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LDREX

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

LDREX(Large-scale Deployable Reflector EXperiment, 大型おおがた展開てんかいアンテナ小型こがた部分ぶぶんモデル)は、きく8ごう技術ぎじゅつ試験しけん衛星えいせいVIIIがた)に搭載とうさいされる大型おおがた展開てんかいアンテナ(LDR)の事前じぜん宇宙うちゅう実証じっしょうモデル。LDRの2ぶんの1スケールのLDREXを実際じっさい宇宙うちゅう空間くうかん展開てんかいさせ、LDR展開てんかい機構きこう設計せっけい妥当だとうせい確認かくにんすることが目的もくてきだった[1]。2000ねん12月にLDREXげられ、展開てんかい実験じっけんおこなうものの完全かんぜんには成功せいこうせず、2006ねん10がつ改良かいりょうほどこしたLDREX-2再度さいどげられた。

設計せっけい

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LDREXは7つのモジュールから構成こうせいされ、かくモジュールは展開てんかい直径ちょっけいが2.4mの六角ろっかくおもり台形だいけいをしている[1]鏡面きょうめんきんメッキほどこしたほそ金属きんぞくせんんだメッシュ構造こうぞうをしており、鏡面きょうめん形状けいじょうはモジュールのわくささえるケーブルによって、調整ちょうせい維持いじされている[1]

展開てんかいまえのLDREXは直径ちょっけい0.3m、ながさ1.5mのサイズでロケット収納しゅうのうされており、しゅ衛星えいせい分離ぶんりロケットにけられたまま、やく20分間ふんかん(2号機ごうきやく40分間ふんかん)かけてかくモジュールの展開てんかい開始かいしする[1]展開てんかい実験じっけんコマンドはロケットから発信はっしんされ、テレメトリーデータおよびLDREX-2の画像がぞうデータはロケットを経由けいゆして地上ちじょうきょく送信そうしんされる。これらのデータは打上うちあげから2にち程度ていど入手にゅうしゅされる[2]展開てんかい完了かんりょうLDREXはロケットから分離ぶんりされる。

LDREX
所属しょぞく NASDA
しゅ製造せいぞう業者ぎょうしゃ 東芝とうしば
国際こくさい標識ひょうしき番号ばんごう 2000-081C
カタログ番号ばんごう 26640
状態じょうたい 運用うんよう終了しゅうりょう
目的もくてき 技術ぎじゅつ試験しけん
打上うちあ場所ばしょ ギアナ宇宙うちゅうセンター
打上うちあ アリアン5
打上うちあ日時にちじ 2000-12-20
00:26:00 (UTC)
物理ぶつりてき特長とくちょう
本体ほんたい寸法すんぽう 直径ちょっけい: 0.3m、ながさ: 1.5m
直径ちょっけい: 7m(展開てんかい[1]
軌道きどう要素ようそ
周回しゅうかい対象たいしょう 地球ちきゅう
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LDREXは2000ねん12月20にちアリアン5ロケットにふく衛星えいせいとして搭載とうさいされ、しゅ衛星えいせいAstra 2DAMC-8)がはなされたのち、ロケットにけられた状態じょうたい展開てんかい実験じっけん開始かいしした。たたんだアンテナを固定こていしているバンドの解放かいほうやアンテナの初期しょき展開てんかい成功せいこうするものの、開始かいしやく3ふんにアンテナがやく5ひらいたところで展開てんかい停止ていしした[3]。その20分間ふんかんそのままの状態じょうたいで、予定よていされていたロケットからのはなしがおこなわれた[3]分離ぶんり直後ちょくご展開てんかい再度さいどはじまりやく40まで展開てんかいしたが、アンテナがロケットに設置せっちされたカメラの観察かんさつ視野しやそとってしまったため、完全かんぜん展開てんかいしたかどうか確認かくにんされなかった[3]

テレメトリデータからLDREXの制御せいぎょけいならびに温度おんど環境かんきょう正常せいじょうであることが確認かくにんされ、展開てんかい停止ていしした原因げんいん機構きこうてきなものであったとかんがえられた[3]。その、アンテナのトラスあいだ収納しゅうのうされていたメッシュ(トラスないのケーブルの干渉かんしょうふせぐためのポリエステルせいまく)がとなりのトラスの先端せんたんかぶさったことが原因げんいん推定すいていされた[3]。メッシュがそとにはみしたことについては、保持ほじ解放かいほう機構きこう解放かいほうした直後ちょくご、アンテナが蓄積ちくせきされたゆがみエネルギーによってすこ膨張ぼうちょうし、その一部いちぶがクランプバンドに接触せっしょくしたことによっておおきな振動しんどうしょうじたことが原因げんいんかんがえられた[3]

そのロケットとの分離ぶんりによる振動しんどうでメッシュのっかかりがけ、展開てんかい再開さいかいした。このときの展開てんかい進度しんど設計せっけいちかいため、展開てんかい駆動くどうりょく設計せっけいどおりに維持いじされていたと判断はんだんされた[3]

LDREX-2
所属しょぞく JAXA
しゅ製造せいぞう業者ぎょうしゃ NEC東芝とうしばスペースシステム
国際こくさい標識ひょうしき番号ばんごう 2006-043C
カタログ番号ばんごう 29496
状態じょうたい 運用うんよう終了しゅうりょう
目的もくてき 技術ぎじゅつ試験しけん
打上うちあ場所ばしょ ギアナ宇宙うちゅうセンター
打上うちあ アリアン5
打上うちあ日時にちじ 2006-10-13
21:56:00 (UTC)
物理ぶつりてき特長とくちょう
質量しつりょう 211kg[4]
軌道きどう要素ようそ
周回しゅうかい対象たいしょう 地球ちきゅう
きんてん高度こうど (hp) 264.0 km[5]
とおてん高度こうど (ha) 35648.0 km[5]
軌道きどう傾斜けいしゃかく (i) 7.0°[5]
軌道きどう周期しゅうき (P) 629.5ふん[5]
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2000ねんのLDREXの軌道きどうじょう実験じっけん結果けっかけてエンジニアリングモデルによる設計せっけい改良かいりょうてん検証けんしょうおこない、2002ねんからフライトモデルが作製さくせい試験しけんされ地上ちじょう試験しけん航空機こうくうきによる微小びしょう重力じゅうりょく試験しけんおこなわれた[4]。さらに2006ねんそう点検てんけんでさらなるリスク低減ていげんのため、LDREX-2の軌道きどうじょう実験じっけん実施じっし決定けっていした[4]。LDREX-2ではLDREX初号しょごうから以下いかの3つの改良かいりょうほどこされた[4]

  • 保持ほじ解放かいほう機構きこう逐次ちくじ展開てんかいによるかたばく解放かいほうのアンテナ鏡面きょうめん抑制よくせい
  • 防止ぼうしたい実装じっそうおよびスタンドオフロッドの追加ついかによる鏡面きょうめんっかかり防止ぼうし
  • アシストばね追加ついかによる展開てんかいりょくマージンの向上こうじょう

LDREX-2は2006ねん10月13にち、アリアン5ロケットにふく衛星えいせいとして搭載とうさいされ、しゅ衛星えいせい(DirecTV-9S、Optus D1)がはなされたのち、ロケットにけられた状態じょうたい展開てんかい実験じっけん開始かいしした。打上うちあげげからやく42ふんにLDREX-2が起動きどうし、そのやく44ふん鏡面きょうめん展開てんかい終了しゅうりょう、そのロケットから分離ぶんりした[6]かたばく解放かいほうから完全かんぜん展開てんかいまでのシームレスな展開てんかい動作どうさ確認かくにんされ、初号しょごう実験じっけん問題もんだいだったよこ振動しんどうっかかり、鏡面きょうめんメッシュとうしは確認かくにんされなかった[6]

参考さんこう文献ぶんけん

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外部がいぶリンク

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