相場そうば

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

相場そうば(そうばし)は、株式かぶしき不動産ふどうさん通貨つうか債券さいけん仮想かそう通貨つうか商品しょうひんなどの取引とりひき市場いちば投資とうし投機とうきおこな投資とうしとく近世きんせい以降いこう日本にっぽんにおいて相場そうばかいしょべいかいしょなど)において実需じつじゅによるのではなく利鞘りざやることを目的もくてきとして売買ばいばいおこなった投機とうきをいう[1]あい庭師にわしくこともある[1]ごうひゃく専門せんもんとするものごうひゃくばれる。

相場そうば会所かいしょにおける相場そうば[編集へんしゅう]

相場そうば江戸えど時代じだい中頃なかごろ大坂おおさか堂島どうじまべい相場そうば仲買人なかがいにんとしてもちいられた[2]。「相場そうば」の一般いっぱんてきだったわけではなく地方ちほうでは「おもえいれつかまつ)」や「思惑おもわくつかまつ)」とばれていた[2]。「相場そうば」の一般いっぱんてきになったのは江戸えど時代じだい末期まっきになってからである[2]

江戸えど時代じだいべい相場そうば参加さんかしゃ幕府ばくふから免許めんきょけたべい商人しょうにんかぎられていたが、明治めいじはいって株式かぶしき生糸きいとなど市場いちば整備せいびされるにつれ、現物げんぶつ商品しょうひんあつかわず、取引とりひきしょ投機とうきてき売買ばいばいのみをおこなものは「相場そうば」とばれるようになり、財閥ざいばつ形成けいせいするほどの巨額きょがく利益りえきものあらわれる。明治めいじ大正たいしょうから昭和しょうわいたるまで、相場そうば金融きんゆう市場いちばめぐおおくのドラマの主人公しゅじんこうとされ、また大衆たいしゅう小説しょうせつ主人公しゅじんこうともなって、世間せけん耳目じもくあつめた。

著名ちょめい相場そうば[編集へんしゅう]

村上むらかみ太三郎たさぶろう鈴久すずきゅうなら相場そうば成金なりきん
福島ふくしまなみぞう福島ふくしま商会しょうかい(のちの新光しんこう証券しょうけん創業そうぎょうしゃ
在日ざいにち華僑かきょう相場そうばにしきどう

先述せんじゅつのように「相場そうば」いう呼称こしょうはもともと大坂おおさか堂島どうじまべい相場そうば仲買人なかがいにんのことをった[2]。やがてかぶ商品しょうひん先物さきもの市場いちばなどで投機とうき目的もくてき同様どうよう取引とりひきおこなひとも「相場そうば」と表現ひょうげんされるようになった。

生年月日せいねんがっぴじゅん

相場そうば題材だいざいとした作品さくひん[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b 国史こくしだい辞典じてん編集へんしゅう委員いいんかい国史こくしだい辞典じてん だい8かん吉川弘文館よしかわこうぶんかん、1987ねん、579ぺーじ 
  2. ^ a b c d 青野あおの豊作とよさく相場そうば秘伝ひでん東洋経済新報社とうようけいざいしんぽうしゃ、2002ねん 

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 鍋島なべしま高明こうめい相場そうば異聞いぶん一攫千金いっかくせんきんけたおとこたち』 河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ (2002)
  • 鍋島なべしま高明こうめい相場そうば奇聞きぶんてんいちぼうからモルガンまで』 河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ (2003)
  • 鍋島なべしま高明こうめいけたもうけたきた』 河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ (2005)
  • 鍋島なべしま高明こうめい相場そうばヒーロー伝説でんせつ -ケインズから怪人かいじん伊東いとうハンニまで』 河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ (2005)
  • 鍋島なべしま高明こうめい相場そうば波瀾はらん曲折きょくせつ生涯しょうがい河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ (2006)
  • 鍋島なべしま高明こうめい日本にっぽん相場そうば列伝れつでん日本経済新聞にほんけいざいしんぶん出版しゅっぱんしゃ (2006)
  • 鍋島なべしま高明こうめい日本にっぽん相場そうば列伝れつでんII』 日本経済新聞にほんけいざいしんぶん出版しゅっぱんしゃ (2008)
  • 鍋島なべしま高明こうめい天才てんさい相場そうば戦場せんじょう河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ (2008)
  • 鍋島なべしま高明こうめい一攫千金いっかくせんきん物語ものがたり 日本にっぽん相場そうば群像ぐんぞう』(2009)

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]