馬うま融とおる (東ひがし漢かん)

馬うま融とおる
國家こっか	中國ちゅうごく
時代じだい	東ひがし漢かん
主君しゅくん	漢かん安やす帝みかど劉りゅう祜 → 北鄉きたごう侯こう劉りゅう懿 → 漢かん順じゅん帝みかど劉りゅう保たもつ → 漢かん質しつ帝みかど劉りゅう纘 → 漢かん桓帝劉りゅう志こころざし
姓せい	馬うま
名な	融とおる
職しょく官かん	舍人とねり → 校こう書しょ郎ろう中ちゅう → 廄長史し → 郡こおり功いさお曹 → 議ぎ郎ろう → 從事じゅうじ中ちゅう郎ろう → 武たけ都と太守たいしゅ → 南みなみ郡ぐん太守たいしゅ → 議ぎ郎ろう
出生しゅっしょう	79年ねん 漢かん朝ちょう右みぎ扶風茂しげ陵りょう
逝世	166年ねん
親おや屬ぞく 父親ちちおや 馬うま嚴いわお 女おんな 馬うま倫りん、馬うま芝しば

馬うま融とおる坦ひろし臥が吹簫圖ず（唐から陸りく曜六ろく逸いっ圖ず卷まき局部きょくぶ）

馬うま融とおる（79年ねん—166年ねん），字じ季き長ちょう，右みぎ扶風茂しげ陵りょう（今いま陝西せんせい興きょう平ひらた東北とうほく）人にん，東ひがし漢かん經學けいがく家か。曾宦校こう書しょ郎ろう、郎ろう中ちゅう、議ぎ郎ろう、武たけ都みやこ太守たいしゅ以及南みなみ郡ぐん太守たいしゅ。伏ふく波は將軍しょうぐん馬うま援的てき侄孫，將はた作つく大だい匠たくみ馬うま嚴いわお之子ゆきこ。

生平おいだいら

起おこり初はつ，京きょう兆ちょう人ひと摯恂隱居いんきょ在ざい南山みなみやま，教授きょうじゅ儒家じゅか學術がくじゅつ。馬うま融とおる便びん跟隨他た學習がくしゅう，摯恂因よし驚おどろき詫わび於馬融とおる的てき才ざい學がく，便びん把わ女兒じょじ嫁よめ給きゅう了りょう他た。

永えい初はじめ二に年ねん（108年ねん），大將軍だいしょうぐん鄧騭聽聞ちょうもん馬うま融とおる的てき名聲めいせい，便びん召他來らい當とう舍人とねり，馬うま融とおる並なみ未み答こたえ覆くつがえ，而且搬去涼りょう州しゅう的てき武たけ都みやこ、漢かん陽ひ一帶いったい居住きょじゅう。當時とうじ正せい值西にし羌賊ぞく虜とりこ蜂はち擁よう而起，導しるべ致糧價か猛もう漲みなぎ，路邊ろへん隨處ずいしょ可か見み餓死がし的てき人じん。馬うま融とおる因いん飢餓きが難なん耐たい，又また不ふ想そう早早そうそう死去しきょ，便びん去さ接受せつじゅ了りょう鄧騭之の聘。

永えい初はつ四よん年ねん(110年ねん)，馬うま融とおる任命にんめい校こう書しょ郎ろう中ちゅう，到いた東ひがし觀かん去さ校こう理り宮みや禁きん秘書ひしょ。這時鄧太后きさき執と掌てのひら朝政ちょうせい，鄧騭兄弟きょうだい輔佐ほさ朝政ちょうせい。朝廷ちょうてい廢除はいじょ了りょう狩獵しゅりょう之の禮れい，廢除はいじょ講習こうしゅう戰陣せんじん之の法ほう，賊ぞく寇趁著ちょ這時肆無忌憚きたん。馬うま融とおる認みとめ為ため文武ぶんぶ之の道みち，沒ぼつ有一ゆういち樣さま可か以廢棄はいき，便びん於元もと初はつ四よん年ねん（117年ねん）獻上けんじょう《廣こう成なり頌》作為さくい諷刺ふうし。

頌文呈上ていじょう以後いご，得とく罪ざい鄧太后きさき，以至於馬融とおる一直待在東觀，十年沒有得到升遷。隨ずい後ご馬うま融とおる借か著しる長兄ちょうけい之子ゆきこ去さ世よ自我じが彈劾だんがい，回かい到いた家中いえじゅう。鄧太后きさき認みとめ為ため馬うま融とおる對たい朝廷ちょうてい的てき授職感かん到いた屈辱くつじょく，於是下か令れい他た不ふ許もと再さい做官。

鄧太后きさき去さ世よ後ご，漢かん安やす帝みかど親おや自じ管理かんり朝政ちょうせい，並なみ且召回かい馬うま融とおる，讓ゆずる他た在ざい講堂こうどう講こう論ろん經けい義ぎ。後來こうらい派は他た去さ河間こうま王おう那な裡うら擔任たんにん廄長史し。當時とうじ安やす帝みかど東ひがし巡じゅん岱宗，馬うま融とおる呈上ていじょう《東ひがし巡じゅん頌》，安やす帝みかど對たい此感到いた十分じゅうぶん驚異きょうい，便びん任命にんめい他た為ため郎ろう中ちゅう。到いた了りょう北鄉きたごう侯こう當とう皇帝こうてい時じ，馬うま融とおる稱しょう病びょう辭去じきょ郎ろう中ちゅう的てき職務しょくむ，並なみ擔任たんにん郡こおり功いさお曹。

陽ひ嘉よしみ二に年ねん（133年ねん），漢かん順じゅん帝みかど下しも詔書しょうしょ推舉敦あつし厚あつ樸しらき素的すてき人じん。城門じょうもん校こう尉じょう岑起舉薦馬うま融とおる。順じゅん帝みかど便びん徵ちょう召馬融とおる到いた公おおやけ車しゃ，回答かいとう順じゅん帝みかど所しょ設しつらえ的てき試ためし題だい，被ひ授予議ぎ郎ろう。大將軍だいしょうぐん梁りょう商しょう舉薦他た擔任たんにん從事じゅうじ中ちゅう郎ろう，後こう改あらため任にん武たけ都と太守たいしゅ。當時とうじ正せい值西羌叛亂はんらん，征せい西にし將軍しょうぐん馬うま賢けん同どう護まもる羌校尉じょう胡えびす疇受命じゅめい征討せいとう西にし羌，卻長時間じかん滯留たいりゅう不ふ前まえ。

馬うま融とおる知ち馬ば賢けん定じょう會かい失敗しっぱい，便びん上書うわがき要求ようきゅう效力こうりょく，說せつ馬ば賢けん處處しょしょ滯留たいりゅう，錯過時機じき，同時どうじ他た還かえ擔心馬ば賢かしこ中なか聲こえ東ひがし擊げき西にし之これ計けい，又また怕出現しゅつげん將領しょうりょう、士し兵へい潰つぶせ敗はい叛變的てき情況じょうきょう。如果能のう將はた關東かんとう的てき五ご千せん士卒しそつ編入へんにゅう他た的てき麾下きか，他た將しょう身み先さき士卒しそつ，一月之內必敗羌人。但ただし朝廷ちょうてい並なみ未み採納さいのう。他た又また上書うわがき說せつ：「彗星すいせい在ざい參まいり宿やど、畢宿出現しゅつげん，預あずか示しめせ著しる并州附近ふきん將しょう會かい有ゆう戰爭せんそう。西方せいほう的てき戎えびす和かず北方ほっぽう的てき狄恐おそれ怕將會かい起おこり兵へい，最さい好こう多た加か防備ぼうび。」不ふ久ひさ，隴西的てき羌人反はん叛，烏がらす桓入にゅう侵おかせ上郡かみごおり，和馬かずま融とおる說せつ的てき基本きほん一いち樣よう。

馬うま融とおる後ご為ため從事じゅうじ中ちゅう郎ろう，在ざい建たて和かず元年がんねん（147年ねん），替がえ大將軍だいしょうぐん梁りょう冀寫うつし章あきら誣陷前ぜん太ふとし尉じょう李り固かた致死ちし。或ある說せつ馬うま融とおる作さく此章是ぜ因いん為ため與あずか李り固かた的てき經學けいがく觀點かんてん不同ふどう，外そと戚與士人しじん的てき身み份對立たいりつ和わ自身じしん的てき媚こび權けん求もとめ貴とうと。也有やゆう說せつ此事是ぜ在ざい永えい嘉よしみ元年がんねん（145年ねん），被ひ李すもも固かた免官めんかん者しゃ誣奏李すもも固かた之これ時とき，且李固かた之これ死し與あずか馬うま融とおる無關むせき。

經過けいか三さん次じ升ます遷，桓帝在位ざいい時じ馬うま融とおる擔任たんにん南みなみ郡ぐん太守たいしゅ。在ざい此之前まえ，馬うま融とおる做了違背いはい梁はり冀意願ねがい的てき事情じじょう，梁りょう冀便上告じょうこく馬うま融とおる在ざい南みなみ郡ぐん貪むさぼ污。馬うま融とおる便びん被ひ免まぬかれ去ざ官職かんしょく，剃髮ていはつ流ながれ放ひ至いたり朔ついたち方かた。流ながれ放ひ期間きかん，馬うま融とおる曾自殺じさつ未遂みすい，後ご被かむ赦免しゃめん回かい京きょう，再さい次つぎ被ひ任にん為ため議ぎ郎ろう。不ふ久之ひさゆき後ご，他た便びん再さい次つぎ因いん病びょう辭去じきょ職務しょくむ。

延のべ熹九きゅう年ねん，馬うま融とおる在家ありいえ中ちゅう去さ世よ。

文學ぶんがく

馬うま融とおる年少ねんしょう好學こうがく，精通せいつう經學けいがく。他た編輯へんしゅう注釋ちゅうしゃく了りょう《周しゅう易えき》、《尚書しょうしょ》、《毛もう詩し》、《論語ろんご》、《孝こう經けい》等とう，並なみ著ちょ有ゆう《三傳さんでん異同いどう說せつ》。除じょ注ちゅう經書けいしょ外がい，他た還かえ注ちゅう釋しゃく了りょう《老子ろうし》、《淮南ワイナン子こ》、《離はなれ騷》、《列れつ女おんな傳でん》等とう書籍しょせき。他た有ゆう千せん餘あまり學生がくせい，比ひ如著名めい的てき學者がくしゃ鄭てい玄げん、盧の植しょく，就是他た的てき門生もんせい。但ただし是ぜ，鄭てい玄げん只ただ在ざい畢業時じ見み過か馬うま融とおる一いち面めん。馬うま融とおる頗好美び色しょく、音樂おんがく，講こう學がく時じ，前列ぜんれつ為男ためお學生がくせい，後列こうれつ美女びじょ、歌うた妓ぎ，中間なかま用よう絳色絲いと帳ちょう相しょう隔へだた，馬うま融とおる「常つね坐高ざこう堂どう，施ほどこせ絳紗帳ちょう」，人稱にんしょう「絳帳教授きょうじゅ」。柳やなぎ亞子あこ《四月十六夜徐老特立羔訪奉呈一首》：「馬うま融とおる絳帳多た英傑えいけつ，屈こごめ子こ離はなれ騷未寂寞せきばく。」

馬うま融とおる的てき著作ちょさく大だい致均佚。清きよし馬うま國こく翰的てき《玉たま函はこ山やま房ぼう輯佚書しょ》和わ黃き奭的てき《漢學かんがく堂どう叢書そうしょ》裡うら面めん有ゆう所しょ摘錄てきろく。另外，明あきら張ちょう溥輯撰有ゆう《馬うま季き長ちょう集しゅう》。

家庭かてい

• 子こ馬うま強つよし
• 女おんな馬うま倫りん，袁隗妻つま
• 女おんな馬うま芝しば
• 侄女婿じょせい趙ちょう岐，娶めと馬うま融とおる兄けい女おんな
• 族ぞく孫まご馬うま日び磾

評價ひょうか

范曄《後こう漢書かんしょ》中ちゅう這樣評價ひょうか道どう：

“ 馬うま融とおる辭じ命いのち鄧氏，逡巡しゅんじゅん隴漢之の閒あいだ，將はた有意ゆうい於居貞さだ乎？既すんで而羞曲きょく士し之の節ふし，惜不貲之軀，終おわり以奢樂たのし恣ほしいまま性せい，黨とう附ふ成なり譏そし，固かた知識ちしき能のう匡ただし欲よく者しゃ鮮矣。夫おっと事ごと苦く，則のり矜全之の情じょう薄うす；生せい厚あつし，故こ安やす存そん之の慮おもんばか深ふか。登高とうこう不ふ懼者，胥靡之の人ひと也；坐すわ不ふ垂たれ堂どう者しゃ，千金せんきん之子ゆきこ也。原はら其大略りゃく，歸かえり於所安やす而已矣。物我ぶつが異觀いかん，亦また更さら相しょう笑也えみや。 ”

同どう為ため經學けいがく家か的てき趙ちょう岐也曾這樣評價ひょうか他た：「馬うま季き長ちょう雖有名めい當世とうせい，而不持じ士し節ぶし，三輔高士未曾以衣裾襒其門也。」

顏かお之の推：「然しか而自古文こぶん人じん，多た陷おちい輕薄けいはく：。。。；馬ば季き長ちょう佞媚獲え誚；。。。」（《顏がお氏し家訓かくん》）

延伸えんしん閱讀

[在ざい維基數すう據よりどころ編へん輯]

在ざい維基文庫ぶんこ閱讀此作者しゃ作品さくひん

《後こう漢書かんしょ·卷まき60上じょう》，出自しゅつじ范曄《後こう漢書かんしょ》

《東ひがし觀かん漢かん記き》