低学年の子どもが勉強嫌いになる「親の言動ワースト4」
東大生の多くが「勉強しなさい!」と言われたことがないのはなぜ? 子どもを勉強嫌いにする一番の原因は「やらされ感」
小学校に入学すると、毎日学校で勉強する生活がスタートし、その後も長く続いていきます。ところが、小学校低学年の段階ですでに勉強嫌いになってしまう子がいます。「勉強嫌いの原因をつくってしまう親の言動は、大きく4つあります」。このように話すのは、長年にわたって中学受験勉強の指導にあたり、多くの小学生親子を見てきたプロ家庭教師の西村則康さん。中学受験をする、しないにかかわらず、低学年の子どもを勉強嫌いにさせないためのポイントを教えてもらいました。
【年齢別記事 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) 自走力つく「宿題サポート」 ほめ言葉より大事な問いかけとは
(2) 中学受験とは子どもの何を伸ばし、何を学ぶ経験なのか
(3) 低学年の子どもが勉強嫌いになる「親の言動ワースト4」 ←今回はココ
(4) 言いなりママ 要望に応えるたびに子どもの自立は1日遅くなる
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「何もやっていない」より注意すべきことは
小学校低学年の学習面での目標として、西村さんは「1年生は、教室で前を向いて椅子に座り、授業を受ける日常に慣れること、2年生は前向きな気持ちで授業を受けることができ、家庭学習を定着させること」を挙げます。
そんな学習習慣をつくる大切な時期に、親としては学習につまずき、勉強嫌いにならないよう、気を配りたいところです。しかし西村さんは、「低学年の時期は、学習内容が分からないからといって、勉強嫌いになることはほとんどない」と話します。
「低学年の、特に1年生の頃は、そもそも勉強とは何かがよく分かっておらず、勉強が好きも嫌いもありません。しかし近年では、小学校入学時点で『勉強をまったくやってこなかった子』と『幼児期からすでにドリルをたくさん解いてきた子』に二分され、その二極化がより進んでいるように感じます。
小学校の勉強は、ひらがなを覚えるところからスタートします。しかし実際のところ、『ひらがなは読めて書ける』『数は10まで読めて書ける』くらいのレベルを前提に授業が進んでいきます。したがって、入学前にひらがなと数字についてまったく触れて来なかった場合に、授業のスピードに追いつけない子が一定数います。しかし、この時期は授業の中で一部理解できないところがあるからといって勉強嫌いにはなりません。むしろ心配なのが、幼児期の早い段階から先取り学習をしてきた子どもたちです」
先取り学習といえば、将来的に中学受験を見据えて、少しでも受験に有利になるようにと行うイメージがありますが、「最近は中学受験をする予定のない家庭でも、何かしらの勉強を小学校入学前からわが子にさせるケースが多い」と西村さんは言います。
「先取り学習をさせられてきた子どもたちが、低学年のうちに勉強嫌いになってしまうケースが多々あります。このように低学年時代に子どもを勉強嫌いにしてしまう原因の多くは、間違った親の言動にあるといっていい」と西村さんは言います。
西村さんによると、子どもを勉強嫌いにしてしまう親の言動として大きく4つあるとのこと。それはいったいどのような言動なのでしょうか。詳しく聞いていきます。
この記事で分かること
・教育熱心な親が陥りがちな、子を勉強嫌いにしてしまう代表的な4つの親のNG言動
・勉強嫌いにさせないための声かけの工夫の仕方
・低学年で最も身に付けさせるべき勉強姿勢とは
・3年生以降に勉強嫌いをつくる学習面のつまずきポイント
低学年で勉強嫌いにさせないために大切なことは?