デジタル大辞泉だいじせん 「妻戸つまど」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご つま‐ど【妻戸つまど】 1 寝殿造しんでんづくりで、殿舎でんしゃの四隅よすみに設もうけた両開りょうびらきの板いた扉とびら。2 家いえの端はし方かたにある開ひらき戸ど。[類語るいご]戸とと・扉とびら・ドア・シャッター・雨戸あまど・格子戸こうしど・網戸あみど・開ひらき戸ど・引ひき戸ど・繰くり戸と・大戸おおど・切きり戸ど・潜くぐり戸ど・枝折しおり戸ど・木戸きど・鎧戸よろいど・門戸もんこ・門扉もんぴ 出典しゅってん 小学館しょうがくかんデジタル大辞泉だいじせんについて 情報じょうほう | 凡例はんれい
精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん 「妻戸つまど」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご つま‐ど【妻戸つまど】 [ 1 ] 〘 名詞めいし 〙① 寝殿造しんでんづくりりで、殿舎でんしゃの側面そくめんの出だし入口いりくちに設もうけた、両開りょうびらきの板いた製せいの扉とびら。[初出しょしゅつの実例じつれい]「のぞき給きゅうへば、東ひがし(ひんがし)のつまどのすだれあげて人ひともなし」(出典しゅってん:宇津うつ保たもつ物語ものがたり(970‐999頃ごろ)楼ろう上上じょうじょう)妻戸つまど[ 一いち ]①〈源氏物語げんじものがたり絵巻えまき〉② 家いえの端はしの方ほうにある両開りょうびらきの板戸いたど。[初出しょしゅつの実例じつれい]「左衛門尉さえもんのじょうがふしたる屋形やかたのつまとを、ひそかにおしひらき」(出典しゅってん:曾我そが物語ものがたり(南北なんぼく朝あさ頃ごろ)九きゅう)[ 2 ] 謡曲ようきょく「雷電らいでん(らいでん)」の異称いしょう。「来らい殿しんがり」ともいう。金剛こんごう流りゅう。大宰府だざいふで没ぼっした菅原すがわら道真みちざねの怨霊おんりょうが比叡山ひえいざんの座主ざす法ほう性せい坊ぼう尊みこと意い僧正そうじょうのもとを訪たずね、宮廷きゅうていに雷かみなりとなって飛とび入いり復讐ふくしゅうする意志いしを述のべ、その援助えんじょを断ことわられると、怒おこって妻戸つまどに口くちにふくんだ石榴ざくろ(ざくろ)の実みを吹ふきかけ、それが火ひとなって燃もえ上あがるのを見みて消きえる。[初出しょしゅつの実例じつれい]「妻戸つまど見みて残ざんたざくろ喰くえ人じんなし」(出典しゅってん:雑俳ざっぱい・柳やなぎ多留たる‐二に四よん(1791)) 出典しゅってん 精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてんについて 情報じょうほう | 凡例はんれい
改訂かいてい新版しんぱん 世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん 「妻戸つまど」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ 妻戸つまど (つまど) 寝殿しんでん造みやつこ住宅じゅうたくに用もちいられた両開りょうびらきの戸とをいう。元来がんらいは建物たてものの妻つま,つまり棟とうと直交ちょっこうする方向ほうこうの側面そくめんに設もうけられたため,この名ながある。寝殿造しんでんづくりの外周がいしゅう建具たてぐは蔀しとみ戸ど(しとみど)が主おもで,これは必要ひつように応おうじて柱はしら間あいだ全部ぜんぶを開あけ放はなてる利便りべんがあるが,夜間やかんや風雨ふううの強つよい日ひにひとたび閉とじてしまうと開あけるのが容易よういでない。そこで出入口でいりぐちとして数すうヵ所かしょに,開閉かいへいのたやすい両開りょうびらきの板戸いたどを設もうけていた。後のちには家いえの端はし(つま)の方ほうにある両りょう開ひらき戸どをもさすようになる。執筆しっぴつ者しゃ:清水しみず 拡 出典しゅってん 株式会社かぶしきがいしゃ平凡社へいぼんしゃ「改訂かいてい新版しんぱん 世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん」改訂かいてい新版しんぱん 世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてんについて 情報じょうほう
日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ) 「妻戸つまど」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ 妻戸つまどつまど 寝殿造しんでんづくりの住宅じゅうたくで、出入口でいりぐちに設もうけた両開りょうびらきの板いた製せいの扉とびら。寝殿造しんでんづくりでは、周囲しゅういの建具たてぐは蔀しとみ(しとみ)であったため、出入でいりには不便ふべんであり、そのため建物たてものの端はしの隅すみに板いた扉とびらを設もうけて出入口でいりぐちとした。妻つまは端はしを意味いみし、端はしにある扉とびらであるために妻戸つまどとよばれた。寺院じいん建築けんちくや神社じんじゃ建築けんちくでは板いた扉とびらを板いた唐戸からと(いたからと)という。妻戸つまどは板いた唐戸からとの形式けいしきの扉とびらであったため、この形式けいしきの扉とびらは建物たてものの端はしに設もうけられなくても、すべて妻戸つまどの名なでよばれるようになった。[工藤くどう圭けい章あきら] 出典しゅってん 小学館しょうがくかん 日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)について 情報じょうほう | 凡例はんれい
ブリタニカ国際こくさい大だい百科ひゃっか事典じてん 小しょう項目こうもく事典じてん 「妻戸つまど」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ 妻戸つまどつまど 表面ひょうめんの平たいらな扉とびら。板いた扉とびら。平安へいあん時代じだいに寝殿しんでんの妻つま (→妻つま入いり ) に用もちいたところからこの名ながある。上下じょうげに板いたのそりを止とめる端はし喰くえ (はしばみ) を入いれ,つり元もとに八はち双そう (はっそう) 金具かなぐを打うつ。 出典しゅってん ブリタニカ国際こくさい大だい百科ひゃっか事典じてん 小しょう項目こうもく事典じてんブリタニカ国際こくさい大だい百科ひゃっか事典じてん 小しょう項目こうもく事典じてんについて 情報じょうほう
世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん(旧版きゅうばん)内うちの妻戸つまどの言及げんきゅう 【寝殿造しんでんづくり】より …間仕切まじきりはほとんどない。建物たてものの周囲しゅういには蔀しとみ戸ど(しとみど)を吊つり,両りょう側面そくめんにのみ夜間やかんや風雨ふううの強つよいときの出入口でいりぐちとして両開りょうびらきの妻戸つまど(扉とびら)が設もうけられた。四よん周しゅうには縁えんをめぐらし,上等じょうとうな家いえでは高欄こうらんが付つけられた。… 【戸と】より …同おなじ回転かいてん式しきであるが,扉とびらとは異ことなって水平すいへい方向ほうこうに回転かいてん軸じくを持もつのが〈蔀しとみ戸ど(しとみど)〉である。寝殿造しんでんづくりでは蔀しとみ戸どに対たいし,扉とびら形式けいしきの戸とは〈妻戸つまど(つまど)〉と呼よばれた。これは元来がんらい,建物たてものの妻つま(棟むねの両りょう端はしの側面そくめん)に設もうけられていたことから生うまれた名なで,出入口でいりぐちとして使つかわれた。… ※「妻戸つまど」について言及げんきゅうしている用語ようご解説かいせつの一部いちぶを掲載けいさいしています。 出典しゅってん|株式会社かぶしきがいしゃ平凡社へいぼんしゃ「世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん(旧版きゅうばん)」