田中たなか無事ぶじ生せい

田中たなか 無事ぶじ生せい（たなか ぶじお、1885年ねん（明治めいじ18年ねん）10月がつ - 没年ぼつねん不ふ詳しょう）は、日本にっぽんの内務ないむ・警察けいさつ官僚かんりょう。官選かんせん県知事けんちじ、福岡ふくおか県けん若松わかまつ市長しちょう。

経歴けいれき

三重みえ県けん出身しゅっしん。田中たなか健造けんぞうの長男ちょうなんとして生うまれる。無事ぶじに育そだつようにと「無事ぶじ生せい」と命名めいめいされた。第だい七なな高等こうとう学校がっこう造づくり士し館かんを卒業そつぎょう。1910年ねん、東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく法科ほうか大学だいがく政治せいじ学科がっかを卒業そつぎょう。同年どうねん11月がつ、文官ぶんかん高等こうとう試験しけん行政ぎょうせい科か試験しけんに合格ごうかく。1911年ねん、内務省ないむしょうに入省にゅうしょうし京都きょうと府ふ属ぞくとなる。

以後いご、京都きょうと府ふ竹野たけの郡ぐん長ちょう、同府どうふ南みなみ桑田くわた郡ぐん長ちょう、滋賀しが県けん理事りじ官かん、徳島とくしま県けん警察けいさつ部ぶ長ちょう、鳥取とっとり県けん書記官しょきかん・内務ないむ部長ぶちょう、大分おおいた県けん書記官しょきかん・内務ないむ部長ぶちょう、滋賀しが県けん書記官しょきかん・内務ないむ部長ぶちょう、長野ながの県けん書記官しょきかん・内務ないむ部長ぶちょうなどを歴任れきにん。「万まん年ねん内務ないむ部長ぶちょう」といわれた。

濱口はまぐち内閣ないかくにより1929年ねん7月がつ5日にち、高知こうち県けん知事ちじに登用とうようされた。交通こうつう関係かんけいの土木どぼく事業じぎょうの実施じっしに尽力じんりょく。また、農民のうみんの県けん産さん米まい検査けんさ反対はんたい運動うんどうが激はげしいため、制度せいどの撤回てっかいを決定けっていした。1931年ねん6月27日にち、茨城いばらき県けん知事ちじに転任てんにん。不ふ況きょうによる県けん財政ざいせいの悪化あっかに伴ともない経費けいひ削減さくげんを実施じっし。一方いっぽう、必要ひつよう不可欠ふかけつな失業しつぎょう対策たいさくなどの経費けいひを増額ぞうがくし、繭まゆ検定けんてい所しょの新設しんせつ、密漁みつりょう船せん取締とりしまり専せん用船ようせんの建造けんぞう、茨城いばらき会館かいかんの建設けんせつを進すすめた。1931年ねん12月18日にちに知事ちじを休職きゅうしょく。1932年ねん1月がつ29日にち、依願いがん免めん本官ほんかんとなり退官たいかんした。

1934年ねん5月5日にち、若松わかまつ市長しちょうに就任しゅうにんし、市長しちょうを一いち期き務つとめて1938年ねん5月4日にちに退任たいにん。1939年ねん7月がつ、軍用ぐんよう保護ほご馬ば鍛錬たんれん中央ちゅうおう会かい常務じょうむ理事りじに就任しゅうにん。その後ご、理研りけん葡萄酒ぶどうしゅ (株かぶ) 社長しゃちょう、日本にっぽん馬ば事こと会かい監事かんじを務つとめた。

参考さんこう文献ぶんけん

• 歴代れきだい知事ちじ編纂へんさん会かい編へん『日本にっぽんの歴代れきだい知事ちじ』第だい3巻かん 上じょう、歴代れきだい知事ちじ編纂へんさん会かい、1982年ねん。
• 歴代れきだい知事ちじ編纂へんさん会かい編へん『新編しんぺん日本にっぽんの歴代れきだい知事ちじ』歴代れきだい知事ちじ編纂へんさん会かい、1991年ねん。
• 秦はた郁いく彦編へん『日本にっぽん官僚かんりょう制せい総合そうごう事典じてん：1868 - 2000』東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱん会かい、2001年ねん。
• 森田もりた美よし比ひ『茨城いばらき県政けんせいと歴代れきだい知事ちじ : 戦前せんぜん45名めいの人物じんぶつ像ぞう』暁あかつき印しるし書しょ館かん、1991年ねん。
• 北九州きたきゅうしゅう市し史ふみ編へんさん委員いいん会かい編へん『北九州きたきゅうしゅう市し史し 近代きんだい・現代げんだい 行政ぎょうせい社会しゃかい』北九州きたきゅうしゅう市し、1987年ねん。
• 人事じんじ興信所こうしんじょ編へん『人事じんじ興信録こうしんろく』第だい13版はん 下か、1941年ねん。
• 人事じんじ興信所こうしんじょ編へん『人事じんじ興信録こうしんろく』第だい14版はん 下か、1943年ねん。