「ベルセルク」連載れんさい再開さいかい、「自分じぶんたちの中なかに根付ねついた『三浦みうら建太けんた郎ろう』を真摯しんしに紡つむぎたい」

三浦みうら建たて太郎たろう「ベルセルク」の連載れんさいが、6月24日にち発売はつばいのヤングアニマル13号ごう（白泉社はくせんしゃ）より再開さいかいされることが発表はっぴょうされた。再開さいかい後ごのクレジットは「原作げんさく・三浦みうら建太けんた郎ろう 漫画まんが・スタジオ我が画が 監修かんしゅう・森もり恒二つねじ」となる。

昨年さくねん5月がつ、54歳さいの若わかさでこの世よを去さった三浦みうら。連載れんさい再開さいかいに際さいし、ヤングアニマル編集へんしゅう部ぶおよび森もり恒二つねじからはコメントが到着とうちゃくした。ヤングアニマル編集へんしゅう部ぶは「三浦みうら建たて太郎たろうさんは生前せいぜん、親友しんゆうである漫画まんが家か・森もり恒二つねじさんに、『ベルセルク』のストーリーやエピソードを話はなしていました。また、スタジオスタッフにも担当たんとう編集へんしゅうにも話はなしていました。それはい残いのこしていったというわけではなく、こんなこと描えがいたらみんなびっくりするかな、こんなキャラクターはどうかな、この展開てんかいは面白おもしろいかな、と漫画まんが家かとして当あたり前まえの日常にちじょうでした」「それらをファンの方々かたがたの誰だれにも伝つたえることなく物語ものがたりを終おわらせることに、強つよい抵抗ていこう感かんがあります。いま我々われわれが持もち寄よったラストエピソード・最後さいごの一いちコマまでを読よんでほしいのです」と読者どくしゃへの思おもいを綴つづり、「ネームが残のこっているわけではありませんので、三浦みうらさんが作つくろうとしていた原稿げんこうを、我々われわれが完璧かんぺきに形作かたちづくることは不可能ふかのうですが、三浦みうらさんが話はなしていたことから決けっして逸脱いつだつしないように漫画まんがを構成こうせいしていきます。三浦みうらさんとの会話かいわや原稿げんこう制作せいさくを通とおして自分じぶんたちの中なかに根付ねついた『三浦みうら建太けんた郎ろう』を真摯しんしに紡つむぎたいと考かんがえています。この制作せいさく体制たいせいこそが三浦みうらさんが思おもい描えがいた『ベルセルク』を、拙つたなくても出来できるだけ忠実ちゅうじつにみなさんに伝つたえられる方法ほうほうだと信しんじています」と語かたった。そして「次号じごうから『幻まぼろし造づくり世界せかい篇へん／妖精ようせい島とうの章あきら』のラストまで、まず6話わ分ぶんを掲載けいさいいたします。その後ごは新篇しんぺんに入はいる予定よていです」「単行本たんこうぼんのナンバリングも承継しょうけいいたします」と説明せつめいしている。

また森もりは「生前せいぜん三浦みうらは『最終さいしゅう回かいまでのストーリーは森もりちゃん以外いがい誰だれにも話はなしていない』そう言いっていたのです。そしてそれは事実じじつでした。あまりに重おもすぎる責任せきにんです。インタビューでもしてもらってファンに向むけて話はなせばいいだろうか？ それともイラストを付つけた文章ぶんしょうでも掲載けいさいしてもらうか…。しかしそれでは三浦みうらが自分じぶんに話はなした情景じょうけい、ガッツやグリフィスの台詞せりふは伝つたえきれない…。悩なやんでいたところに連絡れんらくが入はいりました。『絶筆ぜっぴつした回かいの原稿げんこうをスタッフが最後さいごまで描えがくと言いうので見みて欲ほしい』」と振ふり返かえり、「皆みなさんにお断ことわりと約束やくそくがあります。なるべく詳細しょうさいを思おもい出だし物語ものがたりを伝つたえます。そして三浦みうらが自分じぶんに語かたったエピソードのみやります。肉付にくづけはしません。はっきり覚おぼえてないエピソードもやりません。三浦みうらが自分じぶんに語かたった台詞せりふ、ストーリーのみやります。当然とうぜん完全かんぜんな形かたちにはならないでしょう。しかし三浦みうらが描えがきたかった物語ものがたりをほぼ伝つたえられるとは思おもいます。三浦みうらの弟子でし達たちの腕うでは本物ほんものです！ 素晴すばらしい描えがき手しゅです。三浦みうら不在ふざいの『ベルセルク』に不満ふまん不服ふふくあると思おもいますがどうか見守みまもっていただきたいと思おもいます」と読者どくしゃへメッセージを寄よせた。

ヤングアニマル編集へんしゅう部ぶコメント

読者どくしゃのみなさまへ

「ベルセルク」を再開さいかいいたします。
長ながらくご案内あんないが出来できず申もうし訳わけありませんでした。

「大だいベルセルク展てん」「YAメモリアル号ごう（2021年ねん18号ごう）」「ベルセルク単行たんこう本ほん第だい41巻かん」などへのみなさんのコメントを読よめる限かぎり読よませていただきました。その一いち通つう一いち通つうやSNSに書かかれたみなさんの想おもいに感謝かんしゃで一いち杯はいです。みなさんがどれほどベルセルクに影響えいきょうされ愛あいしてくれたかが心しんにしみます。それを読よむ三浦みうら建たて太郎たろうさんご本人ほんにんがいないことが悲かなしくてなりません。

三浦みうら建たて太郎たろうさんは生前せいぜん、親友しんゆうである漫画まんが家か・森もり恒二つねじさんに、「ベルセルク」のストーリーやエピソードを話はなしていました。また、スタジオスタッフにも担当たんとう編集へんしゅうにも話はなしていました。それはい残いのこしていったというわけではなく、こんなこと描えがいたらみんなびっくりするかな、こんなキャラクターはどうかな、この展開てんかいは面白おもしろいかな、と漫画まんが家かとして当あたり前まえの日常にちじょうでした。
その日常にちじょうは四半世紀しはんせいき以上いじょうに及およんでいました。長ながい時間じかんを三浦みうらさんと過すごした我々われわれの頭あたまと心しんには、三浦みうらさんの想おもいが積つもっています。三浦みうらさんが描えがいた構想こうそうメモとキャラクターデザインも見みつかりました。
それらをファンの方々かたがたの誰だれにも伝つたえることなく物語ものがたりを終おわらせることに、強つよい抵抗ていこう感かんがあります。
いま我々われわれが持もち寄よったラストエピソード・最後さいごの一いちコマまでを読よんでほしいのです。

再開さいかいにあたり我々われわれ制作せいさく陣じんは基本きほん姿勢しせいを決きめました。
「三浦みうらさんがそう言いっていた」
これが、制作せいさく陣じんが肝きもに銘めいじたことです。
ネームが残のこっているわけではありませんので、三浦みうらさんが作つくろうとしていた原稿げんこうを、我々われわれが完璧かんぺきに形作かたちづくることは不可能ふかのうですが、三浦みうらさんが話はなしていたことから決けっして逸脱いつだつしないように漫画まんがを構成こうせいしていきます。三浦みうらさんとの会話かいわや原稿げんこう制作せいさくを通とおして自分じぶんたちの中なかに根付ねついた「三浦みうら建太けんた郎ろう」を真摯しんしに紡つむぎたいと考かんがえています。
この制作せいさく体制たいせいこそが三浦みうらさんが思おもい描えがいた「ベルセルク」を、拙つたなくても出来できるだけ忠実ちゅうじつにみなさんに伝つたえられる方法ほうほうだと信しんじています。

次号じごうから「幻まぼろし造づくり世界せかい篇へん／妖精ようせい島とうの章あきら」のラストまで、まず6話わ分ぶんを掲載けいさいいたします。その後ごは新篇しんぺんに入はいる予定よていです。
再開さいかい後ごのクレジットは「原作げんさく・三浦みうら建太けんた郎ろう 漫画まんが・スタジオ我が画が 監修かんしゅう・森もり恒二つねじ」とさせていただき、単行本たんこうぼんのナンバリングも承継しょうけいいたします。

昔話むかしばなしになりますが、1990年ねんに発行はっこうされた「ベルセルク」の第だい一いち巻かんは初版しょはん28,000部ぶで発売はつばいされました。すぐにヒット作さくになったわけではなく、当時とうじは知しる人ひとぞ知しる作品さくひんでした。それでも熱心ねっしんなファンを獲得かくとくし離はなさなかったのは、作者さくしゃの「もっとすごい漫画まんがを描えがきたい！」との想おもいが伝つたわったのだと思おもいます。その後ご、作者さくしゃ本人ほんにんの尋常じんじょうでない努力どりょくといくつかの幸運こううんを引ひき寄よせたことで大だいヒットにつながりました。今いまでは第だい一いち巻かんを読よんだ人間にんげんは世界せかいで200万まん人にんにのぼります。そして多おおくのファンの心しんに強つよい影響えいきょうを与あたえたと思おもいます。三浦みうらさんの想おもいをみなさんの生活せいかつや仕事しごとで活いかしていただいていることは、本人ほんにんもきっととても嬉うれしいはずです。そうした作品さくひんとの関かかわり合あいをこれからの『ベルセルク』にも賜たまわれれば幸さいわいです。

声こえを届とどけてくださったファンのみなさま、本当ほんとうにありがとうございます。
また、声こえには出ださなくても静しずかに作品さくひんのことを想おもってくださった多おおくのファンのみなさまにも感謝かんしゃしています。みなさまの存在そんざいが前まえに進すすむエネルギーになります。

本当ほんとうにありがとうございました。

2022年ねん6月がつ
ヤングアニマル編集へんしゅう部ぶ

森もり恒二つねじコメント

今いまから三さん十じゅう年ねん近ちかく前まえ、自分じぶんは三浦みうらから「ネームの相談そうだんにのってくれ」と呼よび出だされました。いつもの事ことだったので遊あそびついでに彼かれの仕事場しごとばに行いくといつもより深刻しんこくな顔かおをした三浦みうらが「蝕をやらないといけない」そう言いったのです。自分じぶんは（そりゃあ大事だいじだ）と思おもいましたがまさか１週間しゅうかんも軟禁なんきんされるとは…。正まさにその時とき「ベルセルク」のストーリーは最終さいしゅう回かいまでほぼ完成かんせいしたのです。

恐おそろしい事ことにそれから殆ほとんど変更へんこうなくあの時ときに完成かんせいしたあらすじ通どおりに物語ものがたりは進すすんでいました。それから幾度いくども大おおきなエピソードの度たびに三浦みうらと話はなしました。自分じぶん達たちは学生がくせいの頃ころからお互たがい同おなじように相談そうだんしながら漫画まんがを描えがいてきたのです。

勘かんの良よい方々かたがたは予想よそうしていたと思おもいますが自分じぶんは『ベルセルク』の最終さいしゅう回かいまでの物語ものがたりを知しっています。しかし知しっているから描えがけると言いうわけではありません。「ベルセルク」と言いう偉大いだいな作品さくひんは天才てんさい三浦みうら建太けんた郎ろうだから描えがけるのです。
しかし自分じぶんには大おおきな責任せきにんが生しょうじてしまいました。

生前せいぜん三浦みうらは「最終さいしゅう回かいまでのストーリーは森もりちゃん以外いがい誰だれにも話はなしていない」
そう言いっていたのです。そしてそれは事実じじつでした。あまりに重おもすぎる責任せきにんです。インタビューでもしてもらってファンに向むけて話はなせばいいだろうか？
それともイラストを付つけた文章ぶんしょうでも掲載けいさいしてもらうか…。しかしそれでは三浦みうらが自分じぶんに話はなした情景じょうけい、ガッツやグリフィスの台詞せりふは伝つたえきれない…。
悩なやんでいたところに連絡れんらくが入はいりました。
「絶筆ぜっぴつした回かいの原稿げんこうをスタッフが最後さいごまで描えがくと言いうので見みて欲ほしい」
その回かいの後うしろ数すうページは完成かんせいしていませんでした。キャラを入いれてないところもある。
自分じぶんは内心ないしん厳きびしいだろう…と思おもいつつ原稿げんこうを見みました。
――必死ひっしの力ちからと言いうのは時ときに人ひとを奇跡きせき的てきに向上こうじょうさせます。そこには正まさに「ベルセルク」の完成かんせい原稿げんこうがありました。
「森もり先生せんせい、自分じぶん達たちにやらせてもらえないだろうか」
三浦みうら自慢じまんの弟子でし達たちは真まっ直すぐ自分じぶんに伝つたえてくれました。
三浦みうらと自分じぶんの恩師おんしである島田しまだ取締役とりしまりやくも「やるなら会社かいしゃは全力ぜんりょくで支ささえる」そう言いってくれました。
ここで逃にげれば三浦みうらにこう言いわれるでしょう。
「散々さんざん話はなしたのにやってくれなかったのかよ!!」
わかった。ちゃんとやるよ。

皆みなさんにお断ことわりと約束やくそくがあります。なるべく詳細しょうさいを思おもい出だし物語ものがたりを伝つたえます。
そして三浦みうらが自分じぶんに語かたったエピソードのみやります。肉付にくづけはしません。はっきり覚おぼえてないエピソードもやりません。三浦みうらが自分じぶんに語かたった台詞せりふ、ストーリーのみやります。当然とうぜん完全かんぜんな形かたちにはならないでしょう。
しかし三浦みうらが描えがきたかった物語ものがたりをほぼ伝つたえられるとは思おもいます。
三浦みうらの弟子でし達たちの腕うでは本物ほんものです！
素晴すばらしい描えがき手しゅです。
三浦みうら不在ふざいの『ベルセルク』に不満ふまん不服ふふくあると思おもいますがどうか見守みまもっていただきたいと思おもいます。
よろしくお願ねがい致いたします。

2022年ねん6月がつ
森もり 恒二つねじ