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ふね

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
20世紀せいき初頭しょとうのヴォルガ川船かわぶね

ふね(ふなひき)またはブルラークロシア: Бурлак英語えいご: Burlak)、ドイツ: Treideln)とは、かわくだったふねはしけ上流じょうりゅうもどすために、陸地りくちからつななどでいてあるくこと、またはひとたちのこと[1]ロシアではヴォルガがわさかのぼときだい規模きぼおこなわれた。中国ちゅうごくでも長江ながえよしみりょうこうなどでおこなわれ、また日本にっぽんでも急流きゅうりゅうさかのぼときなどにおこなわれた。

ロシアではヴォルガがわふるくから交通こうつうようであり、機動きどうせん大勢おおぜいめるまでは、ふねきがよく利用りようされた。

ヴォルガのふね

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ヴォルガがわふねきをうたったうたには民謡みんようヴォルガのふね」、別名べつめい「ヴォルガの舟唄ふなうた」があり、これは人組にんぐみミリイ・バラキレフ採譜さいふして、1866ねんかれ民謡みんようしゅう発表はっぴょうしたものである。「エイ・ウーフニェム」ではじまる歌詞かし全部ぜんぶ英語えいごやく英語えいごばんにある。音域おんいきベース基調きちょううたわれる場合ばあいおおく、日本にっぽんでもふるくはフョードル・シャリアピンポール・ロブスンうたちかくはダーク・ダックスなどのうたでおなじみである。歌詞かし日本語にほんごやく堀内ほりうち敬三けいぞう門馬もんま直衛なおえなどのものがある。 [2]

ヴォルガの船引ふねひきかく

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『ヴォルガのふねき』(イリヤ・レーピン、1870ねん - 1873ねんロシア美術館びじゅつかん
ヴォルガがわふねきの女性じょせい

何人なんにんかの画家がかがヴォルガがわふねきについてえがいているが、イリヤ・レーピンえがいた『ヴォルガのふね』(1870ねん - 1873ねんサンクトペテルブルク国立こくりつロシア美術館びじゅつかん所蔵しょぞう)がとく有名ゆうめいである[3]。レーピンが国内こくない旅行りょこう民衆みんしゅう苦労くろうほこりが如実にょじつあらわれていて、サンクトペテルブルク官製かんせい美術びじゅつかい対抗たいこうした「移動いどう」の代表だいひょうさくのひとつとわれる。発表はっぴょうされるとすぐにウラジーミル・アレクサンドロヴィチ大公たいこうわれてヨーロッパなか展示てんじされて有名ゆうめいになり、レーピンが画家がかとして契機けいきとなった。

中国ちゅうごく

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中国ちゅうごくでは長江ながえよしみりょうこうなどで、かつてふねきがおこなわれていた。最近さいきんは「長江ちょうこうさんかいせん人夫にんぷ文化ぶんかさい」(湖北こほくしょうおんほどこせトゥチャぞくミャオぞく自治じちしゅうともえひがしけん)など観光かんこうした行事ぎょうじおこなわれている。 [4] [5]

日本にっぽん

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日本にっぽんでも舟運しゅううんさかんだった長良川ながらがわなどで、ふねひと活躍かつやくする場所ばしょがあった。 [6]

運河うんがふね女性じょせい(オランダ)
ふねきのぞう(ドイツ)

ラインがわ蒸気じょうきせん登場とうじょうしたのは、1816ねんのことであるが、蒸気じょうきせん運行うんこう一般いっぱんするまでふねかわさかのぼるには、かわ沿いにもうけられたみち、「ふねどう」(ドイツでトライデルプファート:Treidelpfadないしトライデルヴェーク:Treidelweg)をとおって、ひとあるいはうまが、ふね帆柱ほばしらからられたロープをかねばならなかった。最初さいしょのうちは、土地とち農民のうみん臨時りんじにその仕事しごとたしていたが、のちふねきを専門せんもんとする人々ひとびとあらわれ、組合くみあい結成けっせいされ、組合くみあい規定きていさだめられた。18世紀せいき規定きてい現存げんそんする。1636ねん イングランドおう チャールズ1せいはThomas Howardをプラハけて派遣はけんしたが、いちぎょうたび記録きろくによると、全長ぜんちょう26 mのふねケルンからドラッフェンフェルス(Drachenfels)まで8-9とううまいたとしるされている[7]

ドナウがわ沿岸えんがんまちノイブルク・アン・デア・ドナウ(Neuburg an der Donau)の小道こみちナハトベルクヴェーク(Nachtbergweg)は、かつての「ふねどう」(Treidelweg)であって、現在げんざいもロープのこすれた痕跡こんせき岩肌いわはだのこっている[8]

参照さんしょう項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ ふね』 - コトバンク
  2. ^ ヴォルガの船引ふなひききょく自動的じどうてき演奏えんそうされるので注意ちゅうい!)
  3. ^ 中野なかの京子きょうこ名画めいがく ロマノフ12の物語ものがたり光文社こうぶんしゃ、2014ねん、154ぺーじISBN 978-4-334-03811-3 
  4. ^ 長江ちょうこうさんかいせん人夫にんぷ文化ぶんかさい開幕かいまく 観光かんこうきゃくふねきを体験たいけん
  5. ^ 中国ちゅうごく重慶たーちん投資とうし商談しょうだんかい 「女性じょせいせんき」のパフォーマンス
  6. ^ 近代きんだい長良川ながらがわ舟運しゅううん明治めいじ大正たいしょう昭和しょうわ
  7. ^ Gertrude Cepl-Kaufman / Antje Johanning: Mythos Rhein. Zur Kulturgeschichte eines Stromes. Darmstadt: Wissenschaftliche Buchgesellschaft 2003 (ISBN 3-534-15202-6), S. 134-137.
  8. ^ 末永すえながゆたか「ドナウがわ」〔柏木かしわぎ貴久子きくこ松尾まつお誠之せいし末永すえながゆたかみなみドイツのかわまち三修社さんしゅうしゃ 2009 (ISBN 978-4-384-04187-3)、149-156ぺーじ〕。なお、同書どうしょ154ぺーじには、マーク・トウェインの『ヨーロッパ放浪ほうろう』に、ネッカーがわふねきのはなしてくるとしるされている。

外部がいぶリンク

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