ダチア・ロガン

ダチア・ロガン (Dacia Logan) は、ルーマニアの自動車じどうしゃ製造せいぞう会社かいしゃ、ダチアが製造せいぞうする小型こがた自動車じどうしゃ。親会社おやがいしゃのルノーの世界せかい戦略せんりゃく車しゃであり、地域ちいきによってはルノーブランドで販売はんばいされる。

ダチア・ロガン (現行げんこう)

初代しょだい（2004年ねん-）

ダチア・ロガン（初代しょだい）
前期ぜんき型がた（フロント）
前期ぜんき型がた（リア）
概要がいよう
別名べつめい	ルノー・ロガンほか
製造せいぞう国こく	ルーマニア コロンビア ロシア インド イラン 南みなみアフリカ共和きょうわ国こく
販売はんばい期間きかん	2004–2012年ねん (ルーマニア) 2005–2015年ねん (コロンビア) 2005–2015年ねん (ロシア) 2007–2019年ねん (インド) 2007–2021年ねん (イラン) 2009年ねん- (南みなみアフリカ)
ボディ
乗車じょうしゃ定員ていいん	5人にん
ボディタイプ	4ドアセダン
駆動くどう方式ほうしき	FF
パワートレイン
エンジン	直ちょく4 1.4L K7J 710 直ちょく4 1.6L K7M 710 直ちょく4 1.6L K4M 690 dCi 直ちょく4 1.5L K9K 792/796 dCi
変速へんそく機き	JH1/JH3/JR5 5MT
前まえ	前まえ：ストラット式しき 後ご：トーションビーム式しき
後のち	前まえ：ストラット式しき 後ご：トーションビーム式しき
車両しゃりょう寸法すんぽう
ホイールベース	2,630mm 2,900mm (MCV)
全長ぜんちょう	4,250mm 4,450mm (MCV)
全幅ぜんぷく	1,735mm
全ぜん高こう	1,525mm 1,640mm (MCV)
車両しゃりょう重量じゅうりょう	975 - 980kg 1,165 - 1,255kg (MCV)

2004年ねん発表はっぴょう。1998年ねんにダチアを傘下さんかに収おさめたフランスのルノーによって1999年ねんから「プロジェクトX90」として開発かいはつが進すすめられた。X90のプロジェクトマネージャーは後のちにルノーサムスン自動車じどうしゃのCEOなどを歴任れきにんするジャン・マリー・ウ（ェ）ルティジェ (：Jean Marie Hurtiger) である。当初とうしょはルーマニアの低てい賃金ちんぎんと高たかい生産せいさん技術ぎじゅつを両立りょうりつさせることで5000ユーロで販売はんばいすることを目標もくひょうに開発かいはつされたものの、実際じっさい販売はんばいされた際さいは諸般しょはんの事情じじょうにより6000ユーロからになった。低てい価格かかくながらルノーの最新さいしん技術ぎじゅつが反映はんえいされており、ルノーと日産にっさんの共同きょうどう開発かいはつによるアライアンス・BプラットフォームをベースとしたB0プラットフォーム採用さいようし、エンジン、ギアボックス、内装ないそうなど、他たのルノー車しゃのパーツを50%程度ていど流用りゅうようすることでコストの低減ていげんを図はかっている。

エンジンは当初とうしょ2種類しゅるいの直ちょく4ガソリンエンジン（1.4リットルと1.6リットル）が用意よういされ、2006年ねん3月がつには1.5リットルの直ちょく4コモンレールディーゼルエンジン（1.5DCi 9840ユーロから）も追加ついかされた。

ボディタイプは当初とうしょは4ドアセダンのみの設定せっていだったが、後のちにステーションワゴン（ロガンMCV）とバン、ピックアップ、ハッチバックの派生はせい車種しゃしゅ（サンデロ）も追加ついかされた（後述こうじゅつ）。

2008年ねん7月がつにはフェイスリフトが行おこなわれ、新しんデザインのグリルが与あたえられた。

• 
  後期こうき型がた（フロント）
• 
  後期こうき型がた（リア）
• 
  インテリア（2006年ねん）

ロガンMCV

ロガンMCV

バン

先行せんこうコンセプト「ロガン・ステップ」 (Logan Steppe) が2006年ねん3月がつのジュネーヴモーターショーで、市販しはんモデルが同年どうねん9月のパリサロンで公開こうかいされ、同年どうねん10月からルーマニア国内こくないで発売はつばいが開始かいしされた。MCVはMulti Convivial Vehicleの略りゃくである。セダンと比較ひかくして全長ぜんちょうが200 mm、全ぜん高こうが115 mm、ホイールベースが270 mmそれぞれ大おおきく、2列れつシート5人にん乗のり仕様しようの他ほかに3列れつシート7人にん乗のり仕様しようも用意よういされる。エンジンはセダンと同おなじである。

また2007年ねん1月がつにはロガンMCVをパネルバン化かしたロガン・バンも発売はつばいされた。

ロガンピックアップ

ロガンピックアップ

2008年ねん3月がつにルーマニアで発売はつばいされた、ロガンベースのピックアップトラックである。2008年ねん中ちゅうにブルガリアおよびトルコで発売はつばいされ、2008年ねん10月がつには、1400バッキーの後継こうけいとして南みなみアフリカ市場いちばに日産にっさんブランドのNP200として販売はんばい開始かいし。

世界せかい各国かっこくでの展開てんかい

ダチアの生産せいさん分ぶんについては現在げんざい東欧とうおう諸国しょこくおよび、フランス（タヒチやニューカレドニアなどの海外かいがい県けんも含ふくむ）、ドイツ、スペインなどの西欧せいおう諸国しょこくへ輸出ゆしゅつされている。また、親会社おやがいしゃのルノーもロシアのアフトフラモス、コロンビアのソファサ (SOFASA)、モロッコのカサブランカ工場こうじょう（以上いじょう、2005年ねんから生産せいさん開始かいし）、ブラジルのクリチバ工場こうじょう（2007年ねんより。アルゼンチンなどにも輸出ゆしゅつ）で生産せいさんを行おこなっている。ルノーの生産せいさん分ぶんについてはルノーブランド車くるまとして販売はんばいが行おこなわれている。

メキシコでは日産自動車にっさんじどうしゃが2007年ねん7月がつからブラジル産さんロガンのOEM供給きょうきゅうを受うけて、「アプリオ」の車くるま名めいで販売はんばいしていたが、2010年ねん8月がつに販売はんばいを中止ちゅうしした。

イランでは2007年ねん5月がつからイラン・ホドロによって「ルノー・トンダル90」 (Renault Tondar 90) として製造せいぞう・販売はんばいされている。

• 
  ルノー・ロガン前期ぜんき型がた（ブラジル仕様しよう）
• 
  ルノー・ロガン後期こうき型がた（エクアドル仕様しよう）
• 
  日産にっさん・アプリオ（フロント）
• 
  日産にっさん・アプリオ（リア）

マヒンドラ・ベリート

マヒンドラ・ルノー版ばんロガン

インドではマヒンドラ&マヒンドラとの合弁ごうべん会社かいしゃ「マヒンドラ・ルノー」によって、ロガン初はつの右みぎハンドル車しゃが2007年ねん7月がつに投入とうにゅうされた。エンジンは1.4Lガソリンと1.5Lディーゼルの2種類しゅるい。しかしながら販売はんばいは振ふるわず、2010年ねんに合弁ごうべんは解消かいしょうされた。マヒンドラはインド国内こくないにおけるロガン展開てんかいの権利けんりを引ひき続つづき有ゆうするものの、ルノーのブランドおよびロゴの使用しようは同年どうねんまでに限定げんていされ、さらに1年ねん半はん後ごには車くるま名めいの変更へんこうも義務付ぎむづけられることとなった。2011年ねん4月がつ26日にち、マヒンドラ版ばんロガンが「ベリート」 (Verito) の車くるま名めいで発表はっぴょうされた。ベリートは翌よく2012年ねん7月がつ26日にちにフェイスリフトが行おこなわれ、内うち外装がいそうの上質じょうしつ化かが図はかられている。

2013年ねん6月5日にち、マヒンドラはベリートの派生はせいモデル「ベリートバイブ」(Verito Vibe) を発売はつばいした。全長ぜんちょうを税制ぜいせい上じょう有利ゆうりな4m未満みまんに縮ちぢめてハッチバック風ふうのスタイリングを持もたせたノッチバック車しゃである。トランクスペースは330リットル確保かくほしている。エンジンは1.5L dCiのみとなる。

ラーダ・ラルグス

ラーダ・ラルグス

ロシアではまた、アフトヴァースとルノー-日産にっさんアライアンスによる最初さいしょの大型おおがた共同きょうどう開発かいはつプロジェクトして、ロガンMCVをベースとするラーダブランドの新しん車種しゃしゅの開発かいはつが行おこなわれた。2010年ねんのモスクワ国際こくさいモーターショーに「プロジェクトR90」コンセプトとして出品しゅっぴんされ、その市販しはんモデルとなる「ラルグス」 (Largus) は2012年ねん4月がつ4日にちにトリヤッチ工場こうじょうにてロシア首相しゅしょうウラジーミル・プーチンの立たち会あいのもとで生産せいさんが開始かいしされた。ラルグスはR90ワゴン（5人にん乗のりと7人にん乗のり）とF90カーゴバン（2人ふたり乗のり）の2種類しゅるいが用意よういされる。

2代目だいめ（2013年ねん- ）

ダチア・ロガン (2代目だいめ)
2代目だいめ　前期ぜんき型がた　フロント
2代目だいめMCV　前期ぜんき型がた　リヤ
概要がいよう
販売はんばい期間きかん	2013年ねん -
ボディ
乗車じょうしゃ定員ていいん	5名めい
ボディタイプ	セダン ワゴン (MCV)
エンジン位置いち	フロント
駆動くどう方式ほうしき	前輪ぜんりん駆動くどう
パワートレイン
エンジン	ガソリン： 1.0L 直列ちょくれつ3気筒きとう 自然しぜん吸気きゅうき 0.9L 直列ちょくれつ3気筒きとう ターボ ディーゼル： 1,461cc 直列ちょくれつ4気筒きとう ターボ
最高さいこう出力しゅつりょく	ディーゼル： 66 kW (90 PS) / 4,000 rpm
最大さいだいトルク	ディーゼル： 220 N・m / 1,750 rpm
変速へんそく機き	5速そくMT
車両しゃりょう寸法すんぽう
ホイールベース	2,634 mm
全長ぜんちょう	4,494 mm
全幅ぜんぷく	1,733 mm
全ぜん高こう	1,518 mm
車両しゃりょう重量じゅうりょう	1,090 kg

2012年ねんのモンディアル・ド・ロトモビルでワールドプレミア後ご、2013年ねんのジュネーブモーターショーでも披露ひろうされ、その後ご発売はつばいを開始かいし。ワゴン版ばんのロガンMCVとハッチバック版ばんのサンデロも同時どうじにフルモデルチェンジを受うけた。いずれも外観がいかんは一新いっしんされるも、メカニズムの多おおくを初代しょだいからのキャリーオーバーとすることで初代しょだい同様どうよう、他た車くるまライバルを大おおきく引ひき離はなす低てい価格かかくをウリとしている。セダンは一部いちぶの国くににおいては、ルノー・シンボルの名なで販売はんばいされる。

モータースポーツ

2021年ねん〜2023年ねんのニュルブルクリンク24時じ間あいだレースにダチア・カップ上あがりの初代しょだいモデルが参戦さんせん。オリス・ガレージ・レーシングが改造かいぞうしたダチア・カップ・ロガンは、2022年ねんはルノー・メガーヌ用もちい2Lエンジンを搭載とうさいし、2023年ねんは更さらなる出力しゅつりょく向上こうじょうを図はかるためクリオRS用もちい2Lエンジンに換かわ装そう。その他たメカ系統けいとうの殆ほとんどをクリオRSから流用りゅうようし、リアドラムブレーキをディスクブレーキに改造かいぞうする等ひとし、かなりの変更へんこうを加くわえている。

2022年度ねんど参戦さんせん時じには「2022年ねんにマンタ先輩せんぱいの愛称あいしょうで親したしまれていたオペル・マンタが参戦さんせんしていない。」「ロガンだけ他た車種しゃしゅに比くらべて明あきらかに装よそおいが違ちがう。」「下手へたをするとペースカーやセーフティカーより車速しゃそくが遅おそい。」といった理由りゆうで1番ばんのイロモノの目めで見みられており、また「トップ争あらそいをする上位じょうい陣じんと絶妙ぜつみょうな位置いちで鉢合はちあわせする。」といったことから動うごくシケインというあだ名なが日本にっぽんのインターネットでミームとなる。最終さいしゅう的てきに完走かんそうを果はたした。

2023年ねんも継続けいぞく参加さんか。昨年さくねんの戦績せんせきから世界中せかいじゅうにファンを獲得かくとくし、YouTubeLiveのコメント欄らんでは数すうコマでもロガンが映うつると「Dacia」のコメントで埋うめ尽つくされるほどだったが、残のこり11時じ間あいだ16分ふん前後ぜんこうにて後続こうぞくだったポルシェに追突ついとつされクラッシュ。ドライバーは救急きゅうきゅう搬送はんそうされるも無事ぶじだったが、車両しゃりょうは大破たいは。その後ご、オリス・ガレージ・レーシングから「もう手てに入はいらないボディにもう手てに入はいらないエンジンなので継続けいぞく参戦さんせんが不可能ふかのう」という声明せいめいが出だされ、3年ねんのロガンでのモータースポーツ活動かつどうを終了しゅうりょうすると発表はっぴょうした。 日本にっぽんでも昨年さくねんのイロモノ的てき存在そんざいであり、またオペル・マンタが参戦さんせんすることから「マンタ先輩せんぱいの後輩こうはい」として「ダチア後輩こうはい」「ダチアくん」として親したしまれた。

関連かんれん事項じこう

• 日産にっさん・アプリオ
• ダチア・サンデロ - ロガンベースのハッチバック

外部がいぶリンク

• ダチア・ロガン
• ダチア・ロガンMCV
• マヒンドラ・ベリート
• ルノー・トンダル90