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ゆきわた

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ゆきわた」(ゆきわたり)は、宮沢みやざわ賢治けんじ創作そうさく童話どうわきつね幻燈げんとうかい招待しょうたいされた子供こどもたちときつねたちの交流こうりゅうえがいた物語ものがたり1921ねん大正たいしょう10ねん)の12月と翌年よくねんの1がつに『愛国あいこく婦人ふじん賢治けんじはは会員かいいんであった愛国あいこく婦人ふじんかい発行はっこうしていた)に掲載けいさいされた賢治けんじのデビューさくである。賢治けんじほんさくで5えん原稿げんこうりょうたが、これは生涯しょうがい賢治けんじにした唯一ゆいいつ原稿げんこうりょうであったとつたえられている。

なお、賢治けんじ掲載けいさいされた雑誌ざっしからいたほんさく推敲すいこうくわえており、現行げんこうの「【しん校本こうほん宮澤みやざわ賢治けんじ全集ぜんしゅう」(筑摩書房ちくましょぼう)では雑誌ざっし掲載けいさいばんと、手入ていれをほどこされたのち種類しゅるい本文ほんぶん掲載けいさいされている。一般いっぱん流布るふしているのは手入ていれがほどこされたのち本文ほんぶんである。

なんかラジオドラマされている。

1988ねん北村きたむらそうが「ゆきをわたって……―わたしたちはあのもりへいってみた― 」として翻案ほんあん戯曲ぎきょくした。

あらすじ

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ゆきもった四郎しろうとかん野原のはらあそびにゆき、もりきつねをからかううたうたっていると本当ほんとうきつねがやってくる。きつねこん三郎さぶろうにんきび団子だんごをすすめるが、かんがついキツネの団子だんごうさぎのくそと失言しつげんする。それをいたこん三郎さぶろうわるくし、こん三郎さぶろううそつきは人間にんげん大人おとなのほうであると主張しゅちょうし、それを説明せつめいするための幻燈げんとうかい2人ふたり招待しょうたいする。四郎しろうは3にんあにたちもれてきたいとうが、年齢ねんれい制限せいげんにかかってしまうとことわられてしまう[1]

つきこおったよる2人ふたりこん三郎さぶろうとの約束やくそくおもし、かけようとするとあにたちにられてしまう。しかし、事情じじょう説明せつめいすると[1]べつにとめられることもなく、お土産みやげ鏡餅かがみもちってゆけとアドバイスをける。

2人ふたりもりおくすすんでゆくと、そこはきつね小学校しょうがっこうで、沢山たくさんきつねたちなか約束やくそくどおこん三郎さぶろうっていた。こん三郎さぶろうにん挨拶あいさつをすると、もなく幻燈げんとうかいがはじまり、こん三郎さぶろう開会かいかいべる。四郎しろうこん三郎さぶろうのリーダーシップに感心かんしんしてしまう。やがてスクリーンに「おさけのむべからず」とうつされ、ふとしみぎ衛門えもん清作せいさくって野原のはらへんものべている2まい証拠しょうこ写真しゃしんうつされる。それから幻燈げんとうかい中休なかやすみになり、可愛かわいらしいきつねおんなきび団子だんごにんまえってきた。2人ふたり気味悪きみわるきつね団子だんごべるのをためらい、ふたたまずい雰囲気ふんいきとなる。しかし、四郎しろうこん三郎さぶろうがだますはずがないと結論けつろんし、二人ふたり団子だんごたいらげる。団子だんごはおいしく、きつねたちは信用しんようしてもらえたことに感激かんげきし、きつね生徒せいとはどんなときでもうそはつかず、ぬすまず、そねまないといううたうたってよろこんだ。

やがて幻燈げんとうかい後半こうはんがはじまり、「わなを軽蔑けいべつすべからず」「軽蔑けいべつすべからず」という2まいきつねうつされて、幻燈げんとうかい終了しゅうりょうする。こん三郎さぶろうよんろうとかんしんじてもらえたことにふれ、きつねたち誠実せいじつさによっていままでのわる評判ひょうばんしさるだろうという閉会へいかいべて解散かいさんとなる。あにたちがむかえにてくれて物語ものがたりわる。

鑑賞かんしょう

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この物語ものがたり主人公しゅじんこうよんろう少年しょうねんである。四郎しろうは、悪評あくひょうたかきつね団子だんごあじわってみて、はじめてこん三郎さぶろう主張しゅちょうただしさをる。また、12さい以上いじょうことわりの幻燈げんとうかいは、きつねさけった大人おとな失敗しっぱいえがいた内容ないようとなっている。 

けんゆきかんこ」のうた岩手いわてけんつたわるふるいわらべうたであり、うたのバリエーションのやりりによって物語ものがたり進行しんこうする。きつねたいするふる偏見へんけん払拭ふっしょくするために、きつねこん三郎さぶろう人間にんげん子供こどもたちを啓蒙けいもうしようとする姿すがた表現ひょうげんされている。

アニメ映画えいが

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1994ねん7がつ16にち公開こうかい[2]

スタッフ
  • 企画きかく - 米川よねかわいさおしん
  • 演出えんしゅつ - 棚橋たなはし一徳かずのり
  • 原作げんさく - 宮沢みやざわ賢治けんじ
  • 監督かんとく - 四分一しぶいち節子せつこ
  • 脚本きゃくほんコンテ - えびす桃野もものぼたるじゅ
  • 演出えんしゅつ - 棚橋たなはし一徳かずのり
  • 原画げんが - 坂本さかもと修司しゅうじ 中原なかはら清隆きよたか 進藤しんどうみつる 7めい
  • 動画どうが - 池辺いけべ玲子れいこ かん英也ひでや 小野沢おのざわ雅子まさこ 4めい
  • 動画どうが検査けんさ - 熊坂くまさか径子みちこ
  • 動画どうが協力きょうりょく - スタジオマーク きのプロダクション ライフワーク
  • 色彩しきさい設定せってい - 伊藤いとう弘子ひろこ
  • 仕上しあげ - ライフワーク [ごとうけいこ 小林こばやし弘美ひろみ 2めい]
  • 仕上しあげ検査けんさ - 黒柳くろやなぎ朋子ともこ 高田たかだみほ とみはた貴史たかし
  • 仕上しあげ協力きょうりょく - シャフト かんいち動画どうが
  • 特殊とくしゅ効果こうか - 前川まえかわたかし
  • 背景はいけい -(有)ゆうげんがいしゃグリーン [和気わけあやさと 森川もりかわ裕美ひろみ 中村なかむら恵理えり 4めい]
  • 作画さくが監督かんとく・キャラクターデザイン - 小林こばやしゆかり
  • 撮影さつえい監督かんとく - 平田ひらた隆文たかふみ
  • 撮影さつえい - ひがしげんアニメルーム[金子かねこ智洋ともひろ 田村たむら雅人まさと 千葉ちば英樹ひでき 小峰こみね修造しゅうぞう]
  • 編集へんしゅう - 井上いのうえ編集へんしゅうしつ[井上いのうえ和夫かずお]
  • 現像げんぞう - 東京現像所とうきょうげんぞうしょ
  • タイトル - マキ・プロ
  • タイミング - 吉田よしだみのる
  • オプティカル - 五十嵐いがらし敬二けいじ
  • 美術びじゅつ - わきたけしこころざし
  • 音楽おんがく - 中島なかじま優貴ゆうき
  • 音楽おんがく制作せいさく - RELAX MUSIC INC.[プロダクションマネージャー:小森こもり幸枝ゆきえ 制作せいさくディレクター:増沢ますざわ武志たけし 小森こもり幸枝ゆきえ]
  • 音響おんきょう監督かんとく - 清水しみず勝則かつのり
  • 効果こうか - 井上いのうえひろし
  • 調整ちょうせい - 成清なるきよりょう
  • 録音ろくおん - せいおとスタジオ
  • 音響おんきょう制作せいさく - ザック・プロモーション
  • プロデューサー - 久保田くぼた正明まさあき石川いしかわひろし出崎でさきあきら
  • 制作せいさくプロデューサー - 喜多方きたかたいさお 松崎まつざき義之よしゆき
  • 制作せいさくデスク - 関口せきぐち重晴しげはる
  • 制作せいさく担当たんとう - 上川かみかわはた修一しゅういち
  • 制作せいさく進行しんこう - 沢村さわむら政則まさのり
  • アニメーション制作せいさく - マジックバス
  • 制作せいさく - テレビ東京てれびとうきょう
こえ出演しゅつえん

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b 学校がっこう生徒せいと保護ほごしゃ以外いがいの12さい以上いじょう入場にゅうじょうできないとのむね入場にゅうじょうけんかれている。ちなみにしたあには12さい
  2. ^ 映画えいが アニメ ゆきわた - allcinema

外部がいぶリンク

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