研究けんきゅう / Research

アーキテクチャ科学かがく研究けんきゅう系けい

金子かねこめぐみ
KANEKO Megumi
アーキテクチャ科学かがく研究けんきゅう系けい教授きょうじゅ

学位がくい：HDR（フランス教授きょうじゅ資格しかく）・博士はかせ（工学こうがく）
専門せんもん分野ぶんや：情報じょうほう通信つうしんネットワーク
研究けんきゅう内容ないよう：http://researchmap.jp/megkaneko/
研究けんきゅう室しつWEB

研究けんきゅう紹介しょうかい

貴重きちょうな無線むせん資源しげんを最大限さいだいげんに生いかす

新あたらしい無線むせん通信つうしんシステムを研究けんきゅう

スマートフォンの普及ふきゅうに伴ともない、移動いどう体たい通信つうしんシステムの加入かにゅう者しゃが急増きゅうぞうしています。モノがインターネットに接続せつぞくして制御せいぎょなどを行おこなうIoT（Internet of Things ＝モノのインターネット）や機械きかい同士どうしがネットワークでつながるM2M（Machine to Machine）のデバイスも、2020 年ねんには500 億おく個こに達たっするだろうと言いわれています。こうした無線むせんによるトラフィック（デでータ通信たつうしん量りょう）は膨大ぼうだいで、今後こんごも爆発ばくはつ的てきに増ふえると予想よそうされます。一方いっぽうで、無線むせん資源しげんである電波でんぱの周波数しゅうはすうには限かぎりがあり、現状げんじょうで既すでに不足ふそくしている上うえに、今後こんごますます厳きびしい状況じょうきょうになっていきます。
その中なかで、私わたしは将来しょうらいに向むけた新あたらしい無線むせん通信つうしんシステムの研究けんきゅうに取とり組くんでいます。

無線むせん資源しげんをいかに効率こうりつ的てきに活用かつようするか

無線むせん通信つうしんの場合ばあい、周波数しゅうはすうをはじめ時間じかん・空間くうかん・エネルギーなど使つかえる資源しげんが限かぎられています。通信つうしん路ろが不安定ふあんていだったり、別べつのユーザーの電波でんぱと干渉かんしょうし合あったりなど、無線むせん特有とくゆうの難むずかしさもあります。この厳きびしい状況じょうきょうの中なかで、一定いっていの高たかい品質ひんしつを保たもちながら無線むせん資源しげんを効率こうりつよく活用かつようするには、複数ふくすうのユーザーに無線むせん資源しげんをどう割わり当あてるかが重要じゅうようです。そのための割わり当あて法ほうや、アクセスをコントロールするプロトコル（通信つうしん手順てじゅん）を設計せっけいするのが私わたしの主おもな研究けんきゅうです。
システム全体ぜんたいで伝送でんそう速度そくどを最大さいだいにできても、一部いちぶのユーザーの通信つうしん品質ひんしつが悪わるければ公平こうへいとは言いえません。アプリでデでータ通信たつうしんをしたい人ひともいればビデオ電話でんわをかけたい人ひともいて、ユーザーが求もとめるサービスの質しつも異ことなります。
個々ここのユーザーの要求ようきゅうを可能かのうな限かぎり達成たっせいしつつ、システム全体ぜんたいでの周波数しゅうはすう利用りよう効率こうりつを高たかめ、かつ高こう品質ひんしつな通信つうしんを実現じつげんする―そんな相反あいはんする複数ふくすうの指標しひょうを高こう次元じげんで同時どうじに達成たっせいできるような、バランスがとれた無線むせん資源しげん割わり当あて法ほうを設計せっけいしなくてはなりません。それがこの研究けんきゅうの難むずかしいところであり、面白おもしろいところです。

次世代じせだいの無線むせん通信つうしんシステム構築こうちくに向むけて

2020 年ねんを目標もくひょうに、第だい5 世代せだい（５G）の移動いどう体たい通信つうしんシステムの研究けんきゅう開発かいはつが世界中せかいじゅうで進すすんでいます。候補こうほの一ひとつとして、広ひろい通信つうしんエリアをスモールセルで高密度こうみつどにカバーし、それらをクラウドで連携れんけい的てきに制御せいぎょしようとする「クラウド無線むせんアクセスネットワーク」( 図ず1) があります。また、無線むせん資源しげんの基本きほん要素ようそを複数ふくすうユーザーが同時どうじに利用りようできる非ひ直行ちょっこう多元たげん接続せつぞく「NOMA」や、未開拓みかいたくの超ちょう高周波こうしゅうは数すう帯域たいいき( ミリ波は) を利用りよう可能かのうにするなど、さまざまな技術ぎじゅつが検討けんとうされています。
現在げんざい、こうした５G のシステムのための無線むせん資源しげん割わり当あて法ほうを研究けんきゅう中ちゅうです。さらに、これまでの人間にんげん対たい人間にんげんの通信つうしんとはまったく異ことなるIoT・M2M の通信つうしんシステムについての研究けんきゅうや、エネルギー消費しょうひ量りょうの削減さくげんを目指めざした環境かんきょう発電はつでんを活用かつようするアクセスプロトコル設計せっけいなどにも取とり組くんでいます。将来しょうらいの情報じょうほう通信つうしんネットワークの実現じつげんには、高度こうどな無線むせん通信つうしん技術ぎじゅつが欠かかせません。人々ひとびとの役やくに立たてるような技術ぎじゅつに少すこしでも貢献こうけんしたいと思おもっています。