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木戸(キド)とは？ 意味や使い方 - コトバンク

木戸きど（読よみ）キド

デジタル大辞泉だいじせん 「木戸きど」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご

き‐ど【木戸きど／▽城戸きど】

１ （木戸きど）庭にわなどの出入でいり口ぐちに設もうけた簡単かんたんな開ひらき戸ど。「裏うら―」
２ （木戸きど）興行こうぎょう場じょうなどの客きゃくの出入でいり口ぐち。
３ 「木戸きど銭ぜにせん」の略りゃく。「―御免ごめん」
４ 城しろや柵しがらみさくなどの門もん。
５ 江戸えど時代じだい、市中しちゅうの要所ようしょ、町まち々の境界きょうかいに設もうけられた警衛けいえいのための門もん。
[類語るいご]戸とと・扉とびら・ドア・シャッター・雨戸あまど・格子戸こうしど・網戸あみど・開ひらき戸ど・引ひき戸ど・繰くり戸と・大戸おおど・妻戸つまど・切きり戸ど・潜くぐり戸ど・枝折しおり戸ど・鎧戸よろいど・門戸もんこ・門扉もんぴ

きど【木戸きど】［姓氏せいし］

姓氏せいしの一いち。
[補ほ説せつ]「木戸きど」姓せいの人物じんぶつ
木戸きど幸一こういちきどこういち
木戸きど孝允たかよしきどこういん
木戸きど孝允たかよしきどたかよし

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精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん 「木戸きど」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご

き‐ど【木戸きど・城戸きど】

  1. 〘 名詞めいし 〙
  2. ① 柵しがらみ(さく)に作つくった門もん。
    1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「唯ただ木戸きどのみぞ是ぜれ掖わき月がつの吉きちき戸ど」(出典しゅってん：古事記こじき（712）中ちゅう)
  3. ② 城門じょうもん。城しろの入口いりくち。また、転てんじて城しろのこと。
    1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「引二に籠かご于当所しょ衣笠きぬがさ城じょう一いち、各かく張はり陣じん〈略りゃく〉西木戸にしきど和田わだ太郎たろう義盛よしもり」(出典しゅってん：吾妻あづま鏡きょう‐治ち承うけたまわ四よん年ねん（1180）八はち月がつ二に六ろく日にち)
  4. ③ 関所せきしょの門もん。
    1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「守まもりの其関を入いれに、供きょうの人ひとを書立かきたて、次第しだいに関せきを入いれて、入いれ畢(はて)て後ごにぞ木戸きどを閇(たて)ける」(出典しゅってん：今昔こんじゃく物語ものがたり集しゅう（1120頃ころか）二に六ろく)
  5. ④ 江戸えど時代じだい、江戸えど市し中ちゅうの表通おもてどおりの町まち々の境さかいにたてた門もん。保安ほあん、取締とりしまりのために設もうけられた町まち木戸きど。また、街道かいどう筋すじに当あたる所ところには、これの大おおきなものがあった。大木戸おおきど。
    1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「江戸えど中ちゅうを手てに入はいるると云うん愚ぐ按の仕方しかたは、武家ぶけ屋や鋪しきも町方まちかたの如ごとく一いち町まち一いち町まちに木戸きどを付つけ、木戸きど番ばんを置おき」(出典しゅってん：政談せいだん（1727頃ごろ）一いち)
  6. ⑤ 庭にわや露地ろじに設もうけられた簡単かんたんな開ひらき戸ど。また、その出入口でいりぐち。
    1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「なるほど田舎いなかは気楽きらくなものだ。入口いりくちの木戸きどを〆りゃア裏うらぐちは行くだり抜でもかまはねへとは」(出典しゅってん：人情本にんじょうぼん・春色しゅんしょく恵めぐみの花はな（1836）初はつ)
  7. ⑥ 芝居しばいなどの興行こうぎょう場じょうに設もうけられた客きゃくの出入口でいりぐち。
    1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「初はつ芝居しばいあしたことにや木戸きどの番ばん〈東ひがし竹ちく〉」(出典しゅってん：俳諧はいかい・桜川さくらがわ（1674）春はる)
  8. ⑦ 「きどせん（木戸銭きどせん）」の略りゃく。
    1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「木戸きどは五ご十じゅう銭ぜにだヨ」(出典しゅってん：浮雲うきぐも（1887‐89）〈二葉亭四迷ふたばていしめい〉一いち)
  9. ⑧ 「きどばん（木戸きど番ばん）②」の略りゃく。
    1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「惣そう座中ざちゅうは申さるにおよばず、木戸きど半畳はんじょう(はんじやう)、やぐらだいこを打だます」(出典しゅってん：浮世草子うきよぞうし・傾城けいせい色しょく三味線しゃみせん（1701）鄙ひな)

きど【木戸きど】

  1. 姓氏せいしの一ひとつ。

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改訂かいてい新版しんぱん　世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん 「木戸きど」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

木戸きど (きど)

現代げんだいでは，戸外こがいにある木製もくせいの簡単かんたんな構造こうぞうの戸とをさすが，古代こだい・中世ちゅうせいには柵しがらみ戸ど，ないし城戸きどと書かかれ，柵しがらみや城郭じょうかくの出入口でいりぐちを意味いみした。ついで近世きんせいでは，城下町じょうかまちの郭内かくないへの出入口でいりぐちなどの軍事ぐんじ的てき要素ようその強つよい門もんのこともいうが，主しゅとして江戸えど・大坂おおさかなどの大都市だいとしの表通おもてどおりの町まち境さかいの要所ようしょに設もうけられた門もんのことを意味いみするようになる。この木戸きどは，大おおきな町まちでは1町まち単位たんい，中小ちゅうしょうの町まちでは数すう町まち単位たんいで設置せっちされ，江戸えどの場合ばあい，その形態けいたいは，2間あいだほどの間隔かんかくで建たてた柱はしらの間あいだに，両開りょうびらきの扉とびらをつり，両りょう脇わきには道路どうろ際さいまでの柵しがらみ，または板いた塀へいがとりつき，そばには木戸きど番ばんの番小屋ばんごやがあった。夜よる四よっつ時じ（午後ごご10時じ）から朝あさ六むつ時どき（午前ごぜん6時じ）までの夜間やかんは閉とじられ，木戸きど番ばんの監視かんしのもとに，脇わきの小しょう木戸きど（またはくぐり戸ど）からのみしか通行つうこうできなかったので，犯罪はんざい人じんの逃亡とうぼう防止ぼうしに役やくだち，打うちこわしなど不穏ふおんな事態じたいの際さいも，この要所ようしょの木戸きどを閉とじることにより，他た地域ちいきへの波及はきゅうを食くい止とめようとするなど，都市としの治安ちあん維持いじの役割やくわりが大おおきかった。なお，芝居しばいや相撲すもうなど見世物みせもの興行こうぎょうの際さいの観客かんきゃくの出入口でいりぐちも木戸きどという。この場所ばしょで客寄きゃくよせのための口上こうじょうをいう番人ばんにんも木戸きど番ばん，見物けんぶつ料りょうを木戸銭きどせんという。
執筆しっぴつ者しゃ：

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山川やまかわ 日本にっぽん史し小しょう辞典じてん 改訂かいてい新版しんぱん 「木戸きど」の解説かいせつ

木戸きど
きど

古代こだい～中世ちゅうせいでは柵しがらみ・城郭じょうかくといった防御ぼうぎょ施設しせつの門もんをいう。戦国せんごく期きの京都きょうとでは町まちを防衛ぼうえいするため町まち境さかいの道路どうろ上じょうに設もうけられた。近世きんせいになると，各地かくちの都市としで両側りょうがわ町まちの道路どうろの両りょう端はしに設置せっちされた。木戸きどには番屋ばんやが付属ふぞくし木戸きど番ばんが居住きょじゅうした。木戸きどの機能きのうは第だい一いちに治安ちあん維持いじであり，夜間やかんと打うちこわしのような緊急きんきゅう時じには閉とざされた。重要じゅうような町まち共同きょうどう体たい施設しせつのため町まち入用いりようによって維持いじされた。陸奥みちのく国こく仙台せんだいや伊予いよ国松くにまつ山さんなどのように個別こべつ町まちごとには木戸きどがなく，城下町じょうかまちの入口いりくちや武家ぶけ地ちと町人ちょうにん地ちの境さかいなどにのみ木戸きどが設置せっちされている都市としもある。城下町じょうかまち以外いがいの都市としや都市とし的てき集落しゅうらくでは，都市としであることの象徴しょうちょうとしての役割やくわりも担になった。なお芝居しばい小屋こやの出入口でいりぐちなども木戸きどという。

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ブリタニカ国際こくさい大だい百科ひゃっか事典じてん 小しょう項目こうもく事典じてん 「木戸きど」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

木戸きど
きど

もと城塞じょうさいの出入口でいりぐち，のちに街路がいろ，庭園ていえん，住居じゅうきょなどの出入口でいりぐちで，屋根やねがなく，開ひらき戸どのある木きの門もんをいう。江戸えど時代じだいには武家ぶけ屋敷やしきと町屋敷まちやしきの境さかいにあって番所ばんしょを併設へいせつした門もんや，芝居しばいなど興行こうぎょう場じょうの出入口でいりぐちをも木戸きどといった。木戸きどの通過つうかに木戸銭きどせんをとり，これを木戸きどと略称りゃくしょうすることもあって，これを免除めんじょされたものを木戸御免きどごめんといった。

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世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん（旧版きゅうばん）内うちの木戸きどの言及げんきゅう

【辻つじ】より

…鎌倉かまくら時代じだいの京都きょうとでは，辻つじごとに篝かがり屋や（かがりや）が置おかれ，終夜しゅうや篝火かがりびをたいて盗賊とうぞくを防ふせぎ市中しちゅうを守まもったし，戦国せんごく時代じだいになると，公家くげや町衆まちしゅうがみずから釘くぎ貫つらぬけ（くぎぬき）(門もん)や櫓ろを構築こうちくして町まちを自衛じえいした。江戸えど時代じだいには，町内ちょうないごとに木戸きど門もんをたて，夜間やかんには通行つうこうを遮断しゃだんした。木戸きど門脇かどわきには髪結床かみゆいどこがあり，また塵芥じんかい箱ばこが置おかれていた。…

【夜警やけい】より

…南北なんぼく朝あさ，室町むろまち時代じだいについては不明ふめいな点てんが多おおい。【飯田いいだ 悠紀子ゆきこ】　江戸えど時代じだいは町まちの両りょう端はしに木戸きどが設もうけられており，夜間やかんはこの木戸きどを閉鎖へいさして不審ふしんな者ものの通行つうこうを規制きせいし，盗難とうなんの防止ぼうしや防火ぼうかに努つとめた。江戸えどでは，木戸きど番ばん(番太郎ばんたろうと呼よばれる)が夜よる10時じで木戸きどを閉しめ，それ以後いごの通行人つうこうにんは潜せん（くぐ）り戸とから通とおし，不審ふしん者しゃは直ただちにつかまえた。…

※「木戸きど」について言及げんきゅうしている用語ようご解説かいせつの一部いちぶを掲載けいさいしています。

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