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韓 悳洙(ハン・ドクス、朝鮮語: 한덕수、1949年6月18日 - )は、韓国の政治家。同国国務総理(第38代・第48代)。
全羅北道出身。本貫は清州韓氏[1]。ソウル大学校経済学科卒。ハーバード大学大学院卒。1996年に特許庁長官を務めた事を皮切りに、2001年に経済協力開発機構(OECD)大使を務め、2005年に副首相や財政経済部長官を兼任。2006年3月15日、李海瓚国務総理(首相)が辞職し、同年4月19日まで代行を務めた。そして2007年3月9日から盧武鉉大統領が退任する2008年2月24日まで第38代国務総理を務めた。2006年には米韓自由貿易協定(KORUS FTA)の締結支援委員会委員長兼韓米FTA特別補佐官を務めた。2009年2月に駐米韓国大使に就任した。2012年2月、駐米韓国大使を辞任し、韓国貿易協会会長に就任した。
2022年4月3日、尹錫悦次期大統領は韓悳洙を次期国務総理に指名した[2]。2022年5月20日の国会の認証を受け、尹大統領は2022年5月21日に韓を国務総理に任命した[3]。国会が少数与党の状態の中、ソウル梨泰院雑踏事故、世界スカウトジャンボリーでの混乱、福島第一原子力発電所事故に伴うALPS処理水海洋放出、水害中の海兵隊兵士殉職事件などを理由として2023年9月18日に野党が国務総理からの解任を求めて国会に建議案を提出し、9月21日の採決では賛成175、反対116、棄権4票となり可決された。国務総理解任建議が可決されたのは憲政史上初のことであったが、拘束力はなく職務は続行[4]。2024年4月10日に執行された第22代総選挙で与党は大敗し、翌11日に国務総理からの辞任を表明した[5]。しかし尹大統領が野党も同意するような首相候補の選定に慎重になったこともあり、一向に後任が指名されず首相の座に留まり、5月21日には在任2年を迎え、通算の首相在任期間が民主化後で最長となるに至った[6]。
2002年、金大中大統領の経済首席秘書官を務めているときに、中国産ニンニクの緊急輸入制限の発動を撤廃するという合意を隠していたために一度更迭された。
子女がいない。歴代の国務総理の中でも唯一子供がいない人物である[1]。