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ジネディーヌ・ジダン - Wikipedia
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ジネディーヌ・ジダン

フランスのサッカー選手せんしゅ・監督かんとく (1972-)

ジネディーヌ・ヤジッド・ジダン（仏ふつ: Zinedine Yazid Zidane 発音はつおん例れい、カビル語ご：Zinəddin Lyazid Zidan、阿おもね: زين الدين يزيد زيدان‎、1972年ねん6月23日にち - ）は、フランスの元もとサッカー選手せんしゅ、現げんサッカー指導しどう者しゃ。元もとフランス代表だいひょう。現役げんえき時代じだいのポジションはミッドフィールダー（攻撃こうげき的てきミッドフィールダー、左ひだりミッドフィールダー）[2]。愛称あいしょう：ジズー（Zizou）[4][5]。

ジネディーヌ・ジダン
2017年ねんのジダン
名前なまえ
本名ほんみょう ジネディーヌ・ヤジッド・ジダン
Zinedine Yazid Zidane
愛称あいしょう ジズー（Zizou）
ラテン文字もじ Zinedine Zidane
基本きほん情報じょうほう
国籍こくせき フランスの旗 フランス
アルジェリアの旗 アルジェリア
生年月日せいねんがっぴ (1972-06-23) 1972年ねん6月23日にち（52歳さい）
出身しゅっしん地ち マルセイユ
身長しんちょう 185 cm
体重たいじゅう 80 kg
選手せんしゅ情報じょうほう
ポジション MF（AMF, LMF）[1][2]
利きき足あし 右足みぎあし
ユース
1982-1983 フランスの旗 USサン=タンリ
1983-1986 フランスの旗 SOセプテーム・レ・ヴァロン
1986-1988 フランスの旗 カンヌ
クラブ1
年とし クラブ 出場しゅつじょう (得点とくてん)
1988-1992 フランスの旗 カンヌ 61 (6)
1992-1996 フランスの旗 ボルドー 139 (28)
1996-2001 イタリアの旗 ユヴェントス 151 (24)
2001-2006 スペインの旗 レアル・マドリード 155 (37)
通算つうさん 506 (95)
代表だいひょう歴れき
1988-1989  フランス U-17 4 (1)
1989-1990 フランスの旗 フランス U-18 6 (0)
1990-1994  フランス U-21 20 (3)
1994-2006[3] フランスの旗 フランス 108 (31)
監督かんとく歴れき
2013-2014 スペインの旗 レアル・マドリードアシスタント
2014-2016 スペインの旗 レアル・マドリード・カスティージャ
2016-2018 スペインの旗 レアル・マドリード
2019-2021 スペインの旗 レアル・マドリード
獲得かくとくメダル
男子だんし サッカー
 フランス
FIFAワールドカップ
金きむ 1998 フランス
銀ぎん 2006 ドイツ
UEFA EURO
金きむ 2000 ベルギー・オランダ
1. 国内こくないリーグ戦せんに限かぎる。
■テンプレート（■ノート ■解説かいせつ）■サッカー選手せんしゅpj

サッカー史上しじょう最高さいこうの選手せんしゅの1人ひとりとみなされている。選手せんしゅとしては、1989年ねんから2006年ねんまで司令塔しれいとうの役割やくわりだった。FIFA最優秀さいゆうしゅう選手せんしゅ賞しょう、バロンドール、ゴールデンボール賞しょうなどの個人こじんタイトルに加くわえ、所属しょぞくチームではワールドカップ、欧州おうしゅう選手権せんしゅけん、チャンピオンズリーグ、リーガ、セリエAなどの主要しゅようタイトルをすべて獲得かくとくした。UEFAゴールデンジュビリーポールでは、フランツ・ベッケンバウアーやヨハン・クライフらを抑おさえて1位いに選えらばれた[6]。FIFA100選せんにも名なを連つらねている。

監督かんとくとしてもレアル・マドリードの助監督じょかんとくやBチームの監督かんとくを務つとめた後のちにトップチームの監督かんとくに就任しゅうにん。2016年ねん1月がつ4日にちトップチームに就任しゅうにんすると、1年ねん目めでクラブをチャンピオンズリーグ制覇せいはに導みちびいた。2017年ねんには、史上しじょう初はじめてとなるチャンピオンズリーグ連覇れんぱを達成たっせいし、選手せんしゅ、監督かんとく双方そうほうでオンズドール、FIFA最優秀さいゆうしゅう賞しょうを受賞じゅしょうした初はじめての人物じんぶつとなった。レアル・マドリードへ史上しじょう初はつとなるチャンピオンズリーグ3連覇れんぱなど数々かずかずのタイトルをもたらし、2018年ねん5月31日にちに自みずから辞任じにんした。しかし成績せいせき不振ふしんのチームを立たて直なおすため、再ふたたび2019年ねん3月11日にちトップチームの監督かんとくに就任しゅうにんし、2020-21シーズン終了しゅうりょうまで指揮しきを取とった。

アルジェリアの少数しょうすう民族みんぞくカビール人じん（→ベルベル人じん）の両親りょうしんの元もとに生うまれたため、フランスでは「北きたアフリカ移民いみんの星ほし」としての象徴しょうちょう的てきな人気にんきもある[7][8]。

誕生たんじょうから幼少ようしょう期き

編集へんしゅう

兄あに5人にんと姉あね1人にんと、ジダンの7人にん兄けい姉あね弟おとうとの末すえっ子ことしてフランスマルセイユで生うまれた。両親りょうしんは、アルジェリア独立どくりつ戦争せんそうが起おきる少すこし前まえの1953年ねんにフランス領りょうアルジェリアからパリに移住いじゅうしてきた少数しょうすう民族みんぞくベルベル人じんで、一家いっかは1968年ねんから港町みなとちょうマルセイユ北部ほくぶの北きたアフリカ移民いみんが集あつまって住すむ一角いっかくで暮くらし始はじめ、やがて1972年ねんにジダンが生うまれた。

父ちちのイスマイルは倉庫そうこ番ばんとデパートの夜間やかん警備けいび員いんで、母ははのマリカは主婦しゅふだった。一家いっかが居住きょじゅうしていたカステラン地区ちくという場所ばしょは、失業しつぎょう率りつが高たかく、犯罪はんざい発生はっせい率りつも高たかい区域くいきだったが、一家いっかの暮くらしは快適かいてきな方ほうだった。ジダンが5歳さいの頃ころに兄あにや近所きんじょの子こどもたちと家いえの近ちかくにあった800平米へいべい「おおよそバスケットコート２面めん分ぶんの広ひろさ」ほどの広場ひろばでサッカーを始はじめた。これがジダンとサッカーの出会であいだった。兄あにたちのうち、三さん兄けいのノルディーヌは自身じしんと同おなじくらいサッカーの素質そしつがあったという[9]。

オリンピック・マルセイユのファンであり、特とくにブラジュ・スリシュコヴィッチ（英語えいご版ばん）、エンツォ・フランチェスコリやジャン＝ピエール・パパンがお気きに入いりだった[10]。子供こども時代じだいは父親ちちおやの影響えいきょうで柔道じゅうどうもしており[11]、11歳さいの時ときに茶ちゃ帯たいだった[12]。

選手せんしゅ経歴けいれき

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クラブ

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プロ入いり前まえ

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9歳さいで地元じもとクラブのASフォレスタに加入かにゅうすると、すぐにその才能さいのうを認みとめられチームキャプテンに抜擢ばってきされた。10歳さいの時ときには隣となりの地域ちいきにあるUSサン=タンリというASフォレスタよりも格かく上じょうのチームの一員いちいんとなった。

1983年ねんに、SOセプテーム・レ・ヴァロンに加入かにゅうした。しばしばプロヴァンス地方ちほうの選抜せんばつチームでもプレーしたが、多おおくの出場しゅつじょう機会きかいには恵めぐまれなかった[13]。14歳さいの時ときに参加さんかしたエクス＝アン＝プロヴァンスでの3日間にちかんのトレーニングキャンプで、ASカンヌのスカウトであるジャン・ヴァローの目めに止とまった。再ふたたびヴァローが見みに来きた試合しあい、ジダンは他た選手せんしゅの欠場けつじょうによってリベロのポジションに入はいり、決けっしていいプレーを見みせることはできなかったものの、ヴァローはカンヌでのトレーニングをジダンに提案ていあんした[14]。マルセイユを離はなれてカンヌでホームステイをする提案ていあんにジダンの父親ちちおやは反対はんたいしたが、貧まずしかった一家いっかでは受うけられない教育きょういくを受うけさせることができると考かんがえた母親ははおやはこれに賛同さんどうし、ジダンはマルセイユを離はなれることになった[15]。

カンヌ

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家族かぞくの元もとを離はなれてカンヌのユースに加入かにゅうし、1988年ねんにトップチームとプロ契約けいやくした。しかし1988-89シーズンのカンヌに当時とうじ16歳さいのジダンを出場しゅつじょうさせる余裕よゆうはなく、経験けいけん豊富ほうふな選手せんしゅを重宝ちょうほうした。残留ざんりゅうを確保かくほし、リーグ戦せん残のこり2試合しあいで迎むかえたFCナント戦せんで初はつ招集しょうしゅうを受うけ、試合しあい時間じかん残のこり12分ふんのところで初はつ出場しゅつじょうを果はたした。ジダンはゴールポストに直撃ちょくげきするシュートを放はなち、資質ししつの片鱗へんりんを見みせた[11][16]。翌よくシーズン、ジダンはリザーブチームと共ともに4部ぶリーグでプレーするよう命めいじられた[17]。

3年ねん目めの第だい3節せつAJオセール戦せんで先発せんぱつ出場しゅつじょうしたが、ジダンはパスミスによって観客かんきゃくからブーイングを受うけるなどし、0-3で敗戦はいせんした。その後ご4試合しあい先発せんぱつから外はずされた後のちにFCナント戦せんで復帰ふっき。1990年ねん9月がつ23日にち、地元じもとクラブでありサポーターもしていたオリンピック・マルセイユとの試合しあいでも活躍かつやくを見みせ、この試合しあいをきっかけにジダンは輝かがやきを取とり戻もどした。オセールとの2試合しあい目めでは3-0で勝利しょうりして雪辱せつじょくを果はたし、11月24日にちから3月がつ23日にちまで14連勝れんしょうした。1991年ねん2月がつ10日とおかのナント戦せんでプロ初はつ得点とくてんを挙あげ、それに対たいする特別とくべつボーナスとして会長かいちょうからルノー・クリオをプレゼントされた。3月24日にちのオリンピック・マルセイユ戦せんでは試合しあいにこそ敗やぶれたものの、フランス・フットボールから「ディビジョン1で最もっとも才能さいのうに恵めぐまれた選手せんしゅ」と評ひょうされた[18]。1991-92シーズンは、UEFAカップでの躓つまずきがきっかけでチームは勢いきおいを失うしない、リーグの前半ぜんはん戦せん終了しゅうりょう時じで17位いと低迷ていめい。パリで兵役へいえきに参加さんかしていたジダンの疲労ひろうも深刻しんこくであったが、それでも試合しあいによっては輝かがやきを放はなった。

ボルドー

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シーズン終了しゅうりょう後ご、350万まんフラン+4選手せんしゅでFCジロンダン・ボルドーへ移籍いせき[19]。

移籍いせき初はつシーズンは、左ひだりの守備しゅび的てきMFとしてプレー。35試合しあいに出場しゅつじょうして10得点とくてんを挙あげ、UEFAカップ出場しゅつじょう権けんを得えた。1994年ねんにはリーグ・アンの最優秀さいゆうしゅう若手わかて選手せんしゅに選えらばれた。1995年ねん、ブラックバーン・ローヴァーズFCの監督かんとくをしていたケニー・ダルグリッシュがジダンとクリストフ・デュガリーの獲得かくとくに興味きょうみを示しめすも、会長かいちょうは「ティム・シャーウッドがいるのに何故なぜジダンを欲ほしがるのか?」と語かたり、獲得かくとくすることはなかった[20]。1996年ねんにはインタートトカップを勝かち上あがり出場しゅつじょうしたUEFAカップで決勝けっしょうまで進出しんしゅつ。4回戦かいせんレアル・ベティス戦せんでの35メートルのシュートや3-0で勝利しょうりを収おさめた準々じゅんじゅん決勝けっしょうACミラン戦たたかえ2nd legなど好調こうちょうなプレーを披露ひろう。決勝けっしょうでは敗やぶれたものの、ユヴェントスの首脳しゅのう陣じんをして「ミシェル・プラティニの後継こうけい者しゃをみつけた」と言いわしめた[11]。

ユヴェントス

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1996年ねん7月がつに移籍いせき金きん3500万まんフランでユヴェントスへ移籍いせき。「海兵かいへい隊長たいちょう」のニックネームで呼よばれるフィジカルコーチのジャンピエロ・ヴェントローネのフィジカルトレーニングとメディカルスタッフのケアによって強靭きょうじんな肉体にくたいを手てに入いれた[21]。加入かにゅう当初とうしょは厳きびしいトレーニングで疲つかれ、何なん度どか吐はきそうになったという[22]。コッパ・イタリア2回戦かいせんのフィデーリス・アンドリア戦せんで公式こうしき戦せんデビュー、9月8日にちのレジアナ戦せんでセリエAデビューした[22]。第だい3節せつのペルージャ戦せんではレッドカードで退場たいじょう処分しょぶんとなるなど、当初とうしょは本来ほんらいの実力じつりょくを発はつ輝てる出来できずにいた[22]。このことから多おおくの批判ひはんを受うけたものの、当時とうじ監督かんとくだったマルチェロ・リッピはジダンを起用きようし続つづけた[23][24]。リッピはジダンの最もっとも適てきしたポジションを試行しこう錯誤さくごし、当初とうしょのセントラルMFから2トップの下したの攻撃こうげき的てきなポジションに置おいた。そのことから徐々じょじょにチームに順応じゅんのうし、10月がつ20日はつかのインテル戦せんで移籍いせき後ご初はつ得点とくてんを挙あげた[22]。この試合しあいをきっかけにユヴェントスのファンから認みとめられ始はじめた。試合しあい前まえにチームメイトのラファエレ・アメトラーノ（英語えいご版ばん）から「今日きょう、お前まえはゴールを決きめて俺おれ達たちを勝かたせる」と言いわれていたジダンは、得点とくてんを決きめた後のちベンチのアメトラーノを指ゆびさして駆かけ寄より抱擁ほうようを交かわした[25]。このシーズン、ユヴェントスはセリエA、インターコンチネンタルカップ優勝ゆうしょうを飾かざり、ジダンはキャリア初はつのメジャータイトルを獲得かくとくした。しかし、UEFAチャンピオンズリーグでは準決勝じゅんけっしょうのアヤックス戦たたかえ、第だい2戦せんで1ゴール2アシストの活躍かつやくを見みせたが、決勝けっしょうでボルシア・ドルトムントに敗やぶれた[22]。このシーズンは公式こうしき戦せん44試合しあいで7得点とくてんを記録きろくした[22]。

その後ご、ユヴェントスには5シーズン在籍ざいせきし、デルピッポと称しょうされたアレッサンドロ・デル・ピエロとフィリッポ・インザーギの2トップを操あやつるトップ下かの位置いちでプレー。2度どのリーグ優勝ゆうしょうに貢献こうけんしたほか、UEFAチャンピオンズリーグにも1996-97、1997-98シーズンと2年ねん連続れんぞくで決勝けっしょう進出しんしゅつを果はたした。しかし、ジダンが移籍いせきする前まえの1995-96シーズンでユヴェントスはUEFAチャンピオンズリーグを優勝ゆうしょうしており、レキップ紙かみはジダンを不吉ふきつの象徴しょうちょうとして黒くろ猫ねこと呼よんだ[26]。

1997-98シーズン、公式こうしき戦せん44試合しあいで11得点とくてんを挙あげ、確かくたるプレーを見みせて地位ちいを確立かくりつ、リーグ優勝ゆうしょうも果はたした[22]。1999-2000シーズン、ジダンは好調こうちょうを維持いじし、クラブも第だい26節せつ終了しゅうりょう時点じてんで17勝しょう8分ふん1敗はいの成績せいせきでシーズンのほとんどで1位いをキープ。しかし最終さいしゅう8試合しあいで4敗はいを喫きっし、最終さいしゅう節ぶしのペルージャ戦せんでも0-1で敗戦はいせん。2位いのSSラツィオが勝利しょうりしたため、勝かち点てん1差さで優勝ゆうしょうを逃のがした。ジダンは「私わたしたちは1年間ねんかんこつこつとつらい仕事しごとをしてきたが、最終さいしゅう節ぶしですべてを失うしなった。こんなことならもっと早はやく負まけていればよかった」と無念むねんさを滲にじませた[27]。翌よくシーズン、カルロ・アンチェロッティは3ボランチを置おくフランス代表だいひょうに近ちかいフォーメーションを敷しき、同郷どうきょうのダビド・トレゼゲも加入かにゅうした。ユヴェントスは上々じょうじょうのスタートであったが、2000年ねん10月がつ25日にち、UEFAチャンピオンズリーグのハンブルガーSV戦せんでジダンはヨヘン・キーンツのファウルに対たいして頭あたま突とっきの報復ほうふく行為こういを行おこなったことによって5試合しあいの出場しゅつじょう停止ていし処分しょぶんを受うけた。この試合しあいではエドガー・ダーヴィッツもレッドカードを受うけて9人にんでの戦たたかいを強しいられ、1-3で敗北はいぼくした。その翌日よくじつのガゼッタ・デロ・スポルトでは「ジダンとダーヴィッツがユーヴェを沈しずませた」との見出みだしで批判ひはんされた。2週間しゅうかん後ごのパナシナイコスFC戦せんでもユヴェントスは負まけ、UEFAチャンピオンズリーグを予選よせん敗退はいたいした。また、より開放かいほう的てきでテクニカルなスペインリーグでのプレーを望のぞんだことやスペイン人じんの夫人ふじんが母国ぼこくで暮くらすためにイタリアを離はなれたがっていたことなどから、クラブに何なん度ども移籍いせきを訴うったえた。ユヴェントスのオーナーであったジャンニ・アニェッリは、「問題もんだいはジダンじゃなくて奥方おくがたにある。私わたしには彼女かのじょをどうすることもできない」と語かたっていた[28]。

レアル・マドリード

編集へんしゅう

2000年ねん8月がつ23日にち、モナコで行おこなわれた欧州おうしゅうサッカー連盟れんめいのレセプションで偶然ぐうぜんレアル・マドリード会長かいちょうのフロレンティーノ・ペレスが同おなじテーブルとなった。その際さいにペレスは「レアル・マドリードに来きたいか?」と英語えいごで書かいた紙かみナプキンをジダンに見みせて問とい、ジダンはそれに「イエス」となぐり書がきして答ごたえた[29]。2001年ねん7月がつ、当時とうじ史上しじょう最高さいこう額がくとなる9000万まんユーロの移籍いせき金きんでレアル・マドリードに移籍いせき[11]。

 
レアル・マドリードでのジダン（2005年ねん）

ジダンはユヴェントス時代じだいと同おなじ背番号せばんごう21番ばんを望のぞんでいたが、サンティアゴ・ソラーリがすでに使用しようしていたことやペレスが大おおきな背番号せばんごうをつけることを好このまなかったこともあり[30]前年ぜんねんに引退いんたいしたキャプテンであるマヌエル・サンチスの5番ばんを継ついだ[31]。当時とうじのクラブと代表だいひょう双方そうほうでキャプテンを務つとめていたフェルナンド・イエロやツートップを組くんでいたラウル・ゴンサレスとフェルナンド・モリエンテス、また超ちょう攻撃こうげき的てき左ひだりサイドバックのロベルト・カルロスや自身じしんと同おなじくバロンドール受賞じゅしょう経験けいけん者しゃのルイス・フィーゴら豪華ごうかなタレントを擁ようし、銀河系ぎんがけい軍団ぐんだんと称しょうされたチームの攻撃こうげき陣じんの中心ちゅうしんとして活躍かつやくした[32]。また、当時とうじのレアル・マドリードの補強ほきょう、チーム作づくりの方針ほうしんは「ジダネス&パボネス」（ジダンなどのスター選手せんしゅとフランシスコ・パボンなどのカンテラ選手せんしゅの共存きょうぞん）と呼よばれた。

加入かにゅう当初とうしょは親したしい友人ゆうじんに「こんなことなら引退いんたいしてしまいたい」とこぼしたほどマスコミからのプレッシャーに追おい詰つめられ、スペインでの生活せいかつへの順応じゅんのうにも苦戦くせんしていたが徐々じょじょにチームに馴染なじみ、特とくに2001-02シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ決勝けっしょう戦せん、バイエル・レバークーゼン戦せんでの決勝けっしょう点てんとなったボレーシュートは、CNNなどのメディアでサッカー史上しじょう最もっとも素晴すばらしいゴールの一ひとつと評価ひょうかされ[33]、「永遠えいえんに伝説でんせつとして語かたられることになるゴール」（レキップ）、「ジダンは神かみに祝福しゅくふくされている」（フランス・フットボール）と賞賛しょうさんされた[34]。1対たい1の同点どうてんで迎むかえた前半ぜんはん44分ふん、ロベルト・カルロスが左ひだりサイドから送おくった山やまなりのボールを、ペナルティエリアの外そとから左足ひだりあしでダイレクトボレーシュート。ボールは綺麗きれいな弧こを描えがきゴール左上ひだりうえ隅すみに突つき刺ささった。このゴールが決勝けっしょう点てんとなり、ジダンはキャリア初はつのUEFAチャンピオンズリーグ制覇せいはを成なし遂とげた[35]。

2002-03シーズンは自身じしんと同おなじくバロンドール受賞じゅしょう経験けいけん者しゃのロナウドが加入かにゅうし、リーガ・エスパニョーラ、UEFAスーパーカップ、インターコンチネンタルカップ制覇せいはの3冠かんを達成たっせい。2003年ねんは自身じしん3度目どめとなるFIFA最優秀さいゆうしゅう選手せんしゅ賞しょうを受賞じゅしょうした。

彼かれはボールを支配しはいし、スペクタクルに動うごき、両足りょうあしにシルクの手袋てぶくろをつけているかのようにプレーする。 彼かれを観みるためにスタジアムに足あしを運はこぶ価値かちがある、私わたしが今いままで見みた中なかで最高さいこうの選手せんしゅの一人ひとりだ。 — アルフレッド・ディ・ステファノ

2003-04シーズンは2試合しあい合計ごうけい4-2でRCDマヨルカを下くだしスーペルコパ・デ・エスパーニャを手てにしたが、それがレアル・マドリードにおいてジダンの最後さいごのタイトルとなった。

ジダンの最終さいしゅうシーズン、セビージャFCを相手あいてにキャリア初はつのハットトリックを達成たっせいした[36]。2005-06シーズンの途中とちゅうに、2006 FIFAワールドカップでの引退いんたいを発表はっぴょう。2006年ねん5月がつ7日にち、エスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウでの最終さいしゅう戦せんとなるビジャレアルCF戦前せんぜんに行おこなわれた引退いんたい式しきでは8万まん人にんを超こえるファンが集あつまり、クラブもその日ひのために「Zidane 2001-2006」と刺繍ししゅうされたユニフォームを用意よういした。その試合しあいではデビッド・ベッカムのクロスから得点とくてんも決きめた。試合しあい終了しゅうりょう1分ふん前まえにフアン・ラモン・ロペス・カロはジダンを交代こうたいさせ、花道かどうを提供ていきょうした。その後ご、スタンド下かの通路つうろでフアン・ロマン・リケルメと抱擁ほうようし、ユニフォーム交換こうかんを行おこなった[37]。ジダンの最終さいしゅうシーズンは、リーグ28試合しあいでチームトップであるロナウドに次つぐ9得点とくてん、デビッド・ベッカムと並ならんでチームトップタイの10アシストを記録きろくした[38]。ワールドカップ後ごに現役げんえきを引退いんたいした。

フランス代表だいひょう

編集へんしゅう

1988年ねん、スペインのマラガで行おこなわれたU-16欧州おうしゅう選手権せんしゅけんで、初はじめてフランス代表だいひょうとしてプレーした。しかし、フランスは予選落よせんおちしてしまい、ジダン自身じしんも良よい結果けっかを残のこすことができなかった[39]。その後ごも様々さまざまなカテゴリでフランス代表だいひょうに選えらばれた。

 
ジダンのフランス代表だいひょうユニフォーム

1994年ねん8月がつ17日にち、チェコ戦せんでA代表だいひょうデビュー。ユーリ・ジョルカエフの負傷ふしょうによって追加ついか招集しょうしゅうされたジダンは、2点てんビハインドの状態じょうたいでコランタン・マルタンに代かわり後半こうはん18分ふんから出場しゅつじょう。途中とちゅう出場しゅつじょうながら2得点とくてんを挙あげ[40]、この試合しあいをきっかけに代表だいひょうに定着ていちゃくした。UEFA EURO '96予選よせん、ジダンは最初さいしょの2試合しあいに途中とちゅう出場しゅつじょうしたが、2試合しあいとも引ひき分わけに終おわり、その後ごの数すう試合しあいは出場しゅつじょう機会きかいを与あたえられなかった。1995年ねん4月がつ26日にちのスロバキア戦せんで再ふたたび招集しょうしゅうされると、「キャリアの中なかで最もっとも重要じゅうような試合しあいになる」と語かたったこの試合しあいで正せいポジションを得えたジダンは、フランスの4得点とくてんのうち2得点とくてんに絡からんだ[41]。10月11日にちにブカレストでのルーマニア戦せんでは、ジダンのハーフボレーでのゴールなどで3-1とホームで5年間ねんかん無敗むはいを誇ほこったルーマニアを破やぶった。最終さいしゅう戦せんサッカーイスラエル代表だいひょう戦せんでも2-0で勝利しょうりし、UEFA EURO '96出場しゅつじょう権けんを得えた。これらの活躍かつやくによってジダンは代表だいひょうでの地位ちいを磐石ばんじゃくのものとした[42]。

1996年ねんのEURO1996直前ちょくぜん、ジダンは運転うんてん中ちゅうに事故じこを起おこした[43]。大会たいかいまでに怪我けがは回復かいふくしたもののコンディションは悪わるかったが、中心ちゅうしん選手せんしゅの一人ひとりとして臨のぞみ、全ぜん試合しあいに出場しゅつじょう、チームはベスト4に進すすんだが、チェコにPKの末すえに敗やぶれた[43]。自身じしんは「ずっと痛いたみを抱かかえながらプレーしており、準決勝じゅんけっしょうでは出場しゅつじょうを自みずから辞退じたいしようとした」と語かたっている[44]。

1998年ねん、1月がつ28日にちにスタッド・ド・フランスのこけら落おとしとなるスペイン戦せんではその日ひ唯一ゆいいつの得点とくてんを挙あげた。同年どうねん地元じもとフランスで開催かいさいされたワールドカップに出場しゅつじょう。グループステージ初戦しょせん南みなみアフリカ戦せんは勝利しょうりを収おさめたが、ジダンは2戦せん目めサウジアラビア戦せんで相手あいてキャプテンのフアド・アミンを踏ふみつけ、一発いっぱつ退場たいじょうとなってしまう[45]。ジダンを欠かいたフランス代表だいひょうであったがグループリーグ最終さいしゅう戦せんでデンマークを2-1で下くだし、3戦せん全勝ぜんしょうでグループリーグ突破とっぱ。その後ごもフランス代表だいひょうは勝かち進すすみ、決勝けっしょう戦せんでジダンはヘディングで2得点とくてんをあげるなどの活躍かつやくをし、フランスの初はつ優勝ゆうしょうに大おおきく貢献こうけんした。その後ご、優勝ゆうしょうのおいの際さいにエッフェル塔えっふぇるとうにジダンの顔かおが掲かかげられた[46]。この活躍かつやくで名なを上あげたジダンは、この年としのバロンドール、FIFA最優秀さいゆうしゅう選手せんしゅ賞しょうを受賞じゅしょう。W杯はいで優勝ゆうしょうした22人にんのメンバー、監督かんとくはレジオンドヌール勲章くんしょうのシュヴァリエ（Chevalier、騎士きし）の階級かいきゅうを与あたえられた[47]。UEFA EURO 2000でも優勝ゆうしょうし、大会たいかい最優秀さいゆうしゅう選手せんしゅ、そして2度目どめのFIFA最優秀さいゆうしゅう選手せんしゅ賞しょうを受賞じゅしょうした。

前回ぜんかい王者おうじゃとして臨のぞんだ2002年ねん、FIFAワールドカップ・日にち韓かん大会たいかいでは大会たいかい直前ちょくぜんの韓国かんこくとの親善しんぜん試合しあいで左ひだり太ふともも肉離にくばなれを起おこし、さらにその試合しあいで受うけたタックルによって膝ひざも痛いためてしまった[48]。その影響えいきょうでワールドカップ本戦ほんせんには包帯ほうたいを巻まいて強行きょうこう出場しゅつじょうしたデンマーク戦せん1試合しあいの出場しゅつじょうにとどまり、フランス代表だいひょうも2敗はい1分ぶんの成績せいせきでグループリーグで敗退はいたいした[49]。

2004年ねんに行おこなわれたEURO2004初戦しょせんのイングランド戦せんでは、1点てんをリードされて迎むかえた後半こうはん90分ふんにジダンのフリーキックから同点どうてんにすると、その2分ふん後ごにティエリ・アンリの得えたPKをジダンが決きめて劇的げきてきな逆転ぎゃくてん勝利しょうりを果はたした。しかしその後ごのフランスは精彩せいさいを欠かき、ジダンは大会たいかい3得点とくてんを挙あげるも、代表だいひょうはベスト8で敗退はいたい。大会たいかい終了しゅうりょう後ごの8月がつ、自身じしんのホームページでのインタビューにて、有望ゆうぼうな若手わかて選手せんしゅに道みちを譲ゆずるために代表だいひょう引退いんたいを発表はっぴょうした[50]。

 
2006W杯はい決勝けっしょう

2005年ねん、フランスがFIFAワールドカップ・ドイツ大会たいかい予選よせん敗退はいたいの危機ききに陥おちいるとレイモン・ドメネク監督かんとくやキャプテンのパトリック・ヴィエラの説得せっとくを受うけ、ジダンを代表だいひょうデビューさせたジャケが公式こうしきの場ばで引退いんたいを悔くやみ、更さらにはジャック・シラク大統領だいとうりょうやスポーツ大臣だいじんのジャン=フランソワ・ラムールが代表だいひょう復帰ふっきのために尽力じんりょくすると言いった。そうした後押あとおしの中なかでクロード・マケレレ、リリアン・テュラムと共ともにフランス代表だいひょうに復帰ふっきすることをオフィシャルサイトで表明ひょうめい[51][52]。携帯けいたい電話でんわ会社かいしゃのオレンジグループは、代表だいひょう復帰ふっき発表はっぴょうの翌日よくじつに、フランスの新聞しんぶん各紙かくしに「Tu nous as tellement manque!（あなたがいなくてどれだけ寂さびしかったか!）」という広告こうこくと共ともにジダンのインタビューが有料ゆうりょうで聞きくことができる電話でんわ番号ばんごうを掲載けいさい[53]。レキップ紙かみは「彼かれが戻もどってくる!」と見出みだしを掲かかげ、国家こっか的てきな大だい事件じけんとして扱あつかわれた[54]。復帰ふっき発表はっぴょうの2週間しゅうかん後ごに行おこなわれたフランス世論せろん研究所けんきゅうじょの調査ちょうさでは、73%の人ひとがワールドカップ本ほん大会たいかいに出場しゅつじょうできると答こたえた。復帰ふっき後ご初戦しょせんのコートジボワール戦せんでは3-0での勝利しょうりに貢献こうけん。アンリは「神かみが帰かえってきた」とコメントした[55]。ヴィエラからキャプテンマークを譲ゆずり受うけ、予選よせん敗退はいたい危機ききにあったフランスを本ほん大会たいかい出場しゅつじょうへ導みちびいた。

大会たいかい後ごの引退いんたいを公言こうげんして臨のぞんだ本ほん大会たいかいでは、グループリーグ序盤じょばんでは低調ていちょうだったものの、試合しあいを重かさねるごとに復調ふくちょうし、フランスも決勝けっしょう戦せんまで進出しんしゅつした。準々じゅんじゅん決勝けっしょうブラジル戦せんではアンリの決勝けっしょうゴールをアシストし、この試合しあいのMVPに選えらばれた。これまでジダンのアシストからアンリがゴールを決きめる場面ばめんは、共ともに出場しゅつじょうしたフランス代表だいひょう55試合しあいで1つもなく、メディアからの批判ひはんを受うけていたが[56]、これが初はじめてにして唯一ゆいいつのアシストとなった。試合しあい後ご、ペレはジダンについて「魔法使まほうつかいだった」と賞賛しょうさんした。準決勝じゅんけっしょうはリカルド・カルヴァーリョがアンリを倒たおしたことによって得えたPKを決きめ、その得点とくてんが決勝けっしょう点てんとなってポルトガル代表だいひょうを下くだした。これによりポルトガル代表だいひょうの19連勝れんしょう及および前回ぜんかい大会たいかいでブラジル代表だいひょうを率ひきいていたルイス・フェリペ・スコラーリのワールドカップ12試合しあい負まけなしの記録きろくをストップさせた[57]。試合しあい後ごは、レアル・マドリード時代じだいのチームメイトであり共ともにキャプテンを務つとめていたルイス・フィーゴとユニフォーム交換こうかんを行おこなった。

決勝けっしょうのイタリア戦せんではジャンルイジ・ブッフォンに対たいしてパネンカと呼よばれるチップキックでPKを決きめ、キャリア最後さいごとなる得点とくてんで先制せんせい点てんを挙あげた。延長えんちょう戦せん後半こうはん、マルコ・マテラッツィから何事なにごとか挑発ちょうはつされた際さいに頭あたま突とっきを食くらわせ、一発いっぱつ退場たいじょうとなって、現役げんえき最後さいごの試合しあいを終おえた。試合しあいはPK戦せんになりフランス代表だいひょうは負まけて準じゅん優勝ゆうしょうに終おわったが、大会たいかい中ちゅうの活躍かつやくが評価ひょうかされMVPを受賞じゅしょうした。また、試合しあい後ごにはジャック・シラク大統領だいとうりょうもコメントを残のこした。

昨夜さくやの試合しあいではたくさんの才能さいのうとプロフェッショナリズムを見みせてくれた。私わたしはあなたが悲かなしみ失望しつぼうしていることを知しっているが、私わたしがあなたに伝つたえたいのは、全ぜん国民こくみんがあなたを非常ひじょうに誇ほこりに思おもっているということだ。勝利しょうりした時ときだけでなく、難むずかしい時ときもあなたの卓越たくえつしたクオリティと素晴すばらしい闘志とうしによってこの国くにに名誉めいよを与あたえてくれた。 — ジャック・シラク[58]

この2006年ねんワールドカップ後ごの一連いちれんの騒動そうどうでは、マテラッツィがジダンの人種じんしゅや家族かぞくを侮辱ぶじょくした発言はつげんをしたという疑惑ぎわくが上あがり、ジダンの人種じんしゅ問題もんだいが取とり上あげられた[59][60]。

詳細しょうさいは「ジダン頭あたま突とっき事件じけん」を参照さんしょう

ワールドカップ通算つうさん12試合しあい5得点とくてん、欧州おうしゅう選手権せんしゅけん通算つうさん13試合しあい5得点とくてん。ワールドカップ決勝けっしょう通算つうさん3得点とくてんはヴァヴァ、ペレ、ジェフ・ハーストと並ならび史上しじょう最多さいたタイ、また2大会たいかいに渡わたる決勝けっしょう戦せんでのゴールはヴァヴァ、ペレ、パウル・ブライトナーに続つづき史上しじょう4人にん目め。

現役げんえき引退いんたい後ご

編集へんしゅう

ワールドカップ決勝けっしょうでの頭あたま突とっきにより、国際こくさいサッカー連盟れんめいから7500スイス・フラン（約やく70万まん円えん）の罰金ばっきんと3日間にちかんの社会しゃかい奉仕ほうし活動かつどうの処分しょぶんを科かせられた[61]。2006年ねん11月に、同年どうねんノーベル平和へいわ賞しょうを受賞じゅしょうしたムハマド・ユヌスに招まねかれるとともに、両親りょうしんの出身しゅっしん地ちであるアルジェリアの大統領だいとうりょうであるアブデルアジズ・ブーテフリカの元もとを訪たずねた。ブーテフリカからは、公式こうしきに面会めんかいの場ばを設もうけられた。

 
ダノンネーションズカップに出席しゅっせきしたジダン（2008年ねん）

引退いんたい後ごはフランスのテレビ放送ほうそう局きょくCanal+で解説かいせつ者しゃを務つとめていたが、2009年ねん6月がつ1日にち、自身じしんを呼よび寄よせたフロレンティーノ・ペレスが再ふたたびレアル・マドリードの会長かいちょうとなったことを受うけ、クラブアドバイザーに就任しゅうにんした[62]。その後ご、ジョゼ・モウリーニョにチームの近ちかくにいることを要請ようせいされ[63]、それを快諾かいだく。UEFAチャンピオンズリーググループリーグのアヤックス戦せんよりチームに同行どうこうすることとなった[64]。2011年ねん5月がつ、モウリーニョとの対立たいりつからクラブのゼネラルディレクターを務つとめていたホルヘ・バルダーノが解任かいにんされ、レアル・マドリードはゼネラルディレクター職しょくを廃止はいし。それまでスポーツディレクターの職しょくに就ついていたホセ・アンヘル・サンチェスがクラブの強化きょうか部門ぶもんにおける最高さいこう責任せきにん者しゃを務つとめることとなった[65]。その後任こうにんとして、ジダンはスポーツディレクターに就任しゅうにんした[66]。

2009年ねん、1998年ねんに拝受はいじゅしたレジオンドヌール勲章くんしょうのシュヴァリエの階級かいきゅうからオフィシエ（Officier、将校しょうこう）に昇格しょうかくした。UEFA EURO 2016誘致ゆうちの際さいには、ニコラ・サルコジ大統領だいとうりょうと共ともにフランスのプレゼンテーションを行おこなった[67]。また、2022年ねんのFIFAワールドカップでは、カタールの招致しょうちアンバサダーとして招致しょうち活動かつどうを行おこなった[68]。2011年ねん2月がつ、サッカー選手せんしゅとしてはペレ、ヨハン・クライフ、フランツ・ベッケンバウアーに次ついで4人にん目めとなるローレウス世界せかいスポーツ賞しょうの生涯しょうがい功労賞こうろうしょうを受賞じゅしょうした[69]。

2012-13シーズンにはスポーツディレクターの職しょくをフェルナンド・イエロに譲ゆずり、レアル・マドリードの下部かぶ組織そしきに重点じゅうてんを置おいた活動かつどうを行おこなった[70]。2013年ねんにUEFA公認こうにんの指導しどう者しゃライセンスを取得しゅとくし[71]、レアル・マドリードにてかつての恩師おんしであったカルロ・アンチェロッティのアシスタントコーチとして2013-14シーズンよりレアル・マドリードのトップチームの副ふく監督かんとくに就任しゅうにんした[72]。

2014年ねん7月がつ、レアル・マドリード・カスティージャの助監督じょかんとくに就任しゅうにんした[73]。ジダンはスペインリーグの2部ぶB以上いじょうのチームを率ひきいるために必要ひつようなレベル3のコーチライセンスを取得しゅとくしていなかったため、名目めいもく上じょうはサンティアゴ・デニア・サンチェス監督かんとくを補助ほじょする助監督じょかんとくという立場たちばであったが、実質じっしつ的てきに監督かんとくとしての振ふる舞まいをしていたことが問題もんだい視しされた[74]。2014年ねん10月がつ27日にち、正ただしい指導しどうライセンスを所有しょゆうしていないとして、スペイン・サッカー協会きょうかいから3か月げつ間あいだの活動かつどう停止ていし処分しょぶんを受うけた[75]。その後ごレアル・マドリードの上訴じょうそがスポーツ仲裁ちゅうさい裁判所さいばんしょに受うけ入いれられ、スペインサッカー連盟れんめいも処分しょぶんを撤回てっかいした。

2015年ねんにUEFAプロライセンスを獲得かくとくした[76]。

レアル・マドリード監督かんとく

編集へんしゅう
 
セルヒオ・ラモスとビッグイヤーを掲かかげるジダン（2016年ねん）

2016年ねん1月がつに、解任かいにんされたラファエル・ベニテスの後任こうにんとしてレアル・マドリードの監督かんとくに就任しゅうにん。初陣ういじんとなった9日にちのデポルティーボ・ラ・コルーニャ戦せんではギャレス・ベイルのハットトリックを含ふくむ5-0で勝利しょうりした[77]。レアルの監督かんとくとなって初はつとなるUEFAチャンピオンズリーグの試合しあいではクリスティアーノ・ロナウドやヘセ・ロドリゲスのゴールでASローマに2-0で勝利しょうりした[78]。4月2日にちにカンプ・ノウで行おこなわれたエル・クラシコでは2-1で勝利しょうりした[79]。5月28日にちに行おこなわれたUEFAチャンピオンズリーグ 2015-16 決勝けっしょうでは、アトレティコ・マドリードをPK戦せんの末すえに下くだし、優勝ゆうしょうを達成たっせいした。この優勝ゆうしょうで、史上しじょう7人にん目めとなる選手せんしゅ・監督かんとくの両方りょうほうでUEFAチャンピオンズリーグ(旧きゅうチャンピオンズカップも含ふくむ)優勝ゆうしょうを達成たっせいした人物じんぶつとなった[80]。

2016年ねん11月2日にちのUEFAチャンピオンズリーグ、レギア・ワルシャワ戦せんで監督かんとくとして100試合しあいを達成たっせいした[81]。クラウディオ・ラニエリ（レスター・シティFC）、フェルナンド・サントス（ポルトガル代表だいひょう）とともにFIFAより年間ねんかん最優秀さいゆうしゅう監督かんとくの最終さいしゅう候補こうほに選出せんしゅつされた[82]。リーガ15節せつのデポルティーボ・ラ・コルーニャ戦せんでの勝利しょうりにより連続れんぞく無敗むはい記録きろくを35試合しあいとし、クラブ記録きろくを樹立じゅりつした[83]。その後ごも無敗むはい記録きろくを40試合しあいに伸のばしてFCバルセロナが保持ほじしていたスペイン記録きろくを更新こうしんした[84][85]。2016-2017シーズンは、過密かみつ日程にっていも考慮こうりょしてローテーションを敷しいて選手せんしゅの体調たいちょう管理かんりに気きを配くばり、欠場けつじょうを嫌きらうことで有名ゆうめいなエースのFWロナウドですら例外れいがいなく休養きゅうようを与あたえた[86][87]。その結果けっか、大事だいじなシーズン終盤しゅうばん戦せんでもチームは息切いきぎれすることなく、リーグ戦せんを逃にげ切きり、2011-12シーズン以来いらい、5年ねんぶりのプリメーラ・ディビシオン優勝ゆうしょうに導みちびいた。その勢いきおいのまま史上しじょう初はつの二に連覇れんぱを目指めざすUEFAチャンピオンズリーグでも勝かち進すすみ、決勝けっしょう戦せんの相手あいては奇くしくもジダンの古巣ふるすユヴェントスFCであったが、4-1で勝利しょうりし、UEFAチャンピオンズリーグ改称かいしょう後ご初はつの二に連覇れんぱという快挙かいきょを成なし遂とげた。またレアル・マドリードは1957-58シーズン以来いらい、59年ねんぶりの二に冠かん達成たっせいであった[88]。同年どうねん、オンズドール年間ねんかん最優秀さいゆうしゅう監督かんとく賞しょう、FIFA最優秀さいゆうしゅう監督かんとく賞しょうを受賞じゅしょうした。

2017-18シーズンは国内こくないではスーペルコパ・デ・エスパーニャを制せいしたが[89]、コパ・デル・レイでは準々じゅんじゅん決勝けっしょうで敗退はいたいし[90]、リーグ戦せんでは3位いであった。しかし、UEFAチャンピオンズリーグでは3年ねん連続れんぞくで決勝けっしょうに勝かち進すすみリヴァプールFCを下くだして優勝ゆうしょうした。これにより、チームが持もつ大会たいかい最多さいた優勝ゆうしょう回数かいすうを更新こうしんし、大会たいかい初はつの3連覇れんぱを成なし遂とげた[91]。このシーズンをもって監督かんとくを退任たいにんした[92]。

2018-19シーズンは、成績せいせき不振ふしんにより解任かいにんされたサンティアゴ・ソラーリの後任こうにんとしてフロレンティーノ・ペレス会長かいちょうから復帰ふっきの電話でんわを2度どに分わけて貰もらい、2度目どめにしてOKサインを出だしたことによりレアル・マドリード監督かんとくへの復帰ふっきが決きまった。翌よく2019-20シーズンはフェデリコ・バルベルデの台頭たいとうなどもあり好調こうちょうを維持いじ[93]、アトレティコ・マドリードとの試合しあいを制せいし監督かんとくとして10個こ目めのタイトルであるスーペルコパを獲得かくとくした。公式こうしき戦せん187試合しあいでの10タイトル目めというハイペースであり、監督かんとくとしてレアル・マドリード最多さいた獲得かくとくタイトルの記録きろくを持もつミゲル・ムニョスが10個このタイトルを獲得かくとくするのに8年ねんの期間きかんを要ようしたのに対たいし、ジダンは3年ねん10ヶ月かげつでの達成たっせいとなった[94]。FCバルセロナを勝かち点差てんさ2で追おう展開てんかいでCOVID-19によりリーガが中断ちゅうだんするも、再開さいかい後ごには10連勝れんしょうを記録きろくするなど好調こうちょうを見みせて逆転ぎゃくてん優勝ゆうしょうを果はたし[95]、リーガ最優秀さいゆうしゅう監督かんとくに贈おくられるミゲル・ムニョス賞しょうを初はつ受賞じゅしょうした[96]。しかし、2020-21シーズンは最終さいしゅう節ぶしまでアトレティコ・マドリードと首位しゅいを争あらそうも無冠むかんに終おわり、同どうシーズン終了しゅうりょう後ごの2021年ねん5月がつ27日にちに辞任じにんしたことが発表はっぴょうされた[97][98]。

F1

編集へんしゅう

2023年ねんシーズンからアルピーヌF1チームのブランド・アンバサダーに就任しゅうにん。モータースポーツ及および自動車じどうしゃ産業さんぎょうにおける機会きかい均等きんとうを推進すいしんするプログラム「RAC（H）ER」[1]ならびに、若手わかて技術ぎじゅつ者しゃの発掘はっくつと支援しえんを目指めざす「コンクール・イクセレンス・メカニック」のスポンサーを務つとめる[99]。

人物じんぶつ

編集へんしゅう

選手せんしゅとしての特徴とくちょう

編集へんしゅう

攻撃こうげき的てきなミッドフィールダーであり、味方みかたの選手せんしゅに的確てきかくなパスを出だすなどの攻撃こうげきの中心ちゅうしん的てきな役割やくわりを果はたすとともに、チャンスと見みると自みずからもシュートを決きめる得点とくてん力りょくを兼かね備そなえた[100]。高たかいボディーバランスと複数ふくすうのアクションを組くみ合あわせる能力のうりょくを持もち、非常ひじょうに正確せいかくなボールタッチ、パス、シュート、コントロール、ドリブルなどのプレーはバレエの優雅ゆうがさに例たとえられる[101]。エネルギッシュに仲間なかまをリードするタイプではなかったが、カリスマ性せいでチームの先頭せんとうを走はしった[102]。

当時とうじ、イタリアではアリゴ・サッキのゾーンプレスが浸透しんとうしてトップ下かのポジションは絶滅ぜつめつの危機ききを迎むかえ、ロベルト・バッジョやアレッサンドロ・デル・ピエロらファンタジスタが激はげしいプレッシャーを受うけるミッドフィールダーからセカンドトップにポジションを変更へんこうしていた。しかし、鮮あざやかなテクニックを持もちながら185センチの強靭きょうじんな体躯たいくを持もつジダンは相手あいてのプレッシングを受うけてもボールをキープして時間じかんを作つくり出だし、また守備しゅび時じにはセントラルハーフとして戦たたかうこともできたためトップ下かのポジションでユヴェントスFCの中心ちゅうしんに君臨くんりんした[103]。プレスをしても奪うばえないジダンに対たいしてプレスを強つよめれば強つよめるほど裏うらに大おおきなスペースが広ひろがり、結果けっかとしてフリーとなった周囲しゅういの選手せんしゅにプレスを受うけながら繋つないで相手あいてを崩くずしていく[104]。

1998年ねんのFIFAワールドカップ決勝けっしょうや2002年ねんのUEFAチャンピオンズリーグ決勝けっしょうなど印象いんしょう的てきなゴールも多おおいが[105]、ユヴェントスFC時代じだいの監督かんとくであるカルロ・アンチェロッティは「私わたしは練習れんしゅうでジダンを見みて、大おおきなインパクトを受うけた。スペクタクルだったね。しかし、彼かれはもっとやれたはずだ。より多おおくのゴールを記録きろくしていてもおかしくなかった」と指摘してきしている[106]。

人ひととなり

編集へんしゅう
 
ダノンネーションズカップでスタジアムを訪おとずれたジダン（2008年ねん）

試合しあいに関かんしては気性きしょうの激はげしさで知しられ、2006 FIFAワールドカップグループリーグの第だい二に戦せんの韓国かんこく戦せんではチームが同点どうてんゴールを決きめられ、本人ほんにんもイエローカードを受うけて累積るいせき警告けいこくによって次つぎ戦せんの出場しゅつじょう停止ていしが決きまり、同点どうてんのままロスタイムにトレゼゲと交代こうたいさせられると、ロッカールームのドアを蹴けって壊こわしたこともある。（なお、その扉とびらは「ジダンに壊こわされた扉とびら」としてスタジアムに保存ほぞんされている[107]）。

一方いっぽうで、普段ふだんの性格せいかくは寡黙かもくで内気うちきと言いわれる[108]。引退いんたい後ごに競技きょうぎテニスをしたいと言いっていた頃ころ、ホテルに宿泊しゅくはくした際さいに、アンドレ・アガシとたまたま隣となりの部屋へやになった事ことがあったが、内気うちきさゆえに会あいに行いけなかったというエピソードや[109]、2010年ねんにフランス代表だいひょうの一いち日にちコーチを引ひき受うけて1998 FIFAワールドカップ、UEFA EURO 2000のビデオを観賞かんしょうしてスピーチを行おこなった際さいに、ガエル・クリシーに「自分じぶんのビデオを見みせながら照てれていた」と明あかされる[110]といったエピソードがある。

ジダンとは対照たいしょう的てきにおしゃべりで気きさくなクリストフ・デュガリーとは親友しんゆうである[111]。

2003年ねんからはダノンネーションズカップの公式こうしきアンバサダーを務つとめるなど多おおくのチャリティーイベントに参加さんかし、慈善じぜん活動かつどうにも熱心ねっしんである。

マルセイユ出身しゅっしんのジダンはオリンピック・マルセイユのファンだが[112]、父親ちちおやがフランスに移住いじゅうして初はじめて生活せいかつした場所ばしょであり、スタッド・ド・フランスもあるパリ郊外こうがいのサン＝ドニには第だい2の故郷こきょうと語かたるほど愛着あいちゃくを感かんじている[113]。

フランス語ふらんすご以外いがいに両親りょうしんの母語ぼごであるベルベル語ごも話はなせる。また夫人ふじんがスペイン系けいであり、スペイン語ごも習得しゅうとくしている[114]。イタリアで5年間ねんかん生活せいかつをしていたことから、イタリア語ごも理解りかい出来できる[15]。

家族かぞく

編集へんしゅう

17歳さい（ASカンヌ時代じだい）の時ときに出会であったスペイン系けいフランス人じんのヴェロニック・フェルナンデスと1994年ねん5月がつ24日にちに結婚けっこんした。

兄弟きょうだいのうち、ファリドとノルディーヌは、マルセイユ北部ほくぶでジネディーヌの肖像しょうぞう権けんや放映ほうえい権けんの管理かんり会社かいしゃを経営けいえいしている[115]。2019年ねん7月がつ13日にち、ファリドは癌がんにより死去しきょしている[116]。享年きょうねん54歳さい。

4人にんの男子だんしの子供こどもがおり、長男ちょうなんのエンツォの名なは地元じもとオリンピック・マルセイユに所属しょぞくし、幼少ようしょう時じからのアイドルであったエンツォ・フランチェスコリに因ちなんでいる[注ちゅう 1]。4人にんともジネディーヌと同おなじサッカー選手せんしゅの道みちを進すすみ、エンツォと次男じなんのルカ、三男さんなんテオはプロサッカー選手せんしゅとなっている。四男よつお・エリアスもレアル・マドリードの下部かぶ組織そしきの出身しゅっしんで、フランスの年代ねんだい別べつ代表だいひょうにも選えらばれている。またレアル・マドリードの公式こうしきサイトの選手せんしゅ紹介しょうかいでは伝説でんせつ的てき選手せんしゅであった父親ちちおやのプレッシャーを受うけないようにするためか、母方ははかたのフェルナンデス姓せいで登録とうろくされている。

※2023-2024シーズン時点じてんの所属しょぞく先さき

叔父おじのジャメル・ジダンもベルギーリーグのKRCヘンクなどで活躍かつやくした元もとサッカー選手せんしゅでアルジェリア代表だいひょうだった。

評価ひょうか

編集へんしゅう

選手せんしゅとしての評価ひょうか

編集へんしゅう
 
チャリティーマッチに出場しゅつじょうしたジダン

1990年代ねんだい後半こうはんから2000年代ねんだい前半ぜんはんにかけて「世界せかい最高さいこうのサッカー選手せんしゅ」と称となえられた[117]。

  • ジダンと1980年代ねんだいに活躍かつやくしたミシェル・プラティニは、フランスの2大だいスター選手せんしゅとされる[102][118]。そのプラティニからは「コントロールやパスなど、基本きほん的てきな技術ぎじゅつに関かんしてジダンは王おうだ。ボールを受うけ、コントロールすることにおいて誰だれも彼かれと同おなじことはできないだろう」と言いわれている[119]。
  • ケビン・キーガンは、「誰だれもこんな選手せんしゅは見みたことがないと思おもうだろう。マラドーナは名めい選手せんしゅだった。クライフも名めい選手せんしゅだった。彼かれらは他たと違ちがっていた。だが似にてはいた。ジダンはかけ離はなれている。ジダンのボールさばきは、まるで彼かれが通とおり抜ぬけていく道みちを買かっているようだ。彼かれを非常ひじょうに特別とくべつにしているのは彼かれのヴィジョンだ」[120]と語かたった。
  • ズラタン・イブラヒモビッチは、「ジダンは抜ぬきん出でている。ジダンがピッチに入はいると、他たの10人にんの選手せんしゅの動うごきまでが突然とつぜんに良よくなる。彼かれは他たの星ほしから来きたようだ。魔法まほうだ。」[121]と語かたった。
  • レアル・マドリードで共ともにプレーしたロベルト・カルロスは、2010年ねんのレキップ紙しのインタビューで「今いままで見みてきた中なかで一番いちばんの選手せんしゅ」と話はなした[124]。
  • ベッカムは「史上しじょう最高さいこうの選手せんしゅ」と語かたった[125]。
  • FCバルセロナなどで対戦たいせんしたシャビ・エルナンデスは2010年ねんのインタビューで、エル・クラシコにおいて最もっとも苦労くろうした選手せんしゅに挙あげて「1990年代ねんだいから2000年代ねんだい前半ぜんはんにかけてのベストプレイヤー」と語かたった[126]。
  • ロナウジーニョは「歴代れきだい最高さいこうの選手せんしゅで、自分じぶんのなかでのアイドルの1人ひとり」とし、ベストプレイヤーに名前なまえを挙あげた[127]。
  • リオネル・メッシは「自分じぶんから試合しあい後ごのユニフォーム交換こうかんをお願ねがいしたのは1人ひとりだけ、それはジダンだ」と証言しょうげんしている[128]。
  • イタリアのマルチェロ・リッピは、「私わたしたちがこの20年間ねんかんで見みてきた中なかで、最もっとも才能さいのうある選手せんしゅだ。」とした。
  • ティエリ・アンリは、2005年ねんにジダンが代表だいひょう復帰ふっきを発表はっぴょうしたとき、「ジダンが国際こくさい代表だいひょうチームに戻もどってくると知しって、フランスの誰だれもが神かみの存在そんざいに気きづいた。神かみが帰かえってくる。これに尽つきる。」と言いった。

極限きょくげんまで狭せばめられた中盤ちゅうばんのスペースを卓越たくえつしたボールコントロールで生いき抜ぬいた最後さいごのボールプレイヤーとも呼よばれている[129]。

指導しどう者しゃとしての評価ひょうか

編集へんしゅう
 
レアル・マドリードを率ひきいるジダン（2018年ねん）

現役げんえき時代じだいにマルチェロ・リッピやビセンテ・デル・ボスケの下したで指導しどうを受うけ、引退いんたい後ごもジョゼ・モウリーニョやカルロ・アンチェロッティといった名めい監督かんとくを近ちかい位置いちで見みてきたこともあり、幅広はばひろい戦術せんじゅつオプションを有ゆうしている[130]。また、必要ひつよう最低限さいていげんの言葉ことばを用もちいて選手せんしゅたちをモチベートすることでロッカールームをうまくコントロールし[131]、起用きようする選手せんしゅのローテーションも積極せっきょく的てきに行おこなう[132]。

デル・ボスケは「柔軟じゅうなんさにくわえ、思おもい切きりもある」と評価ひょうかし、デル・ボスケのアシスタントを長年ながねん務つとめたトニ・グランデはデル・ボスケとの特とくに人間にんげん的てきな部分ぶぶんでの共通きょうつう点てんを指摘してきし、「あれほどの選手せんしゅだったのに、監督かんとくになってからもエゴを出ださずに、発言はつげんも態度たいども常つねに柔やわらかい。冷静れいせいで、好戦こうせん的てきな発言はつげんをすることもない。」とし、銀河系ぎんがけい軍団ぐんだん時代じだいのレアル・マドリードで広報こうほう部長ぶちょうをしていたホアキン・マロートもUEFAチャンピオンズリーグで優勝ゆうしょうする監督かんとくの共通きょうつう点てんとして「好戦こうせん的てきでないこと。監督かんとくとして自分じぶんを押おし出だしすぎないこと。人ひととしてまっすぐであること。」の3つを挙あげ、ジダンの人ひととなりがチームを率ひきいることにも活いかされていると語かたった[133]。アンチェロッティは、常つねに学まなび続つづけ、最新さいしんの情報じょうほうを取とり入いれ、自身じしんで経験けいけんを積つんでおり偉大いだいな指導しどう者しゃであると評価ひょうかした[134]。

監督かんとくとしても現役げんえき時代じだいと変かわらない勝負しょうぶ強つよさを持もち、監督かんとくとして戦たたかったタイトルが掛かかった決勝けっしょう戦せん全すべてで勝利しょうりを収おさめている（2020年ねん2月がつ現在げんざい）[135]。その勝負しょうぶ強つよさは本人ほんにんも認みとめている[136]。

エピソード

編集へんしゅう
  • ジダンの得意とくい技わざ「ルーレット」とは、ドリブルの途中とちゅう、両足りょうあしの裏うらでボールを転ころがしながら一いち回転かいてんをし、プレスに来きた相手あいて選手せんしゅを躱かわす技わざである。彼かれが考案こうあんした技わざではないが、トッププレーヤーでこの技わざを試合しあい中ちゅうに頻発ひんぱつさせるのは彼かれ以外いがいにいないので、ジダンの代名詞だいめいしともなっている[137]。日本にっぽんにおいては、ジダンの出身しゅっしん地ちがマルセイユであることから「マルセイユ・ルーレット」とも呼よばれ、少年しょうねんサッカーのための指導しどう材料ざいりょうとしても使つかわれている[138]。
  • ユヴェントス時代じだいに禁止きんし薬物やくぶつエリスロポエチン（EPO）摂取せっしゅのドーピング疑惑ぎわくをかけられ、ジダンの頭あたまを悩なやませた。ユヴェントスの医師いしの裁判さいばん中ちゅう、血液けつえき学者がくしゃはアントニオ・コンテ、アレッシオ・タッキナルディのEPO使用しよう痕跡こんせきの可否かひを行おこなったが、ジダンには「特別とくべつなことは何なにもなかった。大おおきな変化へんかも認みとめられなかった」とし、引退いんたい後ごに放送ほうそうされたフランス3での検証けんしょう番組ばんぐみでミシェル・オードラン教授きょうじゅも同様どうようの内容ないようを語かたった。
  • 自身じしんがプラティニの後継こうけい者しゃと言いわれたように、ジダン2世せいまたはジダンの後継こうけい者しゃと称しょうされる選手せんしゅも数多かずおおく存在そんざいする。フランス国内こくないではヨアン・グルキュフ[140] やサミル・ナスリ[141]、ムラド・メグニらがそう呼よばれるほか、アレックス・ファーガソンはカリム・ベンゼマについて「身体しんたいの使つかい方かたがジダンを思おもわせる」と語かたった[142]。また、現役げんえき時代じだいに所属しょぞくしたレアル・マドリードにおいても、ホセ・マヌエル・フラドはカンテラ時代じだいに「カンテラのジダン」と呼よばれていた。メスト・エジルがレアル・マドリードに移籍いせきした時ときには「ドイツのジダン」と紹介しょうかいされ[143]、同おなじくヌリ・シャヒンは「左利ひだりききのジダン」と呼よばれた[144]。長男ちょうなんエンツォも父親ちちおやと同様どうよう攻撃こうげき的てきMFとしてプレーし、レアル・マドリードの下部かぶ組織そしきで10番ばんを背負せおっていた。将来しょうらいフランス、スペインどちらの代表だいひょうを選えらぶかが両国りょうこくで大おおきな関心かんしんを集あつめるなど、名実めいじつともにジダン2世せいとして注目ちゅうもくを集あつめた[145][146]。

個人こじん成績せいせき

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クラブでの成績せいせき

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クラブ シーズン リーグ[147] カップ[147] 国際こくさい大会たいかい*[147] その他た*[147] 通算つうさん
ディビジョン 出場しゅつじょう 得点とくてん 出場しゅつじょう 得点とくてん 出場しゅつじょう 得点とくてん 出場しゅつじょう 得点とくてん 出場しゅつじょう 得点とくてん
カンヌ 1988-89 リーグ・アン 2 0 0 0 — — 2 0
1989-90 0 0 0 0 — — 0 0
1990-91 28 1 3 0 — — 31 1
1991-92 31 5 3 0 4 0 — 38 5
通算つうさん 61 6 6 0 4 0 0 0 71 6
ボルドー 1992-93 リーグ・アン 35 10 4 1 — — 39 11
1993-94 34 6 3 0 6 2 — 43 8
1994-95 37 6 5 1 4 1 — 46 8
1995-96 33 6 3 0 15 6 — 51 12
通算つうさん 139 28 15 2 25 9 0 0 179 39
ユヴェントス 1996-97 セリエA 29 5 2 0 10 2 3 0 44 7
1997-98 32 7 5 1 11 3 1 0 49 11
1998-99 25 2 5 0 10 0 1 0 41 2
1999-00 32 4 3 1 6 0 — 41 5
2000-01 33 6 2 0 4 0 — 39 6
通算つうさん 151 24 17 2 41 5 5 0 214 31
レアル・マドリード 2001-02 プリメーラ 31 7 9 2 9 3 2 0 51 12
2002-03 33 9 1 0 14 3 2 0 50 12
2003-04 33 6 7 1 10 3 2 0 52 10
2004-05 29 6 1 0 10 0 — 40 6
2005-06 29 9 5 0 4 0 — 38 9
通算つうさん 155 37 23 3 47 9 6 0 230 49
通算つうさん フランス 200 34 21 2 29 9 0 0 250 45
イタリア 151 24 17 2 41 5 5 5 214 31
スペイン 155 37 23 3 47 9 6 0 230 49
合計ごうけい 506 95 61 7 117 23 11 0 695 125

代表だいひょうでの成績せいせき

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2006年ねんW杯はいポルトガル戦せんでPKを蹴けるジダン
出典しゅってん[3]
年とし 親善しんぜん試合しあい ヨーロッパ ワールドカップ 期間きかん通算つうさん
出場しゅつじょう 得点とくてん 出場しゅつじょう 得点とくてん 出場しゅつじょう 得点とくてん 出場しゅつじょう 得点とくてん
1994 1 2 1 0 - 2 2
1995 1 0 5 2 - 6 2
1996 7 1 5 0 - 12 1
1997 8 1 - - 8 1
1998 7 3 3 0 5 2 15 5
1999 3 0 3 1 - 6 1
2000 8註1 2 5 2 - 13 4
2001 8 2 - - 8 2
2002 5 1 3 0 1 0 9 1
2003 3 0 4 3 - 7 3
2004 3 1 4 3 - 7 4
2005 1 1 4 1 - 5 2
2006 4 0 - 6 3 10 3
合計ごうけい 59 14 37 12 12 5 108 31

註1 フランスサッカー連盟れんめいは2000年ねん8月がつ16日にちに行おこなわれたFIFA選抜せんばつ戦せんを国際こくさいAマッチとして認みとめている[3]。

代表だいひょうでのゴール

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出典しゅってん[3]

監督かんとく成績せいせき

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2021年ねん5月がつ22日にち現在げんざい
クラブ 就任しゅうにん 退任たいにん 記録きろく
試ためし 勝かち 分ぶん 敗はい 得とく 失しつ 差さ 勝率しょうりつ
レアル・マドリード・カスティージャ 2014年ねん6月がつ25日にち 2016年ねん1月がつ4日にち 57 26 17 14 88 58 +30 045.61
レアル・マドリード 2016年ねん1月がつ4日にち 2018年ねん5月がつ31日にち 149 104 29 16 393 160 +233 069.80
2019年ねん3月がつ11日にち 2021年ねん5月がつ27日にち 114 69 25 20 207 104 +103 060.53
合計ごうけい 320 200 70 50 693 325 +368 062.50

タイトル

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選手せんしゅ時代じだい

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FCジロンダン・ボルドー
ユヴェントス
レアル・マドリード
フランス代表だいひょう

指導しどう者しゃ時代じだい

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レアル・マドリード

個人こじん

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選手せんしゅ時代じだい
指導しどう者しゃ時代じだい
その他た

参考さんこう文献ぶんけん

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  • バティスト・ブランシェ,チボー・フレ=ビュルネ著ちょ、陣じん野の俊史しゅんじ,相田あいだ淑子としこ訳やく『ジダン』白水しろみず社しゃ、2007年ねん。ISBN 978-4-560-04979-2。 
  • ルーカ・カイオーリ著ちょ、片野かたの道郎みちお訳やく『ジダン Ten Minutes To Glory』ゴマブックス、2006年ねん。ISBN 4-7771-0539-3。 

脚注きゃくちゅう

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 同どう選手せんしゅとトヨタカップで対戦たいせんした際さいに、ユニフォーム交換こうかんを実現じつげんさせた （FIFA公式こうしきサイトより、2010年ねん6月がつ11日にち閲覧えつらん）
  2. ^ 2003年ねん当時とうじの団体だんたい名めいは公共こうきょう広告こうこく機構きこう

出典しゅってん

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