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ステーションワゴン - Wikipedia

ステーションワゴン

車体しゃたい形状けいじょう使用しよう形態けいたいにより分類ぶんるいされる自動車じどうしゃ形態けいたいのひとつ

ステーションワゴン (えい: station wagon) は、車体しゃたい形状けいじょう使用しよう形態けいたいにより分類ぶんるいされる自動車じどうしゃ形態けいたいのひとつである。

概要がいよう

 
1950年代ねんだいフィアット・500でのエステートワゴン(ひだり)とバンの相違そうい
ジャルディニエラ ベルヴェデーレ(ひだり)とどうコメルシアル バン。このれいではワゴンはバンと比較ひかくして装飾そうしょくおおく、バックドアも観音開かんのんびらたい上下じょうげひらき、ぜんこうやリアオーバーハングも、しつ容積ようせきよりスタイルやプロポーションを重視じゅうししていることがわかる。

いわゆる2ボックスの形状けいじょうで、前部ぜんぶにはボンネット(エンジンコンパートメント)、後部こうぶには乗員じょういん座席ざせきとひとつづきのしつそなえている。1990年代ねんだい以前いぜんしつ収納しゅうのうしき予備よび座席ざせきジャンプシート)をそなえ、ミニバンみに使つかえるものもすくなくなかった。たんにワゴンともぶが、日本にっぽん場合ばあい報道ほうどうなどで「ワゴンしゃ」という場合ばあいワンボックスがたであることもある。

当初とうしょ自動車じどうしゃは「むきしのフレームに、ひと荷物にもつ輸送ゆそうてきした車体しゃたいそうしたもの」であった。そのそう方法ほうほうにより、ひとせるか、荷物にもつせるか、ひと荷物にもつせられるようにするかのちがいだった。乗用車じょうようしゃつくかたがモノコックベースとなってからは、乗用車じょうようしゃのセダンタイプをベース車両しゃりょうとして設計せっけいされた自動車じどうしゃでは、その設計せっけいベースなら「セダンの屋根やね延長えんちょうして」とえるが、そうでないならそうとはえない。「セダンの屋根やね延長えんちょうしたものがステーションワゴン」という定義ていぎはない。「ノッチバック(3ボックス)セダン屋根やね後端こうたんまでばし、その屋根やねとショルダーラインとのあいだにもガラスとピラーはしら)をれてトランクおおきなしつとしたもの」(日本にっぽんでのナンバー区分くぶんは3か5)。「ピックアップトラック荷台にだい屋根やねつきの貨物かもつしつとした」という発想はっそうは、ベース車両しゃりょう設計せっけいがセダンであるというだけのことであり、当初とうしょのベース車両しゃりょうがどのようなものかと、それがステーションワゴンであるかライトバンであるかとは関係かんけいがない。おなじベース車両しゃりょうからつくられれば両者りょうしゃ車両しゃりょうとしてはおなじものである。ちがいはその使用しよう形態けいたいにあるのみであり、日本にっぽんでは、その使用しよう形態けいたいが「法律ほうりつじょう区分くぶん(つまり税金ぜいきん区分くぶん)」となり乗用車じょうようしゃ区分くぶんのステーションワゴンと商用しょうようしゃ区分くぶんライトバン区分くわけされている。ステーションワゴンもライトバンも貨物かもつしつりょう側面そくめんにガラスのウィンドウをつものでは、同一どういつであり、たん法令ほうれいじょう税制ぜいせいじょう)の区分くぶんでしかない。一般いっぱんにはステーションワゴンが個人こじんユースの装備そうびって販売はんばいされるために豪華ごうか仕様しようえることがおおい。しかし、両者りょうしゃはコストめんからまったおな車体しゃたい使用しようして生産せいさんされる(くるまめいすらおなじということも多々たたある)ことがおおいため、一般いっぱんてきにはステーションワゴンとライトバンの両者りょうしゃちがいはわからなくても当然とうぜんである。また、現代げんだいでもフレームベースの車両しゃりょうつくられればそれもステーションワゴンやライトバンであることにはわりはない。ひと荷物にもつせられればステーションワゴンやライトバンであり、それにどういう名前なまえをつけるかであり、日本にっぽんでは法令ほうれいじょう乗用車じょうようしゃ区分くぶん販売はんばいしたいならステーションワゴン、商用しょうようしゃ区分くぶん販売はんばいしたいならライトバンとぶだけのことである。

運送うんそう車両しゃりょう大型おおがたしたことにより一般いっぱんにバン(van)とはトラックのはこしゃ荷台にだいおおわれているもの)のことであり2トン4トン10トンそれ以上いじょうなどの大型おおがたふくむ。つまりバンの範囲はんいはいわゆるワゴンの範囲はんいよりもひろい。一方いっぽうの、lightなvanとは、当然とうぜんながら、日本にっぽん通常つうじょうライトバンとばれる車両しゃりょうふくむが、さらにそれよりもはるかにおおきく、ハイエースよりもさらにおおきなものをすのも一般いっぱんである。よってステーションワゴンとライトバンを対比たいひさせることは間違まちがいである。

しかし、自動車じどうしゃ発祥はっしょうである欧州おうしゅうにおいては、ライトバンで貨物かもつしつりょうサイドに日本にっぽんのそれのようにガラスウィンドゥをつものは存在そんざいせず、荷物にもつしつ両側りょうがわはボディとおな鉄板てっぱんせいでありまどたないため、ワゴンとバン両者りょうしゃちがいは顕著けんちょである。一般いっぱんてきにはステーションワゴンは充分じゅうぶん貨物かもつスペースを保持ほじするものであり、貨物かもつスペースがおおきいのが特徴とくちょうであるが、近年きんねんはデザインを優先ゆうせんさせためんからリアオーバーハングやラゲッジスペースの容量ようりょう奥行おくゆき大幅おおはば短縮たんしゅくしたため、ハッチバックタイプとの見境みさかいむずかしいモデル(ホンダ・アヴァンシア三菱みつびし・コルトプラススバル・レヴォーグマツダ・MAZDA6 WAGONトヨタ・カローラツーリング)、またハッチバックでありながらワゴンと名乗なのるモデル(マツダ・ファミリアS-ワゴン、マツダ・アクセラスポーツ(3代目だいめのぞく)、スバル・インプレッサスポーツ〈←スバル・インプレッサスポーツワゴン〉、トヨタ・Opaトヨタ・アルテッツァジータレクサス・IS300スポーツクロス〉、スズキ・エリオとう、メーカーや時代じだいによっても基準きじゅんかれる。また、日本にっぽんくるま検証けんしょうでの「車体しゃたい形状けいじょう」の表記ひょうき種別しゅべつひとつでもあり、トヨタ・イプサムトヨタ・ウィッシュトヨタ・プリウスαあるふぁ(3れつシートモデル)、ホンダ・エディックスホンダ・ストリームホンダ・ジェイドとう一般いっぱんてきにミニバンと認識にんしきされている車両しゃりょうや、ホンダ・フィットのようにハッチバックと認識にんしきされている車両しゃりょうであっても車検しゃけん記載きさいじょうはステーションワゴンとしてあつかわれる。ステーションワゴン以外いがいには、セダンクーペ、ミニバン、トールワゴンなどがある。

しかし、趣味しゅみてき利用りよう増加ぞうかによってすぐれた居住きょじゅうせいや、たかいドライバビリティをったステーションワゴンが登場とうじょうし、現在げんざいでは積載せきさい能力のうりょくにも配慮はいりょしつつ、上質じょうしつ性能せいのうつものとして認識にんしきされている。

走行そうこう性能せいのう居住きょじゅうせい積載せきさい能力のうりょく駐車ちゅうしゃじょうでのまわし、燃費ねんぴなど趣味しゅみせい実用じつようせいたか領域りょういきでバランスをたもてるというメリットはあるものの、1990年代ねんだいなか以降いこうその人気にんき需要じゅようは、クロスオーバーSUVやミニバン、トールワゴンといったたかいボディタイプにうばわれている。それでいてセダンよりも圧倒的あっとうてき車種しゃしゅすくない。しかしスバル・レヴォーグ堅調けんちょう人気にんきしめし、トヨタ・カローラぜんシリーズ(無印むじるしセダン/ツーリング/スポーツ/アクシオEX(トヨタ教習きょうしゅうしゃふくむ)/フィールダーEX)の過半数かはんすうステーションワゴンタイプめるなど、一部いちぶにおいては根強ねづよ人気にんきほこるのもまた事実じじつである。

なお、日本にっぽん車検しゃけんしょう形状けいじょうでは乗用車じょうようしゃは001(はこがた)、002(ほろがた)、003(ステーションワゴン)の実質じっしつ3種類しゅるいしか用意よういされていないため、いわゆるセダンタイプ以外いがいは「ステーションワゴン」と表記ひょうきされている場合ばあいおおいが、実際じっさい形状けいじょう反映はんえいしているわけではない。

ステーションワゴンの歴史れきし

米国べいこくにおける歴史れきし

最初さいしょのステーションワゴンは列車れっしゃでの旅行りょこう時代じだい製品せいひんだった。それは『デポハック』(depot hacks) とばれた。デポとは鉄道てつどうえきで、ハックとはハックニーキャリッジ (hackney carriage)、英国えいこく支配しはいしていた時代じだいタクシー)のことである。

また「キャリーオール」(carryalls 、「全部ぜんぶ(なんでも)はこべる」との)とも「サバーバン」(suburbans 、「郊外こうがい」の)ともばれていた。「ステーションワゴン」は「デポハック」と同意どういで、それは「ワゴン (wagon)」、つまりじん荷物にもつせるくるまで、かつ、そのワゴンは、列車れっしゃえき(ステーション)についたときに、列車れっしゃからりてきたひととその荷物にもつってせ、近所きんじょ最終さいしゅう目的もくてきまでれて役割やくわりをしていたことからステーションワゴンとばれた。

初期しょきのステーションワゴンは、トラックの進化しんかだったため商用しょうようしゃとされ、一般いっぱん消費しょうひしゃけとはかんがえられていなかった。初期しょきのステーションワゴンのフレームは全部ぜんぶおおわれてはいなかった。商用しょうようだったからだ。屋根やね固定こてい屋根やねだったが、ガラスはなく、乗客じょうきゃく部分ぶぶんだけをおおっているものだった。ガラスのわりにキャンバスのサイドカーテンをめして使つかっており、悪天候あくてんこうさいにはもっとかたいカーテンをスナップでとりつけて使つかっていた。

 
ポンティアック・ウッディ(Pontiac woodie)

1910年代ねんだいにはフォード・モデルTのステーションワゴン(6にん乗車じょうしゃ)が製作せいさくされたが、これはまだデポハックともばれていた。木製もくせいボディはみがいて仕上しあげられており、一般いっぱんにはウッディ (woody) とばれてしたしまれた。屋根やねはあったが側面そくめんぜん開放かいほうされていた。後部こうぶ座席ざせきをはずすとトラックじょうとなった。

1922ねんハドソンてい価格かかくブランドよう子会社こがいしゃエセックスがおどく全天候ぜんてんこうがた自動車じどうしゃした。これが米国べいこく自動車じどうしゃ産業さんぎょうがオープンがた車両しゃりょうから消費しょうひしゃもとめるおおわれた(エンクローズ)自動車じどうしゃかうきっかけになった。とく上流じょうりゅう階級かいきゅうけの高額こうがくモデルをつくっていた自動車じどうしゃ会社かいしゃではステーションワゴンもエンクローズタイプとなっていく。この時代じだいのガラスまどは、リトラクタブルがたやスライドしきだった。

当初とうしょ、ワゴンメーカーの乗客じょうきゃくコンパートメントはカスタムボディビルダーにアウトソースされていた。木製もくせいボディの製作せいさくには時間じかんがかかったからだ。木製もくせいボディの製造せいぞうメーカーとして、ミッチェル・ベントレー (Mitchell Bentley)、USB&F、キャントレル (Cantrell) などがあった。木製もくせいワゴンの屋根やね通常つうじょうストレッチト・キャンバス (stretched canvas) とばれるキャンバスったものに防水ぼうすい加工かこうをしたものだった。

1919ねんには、ストートンワゴンカンパニー(Stoughton Wagon Companyウィスコンシンしゅうストートン)がカスタムワゴンボディをフォード・モデルTそうをお開始かいし同年どうねん木製もくせいボディそうぎょう J.T.カントレルしゃ (J. T. Cantrell) がクライスラーしゃ木製もくせいボディをそうし1931ねんまでつづけた。

やがて、自動車じどうしゃメーカー自身じしんがステーションワゴンを製作せいさくするようになる。GM創業そうぎょうしゃビリー・デュラント会社かいしゃデュラント・モーターズのブランドであったスターから1923ねん発売はつばいされたものが一般いっぱんには最初さいしょ自社じしゃ生産せいさんステーションワゴンとされている。

フォードは、ステーションワゴンの最大手さいおおてとして、1929ねんには販売はんばいトップとなっていた。フォードは自社じしゃけんもり製材せいざいしょ所有しょゆうしていたため、Aがたのワゴンでのコンポーネントの供給きょうきゅうをはじめた。1929ねんにはAがたのワゴンに使つかうコンポーネントのサプライを開始かいし。このモデルでは最終さいしゅう工程こうていはまだ社外しゃがいへの委託いたく作業さぎょうだった。当初とうしょ工場こうじょう最終さいしゅうぐみたたされた自動車じどうしゃデトロイトのブリグズ (Briggs) にみ、ルイビルのメンゲル (Mengel Company) からの部材ぶざいでボディをそうしていた。

ダッジも1929ねんには直列ちょくれつ6気筒きとうエンジンのスタンダードシックスをベースとしたステーションワゴンモデルを生産せいさんしている。定員ていいん6にん客室きゃくしつまどしたとしむタイプで片側かたがわに3まいずつついていた。

ステーションワゴンのはじまりは商用しょうようだったので、1930ねんなかばまでは木製もくせいボディであり、これらはウッディ (woodies) とよばれてしたしまれていた。

また、乗用車じょうようしゃ乗客じょうきゃくコンパートメントフレーム車体しゃたいわく)には広葉樹こうようじゅからされたけん使つかわれていた。通常つうじょう乗用車じょうようしゃではフレーム(車体しゃたいわく)はてつおおわれており、ラッカー(米国べいこくのラッカーは自動車じどうしゃ塗料とりょう)でいろをつけられ保護ほごされていた。最終さいしゅうてきにステーション・ワゴンも、オールスチールボディが適用てきようされた。それは強度きょうどとコストと耐久たいきゅうせいすぐれていたためだった。

しかし、次第しだい社会しゃかいてき高級こうきゅうなものとしてみとめられるようになってくる。車両しゃりょう価格かかく一般いっぱんてきくるまよりもたかめに設定せっていされたが、富裕ふゆうそうには人気にんきていた。米国べいこくカントリークラブでの社交しゃこう用品ようひんのひとつでもあった。紳士しんしらしさを強調きょうちょうするための、ハードウッド(広葉樹こうようじゅ木材もくざい)のボディの使つか勝手がってビュイックパッカードピアース・アローなどの高級こうきゅうしゃメーカーにこのんで使用しようされた。

名声めいせいとは関係かんけいなく、ウッディ・ワゴンには常時じょうじメンテナンスがかせない。ボディはニス仕上しあげなので、使用しようちゅうにも一定いってい期間きかんりなおしが必要ひつようとなる。ぶしによって膨張ぼうちょう縮小しゅくしょうするためネジのめなおしも必要ひつようである。

名称めいしょう変化へんか

  • デポハック - ひとせるキャリッジにおもきをいているが、ワゴンは荷物にもつおもきがかれている。
  • キャリッジ - フランス語ふらんすご起源きげん英語えいごひとせる車両しゃりょうであり心地ごこち重視じゅうしされた。
  • キャリーオール - ひとだけでなく荷物にもつだけでもなく両方りょうほうせられた意味いみ
  • サバーバン - 到着とうちゃくから周辺しゅうへん地区ちくまでひと荷物にもつはこんだから「サバーバン」でもあった。
  • ワゴン - ドイツ起源きげん英語えいご荷物にもつおもせる車両しゃりょう言葉ことばとして使つかわれ心地ごこちよりも運搬うんぱんりょく重視じゅうしした。
  • トラック - より重量じゅうりょうぶつはこべるようになり、はこ用途ようと車両しゃりょうトロッコにその起源きげんをもつトラックという用語ようごえられた。

オールスチールせいワゴン

だい世界せかい大戦たいせんわり、1942ねん時点じてん生産せいさん使つか自動車じどうしゃ生産せいさん再開さいかいされた。大戦たいせん期間きかんちゅう生産せいさん技術ぎじゅつはかなりの進歩しんぽをとげていたため、大戦たいせんしんデザインではステーションワゴンもオールスチール(ぜんてつせい普通ふつうになった。

北米ほくべいでのオールスチールせいステーションワゴンはウィリス=オーバーランド1946ねんしきジープ・ステーションワゴンである。これは大戦たいせんちゅう戦争せんそう遂行すいこうのためにつくられた頑丈がんじょうジープベースのもの。このウィリスしゃは2ドアモデルで、プレミアム・トリム・パッケージではパッセンジャー・コンパートメント外側そとがわがウッディ時代じだいのワゴンを彷彿ほうふつとさせる軽量けいりょうフレーム/暗色あんしょくけいパネルのデザインとなっていた。

1949ねんプリムス自社じしゃはつオールスチールせいステーションワゴンの2ドアしゃプリムス・サバーバン発売はつばい。これは民生みんせいよう自動車じどうしゃベースである。1950ねんにはプリムスのラインからはウッディがたがはずされ、すべてがオールスチールせいボディとなる。シボレー・サバーバン非常ひじょう仕様しようだった。ビュイック最後さいごまでステーションワゴンの木製もくせい構造こうぞうにこだわったメーカーだったが、それでも1953ねん最後さいごとしとなった。

フォードマーキュリー1955ねんまで木製もくせいタイプのようなモデルを提供ていきょうしている。しかしその形作かたちづくっていたものはてつプラスチックなどの素材そざいだった。3Mしゃ開発かいはつダイノック (DiNoc) などの高分子こうぶんし化合かごうぶつ使つかわれていた。フォード・カントリー・スクワイアという名前なまえられているフルサイズワゴンは1949ねん登場とうじょうし1990年代ねんだい初頭しょとうまでフォードしゃ主力しゅりょく製品せいひん一角いっかくめていた。

1966ねんに、米国べいこくふたた木製もくせい装飾そうしょくがなされたステーションワゴンがダッジから登場とうじょうする。その外観がいかんは15年間ねんかんわらなかった。1967ねんからはこの木製もくせいふう装飾そうしょくさい高級こうきゅうモデルに限定げんていして使つかわれたが、これはかざりのないモデルは安価あんかであることをあらわし、そうでないものはステータスをあらわすことを意味いみしていた。

米国べいこくでは都市とし郊外こうがい形成けいせいされた地域ちいきコミュニティで、「そのとし発売はつばいされた」ウッディタイプ(木製もくせい装飾そうしょく)ステーションワゴンを所有しょゆうしていることがとみ象徴しょうちょうでもありまた所有しょゆうしゃ趣味しゅみのよさをしめすものとられていた。しかし1990年代ねんだい以降いこうは、これら「フェイク・ウッド ("fake wood")」とよばれた木製もくせいふうスタイルは古臭ふるくさいものとされるようになり、メーカーは製品せいひんラインからはずすようになった。そのPTクルーザーがレトロスタイルで登場とうじょうしたことがきっかけとなり、アフターマーケット・アクセサリーメーカーがノスタルジアをかんじさせるウッディキット (faux woodie kits) をすようになった。

米国べいこくでステーションワゴンは1950年代ねんだいから1970年代ねんだいにかけて大人気だいにんきとなり、生産せいさん台数だいすうにおいても最高さいこう時代じだい謳歌おうか(おうか)した。1950年代ねんだいから1960年代ねんだいなかばには、通常つうじょうモデルの2ドアモデル4ドアモデルから当時とうじ流行りゅうこうしたBピラーなしのハードトップモデルまでさまざまなボディスタイルのものがつくられた。AMCランブラーがハードトップのステーションワゴンを1956ねんしきからし、つづいて1957ねんしきマーキュリーオールズモビルビュイックから、1960ねんしきではクライスラーからも発売はつばいされた。ハードトップステーションワゴンは製造せいぞうコストもかかり高価こうかだったので販売はんばいすうおおくはなかった。GMは1959ねんしきで、AMCは1960ねんしき、フォードも1961ねんしきではラインナップからはずしてしまった。クライスラーとダッジが1964ねんしきまで販売はんばいしていた。

フルサイズワゴン

 
1967ねんがた フォード・カントリー・スクワイア - フルサイズワゴンのいちれい

米国べいこくではフルサイズのステーションワゴンは6にんから9にん乗車じょうしゃであることが通常つうじょうとされてきた。6にん乗車じょうしゃ基本きほん仕様しようは3にんがフロントシート、もう3にんがリアシートにすわるというもので、シートはどちらもベンチがたのシートである。9にん乗車じょうしゃには、ベンチがたシートをもうひとさんれつのシートとして追加ついかした。さんれつシートはうしきにレイアウトされることもおおかった。このさんれつシートはリアの荷物にもつき(リアカーゴ)ののち車軸しゃじくじょう位置いちすることとなった。フォードは、それぞれのシートに2人ふたりぶん追加ついかして10にん乗車じょうしゃとしたが、かなりせまかったためのモデルでは1人ひとりぶん追加ついかの8にん乗車じょうしゃ仕様しようとされた。

あたらしいモデルになるにしたがい、より小型こがたのプラットフォームでつくられるようになったため、5にん乗車じょうしゃまたは6にん乗車じょうしゃとなる(フロントシートがバケットがたかベンチがたかによる)。くるまおおきさと安全あんぜんせい観点かんてんから、乗用車じょうようしゃベースで製作せいさくするステーションワゴンではリアカーゴ部分ぶぶんにシートをもうけることが禁止きんしされた。例外れいがいは、フォード・トーラスマーキュリー・ステーブルで、これらには、小型こがたのジャンプシート(りたたみしきシート)が子供こどもにんようとして装備そうびされていた。シボレー・サバーバンフォード・エクスペディションといったフルサイズSUVではフロントシートもベンチしきとした9にん乗車じょうしゃ仕様しようなど上記じょうきフルサイズステーションワゴンとどう機能きのうそなえている。また、米国べいこくでは日本にっぽん同様どうようSUV車両しゃりょう登録とうろくじょう『ステーションワゴン』とされており、カテゴリーとしてもSUVはステーションワゴンとすべきと主張しゅちょうするひとおおくいる。

2ドアワゴンしゃ

 
マーキュリー コミューター 2ドアハードトップ ステーションワゴン

1955ねん、1956ねん、1957ねんとして、シボレーはシボレー・ノマド姉妹しまいしゃポンティアック・サファリがスポーティ2ドアワゴンとして発売はつばいされた。米国べいこくでの家庭かていようとしてのきはおもわしくなく3ねん終了しゅうりょうした。そのくるまめいは1958ねんにピラーづけ4ドアワゴンモデルに使つかわれている。シボレーはノマドめいは1961ねんしき終了しゅうりょう。ポンティアックは1980ねんまでサファリめい使つかった。マーキュリーでは1957ねんから1960ねんにかけて2ドアハードトップワゴンを生産せいさんした。1961ねんにはこのユニークなモデルを終了しゅうりょう、ピラーづけモデルのみとなった(米国べいこくではステーションワゴンとワゴンはおな意味いみ使つかわれる。ワゴンは荷物にもつせるものでトラックとおな意味いみをもつ)。

 
AMC・ペーサー ワゴン

1970年代ねんだい米国べいこくで2ドアワゴンのピークだった。おおくのメーカーが小型車こがたしゃラインでの作成さくせいはじめた。1972ねんから1980ねんにはフォード・ピントマーキュリー・ボブキャット発売はつばいされる。1971ねんから1977ねんにはシボレー・ベガの2ドアワゴンモデル。ポンティアック・アストルでも同様どうようモデルを1973ねんから1977ねん発売はつばいした。AMCペーサーのワゴンモデルで市場いちば参入さんにゅうし1977ねんから1980ねんまで発売はつばいした。

米国べいこくではセダン・デリバリーまたはデリバリーとばれる2ドアステーションワゴンがある。通常つうじょうリア部分ぶぶんまどはなくパネルでおおわれている。これは米国べいこくでは1970年代ねんだいから製造せいぞうされているもので、ベガとピントでパネルタイプが提供ていきょうされたことにはじまる。

現状げんじょう

米国べいこくでは多目的たもくてき車両しゃりょうとして一世いっせい風靡ふうびしたステーションワゴンであるが、1983ねん登場とうじょうしたダッジ・キャラバン登場とうじょう以降いこう、その位置いちミニバンってわられることとなった。これらはスペースに有利ゆうり前輪ぜんりん駆動くどう使用しようしていたことも一因いちいんである。さらに1990年代ねんだいなか以降いこうかくメーカーからクロスオーバーSUV次々つぎつぎ登場とうじょうし、消費しょうひしゃ需要じゅよう急速きゅうそくにステーションワゴンからはなれていった。フォード・トーラスホンダ・アコードトヨタ・カムリといったベストセラーしゃのステーションワゴンがいずれも1990年代ねんだい廃止はいしとなり、輸入ゆにゅうしゃについてはメルセデス・ベンツ・Cクラスのステーションワゴンを最後さいごに2005ねん米国べいこく市場いちばから撤退てったいした。2004ねんにはダッジ・マグナム久方ひさかたぶりに米国べいこくメーカーによるステーションワゴンが復活ふっかつしたが、2008ねんって販売はんばい終了しゅうりょう以降いこう米国べいこくではステーションワゴンの新車しんしゃ発売はつばいされていない。

欧州おうしゅうにおける歴史れきし

フォルクスワーゲンは1950ねん発売はつばい開始かいししたVWトランスポルター (Transporter) でひと荷物にもつせるコンビ (Kombi) タイプを発売はつばいしている。以来いらい「コンビ」という名称めいしょうはステーションワゴンをあらわすものとして使用しようされる。日本にっぽんでボルボのエステートでられるモデルもスウェーデンではコンビとしてカテゴリーさればれている。1953ねんオペルは、レコルト・オリンピアを発売はつばいのちにステーションワゴンというカテゴリーでばれることになる。スウェーデンサーブ95が1959ねんから1978ねんまで発売はつばいされた。2ドアファストバックサルーンをベースとしたエステートである。1977ねんにはアウディ・100アヴァント、1978ねんにはメルセデス・ベンツ・300TD/240TDというステーションワゴンが発売はつばいされている。

長期ちょうき休暇きゅうか自動車じどうしゃ使つかっての旅行りょこうをする機会きかいおお欧州おうしゅうでは、セダンにちか使つか勝手がってちながら積載せきさいせいまさるステーションワゴンは重用じゅうようされた。欧州おうしゅうメーカーはセダンかく車種しゃしゅにステーションワゴンのラインナップをくわえている場合ばあいおおい。1990年代ねんだい後半こうはんからは、アメリカからのクロスオーバーSUVへの需要じゅよう移行いこう欧州おうしゅうでも顕著けんちょになった。2010年代ねんだい以降いこうでは、おおくのメーカーがクロスオーバーをラインナップし、本来ほんらいアメリカ市場いちばけて企画きかくされたモデルが欧州おうしゅうでも意外いがい好評こうひょうるという現象げんしょうもみられている。

 
1966ねん モーリス
ミニ マイナー トラベラー

英国えいこくでは中小ちゅうしょうがたのエステートカーが一般いっぱんてきで、モーリス・1000(モーリスマイナー)やMiniのエステートモデルがその中心ちゅうしんである。モーリス1000にはアッシュウッドフレームタイプもあった。りょうモデルともオプションで両開りょうびらがたのバンタイプのリアドアにでき、むかしながらのシューティングブレークスタイルにすることができた。ヒルマン・インプのエステートモデルヒルマン・ハスキーリアエンジンのエステートでめずらしいタイプだった。

西欧せいおうの2ドアエステートとしてフォード・エスコートモーリス・1100ボクソール・ビバボクソールシベットフィアット・127がある。

日本にっぽんにおける歴史れきし

 
初代しょだい日産にっさん・セドリック
ステーションワゴン
 
初代しょだいレガシィツーリングワゴン
 
ボルボ・850
 
トヨタ・アベンシスワゴン

自動車じどうしゃ産業さんぎょうがりから現在げんざいいたるまで、日本にっぽんでは貨物かもつ自動車じどうしゃであるライトバン共用きょうようのボディでつくられるれい多々たたあり、そうした車種しゃしゅおも貨物かもつしゃの1ねん車検しゃけんける目的もくてきつくられている。しかし一部いちぶには、予備よび座席ざせき(ジャンプシート)をそなえた日産にっさん・セドリックなど、アメリカの流儀りゅうぎにならった高級こうきゅう志向しこうのものもふるくから存在そんざいした。また、りやスキーといったアウトドアレジャー用途ようとにライトバンをもちいるユーザーそうが1970年代ねんだいまつから1980年代ねんだいにかけてえていくのにともない、トヨタ・スプリンターカリブ日産にっさん・サニーカリフォルニアスバル・レオーネツーリングワゴンなどの、たんなるバンの転換てんかんモデルではない車種しゃしゅまれはじめた。ホンダ・シビックカントリーのように北米ほくべいならった木目もくめ装飾そうしょく装備そうびした車両しゃりょう登場とうじょうしたのもこのころである。

1989ねん平成へいせい元年がんねん)10がつスバル・レガシィツーリングワゴンに「GT」グレードが追加ついかされたことや、輸入ゆにゅうしゃであるボルボ・850エステートが爆発ばくはつてき人気にんきたことから、ステーションワゴンはライトバンとちがい、セダンと同等どうとうかそれ以上いじょう機能きのう性能せいのうそなえるものという認識にんしき定着ていちゃくし、各社かくしゃともこのうごきに追従ついしょうするかたちでステーションワゴンの「洒落しゃれたレジャーヴィークル」への脱皮だっぴをはかり、日本にっぽんにステーションワゴンのブームが到来とうらいした。

ステーションワゴンは1990年代ねんだいのRVブームを頂点ちょうてん車種しゃしゅべつシェアとして一時いちじ20%後半こうはんまで増加ぞうかし、この時期じきはほとんどの自動車じどうしゃ会社かいしゃがステーションワゴンを発売はつばいしていた。しかし、かつて発売はつばいされていたおおくのステーションワゴン[ちゅう 1]商用しょうようしゃとされるバンけい車種しゃしゅ設定せっていされていたことによるイメージ悪化あっか[ちゅう 2]をはじめ、2010年代ねんだい後半こうはん以降いこうせま日本にっぽんではよりまわしのクロスオーバーSUV以下いかCUV)、ミニバン、けいハイトワゴンけいトールワゴン)やAセグメントきゅう小型こがたハイトワゴンなどの隆盛りゅうせいにより単純たんじゅんなステーションワゴンを販売はんばい中止ちゅうしおよび生産せいさん終了しゅうりょうすることもえた[ちゅう 3]三菱みつびし・コルトプラス台湾たいわん専売せんばい移行いこうしたほか、日産にっさん・ウイングロードが2018ねん平成へいせい30ねん)3がつをもって販売はんばい終了しゅうりょうし、日産にっさんとその傘下さんかである三菱自動車みつびしじどうしゃはステーションワゴンから完全かんぜん撤退てったいした。ホンダ・シャトル2022ねんれい4ねん)8がつをもって生産せいさん終了しゅうりょうしたため本田技研工業ほんだぎけんこうぎょうもステーションワゴンから完全かんぜん撤退てったいした。2022ねん11がつ現在げんざい日本にっぽんしゃではトヨタ・カローラツーリング、およびトヨタ・カローラフィールダーMAZDA6ワゴンスバル・レヴォーグ光岡みつおか・リューギワゴン(ベースしゃは3代目だいめトヨタ・カローラフィールダー)がラインナップされている。

また、日本にっぽんのみならず世界せかい各国かっこく自動車じどうしゃ会社かいしゃでは依然いぜんとして大半たいはんがステーションワゴンをラインナップしてはいるものの、1990年代ねんだい以降いこうからSUVとCUVの台頭たいとうされつづけている。これは近年きんねん実用じつようせい重視じゅうし風潮ふうちょうくわえ、技術ぎじゅつ進歩しんぽによりステーションワゴン、およびセダン、クーペ以外いがい自動車じどうしゃ高速こうそくいきでの心地ごこち操縦そうじゅうせい(ハンドリング)を大幅おおはば向上こうじょうさせているのも要因よういんであるとかんがえられる。

その呼称こしょう

ステーションワゴンあるいはワゴンは、おもアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくやオーストラリアで使つかわれているボディスタイルの名称めいしょうイギリス文化ぶんかけんではエステートカー (estate car)フランスではヴォワチュールファミリアル (voiture familiale) や(英語えいご馬車ばしゃ由来ゆらいの)ブレーク(break またはbrake)がもちいられる。

固有こゆうくるまめいでは、ボディスタイルの名称めいしょうをつけることもあれば、乗用車じょうようしゃ用語ようごにはとらわれず分野ぶんやからの借用しゃくようわせによる造語ぞうごなどでメーカー固有こゆう呼称こしょう使用しようしている場合ばあいもある。以下いかはそのいちれいである。

  • BMW - ツーリング
  • アウディ - アバント
  • オペル - キャラバン(日本にっぽんでは「ワゴン」の呼称こしょう使用しよう
  • サーブ - エステート
  • シトロエン - ブレーク(2代目だいめC5ではツアラーと名乗なのる)
  • プジョー - ブレーク→SW(ステーションワゴンの
  • フォルクスワーゲン - ヴァリアント(日本にっぽんでは「ワゴン」の呼称こしょう使用しようしていたが、2006ねんからパサート・バリアントとして紹介しょうかい
  • ボルボ - コンビ日本にっぽんではエステート、米国べいこくではワゴン)
  • ホンダ - エアロデッキ (Aerodeck)、シャトル。1985ねん発売はつばいアコード・エアロデッキほか欧州おうしゅう販売はんばいされるシビックアコードのワゴンはエアロデッキと呼称こしょうされる。8代目だいめアコードはツアラーを名乗なのった。シャトルは1983ねんから1996ねんまでシビックのワゴンモデルとして使用しようされていたが、2011ねんからフィットワゴンモデル名称めいしょうとして復活ふっかつ現在げんざいはフィットのくるまめいはずれ、独立どくりつしたくるまめいとなっている。
  • トヨタ - ツーリングスポーツ、またはツーリング。2代目だいめオーリス、および12代目だいめカローラシリーズに設定せっていされているワゴン名称めいしょう過去かこには「エステート」の呼称こしょうれいクラウンエステート)もあった。
  • レクサス - スポートクロス (SportCross )。初代しょだいIS設定せっていされたワゴンの名称めいしょう日本にっぽんめいアルテッツァ・ジータ
  • ローバー - ツアラ
  • ヒュンダイ - ツーリング(エラントラ〈2代目だいめ韓国かんこく仕様しようしゃ"アバンテツーリング"およびi30CW米国べいこく仕様しようしゃ"エラントラツーリング"〉)、CW (i30 CW)
  • メルセデス・ベンツ - エステート(日本にっぽんではステーションワゴン)

そのに、現代げんだいでは特殊とくしゅなカテゴリーにぞくするものとして、おなじく英国えいこく馬車ばしゃ由来ゆらいシューティングブレークという呼称こしょうもある。これはイギリスで貴族きぞく狩猟しゅりょうよう猟犬りょうけん道具どうぐせられるようにしたどうカテゴリめい馬車ばしゃ利用りようしていたのと同様どうよう目的もくてきで、自動車じどうしゃ時代じだいでは高級こうきゅうスポーツカーGTカー改造かいぞうするか、あるいは、モノコックしゃ以前いぜんでのボディがオーダー時代じだい自動車じどうしゃではいちだいいちだい個々ここべつ仕様しよう手作てづくりとして製作せいさくされ、ひろしつやさまざまな狩猟しゅりょうよう装備そうび贅沢ぜいたくさをそなえたくるまのことをす。既成きせいモデルではアストンマーティンのDB4~6やジャガー・XJ-Sなどのれいがある。2ドアをベースとするものが「いき」とほぐされた。2005ねん東京とうきょうモーターショーでアウディがシューティングブレークのコンセプトカー出展しゅってんした。

呼称こしょうたいする誤解ごかい

ステーションワゴンは、「station(えき)のwagon(馬車ばしゃ)」で「えき馬車ばしゃ」とやくされ、アメリカ開拓かいたくひと荷物にもつせて都市としあいだ移動いどうしたえき馬車ばしゃがその語源ごげんとして紹介しょうかいされることがある。後者こうしゃえき馬車ばしゃ映画えいがのタイトルとしてもられるが、この原題げんだいは『Stagecoach』(ステージコーチ)である。ステージコーチとは馬車ばしゃ使つかった交通こうつう機関きかんのことであり、この「ステージ」とは馬車ばしゃっている乗客じょうきゃくりさせるえきす。現代げんだいでいえば長距離ちょうきょりバスおよびその停留所ていりゅうじょ相当そうとうする。これは19世紀せいきよりまえからひろ各国かっこくかく地域ちいき使つかわれていた交通こうつう機関きかんもうである。

また17世紀せいきごろ英国えいこく公共こうきょう交通こうつう用途ようと馬車ばしゃには大別たいべつしてハックニーキャリッジという市街地しがいち使用しようされる軽量けいりょうなものと、ハックニーコーチというおおきめで頑丈がんじょうな、まちまちむす都市としあいだ交通こうつう用途ようと乗合のりあい馬車ばしゃがあった。前者ぜんしゃ都市としでのいわばタクシーで、日本語にほんごではつじ馬車ばしゃばれるものである(ハックニーキャリッジ現在げんざい英国えいこくタクシーの正式せいしき名称めいしょうでもある)。後者こうしゃのハックニーコーチは、そのステージコーチとばれるようになった。これも現在げんざい日本語にほんごで『えき馬車ばしゃ』とばれるものである。

一方いっぽうどう時期じきのステーションワゴンは、「えきからのひと荷物にもつをその周辺しゅうへん地区ちく配送はいそうする役割やくわり」のもので、えきとその周辺しゅうへん往復おうふくするタクシーであり荷物にもつ配送はいそうしゃでもある。日本語にほんごではひと運搬うんぱん(タクシー)では「つじ馬車ばしゃ」と表現ひょうげんするが、荷物にもつはこぶのであればつじ馬車ばしゃではなく、そのものを正確せいかくあらわ日本語にほんごはない。つまりステーションワゴンは「鉄道てつどうえき周辺しゅうへん利用りようされるワゴン」であり、「ワゴン=馬車ばしゃ」とやくされるのが一般いっぱんてきなので、これを「えき馬車ばしゃ」と紹介しょうかいすることも可能かのうであるが、すでに日本語にほんごべつ意味いみで「えき馬車ばしゃ」という言葉ことばがあるため混乱こんらんしょうじている。

英語えいごであればステーションワゴンとステージコーチはまったくべつ表現ひょうげんであるが、「えき馬車ばしゃ」という同一どういつ日本語にほんご表現ひょうげんとして紹介しょうかいされるためにしょうじる勘違かんちがいである。つまり現代げんだいのワゴンとは「(積載せきさいぶつわず)うまくるま」という意味いみではなく、ふるくから現在げんざいまでつづく「(心地ごこちではなく積載せきさいりょう重視じゅうしした)荷物にもつおもはこ用途ようと車両しゃりょう」の意味いみである。

モータースポーツ

ステーションワゴンはセダンにくらべると全長ぜんちょうながさゆえのくるまじゅうおもさ・剛性ごうせい前後ぜんご重量じゅうりょう配分はいぶんなどで不利ふり目立めだち、そらりょくめんでわずかにメリットがある程度ていどである。しかしローカルレースではマーケティングの都合つごう話題わだいせい重視じゅうしして投入とうにゅうされることもあり、参戦さんせん事例じれい複数ふくすう存在そんざいする。

積載せきさいせい高速こうそく安定あんていせい両立りょうりつができるてんわれ、F1MotoGPなどでオフィシャルカーとしてステーションワゴンが採用さいようされた実績じっせきもある。

ステーションワゴン一覧いちらん現行げんこう車種しゃしゅ

2022ねん11月現在げんざい

過去かこ販売はんばい車種しゃしゅは「Category:ステーションワゴン」を参照さんしょう

脚注きゃくちゅう

注釈ちゅうしゃく

  1. ^ ホンダ・アコードワゴンスバル・レガシィツーリングワゴンなど、最初さいしょから商用しょうようしゃとされるバンけい車種しゃしゅ設定せっていしない車種しゃしゅもある。とくに、レガシィツーリングワゴン当該とうがい製品せいひん開発かいはつするさい先代せんだいしゃであったレオーネツーリングワゴンにバンけい車種しゃしゅエステートバン)が併売へいばいというかたち設定せっていされていたため、「ワゴンにりたくてもバンのようにえるのはいや」という指摘してきからか、最初さいしょからバンけい車種しゃしゅ設定せっていしないという判断はんだんくだったという。
  2. ^ とくに、同一どういつしゃめいどういちボディの場合ばあいによくある。日産にっさん・アベニール1990ねんなつ発売はつばいから1995ねんあきマイナーチェンジまで)、三菱みつびし・リベロなどがこれにあたる。
  3. ^ ただ、クロスオーバーSUV以下いかCUV)、ミニバン、トールワゴンセミトールワゴンけいハイトワゴンけいトールワゴン)、けいセミトールワゴン広義こうぎてきなステーションワゴンととらえられ、とく2ボックスミニバンには7めい定員ていいん仕様しようだけでなく、5めい定員ていいん仕様しようもあることから、2ボックスのミニバンがステーションワゴンの代替だいたいてき存在そんざいともとらえられる。

出典しゅってん

  1. ^ セダンよりそらりょくかった!?モータースポーツに突如とつじょあらわれたレーシングワゴンたちMotorz 2021ねん9がつ29にち閲覧えつらん
  2. ^ [1]
  3. ^ What's APRC
  4. ^ 『AUTO SPORT No.1077』P50-54 三栄書房さんえいしょぼうかん

関連かんれん項目こうもく