうとつ した銀河 ぎんが が完全 かんぜん に吸収 きゅうしゅう された後 のち 、歪 ゆが みは消失 しょうしつ するが、数 すう 百 ひゃく 万 まん 年 ねん かかる。
円盤 えんばん 銀河 ぎんが の主要 しゅよう な性質 せいしつ は、非常 ひじょう に薄 うす く、高速 こうそく に自転 じてん し、しばしば渦巻 うずま き構造 こうぞう を持 も つということである。この銀河 ぎんが の形成 けいせい に関 かん する説明 せつめい の1つは、局所 きょくしょ 的 てき に非常 ひじょう に多 おお くの薄 うす い円盤 えんばん 銀河 ぎんが が形成 けいせい されたというものであるが、円盤 えんばん は非常 ひじょう に壊 こわ れやすく、他 た の銀河 ぎんが と融合 ゆうごう するとすぐに円盤 えんばん が壊 こわ れてしまうというのが問題 もんだい である。
1962年 ねん 、オリン・エッゲン 、ドナルド・リンデンベル とアラン・サンデージ は[ 3] 、巨大 きょだい な分子 ぶんし 雲 くも の崩壊 ほうかい によって円盤 えんばん 銀河 ぎんが ができるという理論 りろん を提案 ていあん した。分子 ぶんし 雲 くも が崩壊 ほうかい すると、ガスは急速 きゅうそく に回転 かいてん する円盤 えんばん 状 じょう になる。トップダウン形成 けいせい シナリオとして知 し られ、非常 ひじょう にシンプルであったが、初期 しょき 宇宙 うちゅう の観測 かんそく がボトムアップによる形成 けいせい (小 ちい さな物体 ぶったい が集 あつ まって大 おお きくなる)を強 つよ く示唆 しさ していたため、広 ひろ くは受 う け入 い れられなかった。より小 ちい さな物体 ぶったい が集 あつ まって銀河 ぎんが を形成 けいせい したという仮説 かせつ は、 レオナルド・サール とロバート・ジン [ 4] によって初 はじ めて提案 ていあん された。
より最近 さいきん の理論 りろん では、ボトムアップの過程 かてい で暗黒 あんこく 物質 ぶっしつ の銀河 ぎんが ハローが集 あつ まったというものがある。初期 しょき の銀河 ぎんが はほとんどがガスと暗黒 あんこく 物質 ぶっしつ でできており、恒星 こうせい は少 すこ ししかなかった。小 ちい さな銀河 ぎんが を飲 の み込 こ んで銀河 ぎんが の質量 しつりょう が増 ふ えてくると、暗黒 あんこく 物質 ぶっしつ の大 だい 部分 ぶぶん は銀河 ぎんが の外側 そとがわ に集 あつ まるようになる。これは、暗黒 あんこく 物質 ぶっしつ は重力 じゅうりょく のみとしか相互 そうご 作用 さよう できず、分散 ぶんさん しないためである。しかし、ガスはすぐに相互 そうご 作用 さよう して急速 きゅうそく に回転 かいてん し始 はじ め、非常 ひじょう に薄 うす く回転 かいてん の速 はや い円盤 えんばん になる。
現在 げんざい でも、どのような過程 かてい で銀河 ぎんが の収縮 しゅうしゅく が止 と まったのかは明 あき らかになっていない。実際 じっさい に、円盤 えんばん 銀河 ぎんが 形成 けいせい の理論 りろん は円盤 えんばん 銀河 ぎんが の回転 かいてん 速度 そくど や大 おお きさについて説明 せつめい できていない。新 あたら しくできた恒星 こうせい からの放射 ほうしゃ や活動 かつどう 銀河 ぎんが 核 かく が円盤 えんばん の収縮 しゅうしゅく の速度 そくど を緩 ゆる めたという説 せつ や、暗黒 あんこく 物質 ぶっしつ の銀河 ぎんが ハローが銀河 ぎんが を引 ひ っ張 ぱ り収縮 しゅうしゅく を止 と めたという説 せつ も提案 ていあん されている。
近年 きんねん 、銀河 ぎんが の進化 しんか における銀河 ぎんが 同士 どうし の融合 ゆうごう について注目 ちゅうもく が集 あつ まっている。銀河系 ぎんがけい 自身 じしん も、現在 げんざい 引 ひ き裂 さ かれて銀河系 ぎんがけい に飲 の み込 こ まれつつあるいて座 ざ 矮小 わいしょう 楕円 だえん 銀河 ぎんが という小 ちい さな伴 ばん 銀河 ぎんが を持 も っている。この種 たね の出来事 できごと は、大 おお きな銀河 ぎんが の進化 しんか の過程 かてい では良 よ くあることだと考 かんが えられている。いて座 ざ 矮小 わいしょう 楕円 だえん 銀河 ぎんが は、銀河系 ぎんがけい の円盤 えんばん に対 たい してほぼ直角 ちょっかく に公転 こうてん している。現在 げんざい はちょうど円盤 えんばん を横切 よこぎ っているところであり、恒星 こうせい がはぎ取 と られて銀河系 ぎんがけい の銀河 ぎんが ハローになっている。このような融合 ゆうごう は、新 あたら しいガス、恒星 こうせい 、暗黒 あんこく 物質 ぶっしつ を供給 きょうきゅう する。この過程 かてい の証拠 しょうこ は、銀河 ぎんが の歪 ゆが みや流 なが れとしてしばしば観測 かんそく されている。
銀河 ぎんが 形成 けいせい に関 かん するΛ らむだ -CDMモデルでは、宇宙 うちゅう の円盤 えんばん 銀河 ぎんが の数 かず が過小 かしょう に算出 さんしゅつ される[ 5] 。この理由 りゆう は、これらの銀河 ぎんが 形成 けいせい モデルは多数 たすう の融合 ゆうごう を予測 よそく するためである。円盤 えんばん 銀河 ぎんが が同等 どうとう 程度 ていど の質量 しつりょう (少 すく なくとも15%以上 いじょう )を持 も つ別 べつ の銀河 ぎんが と融合 ゆうごう すると、銀河 ぎんが が破壊 はかい されるかまたは円盤 えんばん 銀河 ぎんが としては残 のこ らない。この事実 じじつ は未 み 解決 かいけつ の問題 もんだい として残 のこ っているものの、Λ らむだ -CDMモデルが全 まった く間違 まちが っていることを意味 いみ するものではない。しかし、宇宙 うちゅう の銀河 ぎんが の数 かず を正確 せいかく に再現 さいげん するように理論 りろん のさらなる改良 かいりょう が求 もと められている。
銀河 ぎんが の融合 ゆうごう と楕円 だえん 銀河 ぎんが の形成 けいせい [ 編集 へんしゅう ]
典型 てんけい 的 てき な楕円 だえん 銀河 ぎんが であるESO 325-G004
マウス銀河 ぎんが は、銀河 ぎんが の融合 ゆうごう が進行 しんこう しつつある例 れい である。
最 もっと も質量 しつりょう の大 おお きな銀河 ぎんが は楕円 だえん 銀河 ぎんが である。銀河 ぎんが の中 なか では、円盤 えんばん 銀河 ぎんが のように同 おな じ方向 ほうこう に公転 こうてん はせず、恒星 こうせい はランダムな方向 ほうこう に向 む かって進 すす んでいる。古 ふる い恒星 こうせい から構成 こうせい され、塵 ちり はほとんど含 ふく まれない。これまで観測 かんそく された全 すべ ての楕円 だえん 銀河 ぎんが は中心 ちゅうしん に超 ちょう 大 だい 質量 しつりょう ブラックホールを持 も ち、これらのブラックホールの質量 しつりょう は楕円 だえん 銀河 ぎんが 自体 じたい の質量 しつりょう と相関 そうかん している。また、楕円 だえん 銀河 ぎんが の遠 とお 端 はし の恒星 こうせい の速度 そくど を表 あらわ すシグマと呼 よ ばれる値 ね とも相関 そうかん している。楕円 だえん 銀河 ぎんが は円盤 えんばん は持 も たないが、円盤 えんばん 銀河 ぎんが の銀河 ぎんが バルジ は楕円 だえん 銀河 ぎんが のように見 み えることがある。銀河 ぎんが が多 おお く集 あつ まった領域 りょういき では、楕円 だえん 銀河 ぎんが が多 おお く見 み られる。
現在 げんざい 、楕円 だえん 銀河 ぎんが は宇宙 うちゅう で最 もっと も進化 しんか した系 けい であると考 かんが えられている。楕円 だえん 銀河 ぎんが への進化 しんか の主要 しゅよう な原動力 げんどうりょく は、小 ちい さな銀河 ぎんが の融合 ゆうごう であるという説 せつ は広 ひろ く受 う け入 い れられている。これらの融合 ゆうごう は非常 ひじょう に激 はげ しく、秒速 びょうそく 500kmの速度 そくど で銀河 ぎんが 同士 どうし が衝突 しょうとつ することもしばしばある。
多 おお くの銀河 ぎんが は、他 た の銀河 ぎんが と重力 じゅうりょく で結 むす びついており、他 た の銀河 ぎんが の引力 いんりょく から逃 のが れることはできない。銀河 ぎんが の大 おお きさが同 どう 程度 ていど の時 とき は、結果 けっか として生 しょう じた銀河 ぎんが はどちらとも似 に ていないものになる[ 6] 。同 おな じくらいの大 おお きさの銀河 ぎんが 同士 どうし の衝突 しょうとつ のイメージを描 えが いたのが左 ひだり 図 ず である。融合 ゆうごう の間 あいだ 、両方 りょうほう の銀河 ぎんが の恒星 こうせい や暗黒 あんこく 物質 ぶっしつ は、他方 たほう の銀河 ぎんが の影響 えいきょう を受 う ける。融合 ゆうごう の最終 さいしゅう 段階 だんかい に向 む けて、重力 じゅうりょく 位置 いち エネルギーや銀河 ぎんが の形 かたち が急速 きゅうそく に変化 へんか し始 はじ め、恒星 こうせい の軌道 きどう も大 おお きく変化 へんか する。この過程 かてい は力学 りきがく 的 てき 緩和 かんわ (violent relaxation)と呼 よ ばれる[ 7] 。衝突 しょうとつ 中 ちゅう には秩序 ちつじょ だった恒星 こうせい の運動 うんどう はランダムなエネルギーに代 か わり、結果 けっか として生 しょう じた銀河 ぎんが では恒星 こうせい はランダムな方向 ほうこう に運動 うんどう する。これが、楕円 だえん 銀河 ぎんが で我々 われわれ が見 み ている姿 すがた である。
触角 しょっかく 銀河 ぎんが (NGC4038/4039)は、1対 つい の銀河 ぎんが の衝突 しょうとつ の例 れい である。銀河 ぎんが 内 ない の恒星 こうせい の密度 みつど は希薄 きはく で星 ほし 間 あいだ 距離 きょり も長 なが いので、両方 りょうほう の銀河 ぎんが の恒星 こうせい は衝突 しょうとつ せずに通 とお り過 す ぎる。しかし銀河 ぎんが 内 ない のガス雲 くも は重力 じゅうりょく の影響 えいきょう を受 う けて局部 きょくぶ に圧縮 あっしゅく され星 ほし 形成 けいせい の契機 けいき となる。したがって衝突 しょうとつ を免 まぬか れた恒星 こうせい も、若 わか い星 ほし の重力 じゅうりょく や強 つよ い輻射 ふくしゃ を受 う けるなど影響 えいきょう は少 すく なくない。明 あか るい青 あお い部分 ぶぶん は、銀河 ぎんが の衝突 しょうとつ によってできた若 わか くて熱 あつ い恒星 こうせい を示 しめ している。
融合 ゆうごう した銀河 ぎんが は非常 ひじょう に多数 たすう の星 ほし 形成 けいせい の場 ば にもなる[ 8] 。融合 ゆうごう する銀河 ぎんが では、毎年 まいとし 太陽 たいよう 質量 しつりょう 程度 ていど の数 すう 千 せん 個 こ の新 あたら しい恒星 こうせい が生 う まれており、これは銀河系 ぎんがけい で10個 こ 程度 ていど であるのと比 くら べると非常 ひじょう に多 おお い。銀河 ぎんが の融合 ゆうごう で恒星 こうせい 同士 どうし が衝突 しょうとつ することはほとんど無 な いが、巨大 きょだい な分子 ぶんし 雲 くも は銀河 ぎんが の中心 ちゅうしん 部 ぶ に急速 きゅうそく に落 お ち込 こ み、他 た の分子 ぶんし 雲 くも と衝突 しょうとつ する。これらの衝突 しょうとつ によって、分子 ぶんし 雲 くも の密度 みつど が高 たか まり、新 あたら しい恒星 こうせい の誕生 たんじょう の場 ば となる。この現象 げんしょう は近傍 きんぼう 宇宙 うちゅう でも観測 かんそく できるが、10億 おく から100億 おく 年 ねん 前 まえ に形成 けいせい された今日 きょう 見 み られる楕円 だえん 銀河 ぎんが の形成 けいせい 過程 かてい においては、分子 ぶんし 雲 くも の量 りょう も多 おお かったため、より盛 さか んであった。また、銀河 ぎんが の中心 ちゅうしん 部 ぶ から離 はな れた領域 りょういき では、分子 ぶんし 雲 くも は相互 そうご に衝突 しょうとつ し、この衝撃 しょうげき が新 あたら しい恒星 こうせい の誕生 たんじょう の刺激 しげき となる。このような激 はげ しい過程 かてい の結果 けっか として、銀河 ぎんが が融合 ゆうごう した後 のち には新 あたら しい恒星 こうせい の形成 けいせい のための分子 ぶんし 雲 くも はほとんどなくなる。銀河 ぎんが が大 おお きな衝突 しょうとつ を起 お こし数 すう 十 じゅう 億 おく 年 ねん 経過 けいか すると、銀河 ぎんが に若 わか い恒星 こうせい はほとんどなくなる。これが、今日 きょう 我々 われわれ が観測 かんそく するような、若 わか い恒星 こうせい や分子 ぶんし 雲 くも をほとんど含 ふく まない楕円 だえん 銀河 ぎんが の姿 すがた である。これは、楕円 だえん 銀河 ぎんが が銀河 ぎんが の進化 しんか の最終 さいしゅう 的 てき な姿 すがた であるためと考 かんが えられる。
局所 きょくしょ 銀河 ぎんが 群 ぐん では、銀河系 ぎんがけい とアンドロメダ銀河 ぎんが は重力 じゅうりょく 的 てき に結合 けつごう し、現在 げんざい 急速 きゅうそく に近 ちか づいている。この2つの銀河 ぎんが が衝突 しょうとつ すると 、重力 じゅうりょく の影響 えいきょう で大 おお きく歪 ゆが み、銀河系 ぎんがけい 外 がい 空間 くうかん にガスや塵 ちり 、恒星 こうせい をまき散 ち らしながら、お互 たが いを通 とお り抜 ぬ けると考 かんが えられている。2つの銀河 ぎんが は反対 はんたい 方向 ほうこう に飛 と び去 さ り、やがて減速 げんそく し、再 ふたた び引 ひ かれあって再度 さいど 衝突 しょうとつ する。こうして最終 さいしゅう 的 てき に両方 りょうほう の銀河 ぎんが は完全 かんぜん に融合 ゆうごう し、ガスや塵 ちり が流 なが れ出 で て新 あたら しい楕円 だえん 銀河 ぎんが が形成 けいせい されると考 かんが えられている。アンドロメダ銀河 ぎんが は実際 じっさい に既 すで に歪 いが んでおり、端 はし が巻 ま いた形 かたち になっている。これは恐 おそ らく自身 じしん の伴 とも 銀河 ぎんが との相互 そうご 作用 さよう によるものか、または近 ちか い過去 かこ に矮小 わいしょう 楕円 だえん 銀河 ぎんが と衝突 しょうとつ したためであると考 かんが えられている。
今 いま の時代 じだい にも、銀河 ぎんが 団 だん や超 ちょう 銀河 ぎんが 団 だん 等 ひとし の銀河 ぎんが の大 だい 規模 きぼ 構造 こうぞう は形成 けいせい されつつある。
銀河系 ぎんがけい や他 た の銀河 ぎんが に対 たい する理解 りかい はかなり進 すす んできたが、銀河系 ぎんがけい の形成 けいせい と進化 しんか に関 かん する最 もっと も根源 こんげん 的 てき な問 と いにはまだ暫定 ざんてい 的 てき な回答 かいとう しか与 あた えられていない。
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