伊東いとう喜八郎きはちろう

伊東いとう喜八郎きはちろう

伊東いとう 喜八郎きはちろう（いとう きはちろう、1882年ねん（明治めいじ15年ねん）7月がつ15日にち - 1977年ねん（昭和しょうわ52年ねん）3月30日にち）は、日本にっぽんの内務ないむ・警察けいさつ官僚かんりょう。官選かんせん県知事けんちじ。

経歴けいれき

大分おおいた県けん玖珠くす郡ぐん野上のかみ村むら（現在げんざいの九重くじゅう町まち）出身しゅっしん。伊東いとう孝たかし市しの二男じなんとして生うまれる。第だい五ご高等こうとう学校がっこうを卒業そつぎょう。1907年ねん、東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく法科ほうか大学だいがく法律ほうりつ学科がっか（独どく法ほう）を卒業そつぎょう。同年どうねん11月がつ、文官ぶんかん高等こうとう試験しけん行政ぎょうせい科か試験しけんに合格ごうかく。内務省ないむしょうに入省にゅうしょうし埼玉さいたま県けん属ぞくとなる。

以後いご、埼玉さいたま県けん警部けいぶ、富山とやま県けん事務じむ官かん、福井ふくい県けん警察けいさつ部ぶ長ちょう、宮崎みやざき県けん警察けいさつ部ぶ長ちょう、静岡しずおか県けん警察けいさつ部ぶ長ちょう、滋賀しが県けん内務ないむ部長ぶちょうなどを経へて、福岡ふくおか県けん内務ないむ部長ぶちょうに就任しゅうにん。

1922年ねん9月、信太しだ時じ尚なお前ぜん知事ちじの死去しきょに伴ともない富山とやま県知事けんちじに就任しゅうにん。伏木ふしき港こう第だい二に期き築港ちっこう工事こうじ、東岩瀬ひがしいわせ港こう第だい一いち期き改修かいしゅう工事こうじ、氷見ひみ漁港ぎょこう修築しゅうちく工事こうじなどを推進すいしん。1924年ねん7月がつ、静岡しずおか県けん知事ちじに転任てんにん。伊豆いず・天竜てんりゅう沿岸えんがん開発かいはつ事業じぎょう、行政ぎょうせい整理せいり、事務じむの刷新さっしんなどに尽力じんりょく。1926年ねん9月、茨城いばらき県けん知事ちじに転任てんにん。茨城いばらき炭鉱たんこうが破産はさんしたため苦境くきょうに陥おちいった従業じゅうぎょう員いんを、炭鉱たんこうが大倉おおくら鉱業こうぎょうに譲渡ゆずりわたされるまで生活せいかつ支援しえんを行おこなった。1927年ねん5月、福島ふくしま県けん知事ちじに転任てんにん。小名浜おなはま港こう築港ちっこう、道路どうろ改修かいしゅう事業じぎょうなどを推進すいしん。1928年ねん5月、長崎ながさき県けん知事ちじに転任てんにん。1930年ねん8月がつ、知事ちじを辞職じしょく。同年どうねんに退官たいかんした。

逸話いつわ

官舎かんしゃに大だい神棚かみだなをまつり、赴任ふにん先さきの著名ちょめいな神仏しんぶつだけではなく、出張しゅっちょう先さきの小ちいさな神社じんじゃなども必かならず拝礼はいれいして国運こくうんの隆盛りゅうせいを祈願きがんし、「敬神けいしん知事ちじ」として知しられていた。

参考さんこう文献ぶんけん

• 歴代れきだい知事ちじ編纂へんさん会かい編へん『新編しんぺん日本にっぽんの歴代れきだい知事ちじ』歴代れきだい知事ちじ編纂へんさん会かい、1991年ねん。
• 秦はた郁いく彦編へん『日本にっぽん官僚かんりょう制せい総合そうごう事典じてん：1868 - 2000』東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱん会かい、2001年ねん。
• 『長崎ながさき県けん事業じぎょう大鑑たいかん』佐世保させぼ新聞しんぶん社しゃ、1929年ねん。