デーヴァナーガリー

デーヴァナーガリー（サンスクリット語ご: देवनागरी, devanāgarī）は、インドの文字もじ。アブギダに属ぞくする音素おんそ文字もじで、ヒンディー語ご、マラーティー語ご、ネパール語ごなどの表記ひょうきに用もちいられるほか、古典こてん語ごのサンスクリットなどの表記ひょうきにも用もちいる。

デーヴァナーガリー
デーヴァナーガリーで書かかれたリグ・ヴェーダ（19世紀せいきはじめ）
類型るいけい:	アブギダ
言語げんご:	サンスクリット、ヒンディー語ご、マラーティー語ご、ネパール語ご等ひとしのいくつかの北きたインド言語げんご
時期じき:	1200年ねん頃ごろから現在げんざい
親おやの文字もじ体系たいけい:	ブラーフミー文字もじ ナーガリー文字もじ デーヴァナーガリー
子この文字もじ体系たいけい:	グジャラーティー文字もじ
Unicode範囲はんい:	U+0900-U+097F U+A8E0-U+A8FF
ISO 15924 コード:	Deva
注意ちゅうい: このページはUnicodeで書かかれた国際こくさい音声おんせい記号きごう (IPA) を含ふくむ場合ばあいがあります。

デーヴァナーガリーの表記ひょうき例れい。「ヒンディー」と書かかれている。

ナーガリー文字もじの銅板どうばん文書ぶんしょ（1035年ねん）

デーヴァナーガリーが描えがかれた垂たれ幕まく ヒンドゥー教きょうの聖地せいちバラナシ市街しがいの様子ようす

インド憲法けんぽう第だい343条じょうでは、デーヴァナーガリーで表記ひょうきされたヒンディー語ごを連邦れんぽう公用こうよう語ごと規定きていしている。

歴史れきし

紀元前きげんぜん3世紀せいき頃ごろから用もちいられてきたブラーフミー文字もじは地方ちほうによってさまざまな文字もじに分化ぶんかした。まず南部なんぶと北部ほくぶで分わかれ、北部ほくぶからはグプタ文字もじが生うまれた。グプタ文字もじからシッダマートリカー文字もじ（いわゆる梵字ぼんじ）が発展はってんした。ナーガリー文字もじはシッダマートリカー文字もじの文字もじの上部じょうぶの横線おうせんが伸のび、全体ぜんたいに角張かくばった形かたちに変形へんけいしたものである。

ナーガリーはナガラ（都市とし）の文字もじという意味いみである。それがのちに神聖しんせい化かされデーヴァ（神かみ）を加くわえ、デーヴァナーガリー（神聖しんせいなる都市とし文字もじ）と呼よばれるようになった。

ナーガリー文字もじの出現しゅつげん時期じきを7世紀せいきあるいは8世紀せいきとする説せつもあるが、年代ねんだいが確実かくじつにわかるものは9世紀せいき後半こうはんのものがもっとも古ふるい。11世紀せいきになると字体じたいがほぼ現在げんざいのものと同おなじになり、シッダマートリカー文字もじにとってかわった。ほかの文字もじが地方ちほうごと・言語げんごごとに異ことなっていたのに対たいし、デーヴァナーガリーはサンスクリットを書かくための地域ちいきをこえた文字もじとして発達はったつし、北部ほくぶインドだけでなく、デカン地方ちほうや南みなみインドでも使用しようされた。

インドでは多種たしゅ多様たようなブラーフミー系けい文字もじが発達はったつしたが、デーヴァナーガリーは20世紀せいきなかばまでにその使用しよう範囲はんいを広ひろげ、北きたインドの地方ちほう文字もじであるマイティリー文字もじ、カイティー文字もじ、ランダー文字もじ、モーディー文字もじ、ドーグリー文字もじ、タークリー文字もじなどはデーヴァナーガリーに置おき換かえられて衰退すいたいしていった。しかしベンガル文字もじ、オリヤー文字もじ、グルムキー文字もじ、グジャラーティー文字もじなどの地位ちいを脅おびやかすには至いたっていない。

特徴とくちょう

一目いちもくで分わかるデーヴァナーガリーの特徴とくちょうとしては、各かく文字もじがシローレーカー（śirorekhā、頭あたま線せん）と呼よばれる上部じょうぶの横線おうせん画がで繋つながっている点てんが挙あげられる（例外れいがい的てきに頭あたま線せんを含ふくまない文字もじや途切とぎれている文字もじもある）。この横よこ棒ぼうは、書がき順じゅんから言いえば、最後さいごに「仕上しあげ」として書かかれる。複数ふくすう文字もじが連つらなる単語たんご・文ぶんの場合ばあいは、先さきに横よこ棒ぼう以外いがいを（「単語たんご・分わかち書がき」単位たんいを目安めやすに）まとめて書かき、最後さいごにそれらをつなげる形かたちで、横よこ棒ぼうを引ひく。現代げんだい語ごでは、この線せんが単語たんご毎ごとに一いち繋つながりになっているが、一文いちぶんを区切くぎらずに書かくサンスクリットの伝統でんとう的てき書法しょほうでは、文ぶん全体ぜんたいが長ながく連つらなって書かかれる（ただし、母音ぼいん・アヌスヴァーラ・ヴィサルガで終おわる語かたりの次つぎに子音しいんで始はじまる語かたりが続つづくときは、そこで切きれる）。この最後さいごに書かき加くわえられるシローレーカーを省はぶくと、グジャラーティー文字もじに近ちかい字形じけいになる。

デーヴァナーガリーは、子音しいん字じが随伴ずいはん母音ぼいんaを伴ともなった音節おんせつとして読よまれるアブギダであり、子音しいん字じに母音ぼいん符号ふごうを付加ふかすることで、随伴ずいはん母音ぼいん以外いがいの母音ぼいんを伴ともなう音節おんせつを表あらわすことができる。左ひだりから右みぎへ書かかれる。

古典こてんサンスクリットを表あらわすためには、33種しゅの子音しいん字じと10種しゅの母はは音字おんじ、加くわえて9種しゅの母音ぼいん符号ふごうや鼻音びおん、無声むせい気き音おんや省略しょうりゃくなどを表あらわす幾いくつかの記号きごう、それに10種しゅの数字すうじを使用しようする。言語げんごによって使用しようする文字もじの種類しゅるいに多少たしょうの出入でいりがある。ヒンディー語ごの表記ひょうきでは、外来がいらい語ご音おんや新あらたに発達はったつした音おとを表あらわすために、ヌクターと呼よばれる点てん（़）を付加ふかした7種しゅの子音しいん字じが加くわえられている。

母音ぼいんが続つづかない単一たんいつの子音しいんを表あらわすには、ヴィラーマ（ヒンディー語ごではハラントと呼よぶ）という脱だつ母音ぼいん記号きごう（ ्）を使つかう。子音しいん連結れんけつのために複雑ふくざつな結合けつごう文字もじが作つくられるが、現代げんだいでは簡略かんりゃく化かされる傾向けいこうにある。

文字もじ

母音ぼいん

デーヴァナーガリー（及および、近親きんしんの類似るいじ文字もじ）での母音ぼいん表現ひょうげんは、子音しいんが付つかない場合ばあいに独立どくりつした「母はは音字おんじ」で書かかれる場合ばあいと、子音しいんが付つく場合ばあいに子音しいん字じに「母音ぼいん記号きごう」（半はん体からだ）を付加ふかして表現ひょうげんされる場合ばあいの2通とおりがある。

サンスクリットでは、短たん母音ぼいんは a i u の 3種類しゅるいのみであり、e o は常つねに長ながい。

ṛ などは、本来ほんらいは音節おんせつ主音しゅおん化かした接近せっきん音おんだったが、現代げんだいインド語ご派はの主要しゅよう言語げんごにはこの音おとは存在そんざいしないため、慣例かんれい的てきに母音ぼいんを加くわえてヒンディー語ごでは[ɾiː]、マラーティー語ごでは[ɾuː]などのように発音はつおんされる。

現代げんだいのマラーティー語ごでは音素おんそとしての母音ぼいんの長短ちょうたんの区別くべつはない。

文字もじ（記号きごう）		転写てんしゃ (IAST)	発音はつおん(IPA)			文字もじ（記号きごう）		転写てんしゃ (IAST)	発音はつおん(IPA)
母はは音字おんじ （子音しいんなし）	母音ぼいん記号きごう （子音しいんあり）		San	Hin		母はは音字おんじ （子音しいんなし）	母音ぼいん記号きごう （子音しいんあり）		San	Hin
अ	◌	a	/ɐ/	/ə/		आ	ा	ā	/ɑː/	/aː/
इ	ि	i	/i/	/ɪ/		ई	ी	ī	/iː/
उ	ु	u	/u/	/ʊ/		ऊ	ू	ū	/uː/
ऋ	ृ	ṛ	/ɹ̩/	/ɾiː/		ॠ	ॄ	ṝ	/ɹ̩ː/	×
ऌ	ॢ	ḷ	/l̩/	×		ॡ	ॣ	ḹ	/l̩ː/
ए	े	e	/eː/			ऐ	ै	ai	/ɑj/	/ɛː/
ओ	ो	o	/oː/			औ	ौ	au	/ɑw/	/ɔː/

（※「◌」は子音しいん字じを表あらわす。）

（※なお、子音しいん字じ「र」（r）と、母音ぼいん記号きごうの「ु」（u）や「ू」（ū）が組くみ合あわされる場合ばあい、これらの記号きごうは、視認しにん性せいを高たかめるために、「रु」「रू」のように、下したではなく右みぎに付ふされる点てんに、注意ちゅういが必要ひつよう。）

サンスクリットに存在そんざいしない区別くべつを表あらわすための以下いかの母はは音字おんじも用もちいられる。このうち、左ひだりの2つは e/o の長短ちょうたんの区別くべつのあるドラヴィダ語ごの文字もじを翻こぼし字じするために存在そんざいする。チャンドラ記号きごうと呼よばれる記号きごうのついた右みぎの2つは英語えいごからの借用しゃくよう語ごに使つかわれることがある。

文字もじ（記号きごう）		転写てんしゃ	発音はつおん (IPA)		文字もじ（記号きごう）		転写てんしゃ	発音はつおん (IPA)
母はは音字おんじ （子音しいんなし）	母音ぼいん記号きごう （子音しいんあり）				母はは音字おんじ （子音しいんなし）	母音ぼいん記号きごう （子音しいんあり）
ऎ	ॆ	ĕ	[ĕ]		ऍ	ॅ	ê	[ɛ]
ऒ	ॊ	ŏ	[ŏ]		ऑ	ॉ	ô	[ɔ]

音節おんせつ末まつ子音しいん

記号きごう	名称めいしょう	転写てんしゃ (IAST)	発音はつおん (IPA)	意味いみ
ं	アヌスヴァーラ、ビンドゥ	ṃ	-	同どう器官きかん的てき鼻音びおんの記号きごう
ँ	アヌナーシカ、チャンドラビンドゥ	ṃ	[˜]	本来ほんらいはアヌスヴァーラに同おなじ（※）。現代げんだいでは鼻はな母音ぼいんを表あらわすのに用もちいられる。
ः	ヴィサルガ	ḥ	[h]	母音ぼいんに後続こうぞくする[h]。

（※ちなみに、インド系けい宗教しゅうきょうにおける聖せい音おと「オーン」(Oṃ)を表あらわす特殊とくしゅ文字もじ「ॐ」は、「ओ」(o) と鼻はな母音ぼいんを表あらわすアヌナーシカ（ँ）が癒着ゆちゃくしたものである。）

子音しいん

	無声音むせいおん						有声音ゆうせいおん						鼻音びおん
	無む気き音おん			有ゆう気き音おん			無む気き音おん			有ゆう気き音おん
	文字もじ	IAST	IPA	文字もじ	IAST	IPA	文字もじ	IAST	IPA	文字もじ	IAST	IPA	文字もじ	IAST	IPA
軟口蓋なんこうがい音おん	क	k(a)	[k(ə)]	ख	kh(a)	[kʰ(ə)]	ग	g(a)	[ɡ(ə)]	घ	gh(a)	[ɡʱ(ə)]	ङ	ṅ(a)	[ŋ(ə)]
硬かた口蓋こうがい音おん	च	c(a)	[c(ə)]	छ	ch(a)	[cʰ(ə)]	ज	j(a)	[ɟ(ə)]	झ	jh(a)	[ɟʱ(ə)]	ञ	ñ(a)	[ɲ(ə)]
そり舌した音おん	ट	ṭ(a)	[ʈ(ə)]	ठ	ṭh(a)	[ʈʰ(ə)]	ड	ḍ(a)	[ɖ(ə)]	ढ	ḍh(a)	[ɖʱ(ə)]	ण	ṇ(a)	[ɳ(ə)]
歯音しおん	त	t(a)	[t̪(ə)]	थ	th(a)	[t̪ʰ(ə)]	द	d(a)	[d̪(ə)]	ध	dh(a)	[d̪ʱ(ə)]	न	n(a)	[n(ə)]
唇音しんおん	प	p(a)	[p(ə)]	फ	ph(a)	[pʰ(ə)]	ब	b(a)	[b(ə)]	भ	bh(a)	[bʱ(ə)]	म	m(a)	[m(ə)]
接近せっきん音おん	य	y(a)	[j(ə)]	र	r(a)	[r(ə)]	ल	l(a)	[l(ə)]	व	v(a)	[ʋ(ə)]
歯は擦こす音おと・摩擦音まさつおん	श	ś(a)	[ɕ(ə)]	ष	ṣ(a)	[ʂ(ə)]	स	s(a)	[s(ə)]	ह	h(a)	[ɦ(ə)]

IPAはサンスクリット（推定すいてい）。これらの後のちに「ळ」（ḷ(a) [ɭ(ə)]）も追加ついかされる。

ヒンディー語ごでは、音素おんそとしてड़（ṛa, /ɽ/）とढ़（ṛha, /ɽʱ/）が追加ついかされており、逆ぎゃくにङ（ṅa, /ŋ/）とञ（ña, /ɲ/）はほぼ使用しようされない。また、ペルシア語ご・アラビア語ご・英語えいごなど外来がいらい語ご表記ひょうきに、क़ (qa, /q/)、ख़ (xa, /x/)、ग़（ġa, /ɣ/）、ज़（za, /z/）、झ़（zha, /ʒ/）、फ़（fa, /f/）が追加ついかされているものの、通常つうじょうは文字もじのみの対応たいおうで、発音はつおんは点てんを打うたない字じと同様どうようのものとなる。（日本語にほんごの「バ」と「ヴァ」と同様どうよう。）

結合けつごう文字もじ（合ごう字じ）

デーヴァナーガリー文字もじの合ごう字じの例れい
द् + ध् + र् + य = द्ध्र्य
ラテン文字もじでは ddhrya

子音しいん連結れんけつは、結合けつごう文字もじ（合ごう字じ）によって表あらわされることが多おおい。

• 基本きほん的てきには、先行せんこうする子音しいん字じの右側みぎがわが削けずられ、後続こうぞくの子音しいん字じと結合けつごうした字形じけいになる。
• 右側みぎがわを削けずれるだけの幅はば・特徴とくちょうの無ない「ङ」(ng)、「ट」(ṭ)、「ठ」(ṭh)、「ड」(ḍ)、「ढ」(ḍh)、「द」(d) などが先行せんこうする場合ばあいは、文字もじを縦たてに並ならべるが、現代げんだいでは結合けつごう文字もじにならず、ヴィラーマ「्」を用もちいて表現ひょうげんされることが多おおい。
• 「र」(r) は、ほかの子音しいんに前ぜん置おけする場合ばあい・後ご置おけする場合ばあいの専用せんようの字形じけいを持もつ。
• 「क्ष」(kṣ)、「ज्ञ」(jñ) などは特別とくべつな形かたちを持もつ。

2文字もじの結合けつごうにおいて、先行せんこう子こ音字おんじを縦たて、後続こうぞく子こ音字おんじを横よこに並ならべて表ひょうにすると、以下いかの表ひょうのようになる。ただしこのほとんどは現実げんじつには用もちいられない（※特殊とくしゅな字形じけいは背景はいけいをオレンジ、ヴィラーマ「 ्」を用もちいるものは背景はいけいを灰色はいいろで表示ひょうじする）。

	क	ख	ग	घ	ङ	च	छ	ज	झ	ञ	ट	ठ	ड	ढ	ण	त	थ	द	ध	न	प	फ	ब	भ	म	य	र	ल	व	श	ष	स	ह	ळ	क्ष	ज्ञ
क	क्क	क्ख	क्ग	क्घ	क्ङ	क्च	क्छ	क्ज	क्झ	क्ञ	क्ट	क्ठ	क्ड	क्ढ	क्ण	क्त	क्थ	क्द	क्ध	क्न	क्प	क्फ	क्ब	क्भ	क्म	क्य	क्र	क्ल	क्व	क्श	क्ष	क्स	क्ह	क्ळ	क्क्ष	क्ज्ञ
ख	ख्क	ख्ख	ख्ग	ख्घ	ख्ङ	ख्च	ख्छ	ख्ज	ख्झ	ख्ञ	ख्ट	ख्ठ	ख्ड	ख्ढ	ख्ण	ख्त	ख्थ	ख्द	ख्ध	ख्न	ख्प	ख्फ	ख्ब	ख्भ	ख्म	ख्य	ख्र	ख्ल	ख्व	ख्श	ख्ष	ख्स	ख्ह	ख्ळ	ख्क्ष	ख्ज्ञ
ग	ग्क	ग्ख	ग्ग	ग्घ	ग्ङ	ग्च	ग्छ	ग्ज	ग्झ	ग्ञ	ग्ट	ग्ठ	ग्ड	ग्ढ	ग्ण	ग्त	ग्थ	ग्द	ग्ध	ग्न	ग्प	ग्फ	ग्ब	ग्भ	ग्म	ग्य	ग्र	ग्ल	ग्व	ग्श	ग्ष	ग्स	ग्ह	ग्ळ	ग्क्ष	ग्ज्ञ
घ	घ्क	घ्ख	घ्ग	घ्घ	घ्ङ	घ्च	घ्छ	घ्ज	घ्झ	घ्ञ	घ्ट	घ्ठ	घ्ड	घ्ढ	घ्ण	घ्त	घ्थ	घ्द	घ्ध	घ्न	घ्प	घ्फ	घ्ब	घ्भ	घ्म	घ्य	घ्र	घ्ल	घ्व	घ्श	घ्ष	घ्स	घ्ह	घ्ळ	घ्क्ष	घ्ज्ञ
ङ	ङ्क	ङ्ख	ङ्ग	ङ्घ	ङ्ङ	ङ्च	ङ्छ	ङ्ज	ङ्झ	ङ्ञ	ङ्ट	ङ्ठ	ङ्ड	ङ्ढ	ङ्ण	ङ्त	ङ्थ	ङ्द	ङ्ध	ङ्न	ङ्प	ङ्फ	ङ्ब	ङ्भ	ङ्म	ङ्य	ङ्र	ङ्ल	ङ्व	ङ्श	ङ्ष	ङ्स	ङ्ह	ङ्ळ	ङ्क्ष	ङ्ज्ञ
च	च्क	च्ख	च्ग	च्घ	च्ङ	च्च	च्छ	च्ज	च्झ	च्ञ	च्ट	च्ठ	च्ड	च्ढ	च्ण	च्त	च्थ	च्द	च्ध	च्न	च्प	च्फ	च्ब	च्भ	च्म	च्य	च्र	च्ल	च्व	च्श	च्ष	च्स	च्ह	च्ळ	च्क्ष	च्ज्ञ
छ	छ्क	छ्ख	छ्ग	छ्घ	छ्ङ	छ्च	छ्छ	छ्ज	छ्झ	छ्ञ	छ्ट	छ्ठ	छ्ड	छ्ढ	छ्ण	छ्त	छ्थ	छ्द	छ्ध	छ्न	छ्प	छ्फ	छ्ब	छ्भ	छ्म	छ्य	छ्र	छ्ल	छ्व	छ्श	छ्ष	छ्स	छ्ह	छ्ळ	छ्क्ष	छ्ज्ञ
ज	ज्क	ज्ख	ज्ग	ज्घ	ज्ङ	ज्च	ज्छ	ज्ज	ज्झ	ज्ञ	ज्ट	ज्ठ	ज्ड	ज्ढ	ज्ण	ज्त	ज्थ	ज्द	ज्ध	ज्न	ज्प	ज्फ	ज्ब	ज्भ	ज्म	ज्य	ज्र	ज्ल	ज्व	ज्श	ज्ष	ज्स	ज्ह	ज्ळ	ज्क्ष	ज्ज्ञ
झ	झ्क	झ्ख	झ्ग	झ्घ	झ्ङ	झ्च	झ्छ	झ्ज	झ्झ	झ्ञ	झ्ट	झ्ठ	झ्ड	झ्ढ	झ्ण	झ्त	झ्थ	झ्द	झ्ध	झ्न	झ्प	झ्फ	झ्ब	झ्भ	झ्म	झ्य	झ्र	झ्ल	झ्व	झ्श	झ्ष	झ्स	झ्ह	झ्ळ	झ्क्ष	झ्ज्ञ
ञ	ञ्क	ञ्ख	ञ्ग	ञ्घ	ञ्ङ	ञ्च	ञ्छ	ञ्ज	ञ्झ	ञ्ञ	ञ्ट	ञ्ठ	ञ्ड	ञ्ढ	ञ्ण	ञ्त	ञ्थ	ञ्द	ञ्ध	ञ्न	ञ्प	ञ्फ	ञ्ब	ञ्भ	ञ्म	ञ्य	ञ्र	ञ्ल	ञ्व	ञ्श	ञ्ष	ञ्स	ञ्ह	ञ्ळ	ञ्क्ष	ञ्ज्ञ
ट	ट्क	ट्ख	ट्ग	ट्घ	ट्ङ	ट्च	ट्छ	ट्ज	ट्झ	ट्ञ	ट्ट	ट्ठ	ट्ड	ट्ढ	ट्ण	ट्त	ट्थ	ट्द	ट्ध	ट्न	ट्प	ट्फ	ट्ब	ट्भ	ट्म	ट्य	ट्र	ट्ल	ट्व	ट्श	ट्ष	ट्स	ट्ह	ट्ळ	ट्क्ष	ट्ज्ञ
ठ	ठ्क	ठ्ख	ठ्ग	ठ्घ	ठ्ङ	ठ्च	ठ्छ	ठ्ज	ठ्झ	ठ्ञ	ठ्ट	ठ्ठ	ठ्ड	ठ्ढ	ठ्ण	ठ्त	ठ्थ	ठ्द	ठ्ध	ठ्न	ठ्प	ठ्फ	ठ्ब	ठ्भ	ठ्म	ठ्य	ठ्र	ठ्ल	ठ्व	ठ्श	ठ्ष	ठ्स	ठ्ह	ठ्ळ	ठ्क्ष	ठ्ज्ञ
ड	ड्क	ड्ख	ड्ग	ड्घ	ड्ङ	ड्च	ड्छ	ड्ज	ड्झ	ड्ञ	ड्ट	ड्ठ	ड्ड	ड्ढ	ड्ण	ड्त	ड्थ	ड्द	ड्ध	ड्न	ड्प	ड्फ	ड्ब	ड्भ	ड्म	ड्य	ड्र	ड्ल	ड्व	ड्श	ड्ष	ड्स	ड्ह	ड्ळ	ड्क्ष	ड्ज्ञ
ढ	ढ्क	ढ्ख	ढ्ग	ढ्घ	ढ्ङ	ढ्च	ढ्छ	ढ्ज	ढ्झ	ढ्ञ	ढ्ट	ढ्ठ	ढ्ड	ढ्ढ	ढ्ण	ढ्त	ढ्थ	ढ्द	ढ्ध	ढ्न	ढ्प	ढ्फ	ढ्ब	ढ्भ	ढ्म	ढ्य	ढ्र	ढ्ल	ढ्व	ढ्श	ढ्ष	ढ्स	ढ्ह	ढ्ळ	ढ्क्ष	ढ्ज्ञ
ण	ण्क	ण्ख	ण्ग	ण्घ	ण्ङ	ण्च	ण्छ	ण्ज	ण्झ	ण्ञ	ण्ट	ण्ठ	ण्ड	ण्ढ	ण्ण	ण्त	ण्थ	ण्द	ण्ध	ण्न	ण्प	ण्फ	ण्ब	ण्भ	ण्म	ण्य	ण्र	ण्ल	ण्व	ण्श	ण्ष	ण्स	ण्ह	ण्ळ	ण्क्ष	ण्ज्ञ
त	त्क	त्ख	त्ग	त्घ	त्ङ	त्च	त्छ	त्ज	त्झ	त्ञ	त्ट	त्ठ	त्ड	त्ढ	त्ण	त्त	त्थ	त्द	त्ध	त्न	त्प	त्फ	त्ब	त्भ	त्म	त्य	त्र	त्ल	त्व	त्श	त्ष	त्स	त्ह	त्ळ	त्क्ष	त्ज्ञ
थ	थ्क	थ्ख	थ्ग	थ्घ	थ्ङ	थ्च	थ्छ	थ्ज	थ्झ	थ्ञ	थ्ट	थ्ठ	थ्ड	थ्ढ	थ्ण	थ्त	थ्थ	थ्द	थ्ध	थ्न	थ्प	थ्फ	थ्ब	थ्भ	थ्म	थ्य	थ्र	थ्ल	थ्व	थ्श	थ्ष	थ्स	थ्ह	थ्ळ	थ्क्ष	थ्ज्ञ
द	द्क	द्ख	द्ग	द्घ	द्ङ	द्च	द्छ	द्ज	द्झ	द्ञ	द्ट	द्ठ	द्ड	द्ढ	द्ण	द्त	द्थ	द्द	द्ध	द्न	द्प	द्फ	द्ब	द्भ	द्म	द्य	द्र	द्ल	द्व	द्श	द्ष	द्स	द्ह	द्ळ	द्क्ष	द्ज्ञ
ध	ध्क	ध्ख	ध्ग	ध्घ	ध्ङ	ध्च	ध्छ	ध्ज	ध्झ	ध्ञ	ध्ट	ध्ठ	ध्ड	ध्ढ	ध्ण	ध्त	ध्थ	ध्द	ध्ध	ध्न	ध्प	ध्फ	ध्ब	ध्भ	ध्म	ध्य	ध्र	ध्ल	ध्व	ध्श	ध्ष	ध्स	ध्ह	ध्ळ	ध्क्ष	ध्ज्ञ
न	न्क	न्ख	न्ग	न्घ	न्ङ	न्च	न्छ	न्ज	न्झ	न्ञ	न्ट	न्ठ	न्ड	न्ढ	न्ण	न्त	न्थ	न्द	न्ध	न्न	न्प	न्फ	न्ब	न्भ	न्म	न्य	न्र	न्ल	न्व	न्श	न्ष	न्स	न्ह	न्ळ	न्क्ष	न्ज्ञ
प	प्क	प्ख	प्ग	प्घ	प्ङ	प्च	प्छ	प्ज	प्झ	प्ञ	प्ट	प्ठ	प्ड	प्ढ	प्ण	प्त	प्थ	प्द	प्ध	प्न	प्प	प्फ	प्ब	प्भ	प्म	प्य	प्र	प्ल	प्व	प्श	प्ष	प्स	प्ह	प्ळ	प्क्ष	प्ज्ञ
फ	फ्क	फ्ख	फ्ग	फ्घ	फ्ङ	फ्च	फ्छ	फ्ज	फ्झ	फ्ञ	फ्ट	फ्ठ	फ्ड	फ्ढ	फ्ण	फ्त	फ्थ	फ्द	फ्ध	फ्न	फ्प	फ्फ	फ्ब	फ्भ	फ्म	फ्य	फ्र	फ्ल	फ्व	फ्श	फ्ष	फ्स	फ्ह	फ्ळ	फ्क्ष	फ्ज्ञ
ब	ब्क	ब्ख	ब्ग	ब्घ	ब्ङ	ब्च	ब्छ	ब्ज	ब्झ	ब्ञ	ब्ट	ब्ठ	ब्ड	ब्ढ	ब्ण	ब्त	ब्थ	ब्द	ब्ध	ब्न	ब्प	ब्फ	ब्ब	ब्भ	ब्म	ब्य	ब्र	ब्ल	ब्व	ब्श	ब्ष	ब्स	ब्ह	ब्ळ	ब्क्ष	ब्ज्ञ
भ	भ्क	भ्ख	भ्ग	भ्घ	भ्ङ	भ्च	भ्छ	भ्ज	भ्झ	भ्ञ	भ्ट	भ्ठ	भ्ड	भ्ढ	भ्ण	भ्त	भ्थ	भ्द	भ्ध	भ्न	भ्प	भ्फ	भ्ब	भ्भ	भ्म	भ्य	भ्र	भ्ल	भ्व	भ्श	भ्ष	भ्स	भ्ह	भ्ळ	भ्क्ष	भ्ज्ञ
म	म्क	म्ख	म्ग	म्घ	म्ङ	म्च	म्छ	म्ज	म्झ	म्ञ	म्ट	म्ठ	म्ड	म्ढ	म्ण	म्त	म्थ	म्द	म्ध	म्न	म्प	म्फ	म्ब	म्भ	म्म	म्य	म्र	म्ल	म्व	म्श	म्ष	म्स	म्ह	म्ळ	म्क्ष	म्ज्ञ
य	य्क	य्ख	य्ग	य्घ	य्ङ	य्च	य्छ	य्ज	य्झ	य्ञ	य्ट	य्ठ	य्ड	य्ढ	य्ण	य्त	य्थ	य्द	य्ध	य्न	य्प	य्फ	य्ब	य्भ	य्म	य्य	य्र	य्ल	य्व	य्श	य्ष	य्स	य्ह	य्ळ	य्क्ष	य्ज्ञ
र	र्क	र्ख	र्ग	र्घ	र्ङ	र्च	र्छ	र्ज	र्झ	र्ञ	र्ट	र्ठ	र्ड	र्ढ	र्ण	र्त	र्थ	र्द	र्ध	र्न	र्प	र्फ	र्ब	र्भ	र्म	र्य	र्र	र्ल	र्व	र्श	र्ष	र्स	र्ह	र्ळ	र्क्ष	र्ज्ञ
ल	ल्क	ल्ख	ल्ग	ल्घ	ल्ङ	ल्च	ल्छ	ल्ज	ल्झ	ल्ञ	ल्ट	ल्ठ	ल्ड	ल्ढ	ल्ण	ल्त	ल्थ	ल्द	ल्ध	ल्न	ल्प	ल्फ	ल्ब	ल्भ	ल्म	ल्य	ल्र	ल्ल	ल्व	ल्श	ल्ष	ल्स	ल्ह	ल्ळ	ल्क्ष	ल्ज्ञ
व	व्क	व्ख	व्ग	व्घ	व्ङ	व्च	व्छ	व्ज	व्झ	व्ञ	व्ट	व्ठ	व्ड	व्ढ	व्ण	व्त	व्थ	व्द	व्ध	व्न	व्प	व्फ	व्ब	व्भ	व्म	व्य	व्र	व्ल	व्व	व्श	व्ष	व्स	व्ह	व्ळ	व्क्ष	व्ज्ञ
श	श्क	श्ख	श्ग	श्घ	श्ङ	श्च	श्छ	श्ज	श्झ	श्ञ	श्ट	श्ठ	श्ड	श्ढ	श्ण	श्त	श्थ	श्द	श्ध	श्न	श्प	श्फ	श्ब	श्भ	श्म	श्य	श्र	श्ल	श्व	श्श	श्ष	श्स	श्ह	श्ळ	श्क्ष	श्ज्ञ
ष	ष्क	ष्ख	ष्ग	ष्घ	ष्ङ	ष्च	ष्छ	ष्ज	ष्झ	ष्ञ	ष्ट	ष्ठ	ष्ड	ष्ढ	ष्ण	ष्त	ष्थ	ष्द	ष्ध	ष्न	ष्प	ष्फ	ष्ब	ष्भ	ष्म	ष्य	ष्र	ष्ल	ष्व	ष्श	ष्ष	ष्स	ष्ह	ष्ळ	ष्क्ष	ष्ज्ञ
स	स्क	स्ख	स्ग	स्घ	स्ङ	स्च	स्छ	स्ज	स्झ	स्ञ	स्ट	स्ठ	स्ड	स्ढ	स्ण	स्त	स्थ	स्द	स्ध	स्न	स्प	स्फ	स्ब	स्भ	स्म	स्य	स्र	स्ल	स्व	स्श	स्ष	स्स	स्ह	स्ळ	स्क्ष	स्ज्ञ
ह	ह्क	ह्ख	ह्ग	ह्घ	ह्ङ	ह्च	ह्छ	ह्ज	ह्झ	ह्ञ	ह्ट	ह्ठ	ह्ड	ह्ढ	ह्ण	ह्त	ह्थ	ह्द	ह्ध	ह्न	ह्प	ह्फ	ह्ब	ह्भ	ह्म	ह्य	ह्र	ह्ल	ह्व	ह्श	ह्ष	ह्स	ह्ह	ह्ळ	ह्क्ष	ह्ज्ञ
ळ	ळ्क	ळ्ख	ळ्ग	ळ्घ	ळ्ङ	ळ्च	ळ्छ	ळ्ज	ळ्झ	ळ्ञ	ळ्ट	ळ्ठ	ळ्ड	ळ्ढ	ळ्ण	ळ्त	ळ्थ	ळ्द	ळ्ध	ळ्न	ळ्प	ळ्फ	ळ्ब	ळ्भ	ळ्म	ळ्य	ळ्र	ळ्ल	ळ्व	ळ्श	ळ्ष	ळ्स	ळ्ह	ळ्ळ	ळ्क्ष	ळ्ज्ञ

使用しよう例れい:

• क्षत्रिय (kṣatriya) - ヒンディー語ご:〈クシャトリヤ〉
• शूद्र (śūdra) - ヒンディー語ご〈シュードラ〉
• इन्द्र (indra) - ヒンディー語ご:〈インドラ〉
• वर्णः (varṇah̥) - サンスクリット:〈色いろ、種類しゅるい、ヴァルナ〉〔単数たんすう・主格しゅかく形がた〕
• कर्म (karma) - サンスクリット:〈行為こうい、カルマ〉〔単数たんすう・主格しゅかく形がた〕; ヒンディー語ご:〈行為こうい、カルマ〉
• पार्वती (pārvatī) - サンスクリット:〈パールヴァティー〉
• राष्ट्र (rāṣṭra) - ヒンディー語ご:〈国くに〉

記号きごう類るい

記号きごう	名称めいしょう	意味いみ
्	ヴィラーマ	脱だつ母音ぼいん記号きごう、母音ぼいん除去じょきょ記号きごう。母音ぼいんの脱落だつらく・除去じょきょを意味いみし、子音しいんのみを表記ひょうき・表現ひょうげんする際さいに用もちいられる。
ऽ	アヴァグラハ	サンスクリットでは連れん音おん（サンディ）によって語頭ごとうの母音ぼいん a が消きえたことを意味いみする。現代げんだいでは母音ぼいんを引ひき伸のばして発音はつおんすることを表あらわす（日本語にほんごの長音符ちょうおんぷに類似るいじ）。
◌॔	ウダーッタ	ヴェーダ語ごのためのアクセント記号きごう。 （参照さんしょう：en:Vedic accent）
◌॒	アヌダーッタ
◌॓ ◌॑	スヴァリタ
़	ヌクター	サンスクリットにない子音しいんを表現ひょうげんするのに使用しようする。ヒンディー語ごでは以下いかの文字もじを使用しようする。 क़ q(a) [q(ə)]、ख़ ḫ(a) [x(ə)]、ग़ ġ(a) [ɣ(ə)]、ज़ z(a) [z(ə)]、फ़ f(a) [f(ə)] ड़ ṛ(a) [ɽ(ə)]、ढ़ ṛh(a) [ɽʱ(ə)]
। ॥	ダンダ 二に重じゅうダンダ	韻文いんぶんでは、「।」が半はん詩し節ぶしの終おわり（パダ）、「॥」がスタンザの終おわりを表あらわす。 散文さんぶんでは、「।」が文ぶんの終おわり（句点くてん）、「॥」が段落だんらくの終おわりを表あらわす。
॰	省略しょうりゃく記号きごう	語かたりが短縮たんしゅくされたことを表あらわす。

数字すうじ

1	2	3	4	5	6	7	8	9	0
१	२	३	४	५	६	७	८	९	०

「b:ヒンディー語ご/単語たんご・熟語じゅくご/数かず」も参照さんしょう

アラビア語ご、ペルシア語ご、ウルドゥー語ごで用もちいられるインド数字すうじとは字形じけいが異ことなる。

デーヴァナーガリーと言語げんご

デーヴァナーガリーは、サンスクリットを表記ひょうきするためにはおおむね表音ひょうおん的てきと言いえるが、それ以外いがいの言語げんごを表あらわす場合ばあいには、かならずしも音おととつづりが一致いっちしない。

ヒンディー語ごをはじめとして、現代げんだいインドの多おおくの言語げんごでは、第だい一いち音節おんせつを除のぞく開ひらき音節おんせつで母音ぼいんaが省略しょうりゃくされる。したがって、देवनागरी は「デーヴァナーガリー」ではなく「デーヴナーグリー」のように呼よぶ。これにともなって、語末ごまつのヴィラーマはあってもなくても同音どうおんになり、また子音しいん連結れんけつは結合けつごう文字もじを使つかわなくても書かけることが多おおくなった。

ヒンディー語ごを含ふくむ多おおくの言語げんごでは श (ś) と ष (ṣ) を区別くべつしない。さらに स (s) も区別くべつしないことがある。

ヒンディー語ごでは ai au は長ちょう母音ぼいん [æː ɔː] を表あらわす。

ヒンディー語ごでは ह ha は [hɛ]、語かたり中ちゅうの हु hu は [ho] のように発音はつおんされる。また Cah の a も [ɛ] になる。語末ごまつの ह はほとんど発音はつおんされない。したがって「これ」を意味いみする यह は「イェ」のように発音はつおんする。

マラータ語ごやネパール語ごでは母音ぼいん i u の長短ちょうたんを区別くべつしないため、どちらの字じを用もちいるかは正書法せいしょほう的てきな約束やくそくごとになる。

ज्ञ (jña)の発音はつおんは言語げんごによって大おおきく異ことなる。ヒンディー語ごでは [ɡj]、マラータ語ごでは [ɟɲ] になる。

ほかに、デーヴァナーガリーには以下いかのような文字もじが用意よういされている。

• シンド語ごの入にゅう破やぶ音おとを表あらわすための、下線かせんのついた ॻ ॼ ॾ ॿ
• カシミール語ごの中ちゅう舌した母音ぼいんを表あらわすための ॳ ॴ ॵ ॶ ॷ　（これらの文字もじは Unicode 6.0 (2010) で追加ついかされた。）
• ドラヴィダ語ごの音おとを表あらわすための ऩ ऱ ऴ

コンピュータ

キーボード

Windowsの「デバナガリ - INSCRIPT」キーボードの配列はいれつは、以下いかの通とおり。

• 左側ひだりがわ中段ちゅうだんに「o、e、a、i、u」の順じゅんで母音ぼいんが、更さらにその上うえの左側ひだりがわ上段じょうだんにそれと対たいになる長ちょう母音ぼいんなどが集中しゅうちゅう的てきに配置はいちされている。
• 右側みぎがわ中段ちゅうだんは「p、(r)、k、t、c、ṭ」が、更さらにその上うえの右側みぎがわ上段じょうだんにはそれと対たいになる有声音ゆうせいおん「b、(h)、g、d、j、ḍ」が集中しゅうちゅう的てきに配置はいちされている。
• 下段げだんは「m、n、v、l、s、y」など。

この配列はいれつは、InScript（インスクリプト、Indian Script の略りゃく）として、インド政府せいふによって標準ひょうじゅん化かされた配列はいれつであり、他たのインド系けい文字もじのキーボードでも採用さいようされている。

赤字あかじは右みぎAltを使つかって入力にゅうりょく。結合けつごう文字もじ（のほとんど）は、水色みずいろで示しめしたヴィラーマ「्」を使つかって入力にゅうりょく。

機械きかい式しきタイプライタ。配列はいれつは上うえと異ことなり、シフトで結合けつごう文字もじが入力にゅうりょくできる

Unicode

Unicodeでは以下いかの文字もじが下記かきの領域りょういきに収録しゅうろくされている。

	0	1	2	3	4	5	6	7	8	9	A	B	C	D	E	F
U+090x	ऀ	ँ	ं	ः	ऄ	अ	आ	इ	ई	उ	ऊ	ऋ	ऌ	ऍ	ऎ	ए
U+091x	ऐ	ऑ	ऒ	ओ	औ	क	ख	ग	घ	ङ	च	छ	ज	झ	ञ	ट
U+092x	ठ	ड	ढ	ण	त	थ	द	ध	न	ऩ	प	फ	ब	भ	म	य
U+093x	र	ऱ	ल	ळ	ऴ	व	श	ष	स	ह	ऺ	ऻ	़	ऽ	ा	ि
U+094x	ी	ु	ू	ृ	ॄ	ॅ	ॆ	े	ै	ॉ	ॊ	ो	ौ	्	ॎ	ॏ
U+095x	ॐ	॑	॒	॓	॔	ॕ	ॖ	ॗ	क़	ख़	ग़	ज़	ड़	ढ़	फ़	य़
U+096x	ॠ	ॡ	ॢ	ॣ	।	॥	०	१	२	३	४	५	६	७	८	९
U+097x	॰	ॱ	ॲ	ॳ	ॴ	ॵ	ॶ	ॷ		ॹ	ॺ	ॻ	ॼ	ॽ	ॾ	ॿ
U+A8Ex	꣠	꣡	꣢	꣣	꣤	꣥	꣦	꣧	꣨	꣩	꣪	꣫	꣬	꣭	꣮	꣯
U+A8Fx	꣰	꣱	ꣲ	ꣳ	ꣴ	ꣵ	ꣶ	ꣷ	꣸	꣹	꣺	ꣻ

参考さんこう文献ぶんけん

• 田中たなか敏雄としお 著ちょ「インド系けい文字もじの発展はってん」、西田にしだ龍雄たつお 編へん『世界せかいの文字もじ』大修館書店たいしゅうかんしょてん、1981年ねん。ISBN 4469110558。 
• 町田まちだ和彦かずひこ『書かいて覚おぼえるヒンディー語ごの文字もじ』白水しろみず社しゃ、1999年ねん。ISBN 4560005419。 
• Bright, William (1996). “The Devanagari Script”. In Peter T. Daniels; William Bright. The World's Writing Systems. Oxford University Press. pp. 384-390. ISBN 0195079930 
• Masica, Colin P (1993) [1991]. The Indo-Aryan languages (paperback ed.). Cambridge University Press. ISBN 0521299446 
• Salomon, Richard (1998). Indian Epigraphy. Oxford University Press. ISBN 0195099842 

関連かんれん項目こうもく

• サンスクリット
• ヒンディー語ご
• ネパール語ご
• ブラーフミー文字もじ
• ベンガル文字もじ

外部がいぶリンク

• デーヴァナーガリーの読よみ方かた
• Chandas - デーヴァナーガリー文字もじ拡張かくちょうを含ふくんだフォント「Siddhanta」