ぜん2921文字もじ

 このコラムは隔週かくしゅうりがやってくる。テーマがすんなりまることもあるが、どちらかといえばなにこうか直前ちょくぜんまでなやむことがおおい。

 最近さいきんは「プログラムコードを生成せいせいできるAI(人工じんこう知能ちのう)の登場とうじょうで、プログラマーは必要ひつようなくなるのではないか」という話題わだいをよくげているがする。ただ、おなじような論調ろんちょうばかりでは読者どくしゃきてしまうだろう。AIをげるにしても、なにべつ視点してんけないだろうか。

 そんなことをかんがえていたとき、あるプレスリリースがとどまった。「AI社長しゃちょう」の正式せいしきリリースだという。反射はんしゃてきに「いぬねこ社長しゃちょう店長てんちょうばってきして話題わだいづくりをするように、AIを社長しゃちょう見立みたてて目立めだとうとしているだけではないか」とおもった。

 しかしプレスリリースの内容ないようんでみると、意外いがい真面目まじめなサービスのようだ。AIを利用りようして社長しゃちょう分身ぶんしんをつくるサービスだという。たしかに中小ちゅうしょう企業きぎょう社長しゃちょうが「いそがしすぎて自分じぶん分身ぶんしんしい」とっているというはなしはよくく。ニーズがありそうだし、AIの有効ゆうこう活用かつようほうかもしれない。そうおもい、このサービスの提供ていきょう企業きぎょうであるTHAを取材しゅざいしてきた。

すでに6しゃ中小ちゅうしょう企業きぎょう導入どうにゅう

 THAの西山にしやま朝子あさこ社長しゃちょうは、新卒しんそつ大手おおて人材じんざい企業きぎょう就職しゅうしょく。マーケティングやWebサイト改善かいぜんなどITに関連かんれんする業務ぎょうむ手掛てがけた。そうしたITのスキルをさらにたかめたいと2019ねんにDeNAに転職てんしょくした。DeNAでは副業ふくぎょうみとめられているため、様々さまざま中小ちゅうしょう企業きぎょうのWebサイト作成さくせい広告こうこく運用うんよう個人こじん事業じぎょうぬしとして手伝てつだっていた。

 そんなとき対話たいわがたAI「ChatGPT」に出会であって衝撃しょうげきけた。早速さっそく中小ちゅうしょう企業きぎょうにもすすめてみたが、反応はんのうがよくない。おおくの中小ちゅうしょう企業きぎょう独自どくじ価値かちかん技術ぎじゅつといったその企業きぎょうだけがつよみで勝負しょうぶしている。一方いっぽう、ChatGPTでられるのは平均へいきんてき模範もはん解答かいとうだ。そのままではつよみをかせない。また、中小ちゅうしょう企業きぎょうではデスクワークよりも現場げんばってスマートフォンでやりりするといったはたらかたおおいため、ChatGPTによる業務ぎょうむ効率こうりつはあまりなじまない。

 「中小ちゅうしょう企業きぎょうのコアはやっぱり社長しゃちょう」(西山にしやま社長しゃちょう)。そこでおもいついたのが、社長しゃちょう知識ちしき実装じっそうしたAIサービスの提供ていきょうだ。社内しゃないのコミュニケーションに利用りようされているLINEやChatworkなどのツールに仮想かそうてき社長しゃちょうをチャットボットとして実装じっそうすれば、社員しゃいん自然しぜんにAIを利用りようできる。