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盛岡もりおか連隊れんたい区く

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出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』

盛岡もりおか連隊れんたい区く（もりおかれんたいく）は、大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐんの連隊れんたい区くの一ひとつ。前身ぜんしんは盛岡もりおか大隊だいたい区くである。当初とうしょは岩手いわて県けんの一部いちぶ、後のちに同どう県けん全域ぜんいきの徴兵ちょうへい・召集しょうしゅう等ひとし兵事へいじ事務じむを取とり扱あつかった。宮城みやぎ県けんの一部いちぶを管轄かんかつした時期じきもあった。実務じつむは盛岡もりおか連隊れんたい区く司令しれい部ぶが執行しっこうした。1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）、同どう域いきに盛岡もりおか地区ちく司令しれい部ぶが設もうけられ、地域ちいき防衛ぼうえい体制たいせいを担任たんにんした。

沿革えんかく

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1888年ねん（明治めいじ21年ねん）5月がつ14日にち、大隊だいたい区く司令しれい部ぶ条例じょうれい（明治めいじ21年ねん勅みことのり令れい第だい29号ごう）によって盛岡大もりおかだい隊たい区くが設もうけられ、陸軍りくぐん管区かんく表ひょう（明治めいじ21年ねん勅みことのり令れい第だい32号ごう）により岩手いわて県けんの大だい部分ぶぶんが管轄かんかつ区域くいきに定さだめられた。第だい2師し管かん第だい4旅たび管かんに属ぞくした。この時とき、岩手いわて県けんの残のこり区域くいきは青森大あおもりだい隊たい区くに属ぞくしていた。

1896年ねん（明治めいじ29年ねん）4月がつ1日にち、盛岡もりおか大隊だいたい区くは連隊れんたい区く司令しれい部ぶ条例じょうれい（明治めいじ29年ねん勅みことのり令れい第だい56号ごう）によって連隊れんたい区くに改組かいそされ、旅たび管かんが廃止はいしとなり第だい8師し管かんに属ぞくした。1898年ねん8月がつ28日にち、司令しれい部ぶは盛岡もりおか市し内丸うちまるに移転いてんした[1]。

1903年ねん（明治めいじ36年ねん）2月がつ14日にち、改正かいせいされた陸軍りくぐん管区かんく表ひょう（明治めいじ36年ねん勅みことのり令れい第だい13号ごう）が公布こうふとなり、再ふたたび旅たび管かんが採用さいようされ連隊れんたい区くは第だい8師し管かん第だい4旅たび管かんに属ぞくした。

日本にっぽん陸軍りくぐんの内地ないち19個こ師団しだん体制たいせいに対応たいおうするため陸軍りくぐん管区かんく表ひょうが改正かいせい（明治めいじ40年ねん9月がつ17日にち軍令ぐんれい陸りく第だい3号ごう）となり[2]、1907年ねん（明治めいじ40年ねん）10月がつ1日にち、管轄かんかつ区域くいきの大幅おおはばな変更へんこうが実施じっしされた。

1925年ねん（大正たいしょう14年ねん）4月がつ6日にち、日本にっぽん陸軍りくぐんの第だい三さん次じ軍備ぐんび整理せいりに伴ともない陸軍りくぐん管区かんく表ひょうが改正かいせい（大正たいしょう14年ねん軍令ぐんれい陸りく第だい2号ごう）され[3]、同年どうねん5月がつ1日にち、旅たび管かんは廃はいされ管轄かんかつ区域くいきは岩手いわて県けん全域ぜんいきとなった。

この区域くいきが終戦しゅうせんまで続つづくが、1940年ねん（昭和しょうわ15年ねん）8月がつ1日にち、盛岡もりおか連隊れんたい区くは北部ほくぶ軍ぐん管区かんく弘前ひろさき師し管かんに属ぞくすることとなった。ただし、北部ほくぶ軍ぐん管区かんくを管轄かんかつとする北部ほくぶ軍ぐん司令しれい部ぶが設置せっちされる同年どうねん12月がつ2日にちまで、弘前ひろさき師し管かんは東部とうぶ軍ぐん管区かんくに属ぞくした[4]。1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）3月がつ25日にち、弘前ひろさき師し管かんは東部とうぶ軍ぐん管区かんくに所属しょぞくを変更へんこうした[5]。1945年ねん2月がつ11日にち、弘前ひろさき師し管かんは新設しんせつの東北とうほく軍ぐん管区かんくに所属しょぞくが変更へんこうされた[6]。同年どうねんには作戦さくせんと軍政ぐんせいの分離ぶんりが進すすめられ、軍ぐん管区かんく・師し管区かんくに司令しれい部ぶが設もうけられたのに伴ともない、同年どうねん3月がつ24日にち、連隊れんたい区くの同どう域いきに地区ちく司令しれい部ぶが設もうけられた[7]。地区ちく司令しれい部ぶの司令しれい官かん以下いか要員よういんは連隊れんたい区く司令しれい部ぶ人員じんいんの兼任けんにんである。同年どうねん4月がつ1日にち、弘前ひろさき師し管かんは弘前ひろさき師し管区かんくと改称かいしょうされた[8]。

管轄かんかつ区域くいきの変遷へんせん

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1888年ねん5月がつ14日にち、陸軍りくぐん管区かんく表ひょう（明治めいじ21年ねん勅みことのり令れい第だい32号ごう）が制定せいていされ、盛岡もりおか大隊だいたい区くの管轄かんかつ区域くいきが次つぎのとおり定さだめられた。

  • 岩手いわて県けん
南みなみ岩手いわて郡ぐん・北きた岩手いわて郡ぐん・紫波しわ郡ぐん・稗貫ひえぬき郡ぐん・東ひがし和賀わが郡ぐん・西にし和賀わが郡ぐん・胆沢いさわ郡ぐん・江刺えさし郡ぐん・西磐井にしいわい郡ぐん・東磐井ひがしいわい郡ぐん・気仙けせん郡ぐん・西にし閉伊へい郡ぐん・東ひがし閉伊へい郡ぐん・南みなみ閉伊へい郡ぐん・北きた閉伊へい郡ぐん・中ちゅう閉伊へい郡ぐん
  • 宮城みやぎ県けん
登米とよね郡ぐん・本吉もとよし郡ぐん・栗原くりはら郡ぐん

1896年ねん4月がつ1日にち、連隊れんたい区くへ改組かいそされた際さい、同時どうじに「陸軍りくぐん管区かんく表ひょう」が改正かいせい（明治めいじ29年ねん3月がつ16日にち勅みことのり令れい第だい24号ごう）され、盛岡もりおか市しが加くわえられた。さらに、郡ぐん制せい施行しこうによる郡ぐんの統廃合とうはいごうにより陸軍りくぐん管区かんく表ひょうが改正かいせい（明治めいじ29年ねん12月4日にち勅みことのり令れい第だい381号ごう）され、1897年ねん（明治めいじ30年ねん）4月がつ1日にちに南みなみ岩手いわて郡ぐん・北きた岩手いわて郡ぐんが岩手いわて郡ぐんに、東ひがし和賀わが郡ぐん・西和せいわ賀が郡ぐんが和賀わが郡ぐんに、西にし閉伊へい郡ぐん・南みなみ閉伊へい郡ぐんが上閉伊かみへい郡ぐんに、東ひがし閉伊へい郡ぐん・北きた閉伊へい郡ぐん・中ちゅう閉伊へい郡ぐんが下閉伊しもへい郡ぐんに変更へんこうされた。変更へんこう後ごの管轄かんかつ区域くいきは以下いかのとおり。

  • 岩手いわて県けん
盛岡もりおか市し・岩手いわて郡ぐん・紫波しわ郡ぐん・和賀わが郡ぐん・胆沢いさわ郡ぐん・江刺えさし郡ぐん・西磐井にしいわい郡ぐん・東磐井ひがしいわい郡ぐん・気仙けせん郡ぐん・稗貫ひえぬき郡ぐん・上閉伊かみへい郡ぐん・下閉伊しもへい郡ぐん
  • 宮城みやぎ県けん
登米とよね郡ぐん・本吉もとよし郡ぐん・栗原くりはら郡ぐん

1907年ねん10月がつ1日にち、陸軍りくぐん管区かんく表ひょうの改正かいせい（明治めいじ40年ねん9月がつ17日にち軍令ぐんれい陸りく第だい3号ごう）により全国ぜんこく的てきに管轄かんかつ区域くいきが変更へんこうとなり、盛岡もりおか連隊れんたい区くの区域くいきが次つぎのとおり定さだめられた。岩手いわて県けん下閉伊しもへい郡ぐんを青森あおもり連隊れんたい区くへ、宮城みやぎ県けん区域くいきを仙台せんだい連隊れんたい区くへ移管いかんした。

  • 岩手いわて県けん
盛岡もりおか市し・上閉伊かみへい郡ぐん・気仙けせん郡ぐん・岩手いわて郡ぐん・紫波しわ郡ぐん・稗貫ひえぬき郡ぐん・和賀わが郡ぐん・江刺えさし郡ぐん・東磐井ひがしいわい郡ぐん・胆沢いさわ郡ぐん・西磐井にしいわい郡ぐん

1925年ねん5月がつ1日にち、陸軍りくぐん管区かんく表ひょうの改正かいせい（大正たいしょう14年ねん4月がつ6日にち軍令ぐんれい陸りく第だい2号ごう）に伴ともない、青森あおもり連隊れんたい区くから岩手いわて県けん九戸くのへ郡ぐん・下閉伊しもへい郡ぐん・二戸ふたど郡ぐんが編入へんにゅうされ、管轄かんかつ区域くいきは岩手いわて県けん全域ぜんいきとなり、廃止はいしされるまで変更へんこうはなかった。

司令しれい官かん

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盛岡もりおか大隊だいたい区く
  • （心得こころえ）鈴木すずき安やすし民みん 歩兵ほへい大尉たいい：1888年ねん5月がつ14日にち -
  • 梶原かじはら景けい謙けん 歩兵ほへい少佐しょうさ：1894年ねん10月がつ27日にち[9] -
盛岡もりおか連隊れんたい区く
  • 梶原かじはら景けい謙けん 歩兵ほへい少佐しょうさ：不ふ詳しょう - 1899年ねん7月がつ4日にち
  • 柴田しばた忠雄ただお 歩兵ほへい少佐しょうさ：1899年ねん7月がつ4日にち - 1901年ねん8月がつ10日とおか
  • 松原まつばら晙三郎さぶろう 歩兵ほへい少佐しょうさ：1901年ねん8月がつ10日とおか - 1902年ねん11月1日にち
  • 島村しまむら耕作こうさく 歩兵ほへい少佐しょうさ：1902年ねん11月1日にち - 1904年ねん3月がつ22日にち
  • 矢部やべ利次としつぐ 歩兵ほへい少佐しょうさ：1904年ねん3月がつ30日にち - 1906年ねん2月がつ6日にち
  • 尾上おがみ貞さだ固かた 歩兵ほへい大佐たいさ：1906年ねん2月がつ6日にち - 8月がつ4日にち
  • 林はやし景けい敏さとし 歩兵ほへい少佐しょうさ：1906年ねん8月がつ8日にち - 1909年ねん8月がつ18日にち
  • 中野なかの知とも秀しゅう 歩兵ほへい少佐しょうさ：1909年ねん8月がつ18日にち - 1912年ねん9月がつ28日にち
  • 深野ふかの卯しげる四よん童わらわ 歩兵ほへい大佐たいさ：1912年ねん9月がつ28日にち - 1914年ねん8月がつ10日とおか
  • 河上かわかみ清吉せいきち 歩兵ほへい中佐ちゅうさ：1914年ねん8月がつ10日とおか - 1917年ねん8月がつ6日にち
  • 上島うえしま源二げんじ 歩兵ほへい中佐ちゅうさ：1917年ねん8月がつ6日にち -
  • 小野おの五郎ごろう 歩兵ほへい大佐たいさ：不ふ詳しょう - 1922年ねん8月がつ15日にち[10]
  • 長嶺ながみね俊之としゆき助じょ 歩兵ほへい大佐たいさ：1922年ねん8月がつ15日にち[10] -
  • 国崎くにさき登のぼる 歩兵ほへい中佐ちゅうさ：1932年ねん2月がつ29日にち - 1934年ねん3月がつ5日にち[11]
  • 成川なりかわ博はく 歩兵ほへい大佐たいさ：1934年ねん3月がつ5日にち[11] - 1935年ねん8月がつ1日にち[12]
  • 摺沢すりさわ茂しげる材ざい 歩兵ほへい大佐たいさ：1935年ねん8月がつ1日にち[12] -
  • 村上むらかみ亮あきら 騎兵きへい大佐たいさ：1939年ねん3月がつ9日にち - 1942年ねん8月がつ1日にち[13]
盛岡もりおか連隊れんたい区く兼けん盛岡もりおか地区ちく司令しれい官かん

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 『官報かんぽう』第だい4555号ごう、明治めいじ31年ねん9月がつ3日にち。
  2. ^ 『陸軍りくぐん軍ぐん戦備せんび』57-58頁ぺーじ。
  3. ^ 『陸軍りくぐん軍ぐん戦備せんび』101頁ぺーじ。
  4. ^ 陸軍りくぐん管区かんく表ひょう（昭和しょうわ15年ねん7月がつ24日にち軍令ぐんれい陸りく第だい20号ごう）
  5. ^ 陸軍りくぐん管区かんく表ひょう（昭和しょうわ19年ねん3月がつ25日にち軍令ぐんれい陸りく第だい3号ごう）
  6. ^ 陸軍りくぐん管区かんく表ひょう（昭和しょうわ20年ねん1月がつ22日にち軍令ぐんれい陸りく第だい1号ごう）
  7. ^ 『陸軍りくぐん軍ぐん戦備せんび』480頁ぺーじ。
  8. ^ 陸軍りくぐん管区かんく表ひょう（昭和しょうわ20年ねん2月がつ9日にち軍令ぐんれい陸りく第だい2号ごう）
  9. ^ 『官報かんぽう』第だい3404号ごう、明治めいじ27年ねん10月がつ31日にち。
  10. ^ a b 『官報かんぽう』第だい3013号ごう、大正たいしょう11年ねん8月がつ16日にち。
  11. ^ a b 『官報かんぽう』第だい2151号ごう、昭和しょうわ9年ねん3月がつ6日にち。
  12. ^ a b 『官報かんぽう』第だい2575号ごう、昭和しょうわ10年ねん8月がつ2日にち。
  13. ^ 外山とやま 1981, 304頁ぺーじ.
  14. ^ 「第だい７４号ごう　昭和しょうわ２０年ねん３月がつ３１日にち　陸軍りくぐん異動いどう通報つうほう」 アジア歴史れきし資料しりょうセンター Ref.C12120937900 

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 防衛ぼうえい研修けんしゅう所しょ戦史せんし室しつ『陸軍りくぐん軍ぐん戦備せんび』朝あさ雲くも新聞しんぶん社しゃ〈戦史せんし叢書そうしょ〉、1979年ねん。
  • 外山とやま操みさお 編へん『陸海りくかい軍ぐん将官しょうかん人事じんじ総覧そうらん 陸軍りくぐん篇へん』芙蓉ふよう書房しょぼう出版しゅっぱん、1981年ねん。ISBN 4829500026。 
  • 『官報かんぽう』
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