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POWER5

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
POWER5
MCM搭載とうさいされた4つのPOWER5ダイと4つの36MB L3キャッシュダイ
生産せいさん時期じき 2004ねんから
設計せっけいしゃ IBM
生産せいさんしゃ IBM
CPU周波数しゅうはすう 1.5GHz  から 2.2GHz (POWER5+) 
アーキテクチャ Power Architecture (64ビット)
コアすう 2
L1キャッシュ 32KB/64KB
L2キャッシュ 1.9MB
L3キャッシュ 36MB
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POWER5+ DCMをふくIBM System i5のプロセッサモジュール

POWER5(パワーファイブ)は、IBM設計せっけい製造せいぞうしたPower Architectureベースの64ビットマイクロプロセッサである。POWER5+(パワーファイブプラス)はその改良かいりょうばんである。2004ねんにリリースされ、2007ねん後継こうけいPOWER6えられた。

概要がいよう

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POWER5は、成功せいこうしたPOWER4改良かいりょうばんで、おも改良かいりょう同時どうじマルチスレッディング(2-Way SMT)と、ダイじょうメモリコントローラである。POWER5はデュアルコアのマイクロプロセッサで、それぞれのコアが1つの物理ぶつりてきスレッドと、2つの論理ろんりてきなスレッドをサポートし、合計ごうけいでは2つの物理ぶつりてきなスレッドと4つの論理ろんりてきなスレッドをサポートした。

仕様しよう

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  • 130nm / 389mm2 SOI どう配線はいせん プロセステクノロジー
    • 90nm / 240mm2 SOI どう配線はいせん プロセステクノロジー (POWER5+)
  • Power Architecture デュアルコア
  • 1.5GHz - 1.9GHz - 2.3GHz (POWER5+)
  • 32ビット ALU
  • 64ビット FPU
  • L1 キャッシュ命令めいれい/データ) 32KB/64KB
  • L2 キャッシュ 1.9MB(ダイじょう
  • L3 キャッシュ 36MB(DCM、MCM、QCMじょう
  • I/Oバス GX+

歴史れきし

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このマイクロプロセッサの技術ぎじゅつてき詳細しょうさいは、2003ねんHot Chipsカンファレンスで最初さいしょ発表はっぴょうされた。より完全かんぜん仕様しようは2003ねん10がつ14にちの Microprocessor Forum 2003 で提供ていきょうされた。POWER5はオープンに販売はんばいされたのではなく、IBMとそのパートナーによってせん使用しようされた。POWER5を使用しようしたシステムは2004ねん発表はっぴょうされた。

POWER5はハイエンドのエンタープライズサーバー市場いちばきそい、おもなライバルはインテルItanium 2や、さらにはサンUltraSPARC IV富士通ふじつうSPARC64 Vであった。

POWER5+ は、POWER5を改良かいりょうしたばんで、2005ねん10月4にち発表はっぴょうされた。当初とうしょ改良かいりょうあたらしい製造せいぞうプロセスによるてい消費しょうひ電力でんりょくで、クロックはわらず 1.5~1.9GHzだった。2006ねん2がつ14にちに、2.2GHz クロックまで可能かのうしんバージョンが登場とうじょうした。POWER5+は前身ぜんしんのPOWER5マイクロプロセッサとおなじパッケージを使用しようできるようにパッケージされたが、さらにクアッドチップモジュール(QCM)が可能かのうとなり、2つのPOWER5+ダイと、それぞれのPOWER5+ダイごとに2つのL3キャッシュダイが搭載とうさいできた。

詳細しょうさい

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POWER5はPOWER4の改良かいりょうばんである。2ウェイのマルチスレッディング追加ついかは、それぞれのスレッドが使用しようできるように、リターンスタックやプログラムカウンター命令めいれいバッファ、グループコンプリーションユニット、キューの格納かくのうなどの重複じゅうふく要求ようきゅうした。レジスタファイル実行じっこうユニットなど大半たいはん共有きょうゆうされたが、しかしそれぞれのスレッドは専用せんようのレジスタのセットを使用しようした。POWER5は同時どうじマルチスレッディング(SMT)を、2つのスレッドが同時どうじ実行じっこうできるように実装じっそうした。またPOWER5は現在げんざいのワークロードを最適さいてきするためにSMTを停止ていしすることもできた。

POWER5は、389 mm2のサイズに2.76おくトランジスタ搭載とうさいした。これはIBMの 0.13 µm SOI CMOSプロセスと、8そうどう配線はいせん使用しようされた。POWER5のダイは、デュアルチップモジュール(DCM)またはマルチチップモジュール(MCM)にパッケージされた。DCMは1つのPOWER5ダイと、そのL3キャッシュダイを搭載とうさいした。MCMは4つのPOWER5ダイと、4つのL3キャッシュダイを搭載とうさいし、L3キャッシュダイはそれぞれのPOWER5ダイようで、サイズは 95 mm x 95 mmだった[1][2]

ハイエンドシステムようのいくつかのPOWER5プロセッサは、IBM ViVA (Virtual Vector Architecture)技術ぎじゅつによって、複数ふくすうのPOWER5コアをグループして1つのベクトルプロセッサとして稼働かどうすることができた。


用途ようと

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IBMはデュアルチップモジュール(DCM)やマルチチップモジュール(MCM)のPOWER5マイクロプロセッサを、かれらのSystem pおよびSystem iのサーバーファミリーや、DS8000ストレージシステムや、ハイエンドのInfoPrintプリンターでのようマイクロプロセッサとして使用しようした。またDCMのPOWER5はハイエンドのIntelliStation POWER 285ワークステーションでも使つかわれた。

POWER5のサードパーティーユーザーには、Groupe BullによるEscala server、日立製作所ひたちせいさくしょによるエンタープライズサーバEP8000シリーズやSR11000コンピュータがある。EP8000は2004ねん11月にPOWER5、2005ねん10がつにPOWER5+の搭載とうさいモデルを発表はっぴょうした[3]。SR11000は最大さいだい128のPOWER5+マイクロプロセッサを使用しよう[4]、いくつかのシステムは2007ねんTOP500スーパーコンピュータリストにえらばれた。

IBMはPOWER5+を、かれらのSystem p5 510Q、520Q、550Q、560Q サーバーでも使用しようした[5]

参照さんしょう

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出典しゅってん

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  • "IBM Previews Power5". (8 September 2003). Microprocessor Report.
  • Clabes, Joachim et al. (2004). "Design and Implementation of the POWER5 Microprocessor". Proceedings of 2004 IEEE International Solid-State Circuits Conference.
  • Glaskowsky, Peter N. (14 October 2003). "IBM Raises Curtain on Power5". Microprocessor Report.
  • Kalla, Ron; Sinharoy, Balaram; Tendler, Joel M. (2004). "IBM Power5 Chip: A Dual-Core Multithreaded Processor". IEEE Micro.
  • Krewell, Kevin (22 December 2003). "Power5 Tops On Bandwidth". Microprocessor Report.
  • Sinharoy, Balaram et al. (2005). "POWER5 System Microarchitecture". IBM Journal of Research and Development.
  • Vance, Ashlee (4 October 2005). "IBM pumps Unix line full of Power5+". The Register.

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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