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地球ちきゅう環境かんきょう変動へんどう観測かんそくミッション

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GCOM-W1から転送てんそう
みず循環じゅんかん変動へんどう観測かんそく衛星えいせい「しずく」(GCOM-W1)
所属しょぞく JAXA
しゅ製造せいぞう業者ぎょうしゃ NEC
公式こうしきページ みず循環じゅんかん変動へんどう観測かんそく衛星えいせい「しずく」(GCOM-W)
くに 日本の旗 日本にっぽん
国際こくさい標識ひょうしき番号ばんごう 2012-025A
カタログ番号ばんごう 38337
状態じょうたい 運用うんようちゅう
目的もくてき 地球ちきゅう観測かんそく
設計せっけい寿命じゅみょう 5ねん
打上うちあ場所ばしょ 種子島宇宙たねがしまうちゅうセンター
打上うちあ H-IIAロケット 21号機ごうき
打上うちあ日時にちじ 2012ねん5月18にち
139ふんJST
軌道きどう投入とうにゅう 2012ねん5がつ18にち
本体ほんたい寸法すんぽう 4.9 m x 3.0 m x 5.1 m
質量しつりょう 1,900 kg
軌道きどう要素ようそ
周回しゅうかい対象たいしょう 地球ちきゅう
軌道きどう 太陽たいよう同期どうきじゅん回帰かいき軌道きどう
高度こうど (h) やく700 km
軌道きどう傾斜けいしゃかく (i) 98
くだ交点こうてん通過つうか
地方ちほう
13:30±00:15 (のぼり交点こうてん通過つうか
搭載とうさい機器きき
AMSR2 高性能こうせいのうマイクロ放射ほうしゃけい2
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気候きこう変動へんどう観測かんそく衛星えいせい「しきさい」(GCOM-C1)
所属しょぞく JAXA
しゅ製造せいぞう業者ぎょうしゃ NEC
公式こうしきページ 気候きこう変動へんどう観測かんそく衛星えいせい「しきさい」(GCOM-C)
くに 日本の旗 日本にっぽん
国際こくさい標識ひょうしき番号ばんごう 2017-082A
カタログ番号ばんごう 43065
状態じょうたい 運用うんようちゅう
目的もくてき 地球ちきゅう観測かんそく
設計せっけい寿命じゅみょう 5ねん
打上うちあ場所ばしょ 種子島宇宙たねがしまうちゅうセンター
打上うちあ H-IIAロケット 37号機ごうき
打上うちあ日時にちじ 2017ねん12月23にち
1026ふん22びょうJST
軌道きどう投入とうにゅう 2017ねん12月23にち
本体ほんたい寸法すんぽう 2.5 m x 2.5 m x 4.6 m
質量しつりょう 2060 kg (推薬ふくむ)
発生はっせい電力でんりょく 4,000 W以上いじょう
軌道きどう要素ようそ
周回しゅうかい対象たいしょう 地球ちきゅう
軌道きどう 太陽たいよう同期どうきじゅん回帰かいき軌道きどう
高度こうど (h) 798km
軌道きどう傾斜けいしゃかく (i) 98.6
くだ交点こうてん通過つうか
地方ちほう
10:30±00:15
搭載とうさい機器きき
SGLI 波長はちょう光学こうがく放射ほうしゃけい
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地球ちきゅう環境かんきょう変動へんどう観測かんそくミッションGCOM : Global Change Observation Mission、ジーコム)は、宇宙うちゅう航空こうくう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう(JAXA)がすすめている、人工じんこう衛星えいせい利用りようした地球ちきゅう環境かんきょう変動へんどう長期ちょうきてき観測かんそくする計画けいかく国際こくさいプロジェクトのぜんたま地球ちきゅう観測かんそくシステム(GEOSS)10ねん計画けいかく沿い、10~15ねん程度ていど期間きかんぜん地球ちきゅうじょう降水こうすい積雪せきせつりょう水蒸気すいじょうきりょうくもエアロゾル植生しょくせいなどの物理ぶつりデータを観測かんそくし、そのデータを気候きこう変動へんどう予測よそく気象きしょう予測よそくみず食料しょくりょう資源しげん管理かんりなどに利用りようし、その有効ゆうこうせい実証じっしょうすることを目的もくてきとしている。

2012ねん5月18にち最初さいしょ観測かんそく衛星えいせいしずく (GCOM-W1)」がげられ、2017ねん12月23にちに2観測かんそく衛星えいせいしきさい (GCOM-C1)」がげられた。

背景はいけいおよび位置いちづけ

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GCOMは、日本にっぽんくにとしての政策せいさく国際こくさいてき地球ちきゅう観測かんそく計画けいかく、そしてJAXAの地球ちきゅう観測かんそく衛星えいせい開発かいはつ方針ほうしん複雑ふくざつからんで誕生たんじょうしたミッションである。

2003ねん9がつ1にち総務そうむ大臣だいじん文部もんぶ科学かがく大臣だいじん国土こくど交通こうつう大臣だいじんにより「宇宙うちゅう開発かいはつ計画けいかくかんする長期ちょうきてき計画けいかく」が発表はっぴょうされ、今後こんご10年間ねんかんにJAXAのたすべき役割やくわりひとつとして地球ちきゅう観測かんそく計画けいかくげられた。また、内閣ないかく総合そうごう科学かがく技術ぎじゅつ会議かいぎにおいて2004ねんに「くににおける宇宙うちゅう開発かいはつ利用りよう基本きほん戦略せんりゃく」および「地球ちきゅう観測かんそく推進すいしん戦略せんりゃく」がかかげられた。国際こくさいてきうごきとしては、2005ねん2がつだい3かい地球ちきゅう観測かんそくサミットが開催かいさいされ、「ぜんたま地球ちきゅう観測かんそくシステム(GEOSS)10ねん実施じっし計画けいかく」が承認しょうにんされた。

これらのうごきをけて、2005ねん6がつ、JAXAを管轄かんかつする文部もんぶ科学かがくしょう宇宙うちゅう開発かいはつ委員いいんかい地球ちきゅう観測かんそく特別とくべつ部会ぶかい具体ぐたいてき地球ちきゅう観測かんそく衛星えいせい計画けいかくである「わがくに地球ちきゅう観測かんそくにおける衛星えいせい開発かいはつ計画けいかくおよびデータ利用りようすすかたについて」の報告ほうこくしょをまとめた。この報告ほうこくしょもとづいてJAXAがかつてのGCOM(後述こうじゅつ#きゅうGCOMについて参照さんしょう)をおおきく修正しゅうせいさせて誕生たんじょうしたのが、現在げんざいの「地球ちきゅう環境かんきょう変動へんどう観測かんそくミッション(GCOM)」である。

GCOMは、日本にっぽんだい3科学かがく技術ぎじゅつ基本きほん計画けいかくにおける国家こっか基幹きかん技術ぎじゅつひとつである海洋かいよう地球ちきゅう観測かんそく探査たんさシステム一部いちぶとして位置いちづけされている。

ミッション概要がいよう

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衛星打ち上げスケジュール
衛星えいせいげスケジュール

GCOMとは、JAXAが推進すいしんする地球ちきゅう観測かんそく計画けいかくであり、2種類しゅるい衛星えいせいを5ねんおきに3かいげ、けい6衛星えいせいもちいて10~15ねん長期ちょうきにわたり地球ちきゅうじょう陸地りくち海洋かいようのさまざまな物理ぶつりデータを継続けいぞくてき観測かんそくする、だい規模きぼなミッションである。衛星えいせい1あたりのコストを200おくえん以下いかおさえつつ故障こしょうつよ設計せっけいにすることで、ミッションの継続けいぞくせいつよ意識いしきしている。国際こくさいてき地球ちきゅう観測かんそく計画けいかくであるGEOSS10ねん計画けいかくにおける「気候きこう変動へんどう」と「みず資源しげん管理かんり」の分野ぶんやにおいて日本にっぽんとして貢献こうけんすることを目的もくてきとしている。

衛星えいせいシステムは、みず循環じゅんかん変動へんどう観測かんそく衛星えいせい(GCOM-W)シリーズと、気候きこう変動へんどう観測かんそく衛星えいせい(GCOM-C)シリーズにかれる。前者ぜんしゃ高性能こうせいのうマイクロ放射ほうしゃけいAMSR2を、後者こうしゃ波長はちょう光学こうがくイメージャSGLIを搭載とうさいし、地球ちきゅうじょう大気たいきくもエアロゾル水蒸気すいじょうき)、海洋かいよう海面かいめん温度おんどうみしょく)、陸地りくち植生しょくせい土壌どじょう水分すいぶん)、雪氷せっぴょううみごおり雪氷せっぴょう被覆ひふく深度しんど)を総合そうごうてき観測かんそくする。

観測かんそくした1データはJAXAない地球ちきゅう観測かんそく研究けんきゅうセンター(EORC)に集約しゅうやくされ、GCOM専用せんようのデータ処理しょり研究けんきゅう解析かいせきシステムを使用しようしてより高次こうじのデータに加工かこうされたのちに、ぜん世界せかい研究けんきゅうしゃ提供ていきょうされる。日本にっぽん保有ほゆうするほか地球ちきゅう観測かんそく衛星えいせいのデータとあわせて、地球ちきゅう環境かんきょう変動へんどう観測かんそく災害さいがい監視かんし資源しげん探査たんさのために利用りようされる。

2008ねん7がつ時点じてんあきらかになっているのはGCOMだい1までであり、2以降いこう計画けいかく詳細しょうさい未定みていである。

観測かんそく対象たいしょう
衛星えいせい 大気圏たいきけん 雪氷せっぴょうけん りくけん 海洋かいようけん
GCOM-W くも水量すいりょう
水蒸気すいじょうきりょう
降水こうすいりょう
うみごおり密接みっせつ
積雪せきせつ深度しんど
土壌どじょう水分すいぶん 海上かいじょう風速ふうそく
海面かいめん水温すいおん
GCOM-C くも特性とくせい
エアロゾル特性とくせい
雪氷せっぴょう分布ぶんぷ
雪氷せっぴょうめん特性とくせい
雪氷せっぴょうめん温度おんど
地表ちひょう温度おんど
地上ちじょうバイオマス
植物しょくぶつ生産せいさん
植物しょくぶつ生産せいさん
うみしょく
海面かいめん水温すいおん

衛星えいせいシステム

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衛星えいせいは3かれてげられ、それぞれ5ねん観測かんそくおこない、かくあいだは1ねん程度ていど重複じゅうふくさせて観測かんそくする。前期ぜんき衛星えいせい寿命じゅみょうえて運用うんよう可能かのう場合ばあいは、安全あんぜん運用うんよう可能かのう状態じょうたいであるかぎ前期ぜんき次期じき衛星えいせい両方りょうほう衛星えいせい観測かんそくおこない、観測かんそく頻度ひんどげる予定よていである。

まんいち衛星えいせいげに失敗しっぱいしたり、予定よてい運用うんよう期間きかんちゅう衛星えいせい重大じゅうだいなトラブルがしょうじた場合ばあいは、ただちに次期じき衛星えいせい開発かいはつ着手ちゃくしゅし、かけはか期間きかん最小限さいしょうげんにする予定よていである。

衛星えいせいバスにおいては可能かのうかぎりの冗長じょうちょう設計せっけいがなされており、太陽たいよう電池でんちパネルや内部ないぶ電源でんげんけい完全かんぜん二重化にじゅうかされ、片方かたがた故障こしょうしても観測かんそく継続けいぞくできるようになっている。衛星えいせいバスはGCOM-W1とC1ではやく80%が共通きょうつう設計せっけいであり、開発かいはつ費用ひよう縮減しゅくげんはかっている。観測かんそく機器ききにおいても、重量じゅうりょうてき余力よりょく機能きのうではなく信頼しんらいせい向上こうじょうけており、無理むり軽量けいりょうおこなわれていない。

みず循環じゅんかん変動へんどう観測かんそく衛星えいせい しずく(GCOM-W1)は、大気たいき土壌どじょうちゅう水分すいぶんりょう温度おんど観測かんそくすることが出来でき高性能こうせいのうマイクロ放射ほうしゃけいAMSR2を搭載とうさいし、降水こうすいりょう水蒸気すいじょうきりょう海洋かいようじょう風速ふうそく水温すいおんりくいき水分すいぶんりょう積雪せきせつ深度しんど観測かんそくする。

質量しつりょうやく1,900 kg、設計せっけい寿命じゅみょうは5ねん高度こうどやく700 kmのごく軌道きどう投入とうにゅうされる。のぼり交点こうてん通過つうか地方ちほう太陽たいようは1330ふん±15ぶん午後ごご軌道きどう。これはAMSR-Eを搭載とうさいした既存きそんAqua衛星えいせいのデータと整合せいごうせいるためである。衛星えいせい開発かいはつは200おくえん。2011年度ねんどH-IIAロケット21号機ごうきにてげられる予定よていであったが、相乗あいのりする韓国かんこく多目的たもくてき実用じつよう衛星えいせいごう製造せいぞうおくれにより、2012年度ねんど延期えんきされ、同年どうねん5がつ18にちげられた

気候きこう変動へんどう観測かんそく衛星えいせい しきさい(GCOM-C1)は、地球ちきゅう表面ひょうめん大気たいきいろ温度おんど観測かんそくすることが出来でき可視かしねつあかがい波長はちょう光学こうがくセンサSGLIを搭載とうさいし、くも・エアロゾル、うみしょく植生しょくせい雪氷せっぴょうとうぜん地球ちきゅう規模きぼ長期間ちょうきかん継続けいぞくてき観測かんそくすることで、将来しょうらい気温きおん上昇じょうしょうりょう正確せいかく予測よそく必要ひつようとなる放射ほうしゃ収支しゅうし、および炭素たんそ循環じゅんかん変動へんどうメカニズムの解明かいめい貢献こうけんする。

質量しつりょうやく2,020 kg、設計せっけい寿命じゅみょうは5ねん高度こうど798 km, 傾斜けいしゃかく98.6ごく軌道きどうくだ交点こうてん通過つうか地方ちほう太陽たいようは1030ふん±15ぶん午前ごぜん軌道きどう。これは、同種どうしゅほか衛星えいせい午前ごぜん軌道きどうるものがいためである。衛星えいせい開発かいはつは180おくえん予定よてい。2017ねん12月23にちにH-IIAロケット37号機ごうきによりちょうてい高度こうど衛星えいせい技術ぎじゅつ試験しけんつばめともげられた[1]

GCOM 2以降いこう

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2008ねん7がつ時点じてんでは公開こうかいされている情報じょうほうすくない。衛星えいせい搭載とうさいセンサるいかんしては、必要ひつようおうじてAMSR2・SGLIに改良かいりょうほどこしたものが搭載とうさいされる予定よていである。GCOM-W1は追加ついかのセンサが搭載とうさい可能かのう設計せっけいになっており、GCOM-W2以降いこうでは、みどりII搭載とうさいされたSeaWinds(米国べいこくせい)のようなマイクロ散乱さんらんけい搭載とうさい検討けんとうされている。

地上ちじょうシステム

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地上ちじょうシステムは、追跡ついせき管制かんせいシステム(衛星えいせいバスの管理かんり)とミッション運用うんようけいシステム(観測かんそく機器きき管理かんり)、解析かいせき研究けんきゅうけいシステム(観測かんそくデータの解析かいせき)の3つにかれる。

GCOM-W1/C1では、追跡ついせき管制かんせいシステムとミッション運用うんようけいシステムを一元いちげん管理かんりし、運用うんよう費用ひよう縮減しゅくげん信頼しんらいせい向上こうじょうはかっている。地上ちじょうシステム全体ぜんたいとしてはいぶきぜんたま降水こうすい観測かんそく計画けいかくGPM/DPRで開発かいはつしているシステムを活用かつようして、短期間たんきかん確実かくじつなシステム開発かいはつおこな予定よてい

GCOM-C1はW1とくらべて1観測かんそくデータりょうが200ばい生成せいせいする標準ひょうじゅんプロダクト(解析かいせきみデータ)も3ばい以上いじょうとなるため、解析かいせき研究けんきゅうけいシステムにおおくの予算よさんてられている。

観測かんそく機器きき

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高性能こうせいのうマイクロ放射ほうしゃけい2がた(AMSR2, Advanced Microwave Scanning Radiometer 2)は、みどりII搭載とうさいされたAMSR(口径こうけい2.0m)およびアメリカの衛星えいせいAquaに搭載とうさいされたAMSR-E(口径こうけい1.6m)の改良かいりょうがたである。軌道きどうじょう口径こうけい2.0mの大型おおがた反射はんしゃきょう(オフセットパラボラ)を展開てんかいし、これを1.5びょうで1回転かいてんさせる(40 rpm)ことで、地上ちじょうを1450kmの円弧えんこじょうにスキャンして測定そくていしていく(コニカル走査そうさ方式ほうしき)。AMSRやAMSR-Eより信頼しんらいせい向上こうじょうし、寿命じゅみょうも3ねんから5ねんばされている。技術ぎじゅつてき変更へんこうてんすくないものの、較正こうせい精度せいど向上こうじょうさせることによって測定そくてい誤差ごさ低減ていげんしている。

マイクロ測定そくていチャンネルとして、7.3 GHzたいと89.0 GHzたい新設しんせつされている。7.3 GHzたいは6.925 GHzたいのチャンネルの冗長じょうちょうようおよび補正ほせいようとして、89.0 GHzたい降水こうすいりょううみごおり密接みっせつ測定そくていようとしてもちいられる。たいして、AMSRにはあった50.3 GHzたいおよび52.8GHzたいのチャンネルがけずられている。これらは気温きおん情報じょうほうるためにもちいられていた。89.0 GHzたいはAMSR-Eでも用意よういされていたが、部品ぶひん故障こしょうにより観測かんそく精度せいど低下ていかしていた。

AMSRシリーズは、2008ねん7がつ時点じてん同等どうとう性能せいのうっているセンサはにはく、世界せかい最高さいこう性能せいのうマイクロセンサである。

AMSR2 観測かんそく周波数しゅうはすう
周波数しゅうはすう(GHz) 6.925/
7.3
10.65 18.7 23.8 36.5 89.0 備考びこう
バンドはば(GHz) 0.35 0.1 0.2 0.4 1 3
空間くうかん分解能ぶんかいのう(km x km) 35x62 24x42 14x22 15x26 7x12 3x5
サンプリング間隔かんかく(km) 10 10 10 10 10 5
積算せきさん水蒸気すいじょうきりょう        
積算せきさんくも水量すいりょう        
降水こうすいりょう    
海上かいじょう水温すいおん      
海上かいじょう風速ふうそく      
うみごおり密接みっせつ   89 GHzはくも状態じょうたい使用しよう
積雪せきせつりょう    
土壌どじょう水分すいぶんりょう  

※ ◎は、その物理ぶつりりょう観測かんそくさい重要じゅうよう周波数しゅうはすうたいしめす。

へんはどのチャンネルもV(垂直すいちょく)とH(水平すいへい)。

量子りょうしビットすうは12 bit, ダイナミックレンジは2.7 K - 340 K。

しきさい (GCOM-C1)参照さんしょう

きゅうGCOMについて

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1998ねん当時とうじ宇宙開発事業団うちゅうかいはつじぎょうだん現在げんざい宇宙うちゅう航空こうくう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう=JAXAに統合とうごう内部ないぶでADEOS-II(みどりII)やALOS(だいち)につづ地球ちきゅう観測かんそく衛星えいせい研究けんきゅう着手ちゃくしゅされ、1999ねん8がつには文部もんぶ科学かがくしょう宇宙うちゅう開発かいはつ委員いいんかい地球ちきゅう観測かんそく変動へんどう観測かんそくミッション(GCOM)推進すいしんとオゾン観測かんそくセンサODUSの研究けんきゅう開発かいはつ了承りょうしょうされた。地球ちきゅう環境かんきょう観測かんそくあつか科学かがくしゃコミュニティにおいても観測かんそく要求ようきゅう条件じょうけん検討けんとうがなされ、2000ねん1がつにGCOMミッションのだいいちだんとして、オゾン・温室おんしつ効果こうかガス観測かんそく衛星えいせい(GCOM-A1)気候きこう変動へんどう観測かんそく衛星えいせい(GCOM-B1)提案ていあんされた。環境庁かんきょうちょうにおいても、温室おんしつ効果こうかガスをより精密せいみつ測定そくていするため、みどりIIに搭載とうさいされたILAS-IIの後継こうけいセンサであるSOFISの開発かいはつ研究けんきゅうすすめられた。

2000ねん4がつ、NASDAはH-IIロケット8号機ごうき故障こしょうによる運輸うんゆ多目的たもくてき衛星えいせいMTSAT-1の失敗しっぱい余波よはけて、GCOMとODUSの研究けんきゅう一本いっぽんし、GCOM-A1、GCOM-B1衛星えいせいのセンサとして、GLI後継こうけいセンサ(陸上りくじょうエアロゾル・植生しょくせいや、陸上りくじょう海洋かいよう観測かんそく全般ぜんぱんおこな可視かしねつあかがい波長はちょう光学こうがくセンサ)、AMSR後継こうけいセンサ(陸地りくち海洋かいようじょう水蒸気すいじょうきりょう水分すいぶんりょう温度おんど観測かんそくするためのマイクロ放射ほうしゃけい)、新規しんき開発かいはつのOPUSセンサ(オゾン・大気たいき汚染おせん物質ぶっしつ観測かんそくおこな紫外線しがいせん分光ぶんこうけい)の3つの開発かいはつしぼった。同時どうじ海外かいがいからのセンサ提供ていきょう募集ぼしゅうし、同年どうねん12がつ欧州おうしゅう宇宙うちゅう機関きかん(ESA)開発かいはつのSWIFT(成層圏せいそうけんでの大気たいき汚染おせん物質ぶっしつ移動いどう観測かんそくするためのセンサ)の搭載とうさい決定けっていされた。

同年どうねん12がつ宇宙開発事業団うちゅうかいはつじぎょうだん評価ひょうか委員いいんかいだい3かい地球ちきゅう観測かんそく部会ぶかい評価ひょうか報告ほうこくしょにおいて、GCOMの具体ぐたいてき目標もくひょうとして以下いかのものがあげられた。

  1. 地球ちきゅう観測かんそく観測かんそく手法しゅほう成果せいかぶつかんする世界せかい標準ひょうじゅん構築こうちくするようなリーダーシップをる。
  2. 相互そうごバックアップや不慮ふりょ事故じこたいするリスクの緩和かんわのため、観測かんそく結果けっか成果せいかぶつ宇宙うちゅう機関きかん既存きそん計画けいかくとの整合せいごうせいる。
  3. 機関きかん研究けんきゅうしゃグループとの機関きかんあいだ国際こくさいあいだ協力きょうりょく組織そしきてきおこなうためのガイドラインをりまとめる。

また、GCOM-A1とB1の衛星えいせいコンフィギュレーションについて、以下いかのように記載きさいされている。

GCOM-A1
J-IIロケット(のちGXロケット改称かいしょう)でげられる1トンクラスの衛星えいせい温室おんしつ効果こうかガスを観測かんそくするSOFISセンサ、オゾンを観測かんそくするODUSセンサを搭載とうさい(この報告ほうこくしょではまだOPUSではなくODUSとなっており、ESA提供ていきょうのSWIFTセンサへの言及げんきゅうはない)。オゾンそう保護ほごのためにフロンとう排出はいしゅつ規制きせいさだめたモントリオール議定ぎていしょ、および、二酸化炭素にさんかたんそ排出はいしゅつりょう規制きせいさだめた京都きょうと議定ぎていしょ寄与きよすることを目的もくてきとする。
GCOM-B1
H-IIAロケットげられる2トンクラスの衛星えいせい波長はちょう光学こうがくセンサGLIと2つのマイクロ放射ほうしゃけい(AMSRと海上かいじょうふう散乱さんらんけい)を搭載とうさい

GCOM-A1とB1でかなりことなる衛星えいせい使用しようすることから、ミッションあいだ共通きょうつうせいたかめるためB1を分割ぶんかつして、3つの1トンクラスの衛星えいせいけてること提案ていあんされている。同時どうじに、B1のふたつのマイクロセンサでの同時どうじ観測かんそくというメリットがうしなわれることも指摘してきしている。

しかし、予算よさんじょうつよ制約せいやくとミッションの重点じゅうてんのため、GCOM-A1は2002ねん6~10がつにかけて略称りゃくしょうしの「温室おんしつ効果こうかガス観測かんそく技術ぎじゅつ衛星えいせい」とばれはじめ、そのGOSAT」という呼称こしょうあらためられた。GOSATのしゅ目的もくてき京都きょうと議定ぎていしょさだめられただい1約束やくそく期間きかん(2008ねん~2012ねん)における温室おんしつ効果こうかガスの地域ちいきごとの排出はいしゅつりょう観測かんそくとくされ、GCOMからは独立どくりつしたプロジェクトとなった。GOSATには当初とうしょSOFIS・OPUS・SWIFTの3種類しゅるいのセンサが搭載とうさいされる予定よていだったが、2003ねん地上ちじょう付近ふきん二酸化炭素にさんかたんそ分布ぶんぷをより精密せいみつ測定そくていするため、SOFISセンサにわって環境省かんきょうしょう新規しんき開発かいはつするべつ方式ほうしきのTANSO-FTSセンサが搭載とうさいされることになった。ミッションの重点じゅうてんのため、オゾン観測かんそくようのOPUSセンサと、OPUSと同時どうじ観測かんそくしなければ効果こうか発揮はっき出来できないSWIFTセンサの搭載とうさい中止ちゅうしされた。 GOSATはいぶきという名称めいしょうで、2009ねんげられた。

一方いっぽうのGCOM-B1は、JAXAの地球ちきゅう観測かんそく衛星えいせいのロードマップからその名称めいしょうえた。

2005ねん6がつ宇宙うちゅう開発かいはつ委員いいんかい地球ちきゅう観測かんそく特別とくべつ部会ぶかいで「くに地球ちきゅう観測かんそくにおける衛星えいせい開発かいはつ計画けいかくおよびデータ利用りようすすかたについて」の報告ほうこくしょがまとめられ、国際こくさい協力きょうりょく観測かんそくデータの活用かつよう、および国産こくさん衛星えいせい・センサによる日本にっぽん貢献こうけんという観点かんてんからその日本にっぽん地球ちきゅう観測かんそく衛星えいせい計画けいかく方針ほうしんさだめられた。この報告ほうこくしょじょうしるされているADEOS-II後継こうけい1および後継こうけい2が現在げんざいのGCOM-W1およびGCOM-C1へつながる計画けいかくとなった。

脚注きゃくちゅう

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参考さんこう資料しりょう

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GCOM-C1にかんする資料しりょう
きゅうGCOMにかんする資料しりょう

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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