(Translated by https://www.hiragana.jp/)
硬砂岩 - Wikipedia コンテンツにスキップ

かた砂岩さがん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
かた砂岩さがん
堆積岩たいせきがん
かた砂岩さがんれい
構成こうせいぶつ
石英せきえい長石ちょうせき
プロジェクト:地球ちきゅう科学かがくPortal:地球ちきゅう科学かがく
テンプレートを表示ひょうじ

かた砂岩さがん[1](こうさがん)またはグレーワッケ[2]えい: greywacke、graywacke、どく: Grauwacke)は砂岩さがん一種いっしゅである。一般いっぱんに「かたく、暗色あんしょくで、ぶんきゅうとぼしいかくばった石英せきえい長石ちょうせきちいさな岩片いわかた稠密ちゅうみつしており、いしもと粘土ねんどほそすなよりなるもの」として定義ていぎされる。

用語ようご

[編集へんしゅう]

「グレーワッケ」というかたりは、原語げんごであるドイツの"Grauwacke"は「灰色はいいろ土質どしつ岩石がんせき」という意味いみあらわす。

特色とくしょく

[編集へんしゅう]

かた砂岩さがん組織そしき成熟せいじゅく堆積岩たいせきがんで、一般いっぱんてき古生代こせいだい地層ちそう発見はっけんされる。体積たいせき通常つうじょう15%以上いじょうすなつぶてほどのおおきさにたっするおおきめの粒子りゅうし原材料げんざいりょうとしたいしもと構成こうせいする。

形成けいせい過程かてい

[編集へんしゅう]

かつての一般いっぱんてき堆積たいせき法則ほうそくからは、かた砂岩さがんのようにつぶてすなどろ混在こんざいしている状態じょうたい説明せつめいがつかなかった。しかしこん濁流だくりゅうタービダイトられるようになり、ようやくかた砂岩さがん形成けいせい過程かてい説明せつめいできるようになった。現在げんざい地質ちしつ学者がくしゃは、海底かいてい雪崩なだれまたはつよ混濁こんだくりゅうによってかた砂岩さがんができるとかんがえている(「こん濁流だくりゅう形成けいせいせつ」)。混濁こんだくりゅうによって沈殿ちんでんぶつはげしく撹拌かくはん(かくはん)されると、その撹拌かくはんぶつかかにごえきつくる。これによって、岩石がんせきはさまざまな堆積たいせきじょうきょうしめすのである。原因げんいんとなるこん濁流だくりゅうは、大陸棚たいりくだなえん海溝かいこうそこ山脈さんみゃく形成けいせいされる場所ばしょ山麓さんろく発生はっせいする。かた砂岩さがんは、深海ふかうみ起源きげん黒色こくしょく頁岩けつがんのような岩石がんせきとも共存きょうぞんする場合ばあいがある。

成分せいぶん

[編集へんしゅう]

かた砂岩さがんはほとんどが灰色はいいろ茶色ちゃいろ黄色おうしょくまたは黒色こくしょくのようなにぶいろすなしつ岩石がんせきで、うすいあるいはあつ岩床がんしょうちゅう粘板岩ねんばんがん石灰岩せっかいがん沿って形成けいせいすることもある。イギリスウェールズスコットランド南部なんぶイングランド湖水こすい地方ちほう国立こくりつ公園こうえんアイルランドのロングフォード山塊さんかい(Longford Massif)などが好例こうれいである。また、ニュージーランドではサザンアルプス山脈さんみゃく脊梁せきりょう主要しゅよう部分ぶぶんをなしているのがこれである。

それらは非常ひじょう種類しゅるい鉱物こうぶつふくむ。主要しゅようなものをげれば石英せきえいせい長石ちょうせきはす長石ちょうせき方解石ほうかいせき酸化さんかてつ石墨せきぼく炭素たんそ含有がんゆうする物質ぶっしつがあり、よりあらいものをかんがえれば珪長がんチャート粘板岩ねんばんがんかたあさがん結晶けっしょう片岩かたいわるい石英せきえい断片だんぺんもある。ほかにかた砂岩さがんちゅうられる鉱物こうぶつは、くろ雲母うんも緑泥りょくでいせき電気でんきせきみどりすだれせき燐灰石りんかいせき柘榴ざくろせき普通ふつうかく閃石普通ふつう輝石きせきチタンせき(くさびせき)、黄鉄鉱おうてっこうがある。 固化こかするときの基質きしつケイ酸けいさんしおしつまたは粘土ねんどしつで、まれにカルシウムしつのこともある。

分類ぶんるい

[編集へんしゅう]

かた砂岩さがん形成けいせい過程かてい化石かせきとはことなるが、かた砂岩さがん関係かんけいするほそつぶ岩床がんしょうでは有機ゆうきたい生物せいぶつたい)の遺物いぶつのこるのはよくあることである。それらの構成こうせい要素ようそとなる微粒子びりゅうし通常つうじょう、あまりまるくあるいは磨耗まもうしておらず、その岩石がんせきさい結晶けっしょうによりずいぶんとかためられていることが往々おうおうにしてある。たとえば侵入しんにゅうがた二酸化にさんかケイ素けいそ挿入そうにゅうがそうである。かた砂岩さがん一部分いちぶぶんれていることがあるが、粘板岩ねんばんがんほどでもない現象げんしょうである。長石ちょうせき長石ちょうせきしつかた砂岩さがん(feldspathic greywacke)や微小びしょう岩石がんせきへんいししつかた砂岩さがん(lithic greywacke)などもある。

しかしながら、そのグループは非常ひじょう多様たようであるため、鉱物こうぶつがくてき特徴付とくちょうづけるのはむずかしく、岩石がんせきがくうえ分類ぶんるいとしてよく確立かくりつしてきた。これらの特有とくゆうふくあいてきすな堆積たいせきは、シルルおさむカンブリア岩石がんせきではごく頻繁ひんぱんきており、中生代ちゅうせいだい新生代しんせいだい地層ちそうでは一般いっぱんてきではないからである。それらのきわめて重要じゅうよう特徴とくちょうは、すなしつであることとふくあいてき構成こうせいである。変成へんせい作用さよう増加ぞうかにより、かた砂岩さがん頻繁ひんぱん雲母うんもしつ結晶けっしょう片岩かたいわ塩化えんかぶつふく片岩かたいわ堆積たいせきせいかたあさがん通過つうかする。

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ 文部省もんぶしょう へん学術がくじゅつ用語ようごしゅう 採鉱さいこうきんがくへん日本にっぽん鉱業こうぎょうかい、1954ねんhttp://sciterm.nii.ac.jp/cgi-bin/reference.cgi 
  2. ^ 文部省もんぶしょう へん学術がくじゅつ用語ようごしゅう 地学ちがくへん日本にっぽん学術がくじゅつ振興しんこうかい、1984ねんISBN 4-8181-8401-2http://sciterm.nii.ac.jp/cgi-bin/reference.cgi 

参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]