FM-PAC(SW-M004) カートリッジ外観 がいかん
FM-PAC (エフエムパック)は、松下電器産業 まつしたでんきさんぎょう (現 げん :パナソニック) より1988年 ねん 7月 がつ 25日 にち [ 1] に発売 はつばい された、MSX コンピュータ 用 よう の拡張 かくちょう カートリッジ である。正式 せいしき 名称 めいしょう は「FM Pana Amusement Cartridge」。パナアミューズメントカートリッジ と同様 どうよう の一部 いちぶ のゲームなどに対応 たいおう したバッテリーバックアップ メモリ、並 なら びにYM2413 を搭載 とうさい し、MSXに9重 じゅう 和音 わおん 、もしくは6重 じゅう 和音 かずね + ドラムセット 5音 おと の演奏 えんそう 機能 きのう と、対応 たいおう ゲームに対 たい するデータのセーブを実現 じつげん する。希望 きぼう 小売 こうり 価格 かかく は7800円 えん 。
FM-PACは「FM Pana Amusement Cartridge」を省略 しょうりゃく した呼 よ び方 かた である。そのほか、「FM PAC」または「FM P.A.C.」と略 りゃく される[ 2] 。使用 しよう に際 さい してはMSX本体 ほんたい のRAM が32KB以上 いじょう 必要 ひつよう である[ 3] 。
カートリッジの形態 けいたい で供給 きょうきゅう され、パナアミューズメントカートリッジ同様 どうよう 、8KB のSRAM を搭載 とうさい しており、8つのセグメントに分 わ けてゲームソフトなどのセーブデータを記録 きろく することが可能 かのう [ 4] であり、パナアミューズメントカートリッジと異 こと なり後述 こうじゅつ のパックコマンダーと称 しょう するユーティリティーが内蔵 ないぞう されており、単体 たんたい で他 た のカートリッジを含 ふく むセーブデータの管理 かんり も可能 かのう となっている。
後述 こうじゅつ のMSX-MUSICに対応 たいおう したハードウェアでもあり、標準 ひょうじゅん ではPSG が3チャンネル と1ビットサウンドポートのみの出力 しゅつりょく しか持 も っていなかったMSXに、2オペレータ、モノフォニック、9和音 わおん または6和音 わおん +リズム5和音 わおん の発声 はっせい を拡張 かくちょう することも可能 かのう である。
縦 たて 210mm、幅 はば 108mm、厚 あつ さ17mmと[ 3] 、一般 いっぱん 的 てき なMSX用 よう カートリッジに比 くら べてやや背 せ 高 だか のサイズとなっている。FM音源 おんげん の出力 しゅつりょく は拡張 かくちょう スロットのSUNDIN端子 たんし に接続 せつぞく され、本体 ほんたい の音声 おんせい 出力 しゅつりょく に合成 ごうせい される。本体 ほんたい が持 も つ音源 おんげん とのミキシングバランスはMSX規格 きかく 側 がわ で定義 ていぎ されていない為 ため 、調整 ちょうせい できるようカートリッジ上部 じょうぶ のスライドスイッチによって三 さん 段階 だんかい に切 き り替 か えることが可能 かのう [ 5] [ 6] となっている。
MSXの標準 ひょうじゅん 拡張 かくちょう 音源 おんげん 規格 きかく としてMSX2の策定 さくてい 時 じ にMSX-AUDIO が定義 ていぎ されていたが、実際 じっさい にMSXのオプション機器 きき として製品 せいひん 化 か されたFS-CA1が34,800円 えん と高価 こうか な上 うえ にほとんど普及 ふきゅう しなかったため、低 てい コスト版 ばん として開発 かいはつ された[ 7] 。
MSX-AUDIO規格 きかく と比 くら べてFM音源 おんげん チップが廉価 れんか なものになった他 ほか 、PCM用 よう のRAMなどを必要 ひつよう とせず、拡張 かくちょう ハードウェアとして発売 はつばい されたFM-PACでは音声 おんせい 出力 しゅつりょく も拡張 かくちょう スロットの音声 おんせい 入力 にゅうりょく を使用 しよう するなど大幅 おおはば にコストダウンされている。
音源 おんげん チップとして「YM2413」、ソフトウェアとして「拡張 かくちょう BASIC」と「FM BIOS」で構成 こうせい され、他 た のMSXの拡張 かくちょう ハードウェアと異 こと なり拡張 かくちょう BIOSは提供 ていきょう されずスロットにFM BIOSをマッピングした上 うえ で直接 ちょくせつ エントリアドレスをコールする実装 じっそう になっている。
拡張 かくちょう BASICはMSX-AUDIOのサブセットになっているが、音 おと 名 めい が同 おな じであってもMSX-MUSICではハードウェアプリセット音 おん が多 おお く含 ふく まれ、似 に た音 おと は出力 しゅつりょく されるものの同 おな じ音 おん が発声 はっせい されるわけではない。また、ハードウェアプリセット音 おん に該当 がいとう する音色 ねいろ はROM内 ない にはMSX-AUDIOと同 おな じパラメータがセットされているものの、拡張 かくちょう BASICで該当 がいとう する音色 ねいろ を読 よ みだそうとした場合 ばあい にはIllegal function callが発生 はっせい するようになっている。
後述 こうじゅつ のMML節 ぶし にあるとおり、通常 つうじょう 利用 りよう される平均 へいきん 律 りつ 以外 いがい の音律 おんりつ を指定 してい できることも、他 た の純正 じゅんせい MMLや、音源 おんげん ドライバには見 み られない特徴 とくちょう である。
尚 なお 、FMPACの発売 はつばい 時期 じき がMSX2とMSX2+の間 あいだ で、MSX2+の規格 きかく と一緒 いっしょ に資料 しりょう が出 で ていることからメーカーオプションとして発売 はつばい されたものが規格 きかく として取 と り込 こ まれたと認識 にんしき されることが多 おお いが、対応 たいおう するソフトウェアのパッケージには当初 とうしょ より「MSX-MUSIC対応 たいおう 」と八 はち 分 ふん 音符 おんぷ のロゴと共 とも に書 か かれており、規格 きかく の定義 ていぎ の方 ほう が先 さき で初期 しょき のソフトウェアであっても存在 そんざい しなかったMSX-MUSIC内蔵 ないぞう の本体 ほんたい でもバグがない限 かぎ りは正常 せいじょう に対応 たいおう している。最大 さいだい 2本 ほん 実装 じっそう されるよう考慮 こうりょ された実装 じっそう のMSX-AUDIOと異 こと なり、MSX規格 きかく のI/Oポートに定義 ていぎ されたポートは1つ分 ぶん であり、公式 こうしき のドキュメントであるMSX Datapackの該当 がいとう 部 ぶ [ 8] では、MSX-MUSIC内蔵 ないぞう 機器 きき にFMPACを追加 ついか した時 とき を例 れい に、同 どう 一 いち アドレスに複数 ふくすう の同 どう 一 いち 音源 おんげん が接続 せつぞく されることで音量 おんりょう が二 に 倍 ばい になることを挙 あ げ、内蔵 ないぞう 機器 きき を検出 けんしゅつ の上 うえ 、存在 そんざい しない場合 ばあい にカートリッジ側 がわ のI/Oポートを有効 ゆうこう にするように明示 めいじ している。また、商用 しょうよう アプリケーションについては直接 ちょくせつ 制御 せいぎょ を禁止 きんし し、FMBIOSを呼 よ び出 だ して制御 せいぎょ することを要求 ようきゅう している。内蔵 ないぞう 機器 きき と増設 ぞうせつ 機器 きき では識別子 しきべつし と電源 でんげん 投入 とうにゅう 時 じ の初期 しょき 状態 じょうたい が異 こと なっており、前者 ぜんしゃ は無条件 むじょうけん にI/Oポートに接続 せつぞく されているが、後者 こうしゃ は明示 めいじ 的 てき に接続 せつぞく してやる必要 ひつよう がある。直接 ちょくせつ 制御 せいぎょ をおこなう場合 ばあい は、内蔵 ないぞう 機器 きき を検索 けんさく し、存在 そんざい しなければ増設 ぞうせつ 機器 きき を検索 けんさく し、存在 そんざい した場合 ばあい は該当 がいとう スロットのフラグとなるアドレスを読 よ み込 こ んだ上 じょう でフラグを立 た てて書 か き込 こ むという処理 しょり が必要 ひつよう となる。FMBIOSのINIOPLをコールした場合 ばあい はFMBIOSを含 ふく む初期 しょき 設定 せってい が行 おこな われるが、INIOPLを呼 よ び出 だ す場合 ばあい 該当 がいとう スロットのページ1の状態 じょうたい が書 か き換 か わる為 ため 、メモリマップによっては注意 ちゅうい が必要 ひつよう である。
初期 しょき 状態 じょうたい では音源 おんげん 部 ぶ は無効 むこう であるため後述 こうじゅつ のユーティリティーの利用 りよう も含 ふく め、バックアップメモリカートリッジとしてのFMPACの複数 ふくすう の接続 せつぞく 、利用 りよう は問題 もんだい はなく、ユーティリティーも各々 おのおの を認識 にんしき することができる。
このようにシステムとしては複数 ふくすう の音源 おんげん をサポートしないものの、MSX-AUDIOとは別 べつ のリソースが割 わ り振 ふ られているため共存 きょうぞん は可能 かのう で、moonblasterなどのソフトウェアが同時 どうじ 使用 しよう をサポートしている他 ほか 、 MSX CLUB GHQのdawn of timeなどのデモプログラムなどで、ステレオでの再生 さいせい を実現 じつげん している物 もの などがある。
ドライバにあたるFM BIOSは、当時 とうじ T&E SOFTに在籍 ざいせき していた前述 ぜんじゅつ の富田 とみた 茂 しげる による設計 せっけい とコーディングである[ 9] 。
1989年 ねん 11月に発売 はつばい された、『マイコンBASICマガジン 』の別冊 べっさつ である『MSX/MSX2/MSX2+ ゲーム・ミュージック・プログラム大 だい 全集 ぜんしゅう 』では、多 おお くの使用 しよう 曲 きょく が収録 しゅうろく された。
最初 さいしょ の商品 しょうひん 化 か された実装 じっそう であるFM-PACは爆発 ばくはつ 的 てき なヒットを記録 きろく し、他 た 機種 きしゅ のゲームをも含 ふく めたヒットチャートでベスト3入 い りを記録 きろく した上 うえ 、パーソナルコンピュータ全般 ぜんぱん を取 と り扱 あつか う『マイコンBASICマガジン』誌上 しじょう の音楽 おんがく プログラム投稿 とうこう コーナーへの投稿 とうこう の8割 わり がMSX-MUSIC用 よう のデータで占 し められたとされ[ 10] 、また1989年 ねん 5月 がつ から1990年 ねん 4月 がつ までに実際 じっさい に掲載 けいさい された音楽 おんがく プログラム61本 ほん のうち、15本 ほん がMSX-MUSICのものであった。[ 11] 。
本 ほん 製品 せいひん 発売 はつばい 後 ご 、リリースされたMSX2用 よう のアプリケーションにおいても多 おお くのソフトウェアが対応 たいおう した。MSX2+ではオプション扱 あつか いの規格 きかく であるが、MSX2+機 き で実際 じっさい にMSX-MUSICを搭載 とうさい しなかった機種 きしゅ は松下 まつした 「FS-A1FX」などごく一部 いちぶ に限 かぎ られており、事実 じじつ 上 じょう の標準 ひょうじゅん 搭載 とうさい 機能 きのう となっている。後 のち に制定 せいてい されたMSXturboRにて正式 せいしき に標準 ひょうじゅん 仕様 しよう に含 ふく まれた。使用 しよう するにはMSX本体 ほんたい のRAM が32KiB以上 いじょう 必要 ひつよう である[ 2] 。
ハードウェアの直接 ちょくせつ 制御 せいぎょ による試 こころ み[ 編集 へんしゅう ]
前述 ぜんじゅつ のようにMSX-MUSICのシステムは複数 ふくすう のYM2413が存在 そんざい してもどれか一 ひと つを使用 しよう するよう定義 ていぎ されており、ソフトウェア的 てき なサポートも存在 そんざい しないが、MSXの拡張 かくちょう 機器 きき の実装 じっそう として推奨 すいしょう されているメモリマップドI/Oの存在 そんざい や、スロットの仕組 しく み、並 なら びにカートリッジ内 ない 音源 おんげん の有効 ゆうこう 無効 むこう の選択 せんたく が可能 かのう になっている仕様 しよう から独立 どくりつ 制御 せいぎょ が可能 かのう である。
音声 おんせい 出力 しゅつりょく がスロットの端子 たんし を経由 けいゆ する出力 しゅつりょく のみのFM-PAC以外 いがい は商品 しょうひん 化 か がなかったため用途 ようと は限定 げんてい されるものの、内蔵 ないぞう デバイスはI/Oポート、FMPACはデバイスの有効 ゆうこう 無効 むこう 、スロットの切 き り替 か えとメモリマップドI/Oの併用 へいよう によってハードウェアをダイレクトに制御 せいぎょ することで最大 さいだい 10個 こ のYM2413を制御 せいぎょ する試 こころ みも存在 そんざい [ 12] [ 13] [ 14] している。
また、YM2413をDACとして利用 りよう する試 こころ み[ 15] [ 16] も、制御 せいぎょ のシステムとしてMSX-MUSICのハードウェアを用 もち いている。
本 ほん 製品 せいひん は、パナアミューズメントカートリッジの上位 じょうい 機種 きしゅ としての側面 そくめん もあり、同 どう 製品 せいひん に相当 そうとう する一 いち 次 じ 電池 でんち によりバックアップされるSRAMが搭載 とうさい されている。
ハードウェア的 てき なバックアップメモリと、スロットにマッピングするための仕組 しく みのみであった前身 ぜんしん となる製品 せいひん と異 こと なり、本 ほん 製品 せいひん では「パックコマンダー」というデータ管理 かんり 用 よう ユーティリティソフト がROMに内蔵 ないぞう されており、BASIC 上 うえ から「CALL FMPAC」と入力 にゅうりょく する事 こと で、起動 きどう できた[ 17] 。
ユーティリティーを起動 きどう すると音源 おんげん のテストとサンプルを兼 か ねたBGMが流 なが れ、コピー、クリア、チェンジ、ファイルさくじょ、スロット、BGMのメニューが表示 ひょうじ された。「スロット」のメニューのみ接続 せつぞく スロットとの対応 たいおう を確認 かくにん する機能 きのう のため、単体 たんたい で接続 せつぞく された状態 じょうたい で実行 じっこう する必要 ひつよう があるが、それ以外 いがい のメニューは電源 でんげん 投入 とうにゅう 時 じ に接続 せつぞく されているPAC並 なら びに、FMPAC、フロッピーディスクを対象 たいしょう としたデータのコピー、削除 さくじょ 、移動 いどう などのマネジメントを行 おこな うことが可能 かのう になっている。
取扱 とりあつかい 説明 せつめい 書 しょ 、ユーティリティー内 ない のメッセージはコマンドを呪文 じゅもん に準 なぞら え、ゲームに模 も した独特 どくとく の表現 ひょうげん となっている。
BGMは5曲 きょく 選択 せんたく できるものの、YM2413のみで構成 こうせい された曲 きょく になっているため、音量 おんりょう バランスの基準 きじゅん にすることはできず、音 おと を止 と めることも可能 かのう になっている。BGM1は松下電器産業 まつしたでんきさんぎょう 発売 はつばい ・T&E SOFT 開発 かいはつ によるMSX2 用 よう ゲームソフト「アシュギーネ 虚空 こくう の牙城 がじょう 」のステージ1、BGM2はオープニングデモの曲 きょく をFM音源 おんげん アレンジしたものになっている。T&E SOFTのコンポーザーで、MBIOSの設計 せっけい 者 しゃ である冨田 とみた 茂 しげる によると、FM-PACサンプル曲 きょく のうち1曲 きょく は富田 とみた 担当 たんとう との事 こと である[ 9] 。
また、隠 かく しコマンド として、BGM選択 せんたく メニューを開 ひら いているときにTABキーを押 お すことによってキーボード を鍵盤 けんばん 楽器 がっき に見立 みた てて演奏 えんそう できるようになっていた。
FM音源 おんげん 制御 せいぎょ 命令 めいれい はCALL命令 めいれい のセットとして拡張 かくちょう されている。以下 いか に主 おも な命令 めいれい とその使用 しよう 法 ほう を述 の べる。
基本 きほん 仕様 しよう はMSX-AUDIOの記述 きじゅつ に準拠 じゅんきょ し、内蔵 ないぞう 音色 ねいろ などは異 こと なるものの、音 おと 名 めい 、パラメータなどは、互換 ごかん 性 せい を意識 いしき したつくりとなっている。
CALL MUSIC(1,0,1,1,1,1,1,1)
FM音源 おんげん BIOS を起動 きどう する。左端 ひだりはし の値 ね (0/1)でFM9チャンネル、FM6チャンネル+リズム5チャンネルのモードを切 き り替 か える。上記 じょうき の様 よう に1とした場合 ばあい はリズムモードとなり、PLAY #2命令 めいれい の各 かく チャンネルにFM音源 おんげん 1チャンネルを割 わ り当 あ てる。CALL MUSIC(1,0,2) などとして、複数 ふくすう チャンネルを割 わ り当 あ てることもできる。第 だい 2パラメータの0はMSX-AUDIOの「CALL AUDIO」命令 めいれい との表記 ひょうき 上 じょう の互換 ごかん 性 せい のために残 のこ されているものであり、MSX-MUSIC上 じょう では常 つね に0を設定 せってい する[ 18] [ 19] 。
CALL VOICE(@0,@12)
FM音源 おんげん の各 かく チャンネルに音色 ねいろ を設定 せってい する。チップ内蔵 ないぞう の15の音色 ねいろ 以外 いがい は自作 じさく 音色 ねいろ 扱 あつか いとなり、1セットしかない自作 じさく 音色 ねいろ 用 よう レジスタを占有 せんゆう してしまうため、同時 どうじ に1種類 しゅるい しか使用 しよう できない。BASICの各 かく 命令 めいれい の実行 じっこう と、音源 おんげん の演奏 えんそう は標準 ひょうじゅん 設定 せってい では同期 どうき しておらず、このコマンドは主 おも に演奏 えんそう 開始 かいし 前 まえ に使用 しよう され、曲 きょく 中 ちゅう での音色 ねいろ 変更 へんこう には通常 つうじょう 、MML の@コマンドを用 もち いる[ 20] 。
CALL TEMPER(9)
音律 おんりつ を設定 せってい できる[ 21] 。
CALL VOICE COPY(@63, tone%)
音色 ねいろ データエリアと任意 にんい の配列 はいれつ 変数 へんすう 間 あいだ でデータをコピーする。データサイズは32バイト 。MSX-BASIC では整数 せいすう 型 がた が2バイトなので、dim tone%(15) と定義 ていぎ されるのが一般 いっぱん 的 てき である。上記 じょうき の例 れい では音色 ねいろ 番号 ばんごう 63に配列 はいれつ 変数 へんすう tone%の内容 ないよう をコピーしているが、逆 ぎゃく の動作 どうさ なども可能 かのう である。MSX-MUSICでは@0から@62まではプリセットの音色 ねいろ があり、慣例 かんれい 的 てき に自作 じさく 音色 ねいろ は63から使用 しよう されることが多 おお かった。一般 いっぱん 的 てき には音色 ねいろ 設定 せってい は以下 いか のように行 おこな われる。
DIM TONE%(15):FOR I=0 TO 15:READ A$:TONE%(I) = VAL("&H" + A$):NEXT
DATA 0000,0000,0000,0000
DATA 0000,0000,0000,0000
DATA 0000,0000,0000,0000
DATA 0000,0000,0000,0000
CALL VOICE COPY(TONE%, @63)
曲 きょく 中 ちゅう で複数 ふくすう の音色 ねいろ を使用 しよう する時 とき は、PLAY文 ぶん の合間 あいま に CALL VOICE COPY 文 ぶん を挟 はさ むことで行 おこな う。
音色 ねいろ 設定 せってい にはFM音源 おんげん のパラメータを直接 ちょくせつ (人間 にんげん にとって自然 しぜん に)表記 ひょうき して上記 じょうき の32バイト配列 はいれつ にコンバートする手法 しゅほう や、FM音源 おんげん チップのレジスタに直接 ちょくせつ 値 ち を書 か き込 こ むコマンドの「Yコマンド」をMML中 ちゅう に用 もち いる手法 しゅほう もあった。前者 ぜんしゃ の変換 へんかん プログラムは比較 ひかく 的 てき に複雑 ふくざつ なものになる[ 22] 。後者 こうしゃ では演奏 えんそう 中 ちゅう に臨機応変 りんきおうへん に音色 ねいろ を変化 へんか させることができる。
PLAY #2, "C", "D", A$
MMLに従 したが い演奏 えんそう を行 おこな う。従来 じゅうらい の「PLAY」文 ぶん が拡張 かくちょう されたものである。上記 じょうき の右 みぎ 端 はし の例 れい の通 とお り文字 もじ 列 れつ 変数 へんすう も使用 しよう 可能 かのう であり、むしろその方 ほう が一般 いっぱん 的 てき である。どの桁 けた がFM/PSGのどのチャンネルを演奏 えんそう するかは、CALL MUSICでの設定 せってい による。従来 じゅうらい のPLAY文 ぶん と違 ちが い、32分 ふん 音符 おんぷ もある程度 ていど ズレなく演奏 えんそう させることができる。標準 ひょうじゅん 設定 せってい では演奏 えんそう はBASICの実行 じっこう とは非同期 ひどうき に(自動的 じどうてき に)演奏 えんそう される。なお、1度 ど のPLAY分 ぶん で流 なが し込 こ めるMMLの長 なが さはMSX-BASICにより制限 せいげん される。第 だい 1パラメータから順 じゅん に、FM音源 おんげん チャンネル(0~6個 こ )、リズムチャンネル(0~1個 いっこ )、PSGチャンネル(3個 こ )となっている。
CALL PITCH(440) / CALL TRANSPOSE(n)
MSX-MUSICでは、チューニングの変更 へんこう も可能 かのう で、CALL PITCHではA4音 おと の周波数 しゅうはすう を指定 してい する。デフォルトでは440となっている[ 23] 。また、CALL TRANSPOSE を用 もち いて、1セント(半音 はんおん の1/100)単位 たんい でプラスマイナス12799セントの移調 いちょう も可能 かのう [ 24] 。
MML は一般 いっぱん 的 てき なものと大差 たいさ ない。MSX-MUSICでの方言 ほうげん や特徴 とくちょう として、以下 いか のようなものがある。
オクターブ変更 へんこう は > で上昇 じょうしょう 、 < で下降 かこう 。当時 とうじ としては一般 いっぱん 的 てき な記法 きほう である。
{ } で音譜 おんぷ を括 くく る事 こと で連 れん 符 ふ となる。
@Vコマンドで音量 おんりょう を128段階 だんかい に細 こま かく設定 せってい できる。実際 じっさい は内部 ないぶ では16段階 だんかい に変換 へんかん されるが、変数 へんすう を持 も ち込 こ む処理 しょり などで有益 ゆうえき である。
Qコマンドを用 もち いることでスタッカート やレガート を表現 ひょうげん できる。8段階 だんかい で調整 ちょうせい 可能 かのう 。同様 どうよう の表現 ひょうげん を行 おこな うのに2000年代 ねんだい 現在 げんざい のデスクトップミュージック (DTM)ではゲートタイム と呼 よ ばれることが多 おお い。
Tコマンドでテンポが設定 せってい される。MSXのタイマ割 わ り込 こ み は1/60秒 びょう 単位 たんい でしか発生 はっせい しないため、音 おと の長 なが さが n(整数 せいすう )/60秒 びょう で表 あらわ せない時 とき には、テンポにずれが生 しょう じる。計算 けいさん 上 じょう 、14400÷テンポ÷使用 しよう したい音譜 おんぷ (1-64)の解 かい が整数 せいすう であれば、問題 もんだい はない。Music Macro Language#システム上 じょう の制約 せいやく と対策 たいさく も参照 さんしょう されたし。
最 もっと も大 おお きな点 てん は、リズム音源 おんげん 演奏 えんそう 専用 せんよう MMLの存在 そんざい である。これは一般 いっぱん 的 てき なMMLとは全 まった く異 こと なり、例 たと えば典型 てんけい 的 てき な8ビート であれば、
B!H8H8SH8H8 B!H8BH8SH8H8
となる。B:バスドラム S:スネアドラム H:ハイハット M:タムタム C:シンバル となっており、可読 かどく 性 せい に難 なん はあるものの、1まとまりのMMLで複数 ふくすう の打楽器 だがっき を鳴 な らせる仕様 しよう となっている。なお、!はアクセントとして、音量 おんりょう を通常 つうじょう のものとは異 こと なる値 ね に変化 へんか させる修飾 しゅうしょく コマンドである[ 25] 。必 かなら ずしも音量 おんりょう が上 あ がるわけではない。
BASICでの演奏 えんそう ではポルタメント が行 おこな えない、ビブラート が再現 さいげん できない、という問題 もんだい があった。直接 ちょくせつ レジスタを制御 せいぎょ するYコマンドで実現 じつげん は可能 かのう であるが、直接 ちょくせつ 送 おく り込 こ むデータを列挙 れっきょ するため、非常 ひじょう に煩雑 はんざつ でMMLの可読 かどく 性 せい を著 いちじる しく損 そこ なう。
MSX-MUSICのパーカッションの音色 ねいろ は、よく出来 でき ているとは言 い い難 がた く、多用 たよう されるスネアドラム等 とう に対 たい しては、音色 ねいろ を加工 かこう する方法 ほうほう としてPSGのノイズを重 かさ ねたり、PSGに割 わ り振 ふ るなどし、音階 おんかい が存在 そんざい しなかったタムタム に対 たい しては、Yコマンドにより、直接 ちょくせつ チップに対 たい して音程 おんてい を指定 してい する等 ひとし の試行錯誤 しこうさくご が見 み られた[ 26] 。電波 でんぱ 新聞 しんぶん 社 しゃ 刊 かん 、『MSX2/2+ ゲーム・ミュージックプログラム大 だい 全集 ぜんしゅう 』(1989, 電波 でんぱ 新聞 しんぶん 社 しゃ )および『MSX2/2+ ゲーム・ミュージックプログラム大 だい 全集 ぜんしゅう II』(1990, 電波 でんぱ 新聞 しんぶん 社 しゃ )では実際 じっさい に、掲載 けいさい されているFM-PAC対応 たいおう 演奏 えんそう プログラムの多 おお くで、ドラムスの演奏 えんそう にこのような工夫 くふう が見 み られる。
更 さら にBASIC上 じょう でFM音源 おんげん BIOSのワークエリア に直接 ちょくせつ 値 ち を書 か き込 こ み、周波数 しゅうはすう のわずかに異 こと なる2音 おと を重 かさ ねデチューン 効果 こうか を得 え る方法 ほうほう が確立 かくりつ されている。[ 27] 。
なお、PSGパートでは、タイマ割 わ り込 こ みとPSGのレジスタの直接 ちょくせつ 変更 へんこう (MSXの場合 ばあい はBIOSで行 おこな える[ 28] )を用 もち いたビブラート、コーラス、ソフトウェアエンベロープ 、シンセタム などの技法 ぎほう はFM-PAC発売 はつばい 以前 いぜん から行 おこな われている。これらについても『マイコンBASICマガジン』(1988年 ねん 以降 いこう )、『ゲーム・ミュージック・プログラム大 だい 全集 ぜんしゅう III』(1988, 電波 でんぱ 新聞 しんぶん 社 しゃ )、『MSX2/2+ゲーム・ミュージックプログラム大 だい 全集 ぜんしゅう 』(1989, 電波 でんぱ 新聞 しんぶん 社 しゃ )および『MSX2/2+ゲーム・ミュージックプログラム大 だい 全集 ぜんしゅう 』(1990, 電波 でんぱ 新聞 しんぶん 社 しゃ )などで多 おお くの実例 じつれい が見 み られる。
音色 ねいろ 用 よう レジスタを占有 せんゆう する音色 ねいろ も含 ふく めると、MSX-MUSICでは64種 しゅ (無音 むおん 含 ふく む)[ 29] の音色 ねいろ が用意 ようい されている。以下 いか のものは制限 せいげん 無 な く使 つか えるチップ内蔵 ないぞう 音色 ねいろ である。何分 なにぶん この他 ほか には同時 どうじ に1音色 ねいろ しか使用 しよう できないため、ほとんどのMSX-MUSIC用 よう 演奏 えんそう データはそのほとんどの部分 ぶぶん がこの15種 しゅ の音色 ねいろ だけで演奏 えんそう されている。なおチップ内 ない では音色 ねいろ 番号 ばんごう は0 - 15の値 ね を取 と っており、下記 かき の音色 ねいろ 番号 ばんごう はMSX-MUSIC側 がわ が独自 どくじ に割 わ り振 ふ ったものである。また、取扱 とりあつかい 説明 せつめい 書 しょ p.44によれば、音色 ねいろ 名 めい については「参考 さんこう のために付 つ けたもので音色 ねいろ によっては、実際 じっさい の楽器 がっき の音 おと と異 こと なることがあります。」ということになっている。
メジャーはMと、マイナーはmと略記 りゃっき した。取扱 とりあつかい 説明 せつめい 書 しょ p.45を参考 さんこう とした。
0 ピタゴラス
1 ミーントーン
2 ヴェルクマイスター
3 ヴェルクマイスター(修正 しゅうせい )
4 ヴェルクマイスター(別 べつ )
5 キルンベルガー
6 キルンベルガー(修正 しゅうせい )
7 ヴァロッティ・ヤング
8 ラモー
9 完全 かんぜん 平均 へいきん 律 りつ (デフォルト)
10 純正 じゅんせい 律 りつ c M (a m)
11 純正 じゅんせい 律 りつ cis M (b m)
12 純正 じゅんせい 律 りつ d M (h m)
13 純正 じゅんせい 律 りつ es M (c m)
14 純正 じゅんせい 律 りつ e M (cis m)
15 純正 じゅんせい 律 りつ f M (d m)
16 純正 じゅんせい 律 りつ fis M (es m)
17 純正 じゅんせい 律 りつ g M (e m)
18 純正 じゅんせい 律 りつ gis M (f m)
19 純正 じゅんせい 律 りつ a M (fis m)
20 純正 じゅんせい 律 りつ b M (g m)
21 純正 じゅんせい 律 りつ h M (gis m)
MSX用 よう のその他 た の音源 おんげん 関係 かんけい オプション[ 編集 へんしゅう ]
MSX-AUDIO - 先発 せんぱつ の規格 きかく 。国内 こくない で広 ひろ く普及 ふきゅう することは無 な かった。
FM Sound Synthesizer Unit II - SFG-05 YAMAHA から発売 はつばい された拡張 かくちょう 音源 おんげん ユニット。YM2151 (OPM)を搭載 とうさい し、MIDI 端子 たんし も装備 そうび 。希望 きぼう 小売 こうり 価格 かかく 29,800円 えん 。ただし通常 つうじょう のカートリッジスロットとは異 こと なる独自 どくじ の形式 けいしき を持 も ち、YAMAHA社 しゃ やビクター 社 しゃ 製 せい のMSX以外 いがい では別売 べつばい のアダプターが必要 ひつよう だった。ミュージックシーケンサー や拡張 かくちょう BASICも供給 きょうきゅう された。MSX の項目 こうもく も参照 さんしょう 。
MIDIサウルス - 1990年 ねん にBIT2 より発売 はつばい された、MIDIインターフェイス。ミュージックシーケンサー がFDで付属 ふぞく 。メロディー8トラック、リズム1トラック、最大 さいだい 16音 おと ポリフォニック[ 11] 。四分 しぶ 音符 おんぷ の分解能 ぶんかいのう は96または48[ 11] 。希望 きぼう 小売 こうり 価格 かかく 19800円 えん 。MSX の項目 こうもく も参照 さんしょう 。
SCC カートリッジ - コナミ から発売 はつばい されたMSX2用 よう アドベンチャーゲーム『スナッチャー 』『SDスナッチャー 』に同 どう 梱 こり された拡張 かくちょう 音源 おんげん カートリッジ。SCC音源 おんげん が搭載 とうさい されている。単体 たんたい での使用 しよう は想定 そうてい されておらず単体 たんたい 発売 はつばい もなかったが、MSXマガジン やマイコンBASICマガジン 等 とう で仕様 しよう が独自 どくじ 解析 かいせき され鳴 な らすためのツールが提供 ていきょう された。
MoonSound - 1994年 ねん にオランダのSunrise社 しゃ より発売 はつばい された拡張 かくちょう 音源 おんげん カートリッジ。国内 こくない 未 み 発売 はつばい 。OPL4音源 おんげん 「YMF278B 」、GM音源 おんげん 用 よう Wave Table ROM「YRW-801」、波形 なみかた データ用 よう RAMを搭載 とうさい している。
『YM2413 FM Operator Type-LL (OPLL) Application Manual』 YAMAHA [1] OPLLについての詳細 しょうさい な仕様 しよう 書 しょ 。
1990年 ねん 、『マイコンBASICマガジン』、電波 でんぱ 新聞 しんぶん 社 しゃ pp. 73-75
1989年 ねん 、『マイコンBASIC Magazine DELUXE MSX/MSX2/MSX2+ ゲーム・ミュージック・プログラム大 だい 全集 ぜんしゅう 』、電波 でんぱ 新聞 しんぶん 社 しゃ - MSX-BASIC上 じょう でのMSX-MUSICプログラミングの実例 じつれい が多数 たすう 紹介 しょうかい されている。若干 じゃっかん の入門 にゅうもん 講座 こうざ もある。
横川 よこかわ 理 さとし 彦、1989、『FM音楽 おんがく 館 かん 』、徳間書店 とくましょてん ISBN 4-19-723969-6 - MSX-BASIC上 じょう でのMSX-MUSICによるプログラミング手法 しゅほう 、および拡張 かくちょう 命令 めいれい が詳細 しょうさい に解説 かいせつ されているほか、音楽 おんがく の基礎 きそ 知識 ちしき についても解説 かいせつ がなされている。
徳間書店 とくましょてん インターメディア(編 へん )、1988、『ゲーム十字軍 じゅうじぐん 』、徳間書店 とくましょてん
1987、『MSX-U』、コナミ出版 しゅっぱん ISBN 4-87655-006-9 - MSX-MUSICとは直接 ちょくせつ の関係 かんけい は無 な いが、その他 た の拡張 かくちょう 音源 おんげん に対 たい しての記述 きじゅつ がある。