シロカツオドリ

シロカツオドリ
	シロカツオドリ Morus bassanus
保全ほぜん状じょう況きょう評価ひょうか
	LEAST CONCERN; (IUCN Red List Ver.3.1 (2001));
分類ぶんるい
学名がくめい
	Morus bassanus; (Linnaeus, 1758)
和名わみょう
	シロカツオドリ
英名えいめい
	Northern Gannet
	シロカツオドリ Morus bassanus 分布ぶんぷ図ず

シロカツオドリ（白しろ鰹かつお鳥とり、学名がくめい：Morus bassanus）は、カツオドリ目めカツオドリ科かに分類ぶんるいされる鳥類ちょうるいの1種しゅ。

分布ぶんぷ

北大西洋きたたいせいようの集団しゅうだん繁殖はんしょく地ち^[1]

ボナヴェンチュール島とう（カナダ）

北きた大西おおにし洋ひろし、カリブ海かりぶかい、地中海ちちゅうかい。

繁殖はんしょく域いきは北大ほくだい西洋せいようである。通常つうじょう大おおきな集団しゅうだん営巣えいそう地ちとして、海洋かいようを見下みおろす崖がけや小ちいさな岩いわの多おおい島しまに営巣えいそうする。最大さいだいの営巣えいそう地ちはケベック州しゅう（カナダ東部とうぶ）のボナヴェンチュール島とう (Bonaventure Island) で、60,000組くみ以上いじょうのつがいが見みられるが、全ぜん個体こたい数すうの68%はバス・ロック（Bass Rock、種たねのラテン語らてんご名めいとなる）やセントキルダ群島ぐんとうのボーレー島とう (Boreray) の大だい集団しゅうだん営巣えいそう地ちがあるグレートブリテン島とうやアイルランド沿岸えんがん付近ふきんで繁殖はんしょくする。

冬期とうきにはほとんどが大西おおにし洋上ようじょうをさらに南みなみに移動いどうし、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく東部とうぶおよびアフリカ西部せいぶに至いたる^[2]。

形態けいたい

暗くら褐色かっしょくの若わか鳥とり

全長ぜんちょう約やく93cm^[3] (85-97cm^[4])、翼つばさ開ひらき長ちょう約やく172cm ^[3] (170-192cm^[4])。体重たいじゅう約やく3kg^[5]。全身ぜんしんの羽毛うもうはほとんど白しろいが、初はつ列れつ風切かざきりや初はつ列れつ雨う覆くつがえは黒くろい。成鳥せいちょうの頭頂とうちょうから後こう頸にかけて黄色おうしょくみがあり、繁殖はんしょく期きには雄ゆうの頭部とうぶおよび後こう頸がより黄色きいろみを帯おびる。くちばしは淡あわい青あお灰色はいいろで黒くろい筋すじがある。虹彩こうさいは淡あわ灰色はいいろで、目めの周まわりに青色あおいろの環たまきがあり、露出ろしゅつした黒くろい皮膚ひふに囲かこまれて、喉のどにも黒くろい筋すじがある。足あしは暗くら灰色はいいろ。幼鳥ようちょうの羽毛うもうは灰はい褐色かっしょく^[3]。最初さいしょの年としは暗くら褐色かっしょくで、その後ご5回かい換かわ羽はねし^[2]、5年ねん後ごの成鳥せいちょう羽わに達たっするまで、季き節ぶし毎ごとに徐々じょじょに白しろくなっていく。

生態せいたい

Morus bassanus

互たがいのくちばしを打うち合あう求愛きゅうあい行動こうどう

崖がけの岩いわ棚だなや斜面しゃめんなどに集団しゅうだんで営巣えいそうする^[2]。

シロカツオドリのつがいは、数すう期きにわたり一緒いっしょでいると考かんがえられる。つがいは営巣えいそう地ちで入念にゅうねんな求愛きゅうあい儀式ぎしきを行おこない、くちばしと頸を空そらに向むけて伸のばし、それから互たがいにくちばしを軽かるくたたき合あう。

1卵たまごを産うみ、抱だき卵たまご日数にっすうは約やく44日にちで、雌雄しゆう交代こうたいで抱だき卵たまごする。^[6]

カツオドリ科かの鳥とりは驚異きょういのダイバーであり、水みずを打うつ前まえに矢やのように体からだを完全かんぜんに真まっ直すぐにして、空中くうちゅうから高速こうそくで海うみに突入とつにゅうする。潜水せんすいして魚さかなを捕とらえると、シロカツオドリは浮上ふじょう前まえに水中すいちゅうで魚さかなを飲のみ込こむ。主おもに海面かいめん近ちかくに群むれで集あつまる小しょう魚さかな（全長ぜんちょう2.5-30.5cm）を食たべる。ほとんどどのような小しょう魚さかな（餌えさの約やく80-90%）もしくは他たの小ちいさな海洋かいよう種しゅ（多おおくはイカ）でも捕とっている。各種かくしゅのタラ、キュウリウオ (Smelt) 、ニシン属ぞくの種たねは最もっとも頻繁ひんぱんに捕とらえる。^[7]

力強ちからづよく機敏きびんに飛翔ひしょうするが、離陸りりくや着陸ちゃくりくは下手へたである。

卵たまごや雛ひなの捕食ほしょく者しゃとしてはオオカモメやセグロカモメ、ワタリガラス、オコジョ、アカギツネなどがいる。成鳥せいちょうの唯一ゆいいつ知しられる天敵てんてきはハクトウワシであり、大型おおがたのサメやアザラシは海うみでカツオドリをまず捕とらえたりはしない。^[8]

人間にんげんとの関係かんけい

イギリスでは、シロカツオドリは保護ほご種しゅである。しかし、法的ほうてき例外れいがいとしてルイス島とうのネス（Ness、別名べつめい Nìs）地域ちいきの住民じゅうみんが、伝統でんとう的てきな地元じもと料理りょうり（味あじは魚さかなのようといわれる）として食たべるために、毎年まいとし、最大さいだい2,000羽わのシロカツオドリ（地元じもとでは guga として知しられる）を殺ころしてもよいと認みとめられている。^[9]

これらのシロカツオドリの多おおくはスーラ・スゲア (Sula Sgeir) でとられ、それらの名なにちなんで名付なづけられている（súla = カツオドリ、sker = 岩礁がんしょうの意い）。

シロカツオドリの個体こたい数すうは現在げんざい安定あんていしているが、かつて生息せいそく地ちの減少げんしょう、卵たまごの除去じょきょ、成鳥せいちょうの狩猟しゅりょうにより大幅おおはばにその数かずを減へらした。

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ Cramp, Stanley., K. E. L. Simmons (1977). Handbook of the Birds of Europe, the Middle East, and North Africa: The Birds of the Western Palearctic. ISBN 0198573588
^ ^a ^b ^c 山岸やまぎし哲あきら監修かんしゅう、コリン・ハリソン、アラン・グリーンスミス『鳥とりの写真しゃしん図鑑ずかん』、日本にほんヴォぉーグ社ぐしゃ、1995年ねん、55頁ぺーじ。 ISBN 4-529-02562-4。
^ ^a ^b ^c Peter Harrison, SEABIRDS an identification guide, (Paperback, 1985) p. 106, p.288. ISBN 0-395-60291-2.
^ ^a ^b Lars Svensson, Killian Mullarney, Dan Zetterstrom, Collins Bird Guide 2nd Edition (Paperback, 2010) p. 76. ISBN 978-0-00-726814-6.
^ David Allen Sibley, The SIBLAY guide to Birds, National Audubon Society, (2000) p. 54. ISBN 0-679-45122-6
^ 三省堂さんせいどう編修へんしゅう所しょ・吉井よしい正ただし『三省堂さんせいどう世界せかい鳥とり名めい事典じてん』、三省堂さんせいどう、2005年ねん、271頁ぺーじ。
^ Mowbray, Thomas B.. “Northern Gannet — Food Habits — Birds of North America Online”. Bna.birds.cornell.edu. 2012年ねん3月がつ21日にち閲覧えつらん。
^ Mowbray, Thomas B.. “Northern Gannet — Behavior — Birds of North America Online”. Bna.birds.cornell.edu. 2012年ねん3月がつ21日にち閲覧えつらん。
^ Culture Hebrides - Island holidays in the Gaelic Heartland of Scotland The Rough Guide to Scottish Highlands and Islands

外部がいぶリンク

BirdLife International 2004. Morus bassanus. In: IUCN 2006. 2006 IUCN Red List of Threatened Species.
Live camera from Eldey, Iceland
Northern Gannets Pictures from Faroe Islands
BTO BirdFacts - Northern Gannet
Northern Gannet videos, photos & sounds on the Internet Bird Collection
Northern Gannet Photographs South Dakota Birds and Birding
Stamps
Northern Gannet photo gallery VIREO
Northern Gannets Pictures

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[1] Cramp, Stanley., K. E. L. Simmons (1977). Handbook of the Birds of Europe, the Middle East, and North Africa: The Birds of the Western Palearctic. ISBN 0198573588

[BD800-2] 山岸やまぎし哲あきら監修かんしゅう、コリン・ハリソン、アラン・グリーンスミス『鳥とりの写真しゃしん図鑑ずかん』、日本にほんヴォぉーグ社ぐしゃ、1995年ねん、55頁ぺーじ。 ISBN 4-529-02562-4。

[SB85-3] Peter Harrison, SEABIRDS an identification guide, (Paperback, 1985) p. 106, p.288. ISBN 0-395-60291-2.

[BG2nd-4] Lars Svensson, Killian Mullarney, Dan Zetterstrom, Collins Bird Guide 2nd Edition (Paperback, 2010) p. 76. ISBN 978-0-00-726814-6.

[5] David Allen Sibley, The SIBLAY guide to Birds, National Audubon Society, (2000) p. 54. ISBN 0-679-45122-6

[san05-6] 三省堂さんせいどう編修へんしゅう所しょ・吉井よしい正ただし『三省堂さんせいどう世界せかい鳥とり名めい事典じてん』、三省堂さんせいどう、2005年ねん、271頁ぺーじ。

[7] Mowbray, Thomas B.. “Northern Gannet — Food Habits — Birds of North America Online”. Bna.birds.cornell.edu. 2012年ねん3月がつ21日にち閲覧えつらん。

[8] Mowbray, Thomas B.. “Northern Gannet — Behavior — Birds of North America Online”. Bna.birds.cornell.edu. 2012年ねん3月がつ21日にち閲覧えつらん。

[9] Culture Hebrides - Island holidays in the Gaelic Heartland of Scotland The Rough Guide to Scottish Highlands and Islands

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