同化どうか政策せいさく

同化どうか政策せいさく（どうかせいさく、英語えいご: assimilation policy）とは、力ちからを持もつ民族みんぞくが、弱よわい民族みんぞく（もしくは集団しゅうだん）に対たいして自みずからの文化ぶんか伝統でんとうを受うけ入いれるよう文化ぶんか的てき同化どうか（英語えいご版ばん）を強しいる政策せいさくを言いう。歴史れきし的てきには古ふるくからあるが、とりわけ国民こくみん国家こっか形成けいせい期き以降いこうの同化どうか政策せいさくが典型てんけい的てきなものである。

概要がいよう

政治せいじ的てき同化どうか政策せいさく

理念りねんとしての同化どうか政策せいさくには、弱よわい民族みんぞくの文化ぶんか的てき特徴とくちょうを否定ひていするエスノセントリズムの側面そくめんと、国民こくみん国家こっか形成けいせいにあたって少数しょうすう派は民族みんぞくに主流しゅりゅう派は民族みんぞくと平等びょうどうな権利けんりを与あたえるための条件じょうけんとして設定せっていされた側面そくめんとがある。しかし現実げんじつに実行じっこうされた政策せいさくは、どこでも同化どうか政策せいさくと差別さべつ政策せいさく（ないし社会しゃかいに存在そんざいする差別さべつを放置ほうち、容認ようにんする政策せいさく）とが混在こんざいしており、弱よわい民族みんぞくが政策せいさくに呼応こおうして同化どうかし、文化ぶんかを捨すてようとも完全かんぜんに平等びょうどうな待遇たいぐうを受うけることはできないように設定せっていされていた。

とりわけ植民しょくみん地ちにおける同化どうか政策せいさくでは、宗主そうしゅ国こくの国民こくみんとの間あいだには何なんらかの障壁しょうへきが設もうけられ、完全かんぜんに平等びょうどうな権利けんりは認みとめられなかった。

一方いっぽうで少すくなくとも制度せいど上じょうは差別さべつ政策せいさくを持もたない同化どうか政策せいさくもあり、逆ぎゃくに社会しゃかい的てき差別さべつから保護ほごを目的もくてきとしたものもあった。

文化ぶんか的てき側面そくめんおよび影響えいきょう

同化どうか政策せいさくの結果けっか、先住民せんじゅうみん族ぞく・少数しょうすう民族みんぞくの文化ぶんかは圧迫あっぱくされ、中なかには消滅しょうめつするものもあった。近年きんねんでは、文化ぶんか面めんでの同化どうか政策せいさくは否定ひていされ、先住民せんじゅうみん族ぞくの文化ぶんか保護ほごが国際こくさい的てきな課題かだいの一ひとつになっており、危機きき言語げんご保護ほご運動うんどうなどが盛さかんになっている。

混同こんどうおよび課題かだい

人権じんけん主義しゅぎが啓蒙けいもうされている昨今さっこん、同化どうかされた先住民せんじゅうみん族ぞく・少数しょうすう民族みんぞくの文化ぶんか面めんでの同化どうか政策せいさくの齎もたらした弊害へいがいの解消かいしょうならびに復古ふっこ運動うんどうとして、先住民せんじゅうみん族ぞくの文化ぶんか保護ほごが国際こくさい的てきな課題かだいとして啓蒙けいもうされているが、それを政治せいじ的てき側面そくめんに利用りようしようとする動うごきもあり^[1]。これに対たいする反発はんぱつがみられる^[2]。