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BMWグループは自動運転技術の開発にアンシスと共同開発した技術を使っている(写真:日経クロステック)
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シミュレーション技術を手がける米Ansys(アンシス)の日本法人が「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」(2024年5月22~24日、パシフィコ横浜)において、同社の自動運転開発向けのシミュレーション技術を公開した。ドイツBMWグループと協業した成果だ。BMWは同シミュレーション技術を使って2023年に2450万kmの走行データを収集したという。これは地球から火星までの半分の距離に匹敵する。このシミュレーション技術によって開発時間を短縮する。例えば事故の発生確率の定量的な評価にかかる時間を従来の100分の1以下にできたという。
アンシスが主力とするのが、物理シミュレーションに関連したソフトウエアだ。手掛ける分野は航空宇宙や防衛、自動車、エネルギー、半導体などと幅広い。その高い技術力に目を付けた半導体向けEDA(電子設計自動化)大手の米Synopsys(シノプシス)が2024年1月に約350億ドル(約5兆5000億円)で買収を表明した。