Shen Jian : 雜言上 - Chinese Text Project

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《雜言ぞうごん上じょう》

1 Jump to dictionary Show parallel passages	雜言ぞうごん上じょう:	或ある問とい曰：「君子くんし曷敦乎學？」曰：「生なま而知之これ者しゃ寡矣，學がく而知之これ者しゃ寡矣，悠悠ゆうゆう之の民みん，泄泄之の士し，明あきら明あかり之の治ち，汶汶之の亂みだれ，皆みな學がく廢はい興きょう之の由ゆかり，敦あつし之の不ふ亦また宜むべ乎？」
2 Jump to dictionary Show parallel passages	雜言ぞうごん上じょう:	君子くんし有ゆう三さん鑒，世人せじん，鏡かがみ；前まえ惟おもんみ順じゅん，人にん惟おもんみ賢けん，鏡かがみ惟おもんみ明あかり。夏なつ、商しょう之の衰おとろえ，不ふ鑒於禹、湯ゆ也；周しゅう、秦はた之の弊へい，不ふ鑒於民みん下か也；側がわ弁べん垢あか顏がお，不ふ鑒於明鏡めいきょう也，故こ君子くんし惟おもんみ鑒之務つとむ。若わか夫おっと側がわ景けい之の鏡かがみ，亡ほろび鑒矣。
3 Jump to dictionary Show parallel passages	雜言ぞうごん上じょう:	或ある問とい：「致治之の要よう，君くん乎？」曰：「兩りょう立哉たつや，非ひ天地てんち不ふ生物せいぶつ，非ひ君臣くんしん不ふ成治しげはる，首くび之これ者しゃ天地てんち也，統みつる之これ者しゃ君臣くんしん也哉。先王せんおう之の道みち致訓焉，故こ亡ほろび斯須之の間あいだ而違道どう矣。昔むかし有ゆう上じょう致聖由よし教戒きょうかい，因いん輔弼ほひつ，欽順四よん鄰。故こ檢けん柙之臣しん，不ふ虛きょ於側；禮れい度ど之の典てん，不ふ曠於目め；先哲せんてつ之の言げん，不ふ輟於身み；非ひ義之よしゆき道どう，不宣ふせん於心，是ぜ邪よこしま僻へき之の氣き，末まつ由ゆかり入にゅう也，鑒有間あいだ，必有入にゅう之これ者しゃ矣。是ぜ故こ僻へき志こころざし萌もえ則そく僻事ひがごと作さく，僻事ひがごと作さく則のり正ただし塞ふさが，正せい塞ふさが則のり公正こうせい亦また末すえ由ゆかり入にゅう也矣。不ふ任にん不ふ愛あい謂いい之の公おおやけ，惟おもんみ公こう是ぜ從したがえ謂いい之の明あかり。齊ひとし桓公かんこう中ちゅう材ざい也，末まつ能成よしなり功業こうぎょう，由ゆかり有ゆう異い焉者矣。妾わらわ媵盈宮みや，非ひ無む愛あい幸也ゆきや；群臣ぐんしん盈みつる朝あさ，非ひ無む親近しんきん也，然しか外そと則そく管かん仲なか射い己おのれ，衛まもる姬ひめ色しょく妾わらわ，非ひ愛あい也，任にん之の也。然しか後こう知ち非ひ賢けん不可ふか任にん，非ひ智さとし不可ふか從したがえ也，夫おっと此之舉弘矣哉。膏あぶら盲めくら純白じゅんぱく，二豎にじゅ不ふ生せい，茲謂心こころ寧やすし，省しょう闥清淨せいじょう，嬖孽不ふ生せい，茲謂政平まさへい。夫おっと膏あぶら盲めくら近きん心しん而處阨，鍼之不ふ遠とお，藥くすり之の不ふ中なか，攻おさむ之これ不可ふか，二豎にじゅ藏ぞう焉，是ぜ謂いい篤あつし患。故こ治ち身み治國ちこく者しゃ，唯ただ是これ之の畏かしこ。」
4 Jump to dictionary Show parallel passages	雜言ぞうごん上じょう:	或ある曰：「愛あい民みん如子，仁之ひとし至いたり乎？」曰：「未み也。」曰：「愛あい民みん如身，仁之ひとし至いたり乎？」曰：「未み也。湯ゆ禱桑林りん，邾遷于繹，景けい祠ほこら于旱，可か謂いい愛あい民みん矣。」曰：「何なん重じゅう民みん而輕身み也？」曰：「人ひと主おも承うけたまわ天命てんめい以養民みん者しゃ也，民みん存そん則そく社稷しゃしょく存そん，民みん亡ほろび則そく社稷しゃしょく亡ほろび，故こ重じゅう民みん者しゃ，所以ゆえん重じゅう社稷しゃしょく而承天命てんめい也。」
5 Jump to dictionary Show parallel passages	雜言ぞうごん上じょう:	或ある問とい曰：「孟はじめ軻稱人じん皆みな可か以為堯舜，其信矣？」曰：「人ひと非ひ下した愚ぐ，則のり愚ぐ可か以為堯舜矣。寫うつし堯舜之の貌，同どう堯舜之の姓せい則そく否ひ；服ふく堯之制せい，行ぎょう堯之道則みちのり可か矣。行くだり之の於前，則のり古いにしえ之の堯舜也；行ぎょう之の於後，則のり今いま之の堯舜也。」或ある曰：「人ひと皆みな可か以為桀紂乎？」曰，「行くだり桀紂之の事こと，是ぜ桀紂也。堯舜桀紂之の事こと，常つね並存へいそん於世，唯ただ人じん所用しょよう而已。楊朱哭岐路ろ，所しょ通どおり逼者然しか也。夫おっと岐路きろ惡あく足あし悲哉？中ちゅう反はん焉。若わか夫おっと縣けん度ど之の厄やく素もと，舉足而已矣。損益そんえき之の符ふ，微ほろ而顯也。趙ちょう獲え二に城しろ，臨饋而憂。陶すえ朱しゅ既すんで富とみ，室しつ妾わらわ悲號：此知益えき為ため損そん之の為ため益えき者しゃ也。屈伸くっしん之の數かず，隱かくれ而昭也。有ゆう仍之困こま，復ふく夏なつ之の萌もえ也；鼎かなえ雉之異こと，興おき殷いん之の符ふ也；邵宮之の難なん，隆りゅう周あまね之の應おう也；會かい稽之棲，霸越之の基もと也；子こ之これ之の亂みだれ，強つよ燕つばめ之の徵ちょう也：此知伸しん為ため屈こごめ之の為ため伸しん者しゃ也。」
6 Jump to dictionary Show parallel passages	雜言ぞうごん上じょう:	人ひと主ぬし之の患，常つね立たて於二難なん之の間あいだ，在ざい上うえ而國家こっか不治ふち，難なん也；治ち國家こっか則そく必勤身み苦く思おもえ，矯情以從道どう，難なん也。有難ありがた之これ難なん，闇やみ主おも取と之これ；無難ぶなん之これ難なん，明主めいしゅ居きょ之の。大臣だいじん之の患，常つね立たて於二罪ざい之の間あいだ，在職ざいしょく而不盡忠じんちゅう直之なおゆき道どう，罪つみ也；盡忠じんちゅう直之なおゆき道どう焉，則のり必矯上じょう拂はらい下か，罪つみ也。有罪ゆうざい之の罪つみ，邪よこしま臣しん由之よしゆき；無罪むざい之の罪つみ，忠臣ちゅうしん置おけ之これ。人臣じんしん之の義よし，不ふ曰「吾われ君くん能のう矣，不ふ我わが須也，言げん無む補ほ也」，而不盡忠じんちゅう；不ふ曰「吾われ君くん不能ふのう矣，不ふ我わが識也，言げん無益むえき也」，而不盡忠じんちゅう。必竭其誠，明あきら其道，盡つき其義，斯已而已矣，不ふ已やめ則そく奉たてまつ身み以退，臣しん道也みちや。故こ君臣くんしん有ゆう異い無む乖，有ゆう怨無憾，有ゆう屈こごめ無む辱はずかしめ。人臣じんしん有ゆう三さん罪ざい，一いち曰導非ひ，二に曰阿失しつ，三さん曰尸寵ちょう。以非引上謂いい之の導みちびけ，從したがえ上じょう之の非ひ謂いい之の阿おもね，見み非ひ不言ふげん謂いい之の尸しかばね。導しるべ臣しん誅，阿おもね臣しん刑けい，尸しかばね臣しん絀。進すすむ忠ちゅう有ゆう三さん術じゅつ：一いち曰防，二に曰救，三さん曰戒。先さき其未然みぜん謂いい之の防ぼう，發はつ而止之の謂いい之の救すくえ，行ぎょう而責之の謂いい之の戒。防ぼう為ため上じょう，救すくい次じ之の，戒為下か。下した不ふ鉗口，上うえ不ふ塞ふさが耳みみ，則のり可か有ゆう聞矣。有ゆう鉗之鉗，猶なお可か解かい也；無む鉗之鉗，難なん矣哉！有ゆう塞ふさが之これ塞ふさが，猶なお可か除じょ也，無む塞ふさが之これ塞ふさが，其甚矣夫！
7 Jump to dictionary Show parallel passages	雜言ぞうごん上じょう:	或ある曰：「在ざい上うえ有ゆう屈こごめ乎？」曰：「在ざい上うえ者しゃ以義申さる，以義屈こごめ。高祖こうそ雖能申さる威い於秦、項こう，而屈於商山やま四よん公おおやけ；光こう武能たけよし申さる於莽，而屈於強項こう令れい；明あかり帝みかど能のう申さる令れい於天下か，而屈於鍾離はなれ尚書しょうしょ。若わか秦しん二に世せい之の申さる欲よく，而非笑わらい唐から虞おそれ，若わか定てい陶すえ傅でん太ふとし后きさき之の申さる意い，而怨於鄭，是ぜ謂いい不屈ふくつ；不ふ然しか，則のり趙ちょう氏し不ふ亡ほろび，而秦無む愆尤。故人こじん主ぬし以義申さる，以義屈こごめ也。喜き如春陽ひ，怒いか如秋霜しも，威い如雷霆らいてい之の震ふるえ，惠めぐみ若わか雨露うろ之の降くだ，沛然はいぜん孰能禦也。」
8 Jump to dictionary Show parallel passages	雜言ぞうごん上じょう:	或ある問とい曰難行なんぎょう。曰：「若わか高祖こうそ聽戍卒そつ不ふ懷ふところ居い，遷萬まん乘じょう不ふ俟終日び；孝文たかふみ帝みかど不ふ愛あい千せん里さと馬ば；慎まき夫人ふじん衣ころも不ふ曳地ひきち；光武みつたけ手て不ふ持じ珠玉しゅぎょく，可か謂いい難なん矣。抑そもそも情じょう絕ぜっ欲よく，不ふ如是にょぜ，能のう成功せいこう業者ぎょうしゃ鮮矣。人臣じんしん若わか金かね日び磾，以子私わたし謾而殺ころせ之の；丙へい吉之よしゆき不ふ伐き；蘇そ武之たけゆき執と節ふし，可か謂いい難なん矣。」
9 Jump to dictionary	雜言ぞうごん上じょう:	或ある問とい厲志。曰：「若わか殷いん高だか宗むね能のう葺其德とく，藥くすり瞑つむ眩まぶし以瘳疾やまし；衛まもる武たけ箴戒於朝；勾踐懸膽きも於坐，厲矣哉。」
10 Jump to dictionary	雜言ぞうごん上じょう:	寵ちょう妻つま愛妾あいしょう，幸こう矣；其為災わざわい也，深ふか矣。「災わざわい與あずか幸こう，同どう乎？」曰：「得とく則そく慶けい，否いや則のり災わざわい。戚氏不幸ふこう不ふ人ひと豕いのこ，趙ちょう昭あきら儀ぎ不幸ふこう不ふ失しつ命いのち，栗ぐり姬ひめ不幸ふこう不ふ廢はい，鉤かぎ弋不幸ふこう不ふ憂ゆう殤，非ひ災わざわい而何？若わか慎まき夫人ふじん之の知ち，班はん婕妤之の賢けん，明德めいとく皇后こうごう之の德とく，邵矣哉！」
11 Jump to dictionary	雜言ぞうごん上じょう:	為ため世よ憂う樂らく者しゃ，君子くんし之の志こころざし也；不為ふため世よ憂う樂らく者しゃ，小人こども之の志こころざし也。太平たいへい之の世よ，事こと閑而民みん樂らく徧焉。
12 Jump to dictionary Show parallel passages	雜言ぞうごん上じょう:	使つかい遽者揖讓百ひゃく拜はい，非禮ひれい也；憂う者しゃ弦歌げんか鼓こ瑟，非ひ樂らく也。禮者れいしゃ，敬けい而已矣；樂らく者しゃ，和かず而已矣。匹夫ひっぷ匹ひき婦ふ，處しょ畎畝之の中なか，必禮樂れいがく存そん焉爾。
13 Jump to dictionary	雜言ぞうごん上じょう:	違たがえ上うえ順じゅん道どう，謂いい之の忠臣ちゅうしん；違たがえ道順みちじゅん上じょう，謂いい之の諛臣。忠ちゅう所以ゆえん為ため上じょう也，諛所以自為ため也；忠臣ちゅうしん安やす於心，諛臣安やす於身。故こ在ざい上うえ者しゃ，必察乎違順じゅん，審しん乎所為しょい，慎まき乎所安やす。廣川ひろかわ王おう弗どる察，故殺こさつ其臣；楚すわえ恭きょう王おう察之而遲，故こ有ゆう遺言ゆいごん；齊ひとし宣せん王おう其察之の矣，故こ賞しょう諫者。
14 Jump to dictionary Show parallel passages	雜言ぞうごん上じょう:	或ある問とい：人君じんくん人臣じんしん之の戒。曰：「莫匪戒也。」請問其要。曰：「君きみ戒專欲よく，臣しん戒專利り。」
15 Jump to dictionary Show parallel passages	雜言ぞうごん上じょう:	患之甚矣。城しろ重譯じゅうやく而獻珍めずらし，非ひ寶たから也；腹心ふくしん之これ人にん，匍匐ほふく而獻善ぜん，寶たから之の至いたり矣。故こ明王みょうおう慎まこと內守，除外じょがい寇而重じゅう內寶。」
16 Jump to dictionary Show parallel passages	雜言ぞうごん上じょう:	雲くも從したがえ于龍，風ふう從したがえ于虎，鳳おおとり儀ただし于韶，麟集于孔，應おう也。出で於此，應おう於彼，善則よしのり祥さち，祥さち則のり福ぶく；否ひ則そく眚，眚則咎とがめ，故こ君子くんし應おう之の。
17 Jump to dictionary Show parallel passages	雜言ぞうごん上じょう:	君子くんし食しょく和わ羹あつもの以平いたいら其氣，聽和聲ごえ以平いたいら其志，納おさめ和わ言ごと以平いたいら其政，履くつ和行かずゆき以平いたいら其德。夫おっと酸さん鹹甘苦く不同ふどう，嘉よしみ味あじ以濟謂いい之の和わ羹あつもの；宮みや商しょう角かく徵ちょう不同ふどう，嘉よしみ音おと以章謂いい之の和聲わせい；臧否損益そんえき不同ふどう，中正ちゅうせい以訓謂いい之の和わ言げん；趨舍動靜どうせい不同ふどう，雅みやび度ど以平いたいら謂いい之の和行かずゆき。人ひと之の言げん曰：「唯ただ其言而莫予よ違たがえ也」，則のり幾いく於喪國こく焉。孔子こうし曰：」君子くんし和わ而不同ふどう。」晏子亦また云うん：「以水濟ずみ水すい，誰だれ能のう食しょく之の；琴瑟きんしつ一聲いっせい，誰だれ能のう聽之。」《詩し》云うん：「亦また有ゆう和わ羹あつもの，既すんで戒且平たいら。奏そう假かり無言むごん，時じ靡有爭そう。」此之謂いい也。

URN: ctp:shenjian/zayan-i