スサノオ

建けん速そく須佐すさ之の男おとこ命いのち
	『本朝ほんちょう英雄えいゆう傳でん』より「牛頭ごず天王てんのう稲田いなだ姫ひめ」; 歌川うたがわ国こく輝てる画が
三貴みき神しん
神祇じんぎ	天津てんしん神しん → 国津くにつ神しん
全ぜん名な	建けん速そく須佐すさ之の男おとこ命いのち（タケハヤスサノオノミコト）
別称べっしょう	素す戔嗚尊みこと、神かみ須佐すさ能のう袁命、須佐すさ能のう乎命等とう
神格しんかく	海神わたつみ、嵐あらし神しん、農耕のうこう神かみ
父ちち	伊い邪よこしま那な岐命（支ささえ那な震ふるえ旦だん国こく皇すめらぎ代だい暦れき記きでは「義父ぎふ」、高こう皇すめらぎ産さん霊神れいじんは血ちの繋つながった曽そ祖父そふ）
母はは	日本書紀にほんしょき（正文まさふみ・一いち書しょ第だい二に）：伊い弉冉尊みこと
兄弟きょうだい姉妹しまい	天てん照あきら大神おおがみ; ツクヨミ等ひとし;
配偶はいぐう者しゃ	誓約せいやく上じょうの妻つま：天てん照あきら大神おおがみ; 嫡妻：櫛くし名田なた比ひ売うり; 神大しんだい市し比ひ売うり;
子こ	日本書紀にほんしょき（正文せいぶん）：大だい己おのれ貴き神かみ; 五ご男なん三さん女神めがみ; 八島やじま士し奴やつ美神びしん; 大年おおとし神かみ; 宇迦之の御ご魂たましい神しん; 須勢理り毘売命いのち; 五十猛いそたけ神しん; 青あお幡はた佐たすく草くさ丁ちょう壮たけし命いのち; 都留つる支ささえ日子にっし命いのち; 国くに忍にん別命べつめい; 磐いわ坂ざか日子にっし命いのち; 衝桙等とう乎而留とめ比ひ古こ命いのち; 八野はちの若わか日び女おんな命いのち等ひとし;
神社じんじゃ	氷川神社ひかわじんじゃ; 八坂神社やさかじんじゃ; 熊野くまの大社たいしゃ; 須佐すさ神社じんじゃ; 須我神社じんじゃ等ひとし;
記紀きき等とう	古事記こじき、日本書紀にほんしょき、出雲いずも国こく風土記ふどき等ひとし
関連かんれん氏族しぞく	須佐すさ氏し、佐草さくさ氏し等ひとし
	テンプレートを表示ひょうじ

スサノオ（歴史れきし的てき仮名遣かなづかい：スサノヲ、須佐すさ之の男おとこ、素す戔嗚、須佐すさ能のう袁、須佐すさ能のう乎）は、日本にっぽん神話しんわに登場とうじょうする神かみ。

概要がいよう

『古事記こじき』では建けん速そく須佐すさ之の男おとこ命いのち（タケハヤスサノオ）、速はや須佐すさ之の男おとこ命いのち、須佐すさ能のう男おとこ命いのち、須佐すさ之の男おとこ命いのち、『日本書紀にほんしょき』では素す戔嗚尊みこと、神かみ素もと戔嗚尊みこと、速はや素す戔嗚尊みこと、武たけ素す戔嗚尊みこと、『出雲いずも国こく風土記ふどき』では神かみ須佐すさ能のう袁命（カムスサノオ）、須佐すさ能のう乎命、『支ささえ那な震ふるえ旦だん国こく皇すめらぎ代だい暦れき記き―「日本にっぽん古代こだい史し」増補ぞうほ編へん』では祖そ佐さ男おとこ命いのちなどと表記ひょうきする。

神仏しんぶつ習合しゅうごうでは牛頭ごず天王てんのうと同一どういつ視しされる。

神話しんわ上じょう、現在げんざいの皇室こうしつとは、姉あね弟おとうと間あいだのアマテラスとスサノオの誓約せいやくでうまれた男神おかみ正勝まさかつ吾われ勝しょう勝かち速そく日び天てん之の忍しのぶ穂みのる耳みみ命いのちとその子こで天孫てんそん降臨こうりんをした天てん邇岐志こころざし国こく邇岐志こころざし天津てんしん日高ひだか日子にっし番ばん能のう邇邇芸げい命いのちを経へて、スサノオは男系だんけい上じょうの先祖せんぞにあたる^[1]。

神話しんわでの記述きじゅつ

スサノオの系図けいず（『古事記こじき』による）。青あおは男神おかみ、赤あかは女神めがみ

『古事記こじき』の記述きじゅつによれば、神かみ産うみにおいて伊い邪よこしま那な岐命が黄泉よみの国くにから帰還きかんし、筑紫つくしの日向ひなたの橘たちばなの小戸おうべの阿波岐原あわぎがはらで禊みそぎを行おこなった際さい、天照大御神あまてらすおおみかみ、月読つきよみ命いのちに次ついで鼻はなを濯（すす）いだときに産うまれたとする（阿波岐原あわぎがはらは江田えだ神社じんじゃのある宮崎みやざき市し阿波岐原あわぎがはら町まちに比定ひていされる^[2]）。これは神道しんとうの祝詞のりと、祓はらい詞しにもある。

『日本書紀にほんしょき』本文ほんぶんでは伊い弉諾尊みこととイザナミ（伊い弉冉尊みこと・伊い邪よこしま那な美び命いのち）の間あいだに産うまれ天てん照あきら大神おおがみ・ツクヨミ（月読つきよみ）・ヒルコ（蛭ひる児じ）の次つぎに当あたる。

統治とうち領域りょういきは文献ぶんけんによって異ことなり、三貴子みきこのうち天照大御神あまてらすおおみかみは天てん（高天原たかまがはら）であるが、月読つきよみ命いのちは天てん、滄海そうかい原ばら（あおのうなばら）または夜よるの食しょく国こく（よるのおすくに）を、須佐すさ之の男おとこ命いのちには夜よるの食しょく国こくまたは海原うなばらまたは天下てんかを治おさめるように言いわれたとあり、それぞれ異ことなる。須佐すさ之の男おとこ命いのちは記述きじゅつやエピソードが月読つきよみ命いのちや蛭ひる児じと被こうむる部分ぶぶんがある。

『古事記こじき』によれば、スサノオはそれを断ことわり、母はは神しんイザナミのいる根ねの国くにに行いきたいと願ねがい、イザナギの怒いかりを買かって追放ついほうされてしまう^[3]。そこで母ははの故こ地ち、出雲いずもと伯耆ほうきの堺さかい近辺きんぺんの根ねの国くにへ向むかう前まえに姉あねの天照大御神あまてらすおおみかみに別わかれの挨拶あいさつをしようと高天原たかまがはらへ上のぼるが、天照大御神あまてらすおおみかみは弟おとうとが攻せめ入はいって来きたのではと思おもい武装ぶそうして応対おうたいする。スサノオは疑うたがいを解とくために誓約せいやく（うけひ）を行おこなった。

我がの潔白けっぱくが誓約せいやくによって証明しょうめいされたとしたが、勝かったに任まかせてと次々つぎつぎと粗暴そぼうを行おこない、天照大御神あまてらすおおみかみは恐おそれて天てんの岩屋いわやに隠かくれてしまった。そのため、彼かれは高天原たかまがはらを追放ついほうされた（神かみ逐）。

スサノオは大気たいき都と比ひ売うりに食たべ物ものを乞こうが、オオゲツヒメが鼻はなや口くちや尻しりから食たべ物ものを出だすのを見みて怒おこって殺ころした。オオゲツヒメの体からだの各かく部分ぶぶんから生しょうじた蚕かいこと穀物こくもつが養蚕ようさんと五穀ごこくの起源きげんとなった^[4]。

出雲いずもの鳥とり髪かみ山さん（現在げんざいの船通山せんつうざん）へ降ふった建けん速そく須佐すさ之の男おとこ命いのちは、その地ちを荒あらしていた巨大きょだいな怪物かいぶつ八はち俣遠呂りょ智さとしへの生贄いけにえにされそうになっていた美うつくしい少女しょうじょ櫛くし名田なた比ひ売うり命いのちと出会であう。

スサノオは、クシナダヒメの姿すがた形がたを歯はの多おおい櫛くしに変かえて髪かみに挿さし、ヤマタノオロチを退治たいじする。そしてヤマタノオロチの尾おから出でてきた草くさ那な藝げい之の大刀たち（くさなぎのたち、紀おさむ・草薙くさなぎ剣けん）を天てん照あきら御大おんたい神しんに献上けんじょうし、それが古代こだい天皇てんのうの権威けんいたる三種さんしゅの神器じんぎの一ひとつとなる（現在げんざいは、愛知あいち県けん名古屋なごや市しの熱田あつた神宮じんぐうの御ご神体しんたいとなっている）。その後ご、櫛くしから元もとに戻もどしたクシナダヒメを妻つまとして、出雲いずもの根ね之の堅けん洲しゅう国こくにある須賀すか（すが）の地ちへ行いきそこに留とどまった。

そこで、

夜よる久ひさ毛げ多おお都と　伊豆いず毛け夜よる幣ぬさ賀が岐　都みやこ麻あさ碁ご微ほろ爾なんじ　夜よる幣ぬさ賀が岐都久ひさ流りゅう　曾能夜よる幣ぬさ賀が岐袁（古事記こじき）
夜よる句く茂しげる多た菟うさぎ　伊い弩いしゆみ毛げ夜よる覇は餓かつえ岐　菟うさぎ磨すり語ご昧爾　夜よる覇は餓かつえ枳からたち都と倶盧　贈おく廼夜覇は餓かつえ岐廻（日本書紀にほんしょき）
やくもたつ　いずもやえがき　つまごみに　やえがきつくる　そのやえがきを（読よみ：ふりがな）
八雲やくも立たつ　　出雲いずも八重やえ垣かき　　　妻つま籠かごに　　　八重やえ垣かき作つくる　　　その八はち重じゅう垣かきを

と詠よんだ。記紀ききで最初さいしょの歌うたであることから、日本にっぽん最初さいしょの和歌わかともされる。

また、ここから「八雲やくも」は出雲いずもを象徴しょうちょうする言葉ことばともなった。「八雲やくも立たつ」は出雲いずもに掛かかる枕詞まくらことばである。

クシナダヒメとの間あいだに八島やじま士し奴やつ美神びしんが産うまれ、その子孫しそんが大国たいこく主神しゅしんと解釈かいしゃくされてきた（『日本書紀にほんしょき』では大だい已やめ貴命きめい（おおあなむちのみこと）で『古事記こじき』では大国たいこく主神しゅしんは彼かれの6代だい後ごの子孫しそんとしている）。

また、神大しんだい市し比ひ売うりを娶めとって大年おおとし神かみと宇迦之の御ご魂たましい神しんを産うんでいる。

『日本書紀にほんしょき』における八はち岐大蛇へびの記述きじゅつがある一いち書しょ第だい4では、天てんから追放ついほうされたスサノオは、新しん羅らの曽そ尸しかばね茂しげ梨なし（そしもり）^[5]に降ふり、この地ち吾われ居いること欲ほしさずと言いい息子むすこの五十猛いそたけ神しん（いそたける）と共ともに土船つちふねで東ひがしに渡わたり出雲いずも国こく斐伊川ひいかわ上じょうの鳥とり上じょうの峰みねへ到いたった（「遂とげ以埴土作つちづくり舟ぶね乘じょう之の東ひがし渡わたり到いた出雲いずも國こく簸ひ川上かわかみ所在しょざい鳥とり上之うえの峯みね」）後ご、八はち岐大蛇へびを退治たいじした。

また続つづく一いち書しょ第だい5では、木きがないと子こが困こまるだろうと言いい、体毛たいもうを抜ぬいて木きに変かえ、種類しゅるいごとに用途ようとを定さだめ、息子むすこの五十猛いそたけ命いのち、娘むすめの大屋おおや津つ姫ひめ命いのち（おおやつひめ）、枛津姫ひめ命いのち（つまつひめ）に命めいじて全国ぜんこくに植うえさせたという。

大国たいこく主ぬしの神話しんわにおいて根ねの国くにのスサノオの元もとにやってきた葦原よしわら色しょく許もと男神おかみ（あしはらしこを、後ごの大国たいこく主命しゅうめい）は、スサノオの娘むすめである須世理り比ひ売うり（すせりひめ）と互たがいに一目惚ひとめぼれするが、スサノオは葦原よしわら色しょく許もと男神おかみに様々さまざまな試練しれんを与あたえる。葦原よしわら色しょく許もと男神おかみは須世理り比ひ売うりの助たすけを得えながらそれらを克服こくふくしたので、スサノオは葦原よしわら色しょく許もと男神おかみに、須世理り比ひ売うりを妻つまとすることを認みとめ、生なま大刀たち、生なま弓矢ゆみや、天てん詔みことのり琴きんを譲ゆずり、大国たいこく主ぬしという名なを贈おくった。

解説かいせつ

須佐すさ之の男おとこ命いのち。歌川うたがわ国芳くによし作さく

スサノオは多彩たさいな性格せいかくを有ゆうしている^[6]。母ははの国くにへ行いきたいと言いって泣なき叫さけぶ子供こどものような一いち面めんがあるかと思おもえば、高天原たかまがはらでは凶暴きょうぼうな一いち面めんを見みせる^[6]。出雲いずもへ降おりると一転いってんして英雄えいゆう的てきな性格せいかくとなる^[6]。

日本にっぽん初はつの和歌わかを詠よんだり^{[誰だれによって?]}^[6]、木きの用途ようとを定さだめたりなど文化ぶんか英雄えいゆう的てきな側面そくめんもある。これは多数たすうの伝承でんしょうをまとめて一ひとつの話はなしにしたためとする説せつもある^[7]。また、前述ぜんじゅつの『日本書紀にほんしょき』における新しん羅らの曽そ尸しかばね茂しげ梨なしに降おりたという記述きじゅつから、元々もともとは新しん羅らの神かみではないかという指摘してきもある^[8]^[9]。

神かみ名めいの「スサ」は、荒あれすさぶの意いとして嵐あらしの神かみ、暴風雨ぼうふううの神かみとする説せつや（高天原たかまがはらでのスサノオの行おこないは暴風雨ぼうふううの被害ひがいを示しめすとする）、「進すすむ」と同根どうこんで勢いきおいのままに事ことを行おこなうの意いとする説せつ^[10]、出雲いずも西部せいぶの神戸こうべ川がわ中流ちゅうりゅうにある須佐すさ（飯石いいし郡ぐん須佐すさ郷さと）に因ちなむとする説せつ（スサノオは須佐すさ郷きょうの族長ぞくちょうを神格しんかく化かしたものとする）がある^[11]。

『記紀きき』神話しんわにおいては出雲いずもの神かみの祖神そしんとして書かかれているスサノオであるが、『出雲いずも国こく風土記ふどき』では彼かれはあまり登場とうじょうせず、意宇いう郡ぐん安来やすぎ郷きょうや飯石いいし郡ぐん（いいしのこおり）須佐すさ郷さとなどの地名ちめい制定せいていや御子みこ神しんたちの説話せつわが書かかれており、八はち岐大蛇へび退治たいじの説話せつわは記載きさいされていない。

神楽かぐら演目えんもく：大蛇おろち（おろち）でのスサノオ

出雲いずも国こく（現げん：島根しまね県けん）東部とうぶの奥出雲おくいずも町まちにはスサノオが降臨こうりんしたといわれる鳥とり髪かみ峰ほう（現げん：船通山せんつうざん）^[12]、それに隣接りんせつする安来やすぎ市しは彼かれが地名ちめいをつけたという風土記ふどきの記述きじゅつもある^[13]。また、前述ぜんじゅつの通とおり八はち岐大蛇へび退治たいじは産さん鉄てつ民みんの平定へいていを象徴しょうちょうすると見みる説せつがあるが、これらの地域ちいきは古代こだいよりたたら製鉄せいてつが盛さかんだった流ながれから、現在げんざいでも島根しまね県けんでは日立金属ひたちきんぞく安来やすぎ工場こうじょうや冶金やきん研究所けんきゅうじょなどが日本にっぽん美術びじゅつ刀剣とうけん保存ほぞん協会きょうかいとともにこの地域ちいきで古式こしきにのっとったたたら製鋼せいこうを行おこなっている^[14]^[15]。

後のちに、仏教ぶっきょうにおける祇園ぎおん精舎しょうじゃの守護神しゅごじんである牛頭ごず天王てんのうと習合しゅうごうした^[6]。これは、どちらも荒神こうじんだからであるとする説せつがあるが^[6]、他たの解釈かいしゃくも多おおい（牛頭ごず天王てんのうを参照さんしょう）。

オーストリアの民族みんぞく学者がくしゃアレクサンダー・スラヴィクは、根ねの国くにに追おわれた後のちのスサノオが蓑みのと笠かさを着きて神かみ々に宿やどを頼たのんだことを解釈かいしゃくして、蓑みのと笠かさは本来ほんらい神聖しんせいな「祭祀さいし的てき来訪らいほう者しゃ」が着きることを許ゆるされるのであり、スサノオはそのような来訪らいほう者しゃとして神かみ々に宿やどを貸かすように強制きょうせいし客人きゃくじん歓待かんたいの慣習かんしゅうを要求ようきゅうしたのである、と考かんがえている^[16]。

弘ひろし仁ひとし元年がんねん（810年ねん）正月しょうがつ、第だい52代だい嵯峨天皇さがてんのうは、「素もと尊みことは則のりち皇国こうこくの本ほん主おもなり。故ゆえに日本にっぽんの総社そうじゃと崇あがめ給たまいし」と詔みことのり(みことのり)して、津島つしま神社じんじゃ（愛知あいち県けん津島つしま市し）に神階しんかい正せい一いち位いと日本にっぽん総社そうしゃの号ごうを賜たまわったとされる。

第だい66代だい一条天皇いちじょうてんのうの正せい暦年れきねん中ちゅう（990年ねん-994年ねん）に、津島つしま神社じんじゃ（愛知あいち県けん津島つしま市し）に天王てんのう社しゃの号ごうが贈おくられた。

妻つま・子孫しそん

嫡妻 : 櫛くし名田なた比ひ売うり（クシナダヒメ、『日本書紀にほんしょき』では奇き稲田いなだ姫ひめ/クシイナダヒメ、稲田いなだ媛ひめ/イナダヒメ、眞ま髪かみ觸さわ奇き稲田いなだ媛ひめ/マカミフルクシイナダヒメ、『出雲いずも国こく風土記ふどき』では久志くし伊奈いな太美ふとみ等とう与あずか麻あさ奴やつ良りょう比ひ売うり命いのち/クシイナダミトヨマヌラヒメ） - 『古事記こじき』
- 子こ : 八島やじま士し奴やつ美神びしん（ヤシマジヌミ、『日本書紀にほんしょき』では清之きよゆき湯山ゆやま主ぬし三名狭漏彦八嶋篠） - 『古事記こじき』
- 子こ : 大だい己おのれ貴き神かみ（オオナムチ） - 『日本書紀にほんしょき』本文ほんぶんのみ
妻つま : 神大しんだい市し比ひ売うり（カムオオイチヒメ） - 『古事記こじき』
- 第だい一いち子し : 大年おおとし神かみ（オオトシ） - 『古事記こじき』
- 第だい二に子し : 宇迦之の御ご魂たましい神しん（ウカノミタマ） - 『古事記こじき』
妻つま : 佐さ美良みよし比ひ売うり命いのち（サミラヒメ） - 『八坂神社やさかじんじゃ』
誓約せいやく上じょうの妻つま : 天照大御神あまてらすおおみかみ（五ご男なん三さん女神めがみ）
- 男神おかみ　正勝まさかつ吾われ勝しょう勝かち速そく日び天てん之の忍しのぶ穂みのる耳みみ命いのち
- 男神おかみ　天てん之の菩卑能のう命いのち
- 男神おかみ　天津てんしん日子にっし根ね命いのち
- 男神おかみ　活かつ津つ日子にっし根ね命いのち
- 男神おかみ　熊野くまの久ひさ須毘命いのち
- 女神めがみ　多紀たき理り毘売命いのち - 別名べつめい：奥津おきつ島とう比ひ売うり命いのち（オキツシマヒメ）
- 女神めがみ　市し寸すん島とう比ひ売うり命いのち - 別名べつめい：狭せま依よ毘売命いのち（サヨリビメ）
- 女神めがみ　多岐たき都と比ひ売うり命いのち

親無おやなし・親おや不明ふめい

宗像むなかた三さん女神めがみ - 『日本書紀にほんしょき』では化生かせい順じゅんが4通とおりに異ことなる
- 長女ちょうじょ : 多紀たき理り毘売命いのち（タキリビメ） - 『古事記こじき』
- 次女じじょ : 市し寸すん島とう比ひ売うり命いのち（イチキシマヒメ） - 『古事記こじき』
- 三さん女じょ : 多岐たき都と比ひ売うり命いのち（タキツヒメ） - 『古事記こじき』
長男ちょうなん : 五十猛いそたけ神しん（五十猛いそたけ命いのち、イタケル、イソタケル） - 『日本書紀にほんしょき』
長女ちょうじょ : 大屋おおや津つ姫ひめ命いのち（オオヤツヒメ） - 『日本書紀にほんしょき』
次女じじょ : 枛津姫ひめ命いのち（ツマツヒメ） - 『日本書紀にほんしょき』
須勢理り毘売命いのち（スセリビメ、『出雲いずも国こく風土記ふどき』では和かず加か須世理り比ひ売うり命いのち/ワカスセリヒメ、『先代せんだい旧きゅう事こと本紀ほんぎ』では須世理り姫ひめ/スセリヒメ） - 『古事記こじき』
国くに忍にん別命べつめい（クニオシワケ） - 『出雲いずも国こく風土記ふどき』
青あお幡はた佐たすく草くさ丁ちょう壮たけし命いのち（アオハタサクサヒコ） - 『出雲いずも国こく風土記ふどき』、八重やえ垣かき神社じんじゃの社家しゃけ佐草さくさ氏しの始祖しそ
磐いわ坂ざか日子にっし命いのち（イワサカヒコ） - 『出雲いずも国こく風土記ふどき』
衝桙等とう乎而留とめ比ひ古こ命いのち（ツキホコトオヨルヒコ） - 『出雲いずも国こく風土記ふどき』
都留つる支ささえ日び古こ命いのち（ツルギヒコ） - 『出雲いずも国こく風土記ふどき』
八野はちの若わか日び女おんな命いのち（ヤノノワカヒメ） - 『出雲いずも国こく風土記ふどき』
天てん逆ぎゃく毎ごと（アマノザコ） - 『和漢わかん三さん才さい図会ずえ』

主祭しゅさい神しんとしている神社じんじゃ

旧きゅう官かん国幣社こくへいしゃおよび別表べっぴょう神社じんじゃ

熊野くまの大社たいしゃ（島根しまね県けん松江まつえ市し）出雲いずも國こく一之宮いちのみや
日御碕ひのみさき神社じんじゃ（島根しまね県けん出雲いずも市し）上じょうの本社ほんしゃ、神かみの宮みや
津島つしま神社じんじゃ（愛知あいち県けん津島つしま市し）^[6]津島つしま神社じんじゃ・天王てんのう社しゃの総そう本社ほんしゃ
須佐すさ神社じんじゃ（島根しまね県けん出雲いずも市し）^[6]
八重やえ垣かき神社じんじゃ（島根しまね県けん松江まつえ市し）^[17]
廣こう峯みね神社じんじゃ（兵庫ひょうご県けん姫路ひめじ市し）
素す盞嗚神社じんじゃ（広島ひろしま県けん福山ふくやま市し）
八坂神社やさかじんじゃ（京都きょうと府ふ京都きょうと市し東山ひがしやま区く）^[6]
氷川神社ひかわじんじゃ（埼玉さいたま県けんさいたま市し大宮おおみや区く）^[6]
久ひさ武神ぶしん社しゃ（島根しまね県けん出雲いずも市し斐川ひかわ町まち）

熊野くまの大社たいしゃ（島根しまね県けん松江まつえ市し）では祭神さいじんの「伊い邪よこしま那な伎日にち真名子まなご加か夫おっと呂りょ伎熊野くまの大神おおがみ櫛くし御ご気き野の命いのち（イザナギノヒマナコカブロギクマノオオカミクシミケヌ）」をスサノオの別名べつめいとしている^[18]。和歌山わかやま県けん田辺たなべ市しにある熊野くまの本宮ほんぐう大社たいしゃの祭神さいじんである家いえ都と御子みこ神しんはスサノオのことともされる^[6]（説せつがあるだけで同どう一いち視しでは無ない）。また隣となりの安来やすぎ市しには嘉よしみ羅ら久利ひさとし神社じんじゃ、都と辨べん志こころざし呂りょ神社じんじゃなどにスサノオの社しゃ伝でんが伝つたわる古社ふるやしろもある。

全国ぜんこくに分布ぶんぷする神社じんじゃ

祇園ぎおん信仰しんこう、津島つしま信仰しんこう、氷川ひかわ信仰しんこうなどに基もとづくものが多おおい^[6]。これらの神社じんじゃは、祇園ぎおん社しゃや天王てんのう社しゃを名乗なのったものが明治めいじの神仏しんぶつ分離ぶんりの際さいに現在げんざいの名前なまえになったものが多おおい。

祇園ぎおん神社じんじゃ、八坂神社やさかじんじゃ、弥栄やさか神社じんじゃ
素す盞嗚神社じんじゃ、素す盞雄神社じんじゃ、須佐すさ神社じんじゃ
天王てんのう神社じんじゃ、天王てんのう社しゃ、津島つしま神社じんじゃ
須賀すか神社じんじゃ、須我神社じんじゃ、素す鵞神社しゃ
氷川神社ひかわじんじゃ、簸川ひかわ神社じんじゃ
八雲神社やくもじんじゃ
杭全くまた神社じんじゃ^[19]
大将軍だいしょうぐん八はち神社じんじゃ
野々宮ののみや神社じんじゃ（堺さかい市し）
藤森ふじもり神社じんじゃ
田た出で宇賀うが神社じんじゃ（福島ふくしま県けん南会津みなみあいづ町まち）
亀かめ都と起おこし神社じんじゃ - 大分おおいた県けん玖珠くす町まち亀かめ都と起おこし古墳こふん

スサノオを題材だいざいにした伝統でんとう芸能げいのう

石見いわみ神楽かぐら - 「大蛇おろち」
出雲いずも神楽かぐら - 「八戸はちのへ」「簸ひの川かわ大蛇おろち退治たいじ」
浄瑠璃じょうるり - 「日本にっぽん振袖ふりそで始はじめ」（近松ちかまつ門左衛門もんざえもん）

スサノオを題材だいざいとした作品さくひん

小説しょうせつ

素す戔嗚尊みこと（1920年ねん、芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ、大阪毎日新聞おおさかまいにちしんぶん初出しょしゅつ）^[20]
老おいたる素もと戔嗚尊みこと（1920年ねん、芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ、大阪毎日新聞おおさかまいにちしんぶん・東京とうきょう朝日新聞あさひしんぶん初出しょしゅつ）^[21]
スサノオ自伝じでん（1996年ねん、芦原あしはらすなお、集英社しゅうえいしゃ）^[22]

実写じっしゃ映画えいが

日本にっぽん誕生たんじょう（1959年ねん、東宝とうほう、演えんじ：三船みふね敏郎としお）

アニメ映画えいが

わんぱく王子おうじの大蛇おろち退治たいじ（1963年ねん、東映動画とうえいどうが、声こえの出演しゅつえん：住田すみた知とも仁ひとし（現げん・風間かざま杜夫もりお））

漫画まんが

スサノオ (マンガで親したしむ出雲神いずものかみ話ばなし 1)（2011年ねん、酒井さかい董ただし美び監修かんしゅう、小室こむろ孝太郎こうたろう作画さくが、山陰中央新報社さんいんちゅうおうしんぽうしゃ、ISBN 978-4-87903-160-0）^[23]
マンガ面白おもしろいほどよくわかる! 古事記こじき（2017年ねん、かみゆ歴史れきし編集へんしゅう部ぶ編集へんしゅう、西東さいとう社しゃ、ISBN 978-4791625260）^[24]
古事記こじき（中ちゅう辛からし）（2020年ねん - （未み詳しょう）、浮津うきつ、小学館しょうがくかん『月刊げっかん! スピリッツ』連載れんさい、コミックス全ぜん3巻かん）^[25]

備考びこう

吉村よしむら貞さだ司しは『スサノオの悪あく竜りゅう退治たいじ -原はら神話しんわの回復かいふくの試こころみ-』（1977年ねん）において、「大和やまとの高天原たかまがはら神話しんわにおけるスサノオ」と高天原たかまがはら神話しんわに吸収きゅうしゅうされる以前いぜんの「出雲神いずものかみ話ばなしにおけるスサノオ」では神かみとしての性格せいかくが異ことなると指摘してきし、原田はらだ大だい六ろくの説せつ^[26] にみられる農業のうぎょうの破壊はかい神しん、すなわち台風たいふうを神格しんかく化かした性格せいかくは「高天原たかまがはら（大和やまと）のスサノオ」であり、原初げんしょからスサノオが嵐あらしの神かみであったという説せつには否定ひてい的てきな立場たちばをとっている。また、次じ田た真幸まさきも『古事記こじき（上うえ）全ぜん訳注やくちゅう』（講談社こうだんしゃ学術がくじゅつ文庫ぶんこ、1977年ねん） p. 94において、「スサノオを暴風雨ぼうふううの神かみと見みる説せつには従したがいがたい」として、解説かいせつで否定ひてい的てきな立場たちばを記しるしている。
明治めいじ時代じだい刊行かんこうの『皇国こうこく武術ぶじゅつ英名えいめい録ろく』の序じょには、「剣道けんどう（剣術けんじゅつ）はスサノオより起おこる」として、その起源きげんをヤマタノオロチ退治たいじで天てん叢雲むらくも剣けんを得えた神話しんわに求もとめている。
三重みえ県けん津つ市し新家しんけ町まちの物部ものべ神社じんじゃにはスサノオが根ねの国くに（黄泉よみ）へと天てん降ふる際さいに同どう神社じんじゃのある場所ばしょを一夜いちやの宿やどとして使つかったとの伝承でんしょうが存在そんざいする。

出典しゅってん

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ 日本にっぽん国史こくし学会がっかい編へん『日本にっぽん國史こくし學がく第だい１号ごう』（アメノオシホミミを生うんだ神かみはどの神かみか）
^ “江田えだ神社じんじゃ”. 宮崎みやざき県けん. 2010年ねん7月がつ21日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2015年ねん10月がつ21日にち閲覧えつらん。
^ この記述きじゅつはイザナギが単独たんどくでスサノオを生うんだという『古事記こじき』の立場たちばと矛盾むじゅんする。
^ この記述きじゅつはスサノオが高天原たかまがはらでアマテラスの田たを壊こわし、アマテラスが機織はたおりをしたという記述きじゅつと矛盾むじゅんする。『日本書紀にほんしょき』でこれに該当がいとうする月夜つきよ見み尊みことと保ほ食しょく神しんの神話しんわはスサノオの昇天しょうてんの前まえに置おかれており、こちらは矛盾むじゅんがない。
^ 韓国かんこく語ごでは、ソ=牛うし、モリ=頭あたまの意味いみである。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l 『八はち百ひゃく万まんの神かみ々 - 日本にっぽんの神霊しんれいたちのプロフィール』p.49,51-54,303
^ 『神かみの事典じてん』p.19
^ 『古事記こじきの本ほん』p.60-61
^ 薗田そのだ稔みのる、茂木もき栄さかえ『日本にっぽんの神かみ々の事典じてん神道しんとう祭祀さいしと八はち百ひゃく万まんの神かみ々』学研がっけん、p.168-169
^ 『日本にっぽん文化ぶんかの古層こそう』p.123
^ 『神道しんとうの本ほん - 八百万やおよろずの神かみ々がつどう秘教ひきょう的てき祭祀さいしの世界せかい』p.66-67
^ “船通山せんつうざん”. 鳥取とっとり県けん観光かんこう連盟れんめい. 2015年ねん10月がつ21日にち閲覧えつらん。
^ “安来やすぎ市しの概要がいよう”. 安来やすぎ市し. 2013年ねん4月がつ1日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2015年ねん10月がつ21日にち閲覧えつらん。
^ “島根しまねのたたら”. 島根しまね県けん. 2021年ねん3月がつ1日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2021年ねん3月がつ1日にち閲覧えつらん。
^ “たたら製鉄せいてつ”. 日立金属ひたちきんぞく安来やすぎ製作所せいさくしょ. 2014年ねん1月がつ21日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2021年ねん3月がつ1日にち閲覧えつらん。
^ 『日本にっぽん文化ぶんかの古層こそう』p.124
^ “第だい十じゅう四よん番ばん八はち重じゅう垣かき神社じんじゃ出雲いずも國神くにかみ仏ふつ霊場れいじょう公式こうしきホームページ”. 出雲いずも國神くにかみ仏ふつ霊場れいじょう. 2007年ねん11月14日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2011年ねん12月29日にち閲覧えつらん。
^ “メインページ”. 出雲いずも國こく一之宮いちのみや熊野くまの大社たいしゃ. 2011年ねん12月29日にち閲覧えつらん。
^ “杭全くまた神社じんじゃ御ご由緒ゆいしょ”. 杭全くまた神社じんじゃ. 2004年ねん5月がつ4日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2011年ねん12月29日にち閲覧えつらん。
^ 『素す戔嗚尊みこと (芥川あくたがわ竜之介りゅうのすけ)』。
^ 『老おいたる素もと戔嗚尊みこと (芥川あくたがわ竜之介りゅうのすけ)』。
^ “集英社しゅうえいしゃ文庫ぶんこスサノオ自伝じでん”. 紀伊國屋きのくにや書店しょてんウェブストア｜オンライン書店しょてん｜本ほん、雑誌ざっしの通販つうはん、電子でんし書籍しょせきストア. 2024年ねん5月がつ8日にち閲覧えつらん。
^ 総合そうごうホビーオンラインストア, キャラアニ com |. “書籍しょせき: スサノオマンガで親したしむ出雲神いずものかみ話ばなし 1: 山陰中央新報社さんいんちゅうおうしんぽうしゃ｜キャラアニ.com”. www.chara-ani.com. 2024年ねん5月がつ8日にち閲覧えつらん。
^ かみゆ歴史れきし編集へんしゅう, 部ぶ (2017-05-01). マンガ面白おもしろいほどよくわかる! 古事記こじき. 西東さいとう社しゃ. ISBN 978-4-7916-2526-0
^ Inc, DIGITALIO. “古事記こじき(中ちゅう辛からし)（漫画まんが）”. マンガペディア. 2024年ねん5月がつ8日にち閲覧えつらん。
^ 原田はらだ大だい六ろく『実在じつざいした神話しんわ』（学生がくせい社しゃ、1966年ねん） pp.211 - 212.

文献ぶんけん

加藤かとう義成よしなり『古事記こじき参究さんきゅう』素行そこう会かい、1986年ねん4月がつ。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:87014654、NCID BA86821842。
少年しょうねん社しゃ、後藤ごとう然しか、渡辺わたなべ裕之ひろゆき、羽はね上田うえだ昌彦まさひこ著ちょ、学研がっけん編集へんしゅう部ぶ編へん『神道しんとうの本ほん - 八百万やおよろずの神かみ々がつどう秘教ひきょう的てき祭祀さいしの世界せかい』学研がっけんマーケティング〈NEW SIGHT MOOK ブックス・エソテリカ 2〉、1992年ねん2月がつ。ISBN 978-4-05-106024-4。
スラヴィク, A.『日本にっぽん文化ぶんかの古層こそう』住じゅう谷たに一彦かずひこ、クライナー,ヨーゼフ訳わけ、未来社みらいしゃ、1984年ねん9月がつ。ISBN 978-4-624-20045-9。
戸部とべ民夫たみお『八はち百ひゃく万まんの神かみ々 - 日本にっぽんの神霊しんれいたちのプロフィール』新しん紀元きげん社しゃ〈Truth In Fantasy 31〉、1997年ねん12月。ISBN 978-4-88317-299-3。
本位田ほんいでん重美しげみ『評ひょう註古今ここん和歌集わかしゅう選せん釈しゃく』武蔵野むさしの書院しょいん、1955年ねん3月がつ。
少年しょうねん社しゃ、吉田よしだ邦博くにひろ、古川ふるかわ順弘のぶひろ、幣ぬさ旗き愛子あいこ『古事記こじきの本ほん - 高天原たかまがはらの神かみ々と古代こだい天皇てんのう家かの謎なぞ』学研がっけん〈NEW SIGHT MOOK ブックス・エソテリカ 40〉、2006年ねん8月がつ。ISBN 4-05-604467-8。