(Translated by https://www.hiragana.jp/)
カービン - Wikipedia コンテンツにスキップ

カービン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

カービン(Carbine)とは本来ほんらい歩兵ほへいよう小銃しょうじゅうより銃身じゅうしんみじか騎兵きへいよう小銃しょうじゅうのことだが、今日きょうではたん全長ぜんちょうおおむね80cm以下いかにしたみじかめのじゅうのことをす。日本語にほんごでは騎兵きへいじゅう騎銃きじゅうひとしやくされる。

概要がいよう

[編集へんしゅう]
よんよんしき騎銃きじゅう日本にっぽんのカービン

本来ほんらいのカービンとは、馬上まけでのまわしを考慮こうりょし、短縮たんしゅく軽量けいりょううえ背負せおいやすいように、たまき位置いち変更へんこうするなどした小銃しょうじゅうであった。また、ボルトアクションしきカービンでは、ボルトハンドルが装具そうぐっかかりにくいように下方かほう屈曲くっきょくさせ、閉鎖へいさ状態じょうたいじゅう側面そくめん密着みっちゃくするようにしたものもおおかった。 小銃しょうじゅうくらべて小型こがた軽量けいりょうされたカービンはまわしがく、場所ばしょをとらないという利点りてんがある一方いっぽう射撃しゃげき反動はんどう・マズルブラスト・発射はっしゃおんはげしくなり、肝心かんじん命中めいちゅう精度せいど低下ていかするという欠点けってんしょうじ、じゅう自体じたい寿命じゅみょうみじかくなるとされた。

現在げんざいではおおむね「小型こがたのライフル」を意味いみする分類ぶんるいで、小銃しょうじゅうたない下級かきゅう将校しょうこう車両しゃりょう乗員じょういん空挺くうてい部隊ぶたいなどの装備そうび制限せいげんのある特殊とくしゅ部隊ぶたい市街しがいせん森林しんりんせんなど至近しきん距離きょりでの戦闘せんとう想定そうていされる地域ちいき兵士へいしなどに装備そうびされている。

日本にっぽん防衛ぼうえいしょうでは、Carbine英単語えいたんご対応たいおうするかたりとして「騎銃きじゅう」をて、「小銃しょうじゅう一種いっしゅで、歩兵ほへいじゅうくらべて銃身じゅうしんちょうみじかじゅう」と定義ていぎしている[1]

歴史れきし

[編集へんしゅう]

19世紀せいきまで

[編集へんしゅう]
M1865 スペンサー・カービン

カービンという単語たんごフランス語ふらんすごのCarabinier(騎兵きへいたい。イタリアのカラビニエリ語源ごげんでもある)に由来ゆらいするとされ、おおくはサーベルよりみじかく、騎馬きばしたとき手足てあし邪魔じゃまにならないことが要求ようきゅうされた。大抵たいていのカービンはみじか銃身じゅうしんによるひく銃弾じゅうだん初速しょそくのため、マスケットじゅうくらべて威力いりょく命中めいちゅう精度せいどおとっていた。このうち、初速しょそくについては無煙むえん火薬かやく開発かいはつでいくらか改善かいぜんされた。実際じっさい騎兵きへい使用しようすることはすくなかったものの、命中めいちゅう精度せいど威力いりょくより携帯けいたいせい重視じゅうしするものにひろ使つかわれることとなる。

19世紀せいきあいだおおくのカービンはしばしば歩兵ほへいじゅうべつ開発かいはつされた。弾薬だんやく共有きょうゆうすら考慮こうりょされなかったためとき補給ほきゅうめん問題もんだいこした。その解決かいけつ南北戦争なんぼくせんそうなかきたぐん開発かいはつしたスペンサーじゅうられる。この7連発れんぱつレバーアクションライフルのカービンモデルは、小銃しょうじゅう基本きほん設計せっけいをそのままに短銃たんじゅう身軽みがるりょうはかったものだった。JPモルガンきたぐんのヴァージニア山岳さんがく義勇ぎゆう部隊ぶたい旧式きゅうしきビン銃びんじゅう5せんちょう転売てんばいするさい融資ゆうしした。

19世紀せいき後半こうはんになると、おおくのくに小銃しょうじゅう派生はせいがたとしておな弾薬だんやく使用しようするカービンモデルを設計せっけいすること一般いっぱんてきになる。ウィンチェスター・レバーアクション・カービンはそのなかでももっと人気にんきたかかった。これはカウボーイ探検たんけん理想りそうかなうもので、かれらが携帯けいたいするリボルバーしき拳銃けんじゅうおな銃弾じゅうだん使用しようした。

だいいち世界せかい大戦たいせんからだい世界せかい大戦たいせん

[編集へんしゅう]
ドイツ国防こくぼうぐん狙撃そげきへい。Kar98kを使用しようしている。

だいいち世界せかい大戦たいせんからせんあいだにかけて、いくつかのくにでは制式せいしき小銃しょうじゅう従来じゅうらいのカービンに相当そうとうするよりみじかいものへと更新こうしんしていった。代表だいひょうてきれいとして、ドイツ国防こくぼうぐん制式せいしき小銃しょうじゅうKar98kがある。Kar98kはKarabiner98k、すなわち1898ねんしきたんがた騎兵きへいじゅう意味いみする。Kar98kは元々もともとだいいち世界せかい大戦たいせん当時とうじドイツ帝国ていこくぐん制式せいしき小銃しょうじゅうだったGewehr 98(1898ねんしき小銃しょうじゅう)のカービンモデルで、銃身じゅうしんちょうは740mmから600mmまで短縮たんしゅくされていた。ドイツ国防こくぼうぐん基本きほん歩兵ほへい戦術せんじゅつ汎用はんよう機関きかんじゅうMG34歩兵ほへい分隊ぶんたい主戦しゅせん火力かりょくさだめ、小銃しょうじゅうへい任務にんむ機関きかんじゅうへい援護えんごであった。このため射程しゃてい精度せいど欠点けってんおおむ容認ようにんされていたのである。

そのほか、ロシアせいモシン・ナガンM1891小銃しょうじゅうは800mmの銃身じゅうしんそなえていたが、1930ねんには730mmに短縮たんしゅくした改良かいりょうがたのM1891/30が設計せっけいされ、1939ねんにはさらに510mmまで短縮たんしゅくしたM1938が設計せっけいされた。大日本帝国だいにっぽんていこくではさんはちしき歩兵ほへいじゅう更新こうしんするにあたり、従来じゅうらい騎兵きへいじゅう銃身じゅうしんちょう419mm)と歩兵ほへいじゅう銃身じゅうしんちょう797mm)の中間ちゅうかんあたる657mmの銃身じゅうしんちょうそなえたきゅうきゅうしき短小たんしょうじゅう採用さいようした。

また、イギリスではジャングル・カービンばれるリー・エンフィールド小銃しょうじゅう派生はせいがた開発かいはつされた。これは標準ひょうじゅんより10cmみじか短銃たんじゅうフラッシュハイダー、ゴムの肩当かたあてをそなえ、軽量けいりょうされたものである。だい世界せかい大戦たいせん末期まっきNo.5 Mk1として制式せいしき採用さいようされたが、本格ほんかくてき運用うんようされたのは朝鮮ちょうせん戦争せんそうマウマウだんらんマレー危機ききなど戦後せんごになってからであった。

たん機関きかんじゅう

[編集へんしゅう]
アメリカせいトンプソン

せんあいだからだい世界せかい大戦たいせんにかけて、各国かっこくたん機関きかんじゅう発展はってんした。これは小銃しょうじゅうより小型こがたかつ軽量けいりょう拳銃けんじゅうだんもちいる銃器じゅうきで、設計せっけい思想しそうてきにはカービンのそれと共通きょうつうする部分ぶぶんがあり、実際じっさい運用うんようでもカービンがになっていた役割やくわりねることがおおかった。また今日きょうではたん機関きかんじゅう英単語えいたんご"Submachine Gun"(サブマシンガン)が一般いっぱんてきであるが、だい世界せかい大戦たいせん初期しょきイギリスでは"Machine Carbine"(マシンカービン)と呼称こしょうしていた。

M1カービン

[編集へんしゅう]
歩兵ほへいよう小銃しょうじゅうM1ガーランドM1カービン比較ひかく

1941ねんアメリカぐんは「下級かきゅう将校しょうこう後方こうほう要員よういん自衛じえい火器かき」という位置いちづけで、拳銃けんじゅうだん以上いじょう小銃しょうじゅうだん未満みまん威力いりょく射程しゃていそなえた新型しんがた弾薬だんやく.30カービンだん使つか小型こがた自動じどう小銃しょうじゅうM1カービンという呼称こしょう採用さいようした。このじゅう当時とうじ制式せいしき小銃しょうじゅうM1ガーランド短縮たんしゅくがたではなく、まったくあたらしい設計せっけいだった。新型しんがた銃弾じゅうだん使つか新型しんがた設計せっけいというてんで、M1カービンは19世紀せいきのカービンによりちか意味合いみあいをっていた。

1945ねんすえには、フルオート射撃しゃげきとセミオート射撃しゃげきえられるセレクティブ・ファイア機能きのうそなえる改良かいりょうがたM2カービン採用さいようされた。しかし、M1カービンとM2カービンの製造せいぞう比率ひりつは10:1で、だい世界せかい大戦たいせんちゅうにはわずかしか使用しようされなかった。

StG44使用しようするドイツ国防こくぼうぐん兵士へいし

だい世界せかい大戦たいせん末期まっき1944ねんナチス・ドイツSturmgewehr 44略称りゃくしょう:StG44)すなわち44ねんしき突撃とつげきじゅうばれる、セレクティブ・ファイア機能きのうそなえた小型こがた自動じどう小銃しょうじゅう開発かいはつされた。

当初とうしょはKar98kと同様どうようの7.92mmx57mmだん(8mmモーゼルだん)を使用しようする自動じどう小銃しょうじゅうひとつとして開発かいはつされていたが、8mmモーゼルだんでは反動はんどうつよすぎてフルオート射撃しゃげき制御せいぎょきわめてむずかしかった。そのため7.92x33mmだん(8mm短小たんしょうだん)なる新型しんがた弾薬だんやく考案こうあんされたのである。これは.30カービンだん同様どうよう、およそ拳銃けんじゅう小銃しょうじゅう中間ちゅうかんあた威力いりょく射程しゃていそなえていた。

なお、Sturmgewehrという呼称こしょうアドルフ・ヒトラー自身じしん考案こうあんしたもので、のちAssault Rifleアサルトライフル)と英訳えいやくされStG44と同種どうしゅ武器ぶきあらわ言葉ことばとしてひろもちいられるものとなった。

だい世界せかい大戦たいせん

[編集へんしゅう]

だい世界せかい大戦たいせん教訓きょうくんから各国かっこく歩兵ほへいよう銃器じゅうき選定せんてい基準きじゅん徐々じょじょえていった。だいいち世界せかい大戦たいせんまでの戦争せんそう塹壕ざんごう戦列せんれつととのえた歩兵ほへいによってたたかわれたが、だい世界せかい大戦たいせんはこれにくらべると非常ひじょう流動的りゅうどうてきで、市街地しがいち密林みつりんなど機動きどうせい視界しかいきわめて制限せいげんされた場所ばしょでの戦闘せんとう多発たはつした。さらに銃撃じゅうげきせんはおおむね300m未満みまん距離きょりでほんの短時間たんじかんおこなわれ、このたね戦闘せんとうでは従来じゅうらいたか火力かりょくたか命中めいちゅう精度せいどそなえたライフルを必要ひつようとしなかった。これらのてん考慮こうりょすると、「てい威力いりょくかつたん銃身じゅうしん軽量けいりょう自動じどう小銃しょうじゅう」、すなわたん機関きかんじゅうとカービン双方そうほう長所ちょうしょそなえた銃器じゅうき必要ひつようとされたのである。

大戦たいせんちゅうのStG44やM2カービンなどの自動じどうしきカービンは、遭遇そうぐうせんとく成果せいかのこした。とっさの反応はんのうでもかまえやすく、反動はんどう軽減けいげんされており、みじか戦闘せんとうあいだによりおおくの銃弾じゅうだんてきけて発砲はっぽうできたのである。また、弾薬だんやく自体じたい軽量けいりょう兵士へいしいちにんたりの携行けいこうだんすう大幅おおはばえた。フルオート射撃しゃげき重視じゅうしされた特徴とくちょうである。これはおおむね3はつから5はつのバースト射撃しゃげきによって、移動いどう標的ひょうてき被弾ひだんさせるかくりつ向上こうじょうするものだった。このような自動じどうしきカービンは、やがてアサルトライフルとばれる小型こがた自動じどう小銃しょうじゅうへとつながってゆく。

現代げんだいのカービン

[編集へんしゅう]

現在げんざい大抵たいていくに制式せいしき小銃しょうじゅうアサルトライフルであり、アサルトライフルをより短縮たんしゅくした派生はせいがたアサルトカービンカービンモデルなどと呼称こしょうする。

アメリカぐん中華民国ちゅうかみんこく国軍こくぐん、チリ陸軍りくぐん、ポルトガル陸軍りくぐん、ベルギー陸上りくじょう構成こうせい部隊ぶたい、チェコ陸軍りくぐん、デンマーク陸軍りくぐん、ニュージーランド陸軍りくぐん、エストニア陸軍りくぐん、フランス陸軍りくぐん、ノルウェー陸軍りくぐん、スウェーデン陸軍りくぐん陸上りくじょう自衛隊じえいたい、フィリピン陸軍りくぐん、ジョージア陸軍りくぐん、イタリア陸軍りくぐんはアサルトカービンを標準ひょうじゅん装備そうびしている。

また世界せかい各国かっこく特殊とくしゅ部隊ぶたいでもかならずとってもいほどにアサルトカービンが配備はいびされており、車両しゃりょう乗員じょういんなどが個人こじん防衛ぼうえい火器かき(PDW)として装備そうびしていることおおい。

M4カービン

[編集へんしゅう]

1997ねん、アメリカぐん主力しゅりょく小銃しょうじゅうM16A2アサルトライフルのカービンモデルであるコルト・コマンドー改良かいりょうし、M4カービンとして採用さいようした。M4カービンは現代げんだいにおける代表だいひょうてきなカービンであり、まわしのさから近接きんせつ戦闘せんとう特殊とくしゅ作戦さくせんよう銃器じゅうきとして世界中せかいじゅうぐん警察けいさつ使用しようされている。

1998ねん、アメリカ陸軍りくぐんではM16A2アサルトライフルの後継こうけい装備そうびとしてM4カービンが選定せんていされ、現在げんざいでは一般いっぱん兵士へいしふくむほとんどの部隊ぶたいでM16A2ライフルをM4カービンへ更新こうしんしたとされる。

一方いっぽうおおくの軍隊ぐんたいでは同種どうしゅのアサルトカービンのような軽量けいりょう小銃しょうじゅう標準ひょうじゅんたいして反発はんぱつきており、そのようなくにでは大抵たいてい一般いっぱん部隊ぶたい通常つうじょうのアサルトライフルを装備そうびしている。さらにかれらにくわえて、旧来きゅうらいがただい口径こうけいちょう射程しゃていこう威力いりょく小銃しょうじゅう(いわゆるバトルライフル)を装備そうびした選抜せんばつ射手しゃしゅばれる、アサルトライフル・アサルトカービンとスナイパーライフルのギャップをめるような兵士へいし配置はいちすることもある。

ピストルカービン

[編集へんしゅう]

カービンの一種いっしゅとして拳銃けんじゅうだん使用しようするものがあり、これらはピストルカービン(Pistol Carbine)、またはPistol-Caliber Carbine略称りゃくしょうからPCC呼称こしょうされる。金属きんぞくせい薬莢やっきょう普及ふきゅうはじめると、ピストルカービンはさき登場とうじょうした。これらは当時とうじ人気にんきだったリボルバーしき拳銃けんじゅうおな弾薬だんやく使用しようする"仲間なかま"(companions)として、よりたか初速しょそく射撃しゃげき精度せいど実現じつげんするべく開発かいはつされた。西部せいぶ開拓かいたく時代じだいにはカウボーイ保安ほあんかんによってひろ使つかわれ、.44-40だんあるいは.38-40だん使用しようするウィンチェスターレバーアクションカービンコルトリボルバーわせがもっとられた。

20世紀せいきになると、より強力きょうりょくなリボルバーよう銃弾じゅうだん開発かいはつされ、ウィンチェスターしゃマーリンしゃでは.38スペシャル/.357マグナムだんおよび.44スペシャル/.44マグナムだん使用しようするレバーアクションカービンを開発かいはつした。また、特殊とくしゅれいとしてはデ・リーズル カービンがある。このじゅう特殊とくしゅ作戦さくせんよう開発かいはつされたもので、.45ACPだん使用しようする。

現代げんだいにも同種どうしゅのカービンは存在そんざいし、スターム・ルガーしゃルガー・ポリス・カービン(採用さいよう中止ちゅうし[だれによって?])は同社どうしゃ拳銃けんじゅうよう弾倉だんそう使用しようする。同様どうようにマーリンしゃキャンプ・カービン(採用さいよう中止ちゅうし[だれによって?])ではM1911拳銃けんじゅう弾倉だんそう使用しようしている。ベレッタしゃベレッタCx4ベレッタPx4拳銃けんじゅう相補そうほてき運用うんようすることを見越みこしており、各種かくしゅのベレッタ拳銃けんじゅう弾倉だんそう共有きょうゆう出来できるように設計せっけいされている。ハイポイントしゃ995カービン同社どうしゃC-9[よう曖昧あいまい回避かいひ]拳銃けんじゅう弾倉だんそう共有きょうゆうし、またアメリカ国内こくないにおけるもっと安価あんかなカービンのひとつでもある。そのケルテックしゃ(Kel-Tec)のSUB-2000シリーズは、グロック、ベレッタ、スミス&ウェッソンなどの9mmあるいは.40S&Wだん使用しようする拳銃けんじゅうをカービンしたものである。このような製品せいひんから、近年きんねんになって拳銃けんじゅう弾薬だんやく共有きょうゆうするコンパニオン・カービン(companion carbines)の需要じゅようたかまっているとられる。

ピストルカービンのおも利点りてんは、銃床じゅうしょうちょう銃身じゅうしんため発砲はっぽうえん反動はんどう抑制よくせいされ、こう初速しょそくこうエネルギーおよびそれにともな殺傷さっしょうりょく貫通かんつうりょく期待きたいできるてんである。またピストルカービンは銃声じゅうせいちいさく、屋内おくないのような閉所で発砲はっぽうしたとしても聴覚ちょうかく異常いじょうきたがたいとされる。一方いっぽうで.223だんや7.62x39だんもちいる通常つうじょうのライフルあるいはカービンとくらべて、ピストルカービンは有効ゆうこう射程しゃていみじか弾道だんどう不安定ふあんていで、威力いりょくおとる。さらに、とくに軍事ぐんじ用途ようととしては、小銃しょうじゅうだんとはべつ拳銃けんじゅうだん多量たりょう用意よういせねばならないため運用うんようじょう不便ふべん兵站へいたんへの負担ふたんおおきくなるというデメリットもある。

拳銃けんじゅう派生はせいがたとしてのピストルカービン

[編集へんしゅう]
ルガーP08アーティラリ・モデル

20世紀せいき初頭しょとう銃床じゅうしょうちょう銃身じゅうしんけられる拳銃けんじゅうなに種類しゅるい設計せっけいされた。これらはしばしばカービンの役割やくわり代用だいようした。たとえばルガーP08には、アーティラリ・モデル(砲兵ほうへいがた)とばれる派生はせいがたがある。これはちょう銃身じゅうしんとタンジェント・サイト、およ木製もくせい銃床じゅうしょうそなえたもので、しばしばMP18共有きょうゆう出来できる32連発れんぱつ弾倉だんそう装填そうてんされた。

モーゼルC96標準ひょうじゅんてきにタンジェント・サイトをそなえており、木製もくせい銃床じゅうしょう装着そうちゃくすることが可能かのうであった。フルオート射撃しゃげき可能かのう改良かいりょうがたM712が、だい世界せかい大戦たいせんちゅうドイツ空軍くうぐん降下こうかりょうへい武装ぶそう親衛隊しんえいたいによってたん機関きかんじゅうあるいはカービンのだい用品ようひんとして使用しようされた。そのブローニングHP南部なんぶ大型おおがた自動じどう拳銃けんじゅう大型おおがた(かぶと)なども木製もくせい銃床じゅうしょうけるなどしてピストルカービンすることが可能かのうであった。

近年きんねんではM1911やグロックけに、ブローバック動作どうさをボルト動作どうさ変換へんかんし、ちょう銃身じゅうしん銃床じゅうしょうけるカービンキットが市場いちば登場とうじょうしている。これをけると本来ほんらい装弾そうだん機構きこうとトリガーメカニズムを利用りようしたビン銃びんじゅうとなるのである。

たん機関きかんじゅう派生はせいがたとしてのピストルカービン

[編集へんしゅう]

たん機関きかんじゅうのうち、フルオート射撃しゃげき機能きのうはいして銃身じゅうしん延長えんちょうするなどしたモデルもまた、ピストルカービンとばれることがある。これはアメリカにおけるアサルト・ウエポン規制きせいほうなどじゅう所持しょじ使用しよう規制きせいする法律ほうりつしたがったもので、民生みんせいようカービンとして市販しはんされたり、警察けいさつなどのおおやけ機関きかん使用しようされる。

H&K MP5シリーズの民生みんせいようカービンHK94は、銃身じゅうしんちょうとセレクタが2段式だんしき(セミオート、セーフティのみ)になっているてんのぞいて、MP5との外見がいけんじょうはほとんどい。

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ 防衛ぼうえいしょう規格きかく 火器かき用語ようごしょう火器かき”. 防衛ぼうえいしょう (2009ねん5がつ13にち). 2014ねん12月19にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2015ねん2がつ28にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]
  • アサルトライフル - 現代げんだいにおけるビン銃びんじゅうは、アサルトライフルの発展はってんがたとして、アサルトライフルをみじかくしたものが圧倒的あっとうてきおおい。
  • たん機関きかんじゅう - くに時代じだいによっては、カービンを『サブマシンガン』呼称こしょうする場合ばあいがある。またぎゃくたん機関きかんじゅうなかにもカービンと呼称こしょうされるものがある。
  • PDW - いわゆるPDWのなかには新型しんがたアサルトライフルを短縮たんしゅくしたもの、すなわちビン銃びんじゅうふくまれている。
  • カラビナ - 語源ごげんはドイツの「Karabiner」でビン銃びんじゅうのこと。
  • カラビニエリ - イタリア国家こっか憲兵けんぺい設立せつりつ当初とうしょビン銃びんじゅう装備そうびしていたため、ビン銃びんじゅう名称めいしょう語源ごげんとしている。
  • 馬上もうえとう - 馬上まけあつかえるように短縮たんしゅくした火縄銃ひなわじゅう