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スズキ・SX4 - Wikipedia

SX4(エスエックスフォー)はスズキクロスオーバーSUVセダンである。

ほん項目こうもくでは、フィアットとの共同きょうどう開発かいはつしゃとして登場とうじょうした[1]2006ねんから2014ねんのモデルおよどう型式けいしき改造かいぞうしゃ参戦さんせんしたモータースポーツについてしるし、2013ねんから「SX4 S-CROSS」(日本にっぽん市場いちばにおけるくるまめい)として販売はんばいされていたモデルおよ後継こうけいモデルについてはスズキ・S-CROSS項目こうもく参考さんこうとされたい。

初代しょだい YA11S/YA41S/YB11S/YB41S/YC11Sがた(2006ねん - 2014ねん

編集へんしゅう
スズキ・SX4(初代しょだい
YA11S/YA41S/YB11S/YB41S/YC11Sがた
 
5ドア
 
セダン 後期こうきがた 1.5G
 
インテリア(輸出ゆしゅつ仕様しよう
概要がいよう
製造せいぞうこく   日本にっぽん
  ハンガリー
販売はんばい期間きかん SX4:2006ねん7がつ2014ねん11月
SX4セダン:2007ねん7がつ - 2014ねん11月
デザイン イタルデザイン・ジウジアーロ
ボディ
乗車じょうしゃ定員ていいん 5にん
ボディタイプ 5ドア クロスオーバーSUV
(インドはのぞく)
4ドア ノッチバックセダン
エンジン位置いち フロント
駆動くどう方式ほうしき 前輪ぜんりん駆動くどう / よんりん駆動くどう(5ドアのみ)
パワートレイン
エンジン M15Aがた 1.5L ちょく4 DOHC VVT
J20Aがた 2.0L ちょく4 DOHC
変速へんそく 4AT
5MT海外かいがいのみ)
サスペンション
まえ マクファーソンストラット
のち トーションビーム
車両しゃりょう寸法すんぽう
ホイールベース 2,500mm
全長ぜんちょう SX4
1.5E 4,115mm
そのグレード 4,135mm
SX4セダン
1.5F/G 4,490mm
全幅ぜんぷく SX4
1.5E/F/G・2.0S 1,730mm
1.5XF/XG・2.0XS 1,755mm
SX4セダン
1.5F/G 1,730mm
ぜんこう SX4
1.5E/F/G 1,585mm
2.0S 1,570mm
1.5XF/XG・2.0XS 1,605mm
SX4セダン
1.5F/G 1,545mm
車両しゃりょう重量じゅうりょう SX4
1.5E (2WD) 1,180kg
1.5E (4WD) 1,240kg
1.5Lしゃ (2WD) 1,190kg
1.5Lしゃ (4WD) 1,250kg
2.0Lしゃ (2WD) 1,250kg
2.0Lしゃ (4WD) 1,310kg[ちゅう 1]
セダン
1.5Lしゃ (2WD) 1,190kg
その
新車しんしゃ登録とうろく台数だいすう累計るいけい 3まん1019だい[2]
系譜けいふ
先代せんだい エリオ
後継こうけい シアズ(セダン)
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フィアットとの共同きょうどう開発かいはつしゃであった[1]ものの、設計せっけい生産せいさんかんしてはスズキの生産せいさん拠点きょてん製造せいぞうおこなわれ、エンジン(ディーゼルのぞく)およびプラットフォームもスズキのスイフトおなじものが使用しようされるなど、非常ひじょうにスズキしょくつよくるまである。フィアットでは姉妹しまいしゃフィアット・セディチ」として販売はんばいされていたが2014ねん終了しゅうりょう500Xにバトンタッチした。スズキでは(車両しゃりょうコンセプトは多少たしょうことなるが)エリオ後継こうけい車種しゃしゅ相当そうとうする。

デザインはジョルジェット・ジウジアーロひきいるイタルデザイン担当たんとうしている。「X-OVERREVOLUTION(クロスオーバーレヴォリューション)」を開発かいはつコンセプトとし、スポーティーコンパクトカーSUV融合ゆうごう(クロスオーバー)させたモデルとして開発かいはつされた。運動うんどう性能せいのう重視じゅうししたハッチバックタイプのコンパクトカーでありつつも、全高ぜんこう1,585mmとたかめのボディにくわえ「X○」けいのグレードにはフェンダーにサイドクラッディング(モール)をれるなど、SUVてき要素ようそれられている。当時とうじ、スズキでは「スポーツ・クロスオーバー」としょうしていたが、実際じっさいには日本にっぽんではそれまでほとんどなじみのなかったコンパクトクロスオーバーSUV嚆矢こうしともいえるモデルでもある[3][4]。なお全幅ぜんぷくが1,730mm~1,755mmのため、日本にっぽん国内こくないでは全車ぜんしゃ3ナンバーとなる。エンジンはガソリン2種類しゅるい(1.6L・2.0L)と、フィアットせいの1.9Lディーゼルターボ用意よういされる(日本にっぽん仕様しようしゃはガソリンエンジンのみ)。ホイールはこのクラスのFFベースしゃ採用さいようされることおおいPCD100・4あなではなく、PCD114.3・5あな採用さいようしている。

WRカー前提ぜんていにしたスポーツコンパクトとしても開発かいはつされており、同社どうしゃスイフトでねじり剛性ごうせいで10%以上いじょう剛性ごうせいでは20%以上いじょう、リヤサスペンションの取付とりつけ剛性ごうせいも190%以上いじょう強化きょうかされた。

2007ねん3がつジュネーヴモーターショーセダンモデルが発表はっぴょうされた[5]エリオセダン後継こうけいとの位置いちづけで、日本にっぽんおよび北米ほくべい先駆さきがけて中国ちゅうごくおよびインド先行せんこう発売はつばいされ、日本にっぽんでは同年どうねん7がつ発売はつばいされた。

2005ねん12月1にち
同日どうじつ欧州おうしゅうでの生産せいさん開始かいしされ、あわせて実車じっしゃ写真しゃしん公開こうかいされた[1]
製造せいぞうハンガリーマジャールスズキおこなわれ、年間ねんかん6まんだい(うち3ぶんの2がスズキけ、のこりがフィアットけ)の生産せいさん見込みこんでいる。
2006ねん3がつ
欧州おうしゅう仕様しようしゃジュネーヴ・モーターショー正式せいしき発表はっぴょうされた[6]
量産りょうさんしゃクロスカントリーカーしょくつよい「アウトドアライン」と、より都会とかいてきなイメージの「アーバンライン」の2タイプが用意よういされる。また、2007ねんからのWRC参戦さんせん発表はっぴょうされ、競技きょうぎよう車両しゃりょう(SX4 WRCコンセプト)が参考さんこう出品しゅっぴんしゃとして出展しゅってんされている。
2006ねん4がつ
北米ほくべい仕様しようしゃニューヨーク国際こくさいオートショー発表はっぴょう
エンジンは2,000ccガソリン1種類しゅるいのみ。製造せいぞう日本にっぽん相良さがら工場こうじょうおこなわれる。
2006ねん7がつ4にち
日本にっぽん国内こくないでの発売はつばい開始かいし。エンジンはガソリン2種類しゅるいM15Aがた1.5L・J20Aがた2.0L)を用意ようい北米ほくべい仕様しようおなじく相良さがら工場こうじょう製造せいぞうされる。全車ぜんしゃFFとパートタイム4WDが設定せっていされる。トランスミッションは4そくATのみ。国土こくど交通省こうつうしょうへの届出とどけでには2.0Lのマニュアルトランスミッション仕様しよう設定せっていされ、国土こくど交通省こうつうしょうから型式けいしき認定にんていされていたが、日本にっぽん国内こくないけには発売はつばいされなかった。
発売はつばい当時とうじのグレードは廉価れんかグレードの「1.5E」、スポーツしょくたかめた「1.5G」、「2.0S」、欧州おうしゅうでのアウトドアラインにあたる「1.5XG」の4グレード。目標もくひょう年間ねんかん販売はんばい台数だいすうは1まん5,000だい発表はっぴょうされている。車両しゃりょう型式けいしき駆動くどう方式ほうしきによりことなり、2WDしゃはYA#1がた、4WDしゃはYB#1がたとなる。
2006ねん10月11にち
アウトドアラインに、しんグレード「2.0XS」追加ついか
2006ねん12月5にち
スポーツ用品ようひんブランド「サロモン」のイメージにわせ、ウィンタースポーツをたのしむユーザーにけた特別とくべつ限定げんていしゃ「1.5サロモンリミテッド」発売はつばい限定げんてい1,000だい)。
2007ねん3がつ
ジュネーヴモーターショーでセダンモデルが発表はっぴょう[5]
2007ねん5月15にち
しんグレードとして、おどくグレードの「1.5F」、ルーフレールとアンダーモールを装備そうびした廉価れんかのアウトドアグレード「1.5XF」を追加ついか
2007ねん6月5にち
アルカンターラ使用しようしたシート表皮ひょうひとディスチャージヘッドランプなどを装備そうびした特別とくべつ仕様しようしゃ「1.5ヘリーハンセンリミテッド」発売はつばい。(限定げんてい1,000だい
2007ねん7がつ24にち
4ドアセダンの「SX4セダン」を追加ついか車両しゃりょう型式けいしきはYC11Sがた)。1.5L・FFのみで2.0Lや4WDの設定せっていはない。グレードは「1.5F」と「1.5G」の2しゅで、後者こうしゃかんしては15インチアルミホイールディスチャージヘッドランプなどが装備そうびされている。外観がいかんではフロントバンパーフロントグリルがセダン専用せんようデザインとなっているほか、セダン専用せんようしょくとして同社どうしゃパレットソリオなどにも採用さいようされている「ノクターンブルーパール」を用意ようい目標もくひょう年間ねんかん販売はんばい台数だいすうはハッチバックとわせて10,000だい発表はっぴょうされている。
2007ねん11月6にち
昨年さくねんつづき、特別とくべつ限定げんていしゃ「1.5サロモンリミテッド」を発売はつばい。(限定げんてい700だい
2008ねん6月26にち
昨年さくねんつづき、特別とくべつ限定げんていしゃ「1.5ヘリーハンセンリミテッド」を発売はつばい今回こんかい防水ぼうすいシート・防水ぼうすいドアトリムなど内装ないそうのいたるところに「ヘリーハンセン」のロゴがはいっている。また、ディスチャージヘッドランプやオートライトシステムなどを装備そうびしている。(限定げんてい700だい
2008ねん10がつ
仕様しよう変更へんこう。5ドアタイプは廉価れんかグレードの「1.5E」を廃止はいし。また、ボディカラーは「パールメタリックカシミールブルー」を廃止はいし。セダンタイプも仕様しよう変更へんこうされた。
2009ねん5がつ20日はつか
一部いちぶ改良かいりょう。グレード形態けいたい整理せいりし、5ドアタイプは「1.5G」と「1.5XG」の2グレードとなり2.0Lしゃ廃止はいし。セダンタイプは「G」の2WDしゃのみの設定せっていとなった。M15Aがたエンジンに可変かへん吸気きゅうきシステムが追加ついかされたことで最高さいこう出力しゅつりょく最大さいだいトルクをアップ。点火てんか方式ほうしきについて、2つの気筒きとうを1つのイグニッションコイルで点火てんかさせる「セミダイレクトイグニッション」方式ほうしき採用さいよう廃止はいしして、1気筒きとうあたりイグニッションコイルが1個いっこ通常つうじょうのダイレクトイグニッション方式ほうしき採用さいようした。メーターパネルを発光はっこうしき変更へんこうし、時刻じこくそと気温きおん燃費ねんぴ表示ひょうじするインフォメーションディスプレイを追加ついか。また、LEDターンランプづけドアミラーを追加ついかし、その一部いちぶ装備そうび変更へんこう。さらに、5ドアタイプはリアシートの収納しゅうのう方法ほうほう変更へんこうしつボードの追加ついか使つか勝手がって向上こうじょうするとともに、フロントグリルとアルミホイールのデザインを変更へんこう
2012ねん6がつ11にち
一部いちぶ改良かいりょう。5ドアタイプ・セダンタイプどもにリアシート中央ちゅうおうにヘッドレストと3てんしきシートベルトを標準ひょうじゅん装備そうびし、シート表皮ひょうひ変更へんこう。さらに5ドアタイプではアルミホイールとフロントグリルのデザインも変更へんこうした。
2013ねん2がつ1にち
仕様しよう変更へんこう。5ドアタイプ・セダンタイプどもJC08モード燃費ねんぴ対応たいおうした。
2013ねん3がつ5にち
後継こうけいモデルとなるS-CROSS (SX4 S-CROSS)発表はっぴょう
2014ねん10がつ[7][8]
5ドア、セダンどもにそれぞれ日本にっぽんでの生産せいさん終了しゅうりょう以後いご在庫ざいこのみの販売はんばいとなる。
2014ねん11月[9]
5ドア、セダンどもにそれぞれ日本にっぽんでの販売はんばい終了しゅうりょう同時どうじ公式こうしきHPへの掲載けいさい終了しゅうりょう。また、マジャールスズキでも製造せいぞう終了しゅうりょう[10]

モータースポーツ

編集へんしゅう
スズキ・SX4・WRC
 
SX4 WRC (2008ねん
カテゴリー FIA ワールドラリーカー
主要しゅようしょもと[11]
サスペンション(まえ マクファーソンストラット コイルスプリング
サスペンション( マクファーソンストラット コイルスプリング
全長ぜんちょう 4,135 mm
全幅ぜんぷく 1,770 mm
ぜんこう 1,450 mm
ホイールベース 2,500 mm
エンジン J20 1,997 cc 水冷すいれい4気筒きとう16バルブDOHC ターボ
トランスミッション シーケンシャル5そく マニュアル 前後ぜんこう:機械きかいしきLSD センター:アクティブ
出力しゅつりょく 235 kW (315 bhp) / 4,000 rpm - 4,500 rpm
590 N⋅m (60 kg⋅m) / 3,500 rpm
重量じゅうりょう 1,230 kg
タイヤ ピレリ
主要しゅよう成績せいせき
チーム   スズキ・ワールドラリーチーム
ドライバー
出走しゅっそう時期じき 2007 - 2008
初戦しょせん 2007ねんツール・ド・コルス英語えいごばん
エントリ優勝ゆうしょう表彰台ひょうしょうだい
3200
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2006ねん3がつのジュネーブモーターショーで2007ねん8がつからのWRC世界せかいラリー選手権せんしゅけん)へのフル参戦さんせん発表はっぴょうされ、WRCコンセプトカーが参考さんこう出品しゅっぴんしゃされた。同年どうねん7がつ4にち日本にっぽんでの新車しんしゃ発表はっぴょうかいにおいてプロトタイプが展示てんじされ、テスト走行そうこう動画どうが公開こうかいされた。実際じっさいのマシンの開発かいはつやオペレーションはJWRCもになっていた田嶋たじま伸博のぶひろひきいるスズキスポーツになう。開発かいはつ責任せきにんしゃプジョーのWRカーでタイトル連覇れんぱ経験けいけんつミシェル・ナンダンが当初とうしょつとめた。

なおWRCは2007ねんシーズンをぜん9せん開催かいさいとし、2008ねんシーズンを2007ねん8がつから開催かいさいするウインターリーグせい導入どうにゅう検討けんとうしていたため、スズキはこれにあわせて2007ねん8がつからのフル参戦さんせん予定よていしていた。しかし、2006ねん7がつ5にち国際こくさい自動車じどうしゃ連盟れんめい (FIA) はウインターリーグあん白紙はくし撤回てっかい、2007ねんはこれまでどおりぜん16せんおこなわれることになった。そのため、当初とうしょ予定よていより半年はんとしはや参戦さんせんするか、ぎゃく半年はんとしおくらせるかの選択せんたくせまられた。その結果けっか2006ねん7がつ20日はつか、スズキは当初とうしょより半年はんとしおくらせ2008ねんからのフル参戦さんせん発表はっぴょうした。

2007ねんは10月12~14にちツール・ド・コルスと11月30にち~12がつ2にちラリーGBにテスト参戦さんせんした。ナンダンは2008ねんラリー・モンテカルロのテスト直前ちょくぜん電撃でんげき離脱りだつしたため、三菱自動車みつびしじどうしゃで30ねん以上いじょうワークスマシン開発かいはつたずさわっていた稲垣いながきあきかい[ちゅう 2]後任こうにんとなった。しかしぎはまったおこなわれず、資料しりょうフランス語ふらんすごのものばかりでナンダンの意図いと想像そうぞうしながら解読かいどくせざるをず、実質じっしつてき開発かいはつしにもどってしまった[12]

フル参戦さんせんデビューとなった2008ねんは、開幕かいまくせんラリー・モンテカルロ若手わかてパー・ガンナー・アンダーソンが8入賞にゅうしょうという好調こうちょうすべしとなった。しかしそのはエンジンやサスペンションなどにトラブルが発生はっせいし、前半ぜんはんせんはどちらか1だいはしり、2だいともデイリタイアというイベントもおおかった。そこでフィンランドからは、それまで発生はっせいしていたトラブル抑止よくし軽量けいりょうくるまじゅうは1,230kgでわらず)をねらった改良かいりょうばん投入とうにゅうした。その結果けっか地元じもと日本にっぽん北海道ほっかいどう)で10がつ31にちから開催かいさいされたラリージャパンでは、札幌さっぽろドームおこなわれたスーパーSSではつのトップタイムを記録きろくした[13]うえ、アンダーソンがスズキ最高さいこうの5入賞にゅうしょうたしている[14]

一方いっぽう体制たいせいめん迷走めいそうしており、1がつ就任しゅうにんしたばかりのチームマネージャーの川田かわたあきらだい4せんラリー・アルゼンチン離脱りだつ[13]。またこのアルゼンチンを最後さいご最後さいご代表だいひょう田嶋たじま監督かんとく粟津あわづはらゆたかもラリーの現場げんば姿すがたせなくなり、だい11せんラリー・ニュージーランド終了しゅうりょうには田嶋たじま粟津あわづげんも「国内こくない業務ぎょうむ専念せんねんする」という理由りゆう辞任じにん稲垣いながき監督かんとく兼務けんむすることとなった[13]予算よさん不足ふそくしており、テスト走行そうこう開幕かいまくせん以降いこういちおこなえていなかったという[12]

よく2009ねんシーズン開幕かいまくいちヶ月かげつまえの2008ねん12月15にち、スズキはリーマン・ショックによる経営けいえいじょう判断はんだんによるWRC参戦さんせん休止きゅうし表明ひょうめいした[15]。しかし結果けっかてきに、これが事実じじつじょう撤退てったい宣言せんげんとなった。

稲垣いながきによるとSX4はサスペンションストロークりょう確保かくほしやすいあしまわりと、WRカーにてきしたボディ構造こうぞうから素性すじょうく、「ちゃんと開発かいはつすれば絶対ぜったいてる」と断言だんげんしている[14]。しかしエンジンは素性すじょうわるくなかったものの、ナンダンの目標もくひょうひく開発かいはつ不足ふそくであったためグループN同等どうとうのトルクしかく、とくにターマックラリーを苦手にがてとした[14]。またSUVゆえの重心じゅうしんたかさや前面ぜんめん投影とうえい面積めんせきおおきさから、高速こうそくラリーでの不利ふり指摘してきされてもいた[16]小回こまわりのみじかいホイールベース・全長ぜんちょう武器ぶきで、エンジン性能せいのうにくいてい摩擦まさつ路面ろめんではそのシャシーの真価しんか発揮はっきされた[14]

パイクスピーク

編集へんしゅう
モンスタースポーツ・SX4・ヒルクライムスペシャル
 
先代せんだい スズキスポーツ・XL7・ヒルクライムスペシャル
主要しゅようしょもと[17]
シャシー パイプフレーム
サスペンション(まえ ダブルウィッシュボーン
サスペンション( ダブルウィッシュボーン
全長ぜんちょう 5,200 mm
全幅ぜんぷく 1,960 mm
ぜんこう 1,580 mm
トレッド まえ:1620 mm / :1610 mm
ホイールベース 2,818 mm
エンジン Monster Spl V6 3,071 cc 水冷すいれいVがた6気筒きとう4バルブ ツインターボ
トランスミッション シーケンシャル 6そく
出力しゅつりょく 910 hp (680 kW) / 8,750 rpm
90.5 kg⋅m (888 N⋅m) / 5,850 rpm
重量じゅうりょう 1,100 kg
オイル Mobil 1 Full Synthetic
主要しゅよう成績せいせき
チーム   チームGoProモンスタースポーツ with BC
ドライバー   田嶋たじま伸博のぶひろ
出走しゅっそう時期じき 2009 - 2011
エントリ優勝ゆうしょう
33
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2009ねんにはそれまでのXL7わり、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムのベースマシンとして採用さいよういままで同様どうよう、チューナー・ドライバーともに田嶋たじま伸博のぶひろである。名前なまえ本体ほんたい形状けいじょうこそSX4だが、鋼管こうかんフレームベースの徹底的てっていてき軽量けいりょうされた車体しゃたいに、最高さいこう出力しゅつりょく885PSをほこる2.7L・V6ツインターボエンジンをミッドシップ搭載とうさいし、巨大きょだいエアロパーツけた「モンスター」である。前回ぜんかいくらべてやや路面ろめん状況じょうきょうわるかったものの10ふん15びょう368のタイムを記録きろくし、総合そうごう優勝ゆうしょうげた[18]。また、このとしのパイクスピークは田嶋たじまふく参加さんかした日本人にっぽんじん選手せんしゅ全員ぜんいん完走かんそうたしている。

2010ねん4がつ27にち、2010ねんのパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに出走しゅっそうするためのスペシャルマシン「SX4・ヒルクライムスペシャル」が発表はっぴょうされた。排気はいきりょうを3.1 Lに、そして最高さいこう出力しゅつりょくを910 PSまでスープアップしている。同年どうねん6がつ27にち決勝けっしょうにて10ふん11びょう490を記録きろく[19]目標もくひょうであった「10ぶんかべ」はやぶれなかったが、2のポール・ダレンバック選手せんしゅに28びょうをつけ総合そうごう優勝ゆうしょう5連覇れんぱ達成たっせい。また、決勝けっしょう田嶋たじまの60さい誕生たんじょうでもあり、還暦かんれきみずからの優勝ゆうしょういわった。

2011ねん舗装ほそうみちえていくパイクスピークの路面ろめん状況じょうきょうわせ、マシンのかく部品ぶひんこまかくアップデート。エンジンとうのスペックじょうは2010ねんモデルとほとんどわらないようにえるが、高速こうそく対応たいおうした設定せっていほどこされる。

同年どうねん6がつ26にち決勝けっしょう当日とうじつのパイクスピークの天候てんこう快晴かいせい前日ぜんじつ予選よせんをトップタイムで通過つうかした田嶋たじまはこの快調かいちょうはしつづけたが、フィニッシュ手前てまえ2つのヘアピンでファンベルトがれ、ウォーターポンプが停止ていしするというトラブルが発生はっせい。それにより水温すいおん急上昇きゅうじょうしょうしてオーバーヒート状態じょうたいになり、パワーステアリング徐々じょじょ機能きのううしなっていった。しかし、それらのトラブルをかかえながらもリタイアすることなくゴールし、9ふん51びょう278を記録きろく[20]直前ちょくぜんおおきなトラブルに見舞みまわれながらも、「10ぶんかべ」をやぶることに成功せいこうした。2012ねん以降いこうのパイクスピークの路面ろめんはすべてアスファルト舗装ほそうされたため、2011ねん記録きろくダートふくむコースでの最高さいこう記録きろくとなった。

SX4-FCV(燃料ねんりょう電池でんち自動車じどうしゃ

編集へんしゅう
 
SX4-FCV
東京とうきょうモーターショー2009出展しゅってんしゃ

SX4はスズキはつ普通ふつう乗用車じょうようしゃサイズの燃料ねんりょう電池でんち自動車じどうしゃのベースしゃにもなっており、2008ねん6がつ24にちSX4-FCV国土こくど交通こうつう大臣だいじん認定にんてい取得しゅとく同年どうねん7がつ洞爺湖とうやこサミット環境かんきょうショーケースでお披露目ひろめされた。ワゴンRFCV/MRワゴンFCV同様どうようゼネラルモーターズせい燃料ねんりょう電池でんち最高さいこう出力しゅつりょく80kW)を搭載とうさいするが、スズキの燃料ねんりょう電池でんち自動車じどうしゃでははじめてエネルギー回生かいせい吸収きゅうしゅうおよび動力どうりょくアシストを採用さいようするためキャパシタ搭載とうさいする。最高さいこう速度そくど時速じそく150km、設計せっけい航続こうぞく距離きょりは250km。

くるまめい由来ゆらい

編集へんしゅう

S」はSPORTまたはSPORTYのそれぞれの頭文字かしらもじ、「X」はX(=CROSS)-OVER(クロスオーバー)の頭文字かしらもじ、「4」は4WDと4SEASONS(四季しき)のそれぞれの頭文字かしらもじわせて命名めいめいされている。

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう

注釈ちゅうしゃく

編集へんしゅう
  1. ^ 「1.5E」はさい廉価れんかグレードで装備そうびすくないための1.5Lしゃより10kgかるくなる。
  2. ^ 三菱みつびし定年ていねん退職たいしょく、SX4のスーパー2000規定きてい車両しゃりょう製作せいさくするためにスズキりしていた。

出典しゅってん

編集へんしゅう
  1. ^ a b c スズキ、フィアットとの共同きょうどう開発かいはつしゃ「SX4」を海外かいがい市場いちば投入とうにゅう』(プレスリリース)スズキ、2005ねん12月1にちhttp://www.suzuki.co.jp/release/d/d051201.htm2018ねん4がつ22にち閲覧えつらん 
  2. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊しゅうかん日本にっぽん名車めいしゃだい35ごう17ページより。
  3. ^ [2017.12.06 UP] スズキ SX4はオンもオフもだい得意とくい!! SUV&スポコン際立きわだつ2つの個性こせい スイフトスポーツよりスポーティエスクードみにSUVなSX4 ベストカー2016ねん8がつ
  4. ^ いわさだるみこ (2006ねん8がつ14にち). “スズキ・SX4はしんジャンルをねらう。”. All About. 2018ねん4がつ22にち閲覧えつらん
  5. ^ a b スズキ、ジュネーブモーターショーの発表はっぴょう内容ないようについて』(プレスリリース)スズキ、2007ねん3がつ6にちhttp://www.suzuki.co.jp/release/d/d070306.htm2018ねん4がつ22にち閲覧えつらん 
  6. ^ スズキ、ジュネーブモーターショーの発表はっぴょう内容ないようについて』(プレスリリース)スズキ、2006ねん3がつ1にちhttp://www.suzuki.co.jp/release/d/d060301.htm2018ねん4がつ22にち閲覧えつらん 
  7. ^ スズキ SX4 2006ねんしきモデルの価格かかく・カタログ情報じょうほう自動車じどうしゃカタログ” (2021ねん10がつ30にち). 2021ねん10がつ30にち閲覧えつらん
  8. ^ スズキ SX4セダン 2007ねんしきモデルの価格かかく・カタログ情報じょうほう自動車じどうしゃカタログ” (2021ねん10がつ30にち). 2021ねん10がつ30にち閲覧えつらん
  9. ^ SX4”. トヨタ自動車とよたじどうしゃ株式会社かぶしきがいしゃ (2019ねん12月22にち). 2019ねん12月22にち閲覧えつらん
  10. ^ スズキのハンガリー工場こうじょう年末ねんまつまで操業そうぎょう短縮たんしゅくつづ見込みこみ=現地げんち”. ロイター (2014ねん10がつ14にち). 2015ねん4がつ17にち閲覧えつらん
  11. ^ マシンスペック”. スズキ株式会社かぶしきがいしゃ. 2019ねん9がつ19にち閲覧えつらん
  12. ^ a b 古賀こが 2009, p. 47.
  13. ^ a b c 古賀こが 2009, p. 45.
  14. ^ a b c d 古賀こが 2009, p. 46.
  15. ^ スズキ、FIA 世界せかいラリー選手権せんしゅけん (WRC) 活動かつどう休止きゅうしについて』(プレスリリース)スズキ株式会社かぶしきがいしゃ、2008ねん12月25にちhttps://www.suzuki.co.jp/release/d/2008/1215/index.html2019ねん9がつ19にち閲覧えつらん 
  16. ^ 『WRC PLUS Vol.2008 Vol.06』
  17. ^ [チーム・ドライバー・レースカー] モンスタースポーツ PPIHC(パイクスピーク・ヒルクライム)チャレンジ 2011 WEBサイト”. モンスタースポーツ. 2019ねん9がつ19にち閲覧えつらん
  18. ^ #7 だい87かいパイクスピーク・ヒルクライム 決勝けっしょう”. モンスタースポーツ. 2019ねん9がつ19にち閲覧えつらん
  19. ^ だい88かいパイクスピーク・ヒルクライム 田嶋たじまレポート”. モンスタースポーツ. 2019ねん9がつ19にち閲覧えつらん
  20. ^ だい89かい パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム モンスター田嶋たじまついに10ぶんかべやぶる9ふん51びょう278をはたきだし6連覇れんぱ達成たっせい”. モンスタースポーツ. 2019ねん9がつ19にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 古賀こが敬介けいすけ「スズキ"休止きゅうし"の理由りゆうだい1かん三栄書房さんえいしょぼう、2009ねん2がつ 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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