菊田きくた一夫かずお演劇えんげき賞しょう受賞じゅしょう式しき、大賞たいしょうの風間かざま杜夫もりお「演劇えんげきの生命せいめい力りょくを信しんじて精進しょうじんしたい」

第だい46回かい菊田きくた一夫かずお演劇えんげき賞しょうの授賞じゅしょう式しきが、本日ほんじつ5月がつ20日はつかに東京とうきょう都内とないで行おこなわれた。

一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん映画えいが演劇えんげき文化ぶんか協会きょうかいが主催しゅさいする菊田きくた一夫かずお演劇えんげき賞しょうは、大衆たいしゅう演劇えんげきの舞台ぶたいで優すぐれた業績ぎょうせきを示しめした作家さっか、演出えんしゅつ家か、俳優はいゆう、舞台ぶたい美術家びじゅつか、照明しょうめい、効果こうか、音楽おんがく、振付ふりつけ、そのほかスタッフに贈おくられる賞しょう。本日ほんじつの授賞じゅしょう式しきには演劇えんげき大賞たいしょうを受賞じゅしょうした風間かざま杜夫もりおをはじめ、演劇えんげき賞しょうの加藤かとう和樹かずき、海宝かいほう直人なおと、咲さき妃ひみゆ、高畑たかはた充たかし希のぞみ、演劇えんげき賞しょう特別とくべつ賞しょうの鳳おおとり蘭らんが出席しゅっせきした。

「セールスマンの死し」のウィリー・ローマン役やく、「女おんなの一生いっしょう」の堤つつみ章介しょうすけ役やく、「白昼夢はくちゅうむ」の高橋たかはし清きよし役やくの演技えんぎを評価ひょうかされた風間かざまは、3作さくを「それぞれ、魂たましいを揺ゆさぶられるような素晴すばらしい作品さくひん」と振ふり返かえる。22歳さいのときに劇団げきだんを立たち上あげ、今年ことし72歳さいを迎むかえた風間かざまは「つかこうへいさんが生いきていらしたら『もらえるものはもらっときな』と言いってくれたと思おもいます！」と話はなし、「昔むかしと変かわらず、舞台ぶたいでがむしゃらに芝居しばいを楽たのしんでいます。好すきな芝居しばいを続つづけられていることが幸しあわせ。俳優はいゆう人生じんせい50年ねんの節目ふしめに叱咤しった激励げきれいのお言葉ことばを受うけて、演劇えんげきの生命せいめい力りょくを信しんじて精進しょうじんしていきたいと思おもいます」と思おもいを口くちにした。

ミュージカル「ローマの休日きゅうじつ」のジョー・ブラッドレー役やく、ミュージカル「BARNUM」のフィニアス・テイラー・バーナム役やくの演技えんぎで演劇えんげき賞しょうを受賞じゅしょうした加藤かとうは、「ご覧らんの通とおり緊張きんちょうしております（笑）」と切きり出だす。加藤かとうは「子供こどもの頃ころから賞しょうに縁えんがありませんでしたが、改あらためてこの賞しょうの重おもみを感かんじています」と感慨かんがいを述のべ、「“やればできる”を座右ざゆうの銘めいに、信念しんねんを貫つらぬいて歩あゆんできました。諦あきらめそうなときもこの言葉ことばを胸むねに、多おおくの人ひとに出会であい、支ささえられて賞しょうにたどり着つけたのだと思おもいます。まだまだ未熟みじゅく者しゃですが、初心しょしんと感謝かんしゃを忘わすれずに励はげみます」と目標もくひょうを掲かかげた。

ミュージカル「アリージャンス～忠誠ちゅうせい～」のサミー役やく、TOHO MUSICAL LAB.「Happily Ever After」の男役おとこやくの演技えんぎで演劇えんげき賞しょうを獲得かくとくした海宝かいほうは「舞台ぶたいデビューした小学しょうがく1年生ねんせいのときから、出会であう人ひとに恵めぐまれてきた」と、カンパニーや両親りょうしんへの感謝かんしゃを述のべる。また海宝かいほうは2020年ねんを「素晴すばらしい作品さくひんに恵めぐまれながらも、困難こんなんがたくさんあった」と回顧かいこし、「大変たいへんな状況じょうきょうが続つづいていますが、僕ぼくは改あらためて演劇えんげきの力ちからを実感じっかんしています。苦くるしいとき、演劇えんげきの登場とうじょう人物じんぶつの目線めせんから見みるとさまざまな発見はっけんがあって。誰だれかの思おもいに寄より添そえる演劇えんげきは、すごい力ちからを持もっているなと思おもっています。演劇えんげきに携たずさわれることに誇ほこりと幸しあわせを感かんじながら、これからも向むき合あっていきます」と決意けついを新あらたにした。

ミュージカル「NINE」のルイザ役やく、ミュージカル「GHOST」のモリー役やくで演劇えんげき賞しょうに選えらばれた咲さき妃ひは「ようやく少すこし、親孝行おやこうこうと家族かぞく孝行こうこうができたかなと思おもいます」と謝辞しゃじを送おくり、「成人せいじん式しきには出でられませんでしたが、初心しょしんを忘わすれないということと両親りょうしんへの感謝かんしゃを込こめて着きてまいりました」と20歳さいのときに両親りょうしんから贈おくられたという振袖ふりそでを示しめす。また咲さき妃ひは学生がくせい時代じだいの恩師おんしがよく“誠実せいじつさ”について話はなしていたと言いい、「その頃ころから私わたしも、“誠実せいじつである”ことを大切たいせつにしています。賞しょうを励はげみとしてこれからも誠実せいじつに、さまざまな物事ものごとや関かかわってくださる方々かたがたと向むき合あいたい」と抱負ほうふを語かたった。

ミュージカル「WAITRESS ウェイトレス」ジェナ役やくの演技えんぎを評価ひょうかされた高畑たかはたは、同どう作さくを海外かいがいで観劇かんげきした経験けいけんに触ふれながら「いつか日本にっぽんで上演じょうえんされるときは少すこしでも参加さんかしたいと思おもっていた。出演しゅつえんできたうえに素敵すてきな賞しょうもいただき、ご褒美ほうびだなと思おもいます」と喜よろこぶ。高畑たかはたはコロナ禍かでの稽古けいこと本番ほんばんを「今いままでは自分じぶん自身じしんが楽たのしいという気持きもちが私わたしのエンジンでしたが、今回こんかいはこれまでと違ちがう感覚かんかくで。エンタメを観みて元気げんきになりたい方ほうに、ポジティブな気持きもちを渡わたせたらと考かんがえていました」と思おもい返かえし、「気兼きがねなく劇場げきじょうで観劇かんげきを楽たのしめる日ひが早はやく来くればいいなと。私わたしはいろいろな場所ばしょで活動かつどうしていますが、この賞しょうを励はげみとしてさらにミュージカルに近付ちかづければいいなと思おもいます」とコメントした。

鳳おおとりは、ミュージカル「屋根やねの上うえのヴァイオリン弾びき」をはじめとする永年えいねんの演劇えんげき界かいへの功績こうせきに対たいし、演劇えんげき賞しょう特別とくべつ賞しょうを贈おくられた。鳳おおとりは宝塚歌劇団たからづかかげきだんでの初舞台はつぶたいの頃ころ、菊田きくた一夫かずおが演出えんしゅつ家かとして訪おとずれた際さいのエピソードを「群衆ぐんしゅうの中なかの私わたしを見みて、演出えんしゅつ助手じょしゅの方ほうに『この子こが将来しょうらい宝塚たからづかを背負せおって立たつよ』とおっしゃったそうです」と紹介しょうかい。鳳おおとりは宝塚歌劇団たからづかかげきだんでトップスターとなり、その後ごは菊田きくた一夫かずお演劇えんげき賞しょうの大賞たいしょうを受賞じゅしょうした。これについて鳳おおとりは「思おもえば私わたしの人生じんせい、菊田きくた先生せんせいが見守みまもってくださっている気きがします。いつか私わたしが先生せんせいのいると頃ころに旅立たびだったときは、先生せんせいを探さがしてお礼れいを言いいたい」と胸中きょうちゅうを語かたった。

※初出しょしゅつ時じ、役名やくめいに誤あやまりがありました。訂正ていせいしてお詫わびいたします。