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FNハースタル

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
FNハースタルS.A.
FN Herstal S.A.
種類しゅるい S.A.
略称りゃくしょう
  • FN
  • FNH
本社ほんしゃ所在地しょざいち ベルギーの旗 ベルギー
エルスタル
設立せつりつ 1889ねん
業種ぎょうしゅ 機械きかい
事業じぎょう内容ないよう 銃器じゅうき
主要しゅよう株主かぶぬし ハースタルグループ英語えいごばん
外部がいぶリンク https://www.fnherstal.com/
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FNハースタル(FNエルスタル、フランス語ふらんすご: FN Herstal)は、ベルギー銃器じゅうきメーカー。現在げんざい国営こくえいハースタルグループの子会社こがいしゃきゅう正式せいしき社名しゃめいファブリーク・ナシオナール・ダルム・ドゥ・ゲール (Fabrique Nationale d'Armes de Guerre)。略称りゃくしょうFNFNH

概要がいよう

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FN-1913。2007ねんのオークションに出品しゅっぴんされたもの

1889ねん設立せつりつされたベルギーの銃器じゅうきメーカーである。かつては国営こくえいだったが、経営けいえい悪化あっかともな1991ねんからはフランスの防衛ぼうえいグループ企業きぎょうGIAT(げん ネクスター傘下さんか、1997ねんコルトしゃ買収ばいしゅう回避かいひするため、ベルギーワロン地域ちいき資金しきんからなるハースタルグループ完全かんぜん子会社こがいしゃになった。[1]

FN FALをはじめとする信頼しんらいせいたか銃器じゅうき製作せいさくすることで有名ゆうめいであり、すうおおくの輸出ゆしゅつおこなっている。また銃弾じゅうだん開発かいはつおこなっており、5.56mm NATOだん (SS109) や5.7x28mmだん (SS190) などが実用じつようされている。かつては二輪車にりんしゃとう生産せいさんおこなっていた。

歴史れきし

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以下いかとくことわりがければ、『世界せかいじゅう パーフェクトバイブル3 メカニズム&射撃しゃげきへん』(学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃISBN 4-05-604428-7)を参考さんこうとする。


ファブリックナショナルしゃ以後いごはFNしゃ)は、1889ねんベルギー陸軍りくぐん制式せいしき採用さいようしたドイツマウザーしゃライフル量産りょうさんするために、武器ぶき製造せいぞう業者ぎょうしゃ資本しほん人材じんざいなどをい、リエージュ近郊きんこうまち、ハースタル(エルスタル)に設立せつりつした。創業そうぎょう当時とうじはハースタル(エルスタル)国営こくえい兵器へいき製造せいぞうしょ (Fabrique Nationale d′Armes de Guerre de Herstal) という社名しゃめいだった。この社名しゃめい国営こくえい製造せいぞうしょ単語たんご(FabriqueおよびNationale)がこう社名しゃめい由来ゆらいする。

FNハースタルしゃは、創業そうぎょう以来いらい、ベルギー東部とうぶのリエージュ近郊きんこうのハースタルのまち存在そんざいしている。リエージュ一帯いったいは、なに世紀せいきまえから欧州おうしゅう火器かき製造せいぞう中心ちゅうしんのひとつであり、当時とうじ火器かき職人しょくにん工房こうぼうがいくつもあつまっていた。ハースタルにはFNしゃほかにも各種かくしゅ鉄鋼てっこう関連かんれん企業きぎょう所在しょざいしている。

ベルギーの職人しょくにんわざとドイツの大量たいりょう生産せいさん技術ぎじゅつわさったFNしゃだが、そこに1人ひとりアメリカじん銃器じゅうき設計せっけいしゃ設計せっけいくわわる。そのアメリカじんこそ、銃火じゅうか歴史れきしのこ銃器じゅうき設計せっけいしゃジョン・モーゼス・ブローニング」(※発音はつおんはブラウニングのほうちかい)である。ブローニングは、企業きぎょうとしてではなく、設計せっけいしゃとしてきること決意けついし、フリーの銃器じゅうき設計せっけいしゃとして自分じぶん設計せっけいしたじゅう銃器じゅうきメーカーに販売はんばいし、生計せいけいてていた。1897ねんに、FNしゃかれ設計せっけいしたFN ブローニングM1900拳銃けんじゅう製造せいぞうライセンスを獲得かくとく。それをさかいに、ブローニングと親密しんみつ関係かんけいむすぶことになる。しかし1926ねん、FNしゃ工場こうじょうの61かい訪問ほうもんさいに、心臓しんぞう発作ほっさ急死きゅうしする。

その、ブローニングが設計せっけいした拳銃けんじゅうを、かれの1ばん弟子でしであるデュードンヌ・J・セヴ英語えいごばん1888ねん-1970ねん)らがブローニング・ハイパワーとして完成かんせいさせた。

1939ねん-1945ねんだい世界せかい大戦たいせんで、ベルギーはドイツに占領せんりょうされてしまった。そのため、ドイツぐん使用しようされている兵器へいき生産せいさんされることになる。実際じっさいに、ブローニング・ハイパワーはドイツぐんにも使用しようされている[2]。この大戦たいせんでFNしゃだい打撃だげきけたものの、それでも終戦しゅうせん欧州おうしゅう駐留ちゅうりゅうまいぐんしょう火器かき整備せいび修理しゅうりなどをい、きながらえることができた。ブローニング・ハイパワーの発注はっちゅうつづけて生産せいさんすうを150まんていえた。

FNしゃは、戦後せんごすぐに西欧せいおう諸国しょこく軍備ぐんび再建さいけんけた軍用ぐんようじゅう開発かいはつかっていた。戦後せんご最初さいしょにFNしゃ開発かいはつ1947ねん完成かんせいしたFN-49 (SAFN-49) である。このじゅうは、先述せんじゅつのデュードンヌ・J・セヴが1936ねん特許とっきょっていたガスあつ作動さどうとし閉鎖へいさ方式ほうしき(ティルング・ブリーチブロック)のはん自動じどう小銃しょうじゅうである。ベルギー陸軍りくぐんおよび、ブラジルベネズエラひとし輸出ゆしゅつされ、まずまずの成功せいこうおさめている。しかし、当時とうじ大戦たいせん末期まっきにドイツの開発かいはつしたStG44のような、アサルトライフル有効ゆうこうせいかんがえられていた。そのため、D・J・セヴとうのFNしゃ開発かいはつじんは、FN-49ののちフルオートセミオートえが可能かのうカービンじゅうFN CAMP」を試作しさくした。このCAMPは改良かいりょうくわえられ、のちに、傑作けっさくアサルトライフルの「FAL(けいオートマチック・ライフル)」となる。当時とうじNATO(北大西洋きたたいせいよう条約じょうやく機構きこう諸国しょこくとの、装備そうび共通きょうつうはかられており、NATOで最大さいだい発言はつげんりょくアメリカ意向いこう無視むしすることができなかったため、NATOは7.62mm×51だんをNATOだん制定せいていし、FALも7.62mm×51だん標準ひょうじゅん口径こうけいとされた。その、このFALは世界せかい90カ国かこく以上いじょう採用さいようされ、FNしゃおおきく発展はってんした。

FALはFNしゃ軍用ぐんようライフルメーカーとしてのかくたる地位ちいきずいたが、機関きかんじゅう分野ぶんやにおいても、トップメーカーにがることになる。それを可能かのうとしたのは、D・J・セヴの助手じょしゅであったエルンスト・ヴェルヴィエ設計せっけいした7.62mm口径こうけいの「MAG-58」である。MAGの設計せっけいブローニングBAR踏襲とうしゅうした機構きこうつため、全体ぜんたいてきふるく、耐久たいきゅうせい十分じゅうぶんだが軽量けいりょうせいこれしかった。だが、銃身じゅうしん交換こうかんのしやすさなどの利点りてんおおく、M60機関きかんじゅう銃身じゅうしん交換こうかんのしにくさになやんでいたべい陸軍りくぐんは、MAGにM240という制式せいしきめいあたえて採用さいようした。このほかにも、世界せかい80カ国かこくちかくで採用さいようされた。

イギリスなどから反対はんたいされていたにもかかわらず、7.62mm口径こうけいをNATOだん制定せいていしたアメリカは、1960年代ねんだいなかばに5.56mm口径こうけいを、大胆だいたんにもNATOだんへと制定せいていした。そのため、1977ねん-1979ねんにかけ、NATO諸国しょこくは5.56mmだん比較ひかくテストをおこない、その結果けっか、FNしゃ開発かいはつしたSS109だんをNATOだん制定せいていすることとした。これにわせ、FNしゃは5.56mm口径こうけいのアサルトライフル、「CAL(けいオートマチック・カービン)」を開発かいはつした。しかし、アメリカせいM16ライフルへの対抗たいこう意識いしきで、ヴェルヴィエら開発かいはつ陣営じんえいはCALの開発かいはつはやめたため、設計せっけい十分じゅうぶんこと出来できなかった。そのことがCALの信頼しんらいせい不足ふそく短命たんめいさにつながってしまい、CALはFALのよう成功せいこうをおさめること出来できなかった。CALの失敗しっぱいあきらかとなった1970年代ねんだいなかばに、CALを簡略かんりゃくした「FN FNC」の開発かいはつ開始かいし1979ねん生産せいさんはいるが、そのころにはどのくにもアメリカのM16シリーズを採用さいよう、もしくは自国じこくで5.56mm口径こうけいライフルを開発かいはつしていたほか当時とうじ流行りゅうこうはんした堅実けんじつすぎる仕様しようとう原因げんいんでFNCは自国じこくスウェーデンぐんインドネシアぐんの3カ国かこくでしか採用さいようされなかった。FNCはCAL同様どうようFALのよう成功せいこうをおさめることが出来できず、FNしゃは5.56mm口径こうけい軍用ぐんようじゅう開発かいはつなみそこねてしまった。しかし、5.56mm口径こうけいの「ミニミけい機関きかんじゅう」を開発かいはつし、アメリカ、日本にっぽんなど10カ国かこく以上いじょう採用さいようされ、5.56mm銃身じゅうしんになるほどっても問題もんだいなくてる傑作けっさくLMGだった。 1980年代ねんだいにFNしゃ自身じしんあらたななみつくろうとした。それは、しん弾薬だんやく使用しようする「FN P90 PDW」と「BRG-15じゅう機関きかんじゅう」である。BRG-15はブローニングM2じゅう機関きかんじゅう後任こうにんねらったじゅう機関きかんじゅうで、口径こうけいは15mm(改良かいりょうで15.5mmとなる)である。しかし、すでにM2じゅう機関きかんじゅう運用うんようしているくにからすれば、保有ほゆうしている兵器へいき弾薬だんやく破棄はきしなくてはならず、しかもM2はまだ現役げんえき運用うんようすること可能かのうほど性能せいのうゆうしているため、BRG-15に転換てんかんする必然ひつぜんせいうすかった。結局けっきょく、BRG-15計画けいかく1990年代ねんだいはじめに中止ちゅうしされた。P90はあらたに5.7mm口径こうけい採用さいようしたもので、FNしゃはP90と同一どういつ弾薬だんやく使用しようする自動じどう拳銃けんじゅうFive-seveN」を1990年代ねんだいはじめに開発かいはつしており、ライフルだん拳銃けんじゅうだん中間ちゅうかん位置いちするしん規格きかく開拓かいたくねらったものだった。しかしBRG-15とおなじくしん弾薬だんやく採用さいようしていることや、有効ゆうこう射程しゃてい命中めいちゅうせいなどの観点かんてんでの問題もんだい、そもそも冷戦れいせん終結しゅうけつしPDW計画けいかく中止ちゅうしされたこともあって、各国かっこく採用さいよう躊躇ためらい、肝心かんじんのPDWとして採用さいようされることはなかった。ただしP90は1997ねんざいペルー日本にっぽん大使たいし公邸こうてい占拠せんきょ事件じけんがきっかけとなり、一部いちぶ特殊とくしゅ部隊ぶたい特殊とくしゅ作戦さくせんけのサブマシンガンとして採用さいようされた。

1970年代ねんだいはヒット銃器じゅうきメーカーの一員いちいんであったFNしゃは、1980年代ねんだいはいってからの相次あいつ企画きかくたおれに低迷ていめいつづけ、それにめをすように冷戦れいせん終結しゅうけつちかづきによる軍需ぐんじゅ低迷ていめいくわわり、FNしゃ業績ぎょうせきおおきく低下ていかした。1986ねん、FNしゃブローニング・アームズしゃ傘下さんかおさめる。そのブローニングしゃは、1989ねんU.S.リピーティング・アームズしゃ商標しょうひょう:ウィンチェスター)を買収ばいしゅうした。これらアメリカを代表だいひょうする銃器じゅうきメーカーを買収ばいしゅうしたFNしゃは、同業どうぎょうしゃ買収ばいしゅうのほかにもスポーツ用品ようひん市場いちばにも進出しんしゅつ多角たかくはかるも、それが裏目うらめにでる結果けっかとなり、負債ふさい増加ぞうかさせ、さらなる経営けいえい圧迫あっぱくまねいてしまう。1991ねん、ついにFNしゃはフランスの防衛ぼうえいグループ企業きぎょうGIAT(げん ネクスター傘下さんかはいり、FNハースタル (FN Herstal) と社名しゃめい変更へんこう、GIATしゃはFNしゃとその傘下さんか企業きぎょうをハースタル・グループへと再編さいへんした。1997ねんでハースタル・グループはベルギーワロン地域ちいき資金しきんによってGIATから独立どくりつした。

現在げんざい、ハースタル・グループの中核ちゅうかく企業きぎょうであるFNしゃは、ぐん警察けいさつようしょう火器かき関連かんれん製品せいひん開発かいはつ販売はんばい中心ちゅうしんとして活動かつどうしている。

地域ちいき拠点きょてん

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製品せいひん一覧いちらん

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リボルバー

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オートマチックピストル

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Five-seveN

サブマシンガン・個人こじん防衛ぼうえい兵器へいき (PDW)

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ショットガン

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ボルトアクションしきライフル

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自動じどう小銃しょうじゅう

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突撃とつげきじゅう

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FAL

分隊ぶんたい支援しえん火器かき (SAW)・汎用はんよう機関きかんじゅう (GPMG)

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ミニミ機関きかんじゅう

じゅう機関きかんじゅう (HMG)

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グレネードランチャー

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てい致死ちしせい兵器へいき

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火器かき管制かんせい装置そうち

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参考さんこう脚注きゃくちゅう

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  1. ^ “Le groupe Herstal dispose d'un trésor de guerre de plus de 410 millions” (フランス語ふらんすご). L'Echo. (2017ねん6がつ23にち). https://www.lecho.be/entreprises/defense-aeronautique/le-groupe-herstal-dispose-d-un-tresor-de-guerre-de-plus-de-410-millions/9907023.html 2018ねん8がつ29にち閲覧えつらん 
  2. ^ だい2大戦たいせん連合れんごうこく枢軸すうじくこく双方そうほう使用しようされた唯一ゆいいつじゅうである。

外部がいぶリンク

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