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オクタン価 - Wikipedia

オクタン価おくたんか

ガソリンのエンジンないでの自己じこ着火ちゃっかのしにくさ、ノッキングのこりにくさをしめ数値すうち

オクタン価おくたんか(オクタンか)とは、ガソリンエンジンうちでの自己じこ着火ちゃっかのしにくさ、ノッキングこりにくさ(たいノックせいアンチノックせい)をしめ数値すうちである[1]オクタン価おくたんかたかいほどノッキングが発生はっせいしにくい。

軽油けいゆひとしディーゼル燃料ねんりょうにおいては、たいディーゼルノックせいしめ数値すうちとしてセタン利用りようされる。セタン60はオクタン価おくたんか0に、セタン0はオクタン価おくたんか100に相当そうとうする(なお、増減ぞうげん反対はんたいなのはガソリンエンジンのスパークノックは燃料ねんりょう着火ちゃっかしやすいことによってきるのにたいし、ディーゼルエンジンのディーゼルノックは燃料ねんりょう着火ちゃっかしにくいことによってこるため)。

オクタン価おくたんか

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ガソリン成分せいぶんちゅうたいノックせい比較的ひかくてきたかイソオクタン(2,2,4-トリメチルペンタン)のオクタン価おくたんかを 100、たいノックせいひくい n-ヘプタンオクタン価おくたんかを 0 とし、試料しりょうのガソリンと同一どういつたいノックせいしめすようなイソオクタンと n-ヘプタンとの混合こんごうぶつちゅうふくまれるイソオクタンの割合わりあい容量ようりょう)を、その試料しりょうオクタン価おくたんかとする。一般いっぱんろんえば、枝分えだわかれのおお飽和ほうわ炭化たんか水素すいそであればたいノックせいたかい。また、ノックの原因げんいんとなるヒドロキシルラジカル (•OH) の捕捉ほそくざいとして、炭化たんか水素すいそのラジカルを発生はっせいするものをあたえればたいノックせい向上こうじょうする。

たいノックせい測定そくていは、混合こんごう着火ちゃっかしたときほのお伝播でんぱ速度そくど測定そくていする。伝播でんぱおそいほどオクタン価おくたんかたかい。内燃ないねん機関きかんにおいては理論りろんじょう、シリンダーないのピストン位置いちうえてん混合こんごう着火ちゃっかし、ピストンがしたてん移動いどうした時点じてん爆発ばくはつ終了しゅうりょうするのがもっと効率こうりつく、ノッキングもこさないためである。すなわち、燃焼ねんしょうエネルギーを一瞬いっしゅん解放かいほうするよりも、ピストンのうごきにつれてゆっくり解放かいほうしたほう効率こうりつてきということである。

出力しゅつりょく

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上記じょうきのように、たいノックせいたかいイソオクタンが上限じょうげんであるため、オクタン価おくたんかは100がさい高値たかねとなるのだが、さらに、たいノックせいたかいアンチノックざいをガソリンに微量びりょう添加てんかしてアンチノックせいたかめたことで、それだけであらわすのが困難こんなんになってきたため、だい世界せかい大戦たいせんとき、アメリカで研究けんきゅうされたうえさだめられた出力しゅつりょくパフォーマンスともばれる)が航空機こうくうきようガソリン利用りようされる。オクタン価おくたんかが、単純たんじゅんにイソオクタンの成分せいぶん体積たいせき百分率ひゃくぶんりつあらわしたものであるのにたいし、出力しゅつりょくはノッキング防止ぼうし添加てんかぶつふくんだ燃料ねんりょう出力しゅつりょくオクタン価おくたんかが100の燃料ねんりょう出力しゅつりょくとの百分比ひゃくぶんひで、航空機こうくうき場合ばあいには両者りょうしゃとも「グレード***/***」(*は数字すうじはいる)と表記ひょうきされる。これは、混合こんごう変化へんかたいしてオクタン価おくたんか変化へんかするとともに、ガソリンの種類しゅるいによってその変化へんか一定いっていでないためである。左側ひだりがわはエンジンの混合こんごううす状態じょうたい運転うんてんしたオクタン価おくたんか右側みぎがわ状態じょうたい運転うんてんしたオクタン価おくたんかあらわしており、たとえば、イソオクタン1ガロンあたりテトラエチルなまり1.284 cc混入こんにゅうした燃料ねんりょう場合ばあい、エンジンの混合こんごううす巡航じゅんこうでの出力しゅつりょくが100 %に、混合こんごう最大さいだい出力しゅつりょくでの出力しゅつりょくが130 %となるため、出力しゅつりょくでの表記ひょうきは「グレード100/130」となる。

なお、この出力しゅつりょく数値すうちたかめるためにアンチノックざいとしてテトラエチルなまり使用しようされていた(ゆうなまりガソリン)。これは混合こんごうがピストンによる圧縮あっしゅく行程こうていちゅうからほのおたっするまえゆるやかな反応はんのう燃焼ねんしょうにより、二酸化炭素にさんかたんそみずとなるまえなかあいだ生成せいせいぶつなかにある酸化さんかぶつ濃度のうどがある限度げんどたっするとデトネーション発生はっせいさせるため、これを添加てんかさせることでほのおたっするまえ反応はんのうおくらせ、酸化さんかぶつ生成せいせい抑制よくせいして発火はっかおくれをおおきくする役目やくめをはたす。

そのほかにも、テトラエチルなまり燃焼ねんしょうしたさい酸化さんかなまり発生はっせいしてシリンダーない燃焼ねんしょうしつ堆積たいせきするのをふせぐためにしゅうエチレンとうハロゲン化合かごうぶつをテトラエチルなまり混入こんにゅうしたエチルえきや、酸化さんかなまり堆積たいせきぶつリンさんトリクレジルくわえて融点ゆうてんたかくかつ電気でんき抵抗ていこうおおきい燐酸りんさんなまりえて、点火てんかせん(スパークプラグ)の短絡たんらく早着そうちゃく発生はっせい防止ぼうしする着火ちゃっか制御せいぎょざいがある。

JISではリサーチほうオクタン価おくたんか採用さいようしており、燃焼ねんしょう試験しけんられたデータをもとオクタン価おくたんか設定せっていしている。よって、市販しはんされているオクタン価おくたんか100のガソリンだからといって、イソオクタン100 %という意味いみではない。また、欧米おうべい各国かっこくでも方法ほうほうことなれど燃焼ねんしょう試験しけんによってオクタン価おくたんか設定せっていしており、イソオクタンの割合わりあいのみでしめされるオクタン価おくたんか最早もはや形骸けいがいしているとってもいい。

オクタン価おくたんか向上こうじょうざい

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かつてはよんアルキルなまりなど有機ゆうきなまり化合かごうぶつ使つかわれていたが、環境かんきょう安全あんぜんせい観点かんてんから市場いちばから姿すがたした。有機ゆうきマンガン化合かごうぶつであるメチルシクロペンタジエニルマンガントリカルボニルについても燃料ねんりょうちゅう安定あんていせいやエンジンないでの堆積たいせき、またコストの問題もんだいから、使用しよう限定げんていされている。現在げんざいではこれらにわり、下記かきのエーテルけいをはじめとする含酸もと化合かごうぶつ中心ちゅうしんとなってきている。

測定そくてい方法ほうほう

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リサーチ・オクタン価おくたんか(RON)

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オクタン価おくたんかなか世界中せかいじゅうもっとひろもちいられているのがリサーチ・オクタン価おくたんか(Research Octane Number/RON)である。RONは可変かへん圧縮あっしゅく機構きこうつテストエンジンにおける600rpmでの回転かいてんテストにおいて、イソオクタン[ちゅう 1]n-ヘプタン[ちゅう 2]混合こんごう(%)[2]というかたち決定けっていされる。

以上いじょうことから、RONは比較的ひかくてきてい回転かいてんいきのアンチノックたいせいしめ数値すうちであるとされる。

モーター・オクタン価おくたんか(MON)

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オクタン価おくたんかしめべつ表記ひょうきほうとして、モーター・オクタン価おくたんか(Motor Octane Number/MON)ばれるものが存在そんざいする。これは別名べつめい航空こうくうリーンオクタンともばれるもので、エンジンに負荷ふかかっているさい燃料ねんりょう状態じょうたいをよりしめすものであるとされる。RONの600rpmではなく900rpmで測定そくていおこな[3][4]。またMONのテストエンジンの構造こうぞうはRONとおなじものであるが、149℃に予熱よねつされた混合こんごう高速こうそくなエンジン回転かいてん可変かへん点火てんか時期じきなどのよりノッキングこりやすいきびしい条件じょうけんした測定そくていされる。燃料ねんりょう組成そせいにもよるが、近代きんだいてきなガソリンではRONにたいしてMONのは8-10ほどひくくなるとされる。しかし、MONとRONの数値すうちあいだには直接的ちょくせつてき因果いんが関係かんけいはない。

以上いじょうことから、MONは比較的ひかくてきこう回転かいてんいきのアンチノックたいせいしめ数値すうちであるとされる。

アンチノック・インデックス(AKI)

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ほとんどのくにではガソリンスタンド給油きゅうゆしめされるオクタン価おくたんかはRONである。しかし、カナダアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくブラジルなどではRONとMONの平均へいきん給油きゅうゆしめされる。このアンチノック・インデックス(Anti-Knock Index/AKI)ぶ。AKIを採用さいようするくに給油きゅうゆには(R+M)/2公式こうしきかれている場合ばあいがあり、べつとしてポンプ・オクタン価おくたんか(Pump Octane Number/PON)もちいられる場合ばあいがある。

採用さいようされるくにはごく一部いちぶであるが、走行そうこうちゅうのアンチノックたいせいそのものをより合理ごうりてきしめ数値すうちであるともされる。

RONとAKIのちが

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MONとRONのあいだにはおおむね8-10前後ぜんこう差異さいしょうじることは上記じょうきべたとおりである。よって、RONとAKIのあいだでは米国べいこく場合ばあいにはおおむね4-5前後ぜんこうひく表記ひょうきされることおおい。比較ひかくためには現状げんじょうでは英語えいごばんen:Octane rating#Examples of octane ratingsひょう参照さんしょうされたい。

Observed Road Octane Number (RdON)

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あまりメジャーではない測定そくていほうであるが、最終さいしゅうてきオクタン価おくたんか決定けっていほうとしてObserved Road Octane Number (RdON)とばれるものが存在そんざいする。これは世界せかい気筒きとうエンジンの開発かいはつおこなわれているもので、スロットル全開ぜんかい状態じょうたい測定そくていおこなう。この方式ほうしき1920年代ねんだい提唱ていしょうされたもので、今日きょうでもたか信頼しんらいせいゆうしているとされる。当初とうしょ道路どうろじょう車両しゃりょう走行そうこうしながら測定そくていおこなっていたが、より安定あんていした測定そくてい環境かんきょうため現在げんざいではシャシダイナモうえ測定そくていおこなわれる[5]

測定そくていもちいる機器きき

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上記じょうきかくオクタン価おくたんかのうちMONとRONの測定そくていにはCFRエンジンばれる特殊とくしゅ測定そくていようエンジンがもちいられる。CFRはCooperative Fuel Researchりゃくで、1928ねんにアメリカにてAPI(en:American Petroleum Institute)やSAE当時とうじ自動車じどうしゃ工業こうぎょうかいなどが共同きょうどう設計せっけいし、ウォーケシャ・モーターカンパニー(げんen:Waukesha Engines)に製造せいぞうさせたものが発祥はっしょうである[6][7]。その構造こうぞう圧縮あっしゅく可変かへん可能かのうたん気筒きとうエンジンで、一定いってい回転かいてん速度そくどたもつために補助ほじょ電動でんどうそなえられている[8]混合こんごう予熱よねつする機能きのう点火てんか時期じき任意にんい調整ちょうせいする機構きこうなどもそなえられている。オクタン価おくたんか測定そくていもちいるCFRエンジンはガソリンエンジンであるが、ほぼ同様どうよう概要がいようディーゼルエンジンセタン測定そくていにももちいられる。

地域ちいきによる変化へんか

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給油きゅうゆから給油きゅうゆされるオクタン価おくたんか選択せんたくは、世界せかい地域ちいきごとにおおきくことなっている。

オーストラリア:レギュラーはRON 91。ハイオクはRON 95が一般いっぱんてきであるが、98以上いじょう製品せいひんひろ流通りゅうつうしている。

ドイツ: RON 91(Normal)とRON 95(Super)の種類しゅるいのレギュラーと、RON 98のハイオク(Super Plus)をわせたさん種類しゅるい販売はんばいされているが、実際じっさいにはRON 91の流通りゅうつうりょうきわめてすくなく、自動車じどうしゃメーカーもほとんどはRON 95を想定そうていしてレギュラーガソリン仕様しようとしている。

イタリア:レギュラーはRON 95である。ハイオクはRON 98以上いじょう条件じょうけんとされている。

イギリス:レギュラーはRON 95である。ハイオクはRON 97以上いじょう条件じょうけんとされている。

アメリカ:AKI表記ひょうき原則げんそくであるが、地域ちいきにより様々さまざまなものが販売はんばいされている。一般いっぱんてきにはレギュラーがAKI 87(RON 91)、プレミアム(ハイオク相当そうとう)がAKI 93(RON 98)で販売はんばいされており、レースに対応たいおうしているAKI 93(RON 98)クラスがまちちゅうのガソリンスタンドではいることは特筆とくひつあたいする。

日本にっぽん:レギュラーはRON 90、ハイオクがRON 100(実際じっさいはRON 99.5程度ていど)である[1][9][10][11][12]。JIS規格きかくでは、レギュラーはRON 89以上いじょう、ハイオクがRON 96以上いじょうと、JIS規格きかくにおける下限かげん上記じょうきしょ外国がいこくくらべてややひくオクタン価おくたんか設定せっていとなっている。詳細しょうさい後述こうじゅつ。ただし、かつて存在そんざいしたShell V-Powerのハイオクガソリンをのぞけばすべ同一どういつ品質ひんしつであり、各社かくしゃオクタン価おくたんかことなることはない[13]

日本にっぽんにおけるオクタン価おくたんか変遷へんせん

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日本にっぽん自動車じどうしゃようガソリンのオクタン価おくたんかは、JIS K 2202 自動車じどうしゃガソリン[14]にて制定せいていされている。どう規格きかくじょうはレギュラーガソリンが2ごうガソリンこうオクタン価おくたんかガソリン1ごうガソリンとして規定きていされている。JISにおけるオクタン価おくたんか測定そくてい方法ほうほうおよオクタン価おくたんか数値すうちは1952ねんのJIS K 2202の成立せいりつ以降いこう幾多いくた改正かいせいてきており、日本にっぽんしゃのエンジン設定せってい基本きほんてきにはその車両しゃりょう発売はつばい時点じてんでのJIS規格きかくもと設計せっけいされていること留意りゅういする必要ひつようがある。

なお、オクタン価おくたんか計測けいそく規定きていJIS K 2280 石油せきゆ製品せいひん燃料ねんりょうオクタン価おくたんかおよびセタン試験しけん方法ほうほうならびにセタン指数しすう算出さんしゅつ方法ほうほう[15]にて制定せいていされている。JIS K 2280で使用しようされる測定そくてい機器ききはCFRエンジンであるが、インチ/華氏かしなどの表記ひょうきトル法とるほう/摂氏せっし事前じぜんえてから測定そくていするむね指示しじがされている。

JIS K 2202改正かいせい年度ねんど 1ごう 2ごう 3ごう 測定そくてい方法ほうほう 備考びこうおよ関連かんれん事項じこう
1952ねん(JIS K 2202:1952) 72以上いじょう 65以上いじょう 60以上いじょう MON 日本工業規格にほんこうぎょうきかく成立せいりつホンダ・カブFごう発売はつばい
1958ねん(JIS K 2202:1958) 80以上いじょう 75以上いじょう 65以上いじょう MON スバル・360/ホンダ・スーパーカブ発売はつばい
1961ねん(JIS K 2202:1961) 90以上いじょう 80以上いじょう - RON リサーチほうへの測定そくていほう変更へんこう、3ごうガソリンの廃止はいし
1965ねん(JIS K 2202:1965) 95以上いじょう 85以上いじょう - RON 通産省つうさんしょう完成かんせい乗用車じょうようしゃ輸入ゆにゅう自由じゆう発令はつれい
同時どうじ国内こくない自動車じどうしゃ産業さんぎょう再編さいへん計画けいかくすすめられ、よく1966ねんには日産にっさんプリンス合併がっぺい
1970ねん(JIS K 2202:1970) 95以上いじょう 85以上いじょう - RON オクタン価おくたんか改正かいせい
このとし東京とうきょう新宿しんじゅく牛込うしごめやなぎまち交差点こうさてん付近ふきんにてなまり中毒ちゅうどく事件じけん発生はっせい
5ねん1975ねん、レギュラーガソリンの無鉛むえん先行せんこう実施じっし[ちゅう 3]
1980ねん(JIS K 2202:1980) 95以上いじょう 85以上いじょう - RON オクタン価おくたんか改正かいせい
1979ねん日産にっさん・セドリック/グロリア国産こくさんはつターボくるま設定せってい
1986ねん(JIS K 2202:1986) 96.0以上いじょう 89.0以上いじょう - RON オクタン価おくたんか現在げんざいおな数値すうちとなる
よく1987ねんゆうなまりガソリン製造せいぞう終了しゅうりょう[ちゅう 4]によりハイオク無鉛むえん完全かんぜん達成たっせい
1987ねん6がつ20日はつか出光興産いでみつこうさんオクタン価おくたんか100うた出光いでみつ100ガソリン[ちゅう 5]発売はつばい
1988ねん(JIS K 2202:1988) 96.0以上いじょう 89.0以上いじょう - RON オクタン価おくたんか改正かいせい
エンジン出力しゅつりょく表記ひょうきがネット表記ひょうき完全かんぜん移行いこう
1991ねん(JIS K 2202:1991) 96.0以上いじょう 89.0以上いじょう - RON オクタン価おくたんか改正かいせい
国産こくさん各社かくしゃこう出力しゅつりょくしゃ軒並のきな280馬力ばりき到達とうたつ
1996ねん(JIS K 2202:1996) 96.0以上いじょう 89.0以上いじょう - RON オクタン価おくたんか改正かいせい
石油せきゆ製品せいひん輸入ゆにゅう自由じゆう
JISマーク表示ひょうじ制度せいどをガソリンにも適用てきよう
よく1997ねんトヨタ・プリウス発売はつばい
1999ねん(JIS K 2202:1999) 96.0以上いじょう 89.0以上いじょう - RON オクタン価おくたんか改正かいせい
オートバイへのはいガス規制きせい強化きょうか(H11りんしゃ排出はいしゅつガス規制きせい)。
よく2000ねんH12ねん規制きせいにより、自動車じどうしゃからキャブレター姿すがたす。
2004ねん(JIS K 2202:2004) 96.0以上いじょう 89.0以上いじょう - RON オクタン価おくたんか改正かいせい
同年どうねんまつ軽油けいゆうち硫黄いおうぶん許容きょよう限界げんかい低減ていげんされる。
2007ねん(JIS K 2202:2007) 96.0以上いじょう 89.0以上いじょう - RON オクタン価おくたんか改正かいせい
軽油けいゆつづき、ガソリンについても硫黄いおうぶん許容きょよう限界げんかい低減ていげんされる。
2012ねん(JIS K 2202:2012) 96.0以上いじょう 89.0以上いじょう - RON オクタン価おくたんか改正かいせい
E10燃料ねんりょう(エタノール混合こんごうりつ10%)1ごう(E)、2ごう(E)の規定きてい追加ついか
現在げんざい最新さいしん規格きかく

2007ねんころ日本にっぽん自動車じどうしゃ工業こうぎょうかいからレギュラーガソリンのオクタン価おくたんかげの要請ようせいがあったこともあり、2006ねんから2008ねんにかけて石油せきゆ政策せいさくしょう委員いいんかい次世代じせだい燃料ねんりょう石油せきゆ政策せいさくかんするしょう委員いいんかいでレギュラーガソリンのオクタン価おくたんかげが検討けんとうされたが[16]げはおこなわれなかった。

輸入ゆにゅうしゃあつかいについて

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上記じょうきれいにもられるとおり、今日きょうのJIS 1/2ごうガソリンのオクタン価おくたんか欧米おうべいのガソリンのオクタン価おくたんかには若干じゃっかんではあるが差異さいがみられる。とく欧州おうしゅうではほとんどの地域ちいきでレギュラーガソリンが事実じじつじょうRON 95のみである事情じじょうもあり、これらの地域ちいきからの輸入ゆにゅうしゃ欧州おうしゅうしゃ)は現地げんちではレギュラー仕様しようであっても、日本にっぽん正規せいき代理だいりてんではハイオク仕様しようとして販売はんばいされることおおい。

ぎゃくに、アメリカや東南とうなんアジア、オセアニアなど、レギュラーがRON 91前後ぜんこうとされているくにからの輸入ゆにゅうぎゃく輸入ゆにゅう車両しゃりょうについては、正規せいき代理だいりてんやメーカー日本にっぽん法人ほうじんなどのサポート窓口まどぐちに、日本にっぽんでの適切てきせつ使用しよう燃料ねんりょう直接ちょくせつわせることが推奨すいしょうされる。ただし、これらのくにからの車両しゃりょうでかつ国内こくないでもレギュラー仕様しようとして販売はんばいされる場合ばあいにおいて運転うんてんじょうきょうによってノッキングとう異常いじょう燃焼ねんしょうがおこる場合ばあい、ハイオクを給油きゅうゆすることで解消かいしょうできる場合ばあいがある。

JISの規格きかく元々もともと欧米おうべい品質ひんしつ規格きかくのような強制きょうせいりょくたない任意にんい規格きかくであり、これによりゆうなまりガソリン無鉛むえんなどが石油せきゆ元売もとうりの自主じしゅ努力どりょくにより早期そうき達成たっせいされるなどの利点りてん存在そんざいしたが、同時どうじ小売こう店頭てんとう灯油とうゆ混入こんにゅうした粗悪そあくガソリンが販売はんばいされるなどの弊害へいがい発生はっせいしていた。しかし、1996ねん石油せきゆ製品せいひん輸入ゆにゅう自由じゆうともな強制きょうせいりょくつものとなり、それと同時どうじJISマーク表示ひょうじ制度せいど対象たいしょうふくまれるようにもなった[17]。こうした経緯けいい存在そんざいしたことから、国内こくない石油せきゆ元売もとう各社かくしゃはハイオクにかんしては100オクタンをうた製品せいひん販売はんばいするなどの状況じょうきょうられたが、レギュラーについては「90-91前後ぜんこう品質ひんしつ出荷しゅっか」などの明確めいかくでない表現ひょうげんめている場合ばあいがあった。無印むじるしスタンドひとしにおけるごうてんだまなどの販売はんばいサイドにおける構造こうぞうてき問題もんだい散見さんけんされるほか場合ばあいによっては小売こうり店頭てんとうでレギュラーとハイオクの配管はいかんちがえていた[18]れいや、悪質あくしつ場合ばあいにはレギュラーをハイオクと偽装ぎそうして販売はんばいする事例じれい消費しょうひしゃちょうつうじて告発こくはつされる[19][20]など、市場いちば出荷しゅっかされる燃料ねんりょう品質ひんしつ関連かんれんして報道ほうどう沙汰ざた発展はってんするケースもまれられる。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ イソオクタン100%の場合ばあいRONも100となる。
  2. ^ n-ヘプタン100%の場合ばあいRONも0となる。
  3. ^ レギュラーガソリン無鉛むえん先立さきだち、1972ねん4がつ以降いこう新規しんき出荷しゅっかされるガソリンエンジンすべ無鉛むえん対策たいさくみとなった。
  4. ^ 1975ねん以前いぜん製造せいぞう車両しゃりょう無鉛むえん対策たいさく車両しゃりょうためやく12年間ねんかん継続けいぞく販売はんばいされていた。
  5. ^ 世界せかいはつ無鉛むえんハイオクガソリンとされる。同年どうねん7がつ以降いこう他社たしゃも100オクタンきゅうハイオクの発売はつばい相次あいついだ。

出典しゅってん

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  1. ^ a b 資料しりょう5-1 オクタン価おくたんかについて(補足ほそく説明せつめい資料しりょう (PDF). 総合そうごう資源しげんエネルギー調査ちょうさかい石油せきゆ分科ぶんかかい 石油せきゆ政策せいさくしょう委員いいんかい. 資源エネルギしげんえねるぎちょう 資源しげん燃料ねんりょう. April 2006. 2010ねん4がつ1にち時点じてんオリジナル (PDF)よりアーカイブ。
  2. ^ 石油せきゆ用語ようご辞典じてんオクタン価おくたんか - 石油せきゆ便覧びんらん-JX日鉱にっこう日石にっせきエネルギー
  3. ^ 6.6 What does the Research Octane rating measure?
  4. ^ 6.5 What does the Motor Octane rating measure?
  5. ^ Octane Number Confusion - Tim Wusz
  6. ^ #50 Cooperative Fuel Research Engine (1928)
  7. ^ The Waukesha CFR Fuel Research Engine
  8. ^ 石油せきゆ用語ようご辞典じてん|CFRエンジン - 石油せきゆ便覧びんらん-JX日鉱にっこう日石にっせきエネルギー
  9. ^ よくあるご質問しつもん ガソリン・燃料ねんりょう”. ENEOS Corporation. 2020ねん11月1にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2020ねん11月1にち閲覧えつらん
  10. ^ サービスステーションFAQ(よくあるご質問しつもん”. コスモ石油こすもせきゆマーケティング株式会社かぶしきがいしゃ. 2021ねん9がつ18にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2021ねん9がつ18にち閲覧えつらん
  11. ^ 出光いでみつブランドの商品しょうひん・サービスについてのおわせ”. 出光興産いでみつこうさん. 2021ねん3がつ1にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2021ねん3がつ1にち閲覧えつらん
  12. ^ 金子かねこタカシ「オクタン価おくたんかとガソリン品質ひんしつ設計せっけい」『日本にっぽん燃焼ねんしょう学会がっかいだい54かんだい170ごう、2012ねん、217-220ぺーじdoi:10.20619/jcombsj.54.170_217 
  13. ^ “ハイオクガソリン、じつ混合こんごう独自どくじ開発かいはつ」のはずが…20ねんまえから各地かくちで”. 毎日新聞まいにちしんぶん. (2020ねん6がつ27にち). https://mainichi.jp/articles/20200627/k00/00m/040/124000c 
  14. ^ 日本工業規格にほんこうぎょうきかく調査ちょうさかい JIS K 2202:2007
  15. ^ 日本工業規格にほんこうぎょうきかく調査ちょうさかい JIS K 2280:1996
  16. ^ 総合そうごう資源しげんエネルギー調査ちょうさかい石油せきゆ分科ぶんかかい. 経済けいざい産業さんぎょうしょう. 2010ねん4がつ1にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。
  17. ^ 欧米おうべいくににおける自動車じどうしゃよう燃料ねんりょう品質ひんしつ規制きせい背景はいけい現状げんじょう - 経済けいざい産業さんぎょうしょう
  18. ^ 昭和シェル石油しょうわしぇるせきゆ株式会社かぶしきがいしゃ - おらせ - 【おび】弊社へいしゃ所有しょゆう給油きゅうゆしょにおけるガソリンあやま販売はんばいについて
  19. ^ にせハイオク、全国ぜんこく209のGSで…過去かこ5ねん調査ちょうさ - 2012ねん4がつ25にち1308ふん 読売新聞よみうりしんぶん
  20. ^ GS「ハイオク」の看板かんばんじつは「レギュラー」…消費しょうひしゃちょう改善かいぜん命令めいれい - 2012.4.20 00:26 MSN産経さんけいニュース

関連かんれん項目こうもく

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